妻だけEDの原因と改善方法|離婚に繋がる!?ED治療薬で克服
- 公開日
- 2022年05月17日
- 更新日

「セックスをしたいけど妻にはその気になれない」
「オナニーでは勃つのに妻とのセックスでは勃たない」
これらは、俗に妻だけEDと呼ばれる状態です。妻だけEDは、精神的な要因によって引き起こされるED(勃起不全)の症状です。妻の前でだけ勃起できないという状況は、さまざまな問題を引き起こします。夫婦仲を悪化させて、最終的には離婚に発展する可能性もあるため、こじれる前に解消したい問題です。
このページでは、妻だけEDの原因や改善に役立つ方法を紹介します。
妻だけEDとは

妻だけEDとは、妻に対してだけ「勃起が起きない」「性欲が湧かない」といった性機能障害の1つです。AVや雑誌、風俗など妻以外の女性に対しては正常に勃起が起き、性欲も沸きます。ですが、なぜか妻に対してだけは体が反応しません。
妻だけEDは、夫婦仲が良好であっても発症リスクがあり、発症することで関係を悪化させる恐れがあります。妻に対してEDを打ち明けられる男性は多くありません。そのため、潜在的な患者が想像以上に居るという意味でも厄介な症状です。
妻だけEDは心因性EDに分類される
妻だけEDは、原因が心や精神面にあるとされる「心因性ED」に分類されます。EDの種類は、器質性、心因性、混合型の3種類に分けられます。器質性は身体に生じる怪我や異常などが原因で発症するEDです。妻だけEDの場合、オナニーや別の女性とのセックスでは問題なく勃起できるため、器質性EDには当てはまりません。詳しい原因は後述しますが、妻との関わり方が発症リスクを高めるため、精神的な原因から起きる心因性EDに分類されています。
年齢や身体の状態に関係なく発症するため、新婚夫婦でも熟年夫婦でも妻だけEDは起こり得るのです。
夫婦の半数以上がセックスレスを抱えている
実際に妻だけEDに悩んでいる人はどれくらいいるのでしょうか?妻だけEDを発症している男性の割合を示すデータはありませんが、一般社団法人日本家族計画協会家族計画研究センターが実施した調査では、婚姻関係にあるカップルのセックスレスの割合が示されています[1]。

2004年から毎年増加傾向で推移していることが分かります。最も新しい2020年では、51.9%に達しており、実に夫婦の半数以上がセックスレスを抱えていることが示されました。
妻だけEDが引き起こす問題は複数ある

妻だけEDになるとさまざまな問題が起きます。代表的な問題として以下の3つが挙げられます。
- 夫婦仲が悪くなる
- 浮気を疑われる
- 子供を授かれない
セックスは夫婦の重要なコミュニケーションのひとつです。妻だけEDになるとコミュニケーションのひとつが無くなるため、多くの場合で夫婦仲が悪化します。仲のよかった夫婦でも、妻だけEDになると夫側が事情を話せずにセックスレスとなり、関係がギクシャクして不仲になるといった事例がよくあります。妻だけにEDだから問題ないとは甘く見ずに注意する必要があります。
またセックスレスが原因で浮気を疑われたり、妊活の為のセックスが行えなかったりなど、大きな問題に発展することもあります。妻だけEDは、夫婦仲に致命的な亀裂が入る前に早めに対処しなければならない問題です。
不妊治療が目的であればバイアグラが保険適用で処方される
厚生労働省は、不妊治療に用いる場合に限り、バイアグラやシアリスなどのED治療薬の保険適用を承認しました[2]。ED治療薬の保険適用は2022年の4月から開始されています。 これまでED治療薬は自費診療のみで処方されてきましたが、保険が適用されると3割負担で処方が受けられるようになります。
ただし、保険適用でED治療薬の処方を受けるには、いくつかの条件があります。まず医師から勃起不全という診断を受けなくてはなりません。診断は関連学会が作成した勃起不全のガイドラインに則って行うとされており、詳しい基準は明らかにされていません。
また「患者自身またはパートナーが過去6ヶ月以内に病院で不妊治療を受けていることが必要」などのルールもあります。
これらの条件から、妊娠が目的だったとしても、必ずしもバイアグラに保険が適用されるとは限りません。自身が保険適用の条件をクリアしているのか確認したい場合は、保険診療を行っている泌尿器科のクリニックなどを受診して医師に相談してみてください。
妻だけEDが離婚の引き金になる場合もある

