さつまいもで便秘を解消できる?悪化を防ぐ食べ方と簡単レシピを紹介
- 公開日
- 2025年06月06日
- 更新日

「さつまいもって便秘にいいの?」「食べると悪化することもあるって本当?」
さつまいもと便秘の関係について調べると、「さつまいもが便秘を解消する」といった意見もあれば、「逆に便秘が悪化する」といった意見もあり、どちらが正しいのか迷ってしまう方も多いでしょう。
さつまいもは食物繊維が豊富で便秘の解消に役立つ食品として知られていますが、食べ方を間違えると逆効果になることもあります。
この記事では、さつまいもが便秘に効果的な理由や、逆にさつまいもが原因で便秘が悪化する理由について詳しく解説します。あわせて、便秘になりにくいさつまいもの食べ方や、さつまいもを使ったレシピなども紹介します。
便秘を解消するためのさつまいもの正しい食べ方を知り、毎日すっきりとしたお通じを目指しましょう。
基本的にさつまいもは便秘の解消に役立つ!

さつまいもは、便秘の解消に役立つ食品として知られています。これは、さつまいもに含まれる豊富な「食物繊維」と「ヤラピン」という成分によるものです。
さつまいもに含まれる食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があり、どちらも便秘の解消に役立つ働きを持っています。
- 水溶性食物繊維
- 腸内で水分を吸収してゲル状になり、便に水分を含ませてやわらかくすることで、排便をスムーズにする働きがあります。また、糖の吸収をゆるやかにするほか、善玉菌のエサとなって腸内環境を整えるなど、便秘の根本的な改善にもつながります。
- 不溶性食物繊維
- 腸内で水分を吸収してふくらみ、便のかさを増やします。さらに腸の壁を刺激し、腸内の便を押し進める「ぜん動運動」を促す作用もあります。ぜん動運動が活発になることで、便がスムーズに移動しやすくなり、自然なお通じを促します。
加えて注目すべき成分が、さつまいもに含まれる「ヤラピン」です。ヤラピンは、さつまいもの切り口からにじむ白い液体の樹脂成分で、腸のぜん動運動を助けるほか、便をやわらかくして排出しやすくする作用もあります。
このように、食物繊維とヤラピンの相乗効果によって、さつまいもは便秘解消に非常に効果的な食品といえます。
逆効果?食べ過ぎると便秘が悪化することも

さつまいもは便秘解消に役立つ食品ですが、実は食べすぎると逆効果になり、かえって便秘が悪化することがあるため注意が必要です。
さつまいもに多く含まれる不溶性食物繊維は、便のかさを増やして腸の運動を促す働きがあります。ただし、これを過剰に摂ると、便が大きくなりすぎて腸内をスムーズに移動できなくなることがあります。
さらに、長く大腸にとどまった便は腸の壁から水分を吸収して硬くなり、排出が難しくなる場合があります。さつまいもを食べて便秘が悪化してしまうのは、こうした理由によるものです。
便秘対策としてさつまいもを取り入れるときは、適量を意識しつつ、食物繊維だけに偏らず、他の栄養素もバランスよく摂ることが大切です。
便秘にならないさつまいもの食べ方

便秘解消に効果的なさつまいもですが、食べ方を間違えると逆に便秘が悪化することもあります。便秘にならないさつまいもの食べ方として、以下の3つを意識しましょう。
それぞれの食べ方について、順番に説明します。
1.適量を心がける
さつまいもを便秘対策として取り入れる際に大切なのは、適量を守ることです。
さつまいもは食物繊維が豊富で腸の働きを助けますが、摂りすぎると便の量が増えすぎてしまい、かえって排便が難しくなることがあります。そのため、1日あたり100~200g(中サイズのさつまいもで約1/2本~1本)くらいにとどめておくのがよいでしょう。
この範囲内であれば、毎日食べても問題ありません。適量を継続して取り入れることで腸内環境が整い、自然なお通じを促す効果が期待できます。
「便秘を治したいから」とたくさん食べるのではなく、あくまで適量を守ることが、便秘を解消するためのポイントです。
2.細かく刻み、よく噛んで食べる
便秘を悪化させないためには、さつまいもを細かく刻み、よく噛んで食べることが大切です。
さつまいもは食物繊維が豊富で、腸の働きを助けます。ただし、消化にはやや時間がかかります。特に、水に溶けにくい不溶性食物繊維が多く含まれているため、よく噛まずに大きなまま飲み込むと、腸内でうまく処理されず、便のかさが増えすぎて詰まりやすくなるおそれがあります。
そのため、さつまいもを食べる際には、よく噛むことが大切です。よく噛むことで唾液の分泌が促され、唾液に含まれるアミラーゼという消化酵素が働きやすくなります。
また、調理する際にはできるだけ細かく刻むとよいでしょう。さつまいもを細かく刻むと、表面積が増え、消化酵素がまんべんなく作用しやすくなります。
こうした工夫をすることで、さつまいもの消化がスムーズになり、便秘を防いで自然なお通じにつながります。
3.加熱して温かいうちに食べる
便秘を解消するためにさつまいもを取り入れる場合は、蒸す・焼くなどの方法で加熱し、温かいうちに食べることを心がけましょう。
一度温めたさつまいもを冷やすと「レジスタントスターチ」と呼ばれる、消化されにくいでんぷんが増加します。
このレジスタントスターチは、小腸では分解されず、大腸まで届いてしまうため、胃腸の働きが弱い人や便秘がちな人にとっては、負担になりやすい成分です。
特に冷蔵庫などでしっかり冷やした場合はレジスタントスターチの量が増え、消化が進みにくくなってお腹の張りや便通の滞りを引き起こすことがあります。
このため、便秘の改善を目的とする場合には、さつまいもは冷やさず、温かい状態で食べるのが望ましいとされています。
なお、レジスタントスターチには血糖値の急上昇を抑えたり、余分なカロリーの吸収を抑えるといった作用もあるため、体重管理や血糖コントロールを目的とする場合には冷やして食べる方法も有効です。目的に応じて、さつまいもの食べ方を工夫しましょう。
便秘解消におすすめ!さつまいもレシピ3選
ここからは、さつまいもを使った便秘解消におすすめのレシピを3つ紹介します。
どれも簡単に作れるレシピばかりなので、ぜひ実際に作ってみてください。
さつまいもとりんごの煮物

