ボルタレンの飲み方「内服する間隔と飲み合わせ」について
- ボルタレンの注意事項
- <使用禁忌>
下記に該当する方は使用しないでください。
ジクロフェナクに過敏症がある、消化性潰瘍、血液の異常、肝障害、腎障害、高血圧症、心機能不全、アスピリン喘息、インフルエンザの臨床経過中の脳炎・脳症、妊婦または妊娠している可能性がある、授乳中 - <使用注意>
下記に該当する方は使用前に医師に相談してください。
ニューキノロン系抗菌剤、リチウム強心配糖体、アスピリン、非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)、副腎皮質ステロイド剤、降圧剤、利尿剤、抗アルドステロン剤、エノキサパリン抗凝血剤および抗血小板薬、シクロスポリン、ドロスピレノン・エチニルエストラジオールなどホルモン剤、コレスチラミン、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、高齢者(65歳以上)、小児 - <併用禁忌薬>
下記の薬品を服用中の方は使用前に医師に相談してください。
トリアムテレン
インフルエンザ脳炎・脳症の患者がボルタレンを使用したケースにおいて、予後の悪化が多数報告されています。ボルタレンを使うこと自体が脳炎・脳症の発現リスクを高めることから、インフルエンザ感染が疑われる場合は使用を控えてください。インフルエンザ罹患時に使うことができる解熱剤は、アセトアミノフェンが主体となっています。
授乳婦の方はボルタレンを使用できません。有効成分が母乳中に移行することが確認されており、乳児に影響を与える可能性があります。どうしても使用しなければいけない場合には授乳を避けてください。
鎮痛を目的とした飲み方
下記の用量を守って、食後に多めの水またはぬるま湯と一緒に服用してください。水なしで飲むと食道に停留して潰瘍を起こす可能性があります。
1回の用量 | 1錠 (ジクロフェナクとして25mg) |
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1日の服用回数 | 3回まで |
服用間隔 | 6〜8時間空けること |
1回につき1錠を服用します。
鎮痛を目的にボルタレンを使う際の基本的な飲み方は、1回1錠、1日3回です。朝昼晩で分けて服用してください。
効き目が弱いと感じた方は、1日のうち1回分だけ、用量を1回2錠(50mg)にまで増やすことが可能です。よって、1日のうち最大で4錠まで服用することができますが、1日の服用回数は3回以上増やすことはできませんので気をつけましょう。
飲み過ぎは副作用を招きます
ボルタレン1錠中に配合されている有効成分ジクロフェナクの含有量は25mgです。1回で摂取できるジクロフェナクの最大用量は50mg(2錠分)であり、1日で摂取できる最大用量は100mg(4錠分)です。過剰摂取に伴う副作用を避けるためにも、1回50mgと1日100mgを超える用量にならないよう気をつけましょう。
長期服用には定期的な検査が必要
ボルタレンを長期服用する際は、副作用の出現に注意しなければいけません。定期的に尿検査や血液検査などの臨床検査を受けて、異常があれば減量や休薬など適切な措置が必要となります。
服用間隔は6〜8時間空けましょう。
ボルタレンの鎮痛効果の持続時間は8時間です。3回の服用を8時間おきに行うことで、24時間のあいだ鎮痛効果が途切れることなく持続します。
服用のタイミングが遅れてしまった場合でも、6時間の服用間隔を保っていれば問題ありません。6時間以内に続けて服用してしまうと、作用が過度に増強されて思わぬ副作用を招く恐れがありますので気を付けてください。
頓服薬として使う際の飲み方は1日2回まで。
頓服とは、症状が出た時にだけ服用する飲み方のことを指します。例えば片頭痛が突然現れた場合、ボルタレンを頓服することで一時的な痛みを抑えることができます。
1回の用量 | 1〜2錠 (ジクロフェナクとして25〜50mg) |
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1日の服用回数 | 2回まで |
服用間隔 | 6時間以上空けること |
頓服薬としてボルタレンを使う際の基本的な1回の用量は1錠です。1日につき2回まで服用できます。
服用間隔は6時間空けてください。服用から6時間以上経って痛みが再発する場合は追加でボルタレンを内服します。
1回の服用における用量は、症状の強さに合わせて2錠(50mg)まで増やすことが可能です。
解熱を目的とした飲み方
年齢や症状に応じて下記の用量の範囲で、食後に多めの水またはぬるま湯と一緒に服用してください。
1回の用量 | 1〜2錠 (ジクロフェナクとして25〜50mg) |
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1日の服用回数 | 2回まで |
服用間隔 | 6時間以上空けること |
急性上気道炎(風邪や咽喉頭炎)による発熱の症状が現れたら1〜2錠内服します。解熱目的で内服する場合は頓服となるので、服用回数は決まっていませんが多くても1日2回、計100mgを限度とします。
急性の発熱にはできるだけ少量かつ短期間の内服が望まれます。
服用間隔は6時間です。服用から6時間以上経って発熱が再燃する場合はボルタレンを追加で飲みます。
空腹時?食後?服用のタイミング
ボルタレンは、食後30分以内の服用が原則とされています。空腹時に服用すると、胃潰瘍などの胃粘膜障害を起こしやすくなります。NSAIDsによる胃粘膜障害の発生機序には粘膜上皮の傷害が考えられており、胃の中に食物がある状態で服用することで胃粘膜の傷害を軽減できます。
また、空腹時の内服は血中濃度が急激に上昇してしまうため、食事によって吸収を緩やかにする必要があります。
1日3回の食事を摂る習慣がない方でも、ボルタレンの服用期間中は1日3食を徹底して毎食後に内服するように心がけましょう。どうしても空腹時に服用する場合には牛乳を飲んでから内服すると胃の負担を小さくできます。
お酒や薬との飲み合わせについて
多量のアルコールは副作用を出やすくします。
ボルタレン服用時の飲酒は制限されていませんが、一般的に服薬中のアルコールは控えた方が良いと考えられています。
多量にお酒を飲むと胃や肝臓の症状が現れやすくなります。ボルタレンやアルコールは胃や腸の粘膜を刺激する特性があるので胃腸障害が発生する恐れを高め、肝臓の負担が大きくなって肝障害を起こしやすくします。アルコールの摂取は少量とし、飲み過ぎないように注意してください。
ロキソニンなど同効薬との飲み合わせは避けましょう。
2種類以上の医薬品を内服する際は相互作用に注意しましょう。
たとえば、同じNSAIDsのロキソニンを併用した場合、胃腸障害が増強されることがあります。NSAIDsの効果は一定の強さになると、それ以上投与量を増やしても効き目が変わらない特徴があります。ロキソニンと併用しても鎮痛効果の増強は期待できないので、NSAIDs同士の併用は避けてください。
以下はボルタレンとの飲み合わせが悪い同効薬の一覧です。
商品名 | 有効成分(一般名) |
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バファリンA | アスピリン |
パブロン | アセトアミノフェン |
カロナール | アセトアミノフェン |
インテバン | インドメタシン |
ボナフェック | ジクロフェナク |
アデフロニック | ジクロフェナク |
セレコックス | セレコキシブ |
ポンタール | メフェナム酸 |
胃薬との飲み合わせ
ボルタレンの胃腸障害を抑えるために胃薬を併用することがあります。NSAIDsによる潰瘍はプロトンポンプ阻害薬やH2ブロッカーといった胃酸分泌抑制作用を持つ胃薬を併用すると発症リスクを下げられます。
胃薬といってもセルベックスやムコスタのような防御因子増強薬は、併用しても予防効果が薄いとされています。