妻だけEDが深刻化すると、最悪の場合、離婚に発展することもあります。EDなどの夫婦間における性的問題全般は、法的に「性的不調和」と呼ばれます。性的不調和は離婚の理由として認められており、双方の合意もしくは裁判による決定があると離婚が成立します。
実際に性的不調和を理由とする離婚は多く確認されています。裁判所が発表した司法統計(平成30年度)によると、性的不調和を動機とする離婚の申し立ては、男性側で2,141件、女性側では3,293件報告されています[3]。離婚の動機としては男性では第5位、女性では第8位の多さです。
仮に夫がEDであることに夫婦双方が不満を感じていなければ、離婚に発展することはありません。しかし、どちらか一方でもEDやセックスの頻度に関して不満を感じている場合、離婚に至るリスクがあります。
人がセックスレスを感じる期間には個人差がありますが、日本性科学会では「病気など特別な事情がないのに1ヶ月以上性交渉がない夫婦・カップル」をセックスレスと定義付けしています。妻だけEDによってセックスの頻度が低下している場合、何らかの対策を講じる必要があるといえます。
一体なぜ?妻だけEDの原因

心因性EDに分類される妻だけED。どうして妻にだけ体が反応しなくなってしまったのでしょうか?原因として以下の5つが挙げられます。
- 結婚前との関係性の変化
- 妻の体型の変化
- セックスのマンネリ化
- 妻によるセックスの拒絶
- 夫の特殊な性的趣味
妻だけEDの主な原因は、妻に抱く感情の変化です。時間の経過や体験により妻への感情が変化することでEDが発症します。感情の変化が引き金となるため、妻との関係の良し悪しだけで起こる問題ではありません。以下、詳しく紹介します。
1.結婚前との関係性の変化
妻との関係性が結婚前と変化することで、性的な意味で対象外となってしまう場合があります。結婚して毎日一緒に過ごすうちに、一人の女性というよりも家族というような感覚に変わっていくのです。例えば生活を助けてくれる母、守るべき姉や妹、楽しく会話ができる親友、子育てを共に頑張る戦友など、潜在的な部分で別の関係性へと変化します。その結果、男性にとって性を感じられない、感じてはいけない存在になり、EDを発症します。
これらの変化は、精神的に満たされていることを示しており、夫婦関係にとって決して悪い変化ではありません。良い関係であってもEDになるという代表的な例であり、妻だけEDの厄介な部分が色濃く出ている要素でもあります。
ただし、良い関係であっても、どちらかが肉体面に不満を感じると崩れる可能性もあるので要注意です。
2.妻の体型の変化
出産や加齢などの理由から起きる体型の変化も妻だけEDを引き起こします。出産や性ホルモンの変化などの影響により、女性の体形は変わりやすいものです。時間の経過に伴って体形が大きく変化することで、妻に女性としての魅力を感じなくなっていきます。その結果、性的な好みから外れることで裸を見ても興奮しづらくなります。
改善にはダイエットによる減量が効果的と思われますが、あくまで妻側が自発的に行うことが大切です。減量を無理強いされることは、女性にとって大きなストレスとなります。かえって夫婦関係に亀裂を入れるようなことにもなりますので、夫側は「もう少しスリムな方が好みかな」といったように自身の希望をさりげなく伝える程度にとどめましょう。
3.セックスのマンネリ化

妻とのセックスのマンネリ化は、妻だけEDの代表的な原因です。人間は慣れる生き物です。最初は刺激的だった妻とのセックスも、時間と回数を重ねるうちにどうしても飽きを感じてきます。その結果、妻とのセックスに興奮を抱けなくなり、EDを発症します。
この場合、夫側のみに問題があるように思われがちですが、妻側もマンネリ対策を怠ってしまっている可能性があります。一概にどちらが悪いとは言えません。セックスに普段とは違った刺激を加えるなど、マンネリを打破することが解決の糸口になります。
4.妻によるセックスの拒絶
妻にセックスを何度も拒絶されると、EDを発症する可能性があります。セックスの誘いを相手に拒絶されれば、個人差はあれど誰でもショックを受けます。それを何度も繰り返すうちに失敗体験が積み重なり、妻とのセックスに対して前向きな気持ちを持てなくなってしまうのです。
その結果、気がついたときには、妻とのセックスに対する恐怖や心の負担から妻だけEDとなります。この場合、夫側もEDの原因に気がついていない可能性があります。原因の中で最も判断と改善が難しい状態であるといえます。
5.夫の特殊な性的趣味
夫側の性的な趣味が特殊である場合も、妻だけEDに繋がることがあります。夫の特殊な趣味を妻が受け入れられない場合、セックスに不満が生じることになります。その結果、妻が夫の性的な対象から外れてEDが発症します。
性的な趣味は自由です。しかし、妻側にも選択する自由がありますので無理強いはできません。数ある原因の中で男性側に問題の根本が寄っており、解決の難しい問題であると言えます。
妻だけEDを改善する方法