鍋ひとつで手軽に作れる、さつまいもとりんごの煮物のレシピを紹介します。
食物繊維が豊富なさつまいもとりんごの組み合わせが便秘解消に効果的です。程よい甘さで飽きにくく、便秘対策を無理なく継続したい方にもぴったりの一品です。
調理にかかる時間
約15分
材料(1人分)
- さつまいも:100g(中1/2本程度)
- りんご:1/4個
- 水:100ml
- はちみつ:小さじ1(お好みで)
作り方
- さつまいもとりんごは皮ごと1cm角にカットします。
- 鍋に材料と水を入れ、弱火で10分ほど煮ます。
- 水分が少なくなったら火を止め、温かいうちに食べましょう。
- りんごのペクチン(水溶性食物繊維)とさつまいもの不溶性食物繊維が腸内で相乗効果を発揮し、便通をサポートする。
- 皮ごと使うことで食物繊維と抗酸化成分を効率よく摂取できる。
- 加熱することで素材がやわらかくなり、消化吸収しやすく胃腸への負担が少ない。
さつまいものオリーブオイル焼き

おやつや副菜にもぴったりな、さつまいものオリーブオイル焼きのレシピを紹介します。
オリーブオイルは腸を潤し、排便をスムーズにする効果があるため、さつまいもとの組み合わせは非常に相性が良いといえます。
調理にかかる時間
約20分
材料(1人分)
- さつまいも:100g(中1/2本程度)
- オリーブオイル:大さじ1
- 塩:少々
- 乾燥ローズマリー(またはお好みのハーブ):少々
作り方
- さつまいもは皮ごとよく洗い、1cm幅の輪切りまたはくし形に切ります。
- 水にさらしてアクを抜いた後、水気をしっかり拭き取ります。
- フライパンにオリーブオイルをひき、中火でさつまいもを両面こんがり焼きます。
- 火が通ったら塩とローズマリーをふり、全体になじませて完成です。
- 皮ごと使うことで不溶性食物繊維をしっかり摂取。
- オリーブオイルに含まれるオレイン酸が腸をやさしく刺激し、便の滑りを良くする。
- 焼くことで香ばしさが増し、自然な甘みで満足感もアップ。
さつまいもとヨーグルトのはちみつ和えサラダ

便秘解消におすすめの、さつまいもとヨーグルトのはちみつ和えサラダのレシピを紹介します。
さつまいもの食物繊維と、ヨーグルトに含まれる乳酸菌を組み合わせることで、腸内環境を整える効果が期待できます。
調理にかかる時間
約10分
材料(1人分)
- 蒸したさつまいも:100g(中1/2本程度)
- プレーンヨーグルト(無糖):大さじ2
- はちみつ:小さじ1(甘さはお好みで)
- シナモンパウダー(お好みで):少々
作り方
- さつまいもは皮つきのままよく洗い、1〜2cm角に切って蒸します(または電子レンジで加熱)。
- 粗熱をとり、冷める前にヨーグルトとはちみつを加えてやさしく混ぜます。
- お好みでシナモンをふりかけて完成です。
- 不溶性食物繊維と乳酸菌の組み合わせで、腸の運動と腸内環境の両方をサポート。
- はちみつのオリゴ糖が善玉菌のエサとなり、腸内のバランスを整える。
- 加熱+小さくカット+よく噛むことで、消化負担を軽減。
さつまいもと便秘に関するQ&A
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- 妊娠中の便秘対策にさつまいもは食べていい?
- 妊娠中でも、さつまいもは安心して食べられます。さつまいもには便通を促す食物繊維が豊富に含まれているため、ホルモンバランスの変化や子宮の圧迫によって便秘になりやすい妊娠中にも適した食品です。また、胎児の発育に必要な「葉酸」も豊富で、皮つきのさつまいも100gあたりには約54μgの葉酸が含まれています(文部科学省,食品成分データベース,[リンク])。ただし、食べすぎると逆に便秘が悪化することがあるため、1日あたり100~200g(約1/2〜1本)を目安に、適量を守って取り入れるようにしましょう。
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- 赤ちゃんの便秘にもさつまいもは効く?
- さつまいもは、赤ちゃんの便秘解消にも役立つ食品です。やわらかく加熱してペースト状にすれば、離乳食期の赤ちゃんでも無理なく食べられ、自然な甘みでよく食べてくれるのも特長です。おかゆとも相性がよく、離乳初期から取り入れやすい食品といえます。食物繊維が含まれており、腸の動きをやさしくサポートしてくれるため、便通の改善も期待できます。ただし、食べさせすぎるとお腹に負担がかかることがあるため、少量から始めて様子を見ながら与えるようにしましょう。
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- 犬や猫の便秘にもさつまいもは効く?
- 犬や猫にも、さつまいもは腸の動きを助ける働きを発揮しますが、便秘解消を目的に与えるのは現実的ではありません。食物繊維が含まれているため、少量であれば腸のサポートになりますが、摂取量には厳しい制限があります。たとえば、体重4kg未満の超小型犬なら1日約20g、猫の場合はわずか8g程度が目安とされています。特に猫は肉食動物のためさつまいもを消化しにくく、過剰に与えると肥満やアレルギーのリスクもあります。あくまでおやつ程度に、少量を与えるのが安心です。
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- 夜に食べると便秘解消の効果が低下する?
- さつまいもは夜に食べても、便秘解消の効果には影響ありません。食物繊維やヤラピンといった便通をサポートする成分は、摂取する時間帯にかかわらず効果を発揮します。ただし、就寝前にさつまいもを食べると、余ったブドウ糖が脂肪として蓄積されやすく、太りやすくなる可能性があるため注意が必要です。便秘だけでなく体重管理も気になる場合は、朝食や間食のタイミングでさつまいもを取り入れるのがおすすめです。
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- かぼちゃとさつまいも、便秘解消効果があるのはどっち?
- 便秘のタイプによって、適した食材は異なります。 さつまいもには、不溶性食物繊維が多く含まれており(皮つき100gあたり約2.8g)、腸のぜん動運動を促して便のかさを増やす働きがあります。そのため、腸の動きが鈍くて便が出にくいタイプの便秘には、さつまいもが適しています。 一方、かぼちゃは水溶性食物繊維が豊富(100gあたり約2.6g)で、便に水分を含ませてやわらかくする作用があるため、便が硬くて排出しにくいタイプや、腸内環境の改善を目指す場合にはかぼちゃが向いています。このように、さつまいもとかぼちゃはそれぞれの食物繊維の特性を活かして、便秘の状態に応じて使い分けるのが効果的です。
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- さつまいもなどの食べ物以外で便秘を解消する方法は?
- さつまいもなどの食べ物以外で便秘を解消するには、生活習慣を整えることが大切です。たとえば、適度な運動を取り入れることで血流が促進され、腸のぜん動運動が活発になります。また、毎日同じ時間に食事をとると、体内のリズムが整い、腸の働きも安定しやすくなります。さらに、便をやわらかく保つためには十分な水分補給が不可欠です。水分が不足すると便が硬くなり、排出しにくくなることがあります。加えて、ストレスは自律神経を乱し、腸の動きを鈍らせる原因となるため、リラックスできる時間を意識的に作ることも重要です。このように、運動・食事・水分・メンタルケアを意識することで、食事以外からも自然な便通を促すことができます。
食べ方を工夫してさつまいもで便秘を解消しよう

さつまいもは、食物繊維やヤラピンといった成分を豊富に含んでおり、自然なお通じを促す便秘解消に適した食品です。不溶性食物繊維は腸を刺激してぜん動運動を活発にし、ヤラピンは便をやわらかくして排出しやすくする働きがあります。
ただし、さつまいもを摂りすぎると便のかさが増えすぎてしまい、腸内で詰まりやすくなって逆効果となることもあるため注意が必要です。便秘を防ぐには、1日あたり100~200g程度の適量を守ることが基本です。また、細かく刻んでよく噛む、温かい状態で食べるなど、正しい食べ方を心がけることも大切です。
さらに、ヨーグルトやオリーブオイル、りんごなど腸にやさしい食材と組み合わせることで、より高い便秘解消効果が期待できます。毎日の食事に無理なく取り入れられる簡単レシピを活用しながら、さつまいもを上手に使って便秘対策を続けていきましょう。

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