妻だけEDは、さまざまな原因によって引き起こされる問題です。そんな妻だけEDを改善する方法として、以下の4つの対策が挙げられます。
- ED治療薬を使った治療
- 妻としっかり話し合う
- 男女としてのスキンシップを増やす
- 医師のカウンセリングを受ける
これらの方法は、あくまで妻だけEDの代表的な改善方法です。これらの方法を組み合わせたり、自分なりの方法を探して適切な改善方法を見つけることが大切です。代表的な4つの改善方法を項目ごとに紹介します。
1.ED治療薬を使った治療
ED治療薬の服用は、妻だけEDを最もすばやく改善する手段のひとつです。セックスの直前にED治療薬を服用することで、勃起の発現と維持が補助されます。陰茎に刺激を与えるだけで硬い勃起が持続するため、妻だけEDを発症していても問題なくセックスできます。
対処療法よりの対策ですが、セックスを何度か繰り返すことがきっかけとなり、妻だけEDが根本的に改善することもあります。
ED治療薬は3種類から選択できます。それぞれに特徴がありますので、自分の好みにあった薬を選択して使いましょう。
薬剤名 | バイアグラ | レビトラ | シアリス |
---|---|---|---|
効き始め | 30分後から | 15分後から | 1時間後から |
持続時間 | 5時間 | 8時間 | 36時間 |
食事の影響 | ある | 少ない | ほぼ無い |
有効成分 | シルデナフィル | バルデナフィル | タダラフィル |
特徴 | 最も古いED治療薬 ジェネリックの種類が豊富 効き目が強力 |
即効性に優れている 効き目が強力 |
持続性に優れている やや効き目がマイルド |
バイアグラ
バイアグラは、ファイザー社から発売された世界初のED治療薬です。臨床試験では、使用者の72%に勃起不全の改善が確認されています。最も知名度が高いED治療薬であり、数多くのジェネリックも販売されています。通販では、低価格で購入できる「カマグラゴールド」などの海外製のジェネリックが人気です。
レビトラ
レビトラは、ドイツのバイエル社より販売されているED治療薬です。最も即効性に優れたED治療薬であり、服用から最短15分で十分な効果を得られます。臨床試験では、使用者の86%に勃起不全の改善が確認されました。
ジェネリックのコスパにも優れており、1錠あたり170円前後で購入できる「ビリトラ」といった商品もあります。
※レビトラは2021年10月、製造元であるバイエル社より販売中止が発表されました。
当サイトでもレビトラの取り扱いが終了となりますが、ジェネリックは引き続き購入できます。
シアリス
シアリスは、イーライリリー社より販売されている最も新しいED治療薬です。最も持続性に優れており、服用から最長36時間まで効果が持続します。食事の影響も受けないといった利便性から、世界シェアではバイアグラとレビトラを凌ぎ、1位を誇っています。
シアリスにも1錠あたり150円前後で購入できる「ビダリスタ」などのジェネリックがあります。
2.妻としっかり話し合う
妻だけEDになっている場合、改めて妻としっかり話し合うことで改善する場合もあります。妻だけEDの自覚がある場合、妻との関係が何らかの理由からギクシャクしている可能性が高いです。夫婦間での問題をハッキリさせるためにも一度、腹を割って話し合う必要があります。男性の悩みや夫婦間でのすれ違いが原因であれば話し合うことで妻だけEDを改善できる可能性があります。今後の改善方法の方向性を決めたり、セックスに対するスタンスを確認するためにもまずは夫婦でしっかり話し合う所から始めてみましょう。
3.男女としてのスキンシップを増やす
妻だけEDを改善するため、改めて男女としてのスキンシップを増やしてみましょう。妻だけEDとなっている場合、妻を安心できる相手と強く認識していたり、セックスにマンネリを感じている可能性が高いです。その状態を改善するため、出会った頃のように男女として意識できる時間やきっかけを作るようにします。代表的な方法は以下のような方法があげられます。
- 定期的に2人でデートする日を作る
- 2人で過ごす時間にボディタッチを増やす
- セックスを自宅以外の場所でしてみる
- いつもと違った格好でセックスする
- いつもとペースを変えてセックスする
これらの方法はあくまで1例であり、他にもさまざまな方法で男女のスキンシップを行うことができます。夫婦ごと自分たちに適した方法で、改めて妻をドキドキする相手として認識できるよう工夫してみましょう。
4.医師のカウンセリングを受ける

妻だけEDを改善する方法として、医師や専門家のカウンセリングを受ける手段もあります。男性の中には妻にEDを打ち明けることができず、悩みを抱え続けている方もいます。カウンセリングで深刻な悩みを打ち明けることで、心の負担を軽くできる場合もあります。また行動療法や心理療法などを行っているクリニックもあるので、アドバイスを受けることでEDを改善する糸口が掴めるかもしれません。
夫のEDに対して妻が抱える悩み

当然のことながら、妻だけEDの発症によって悩みを抱えるのは夫側だけではありません。夫がEDになると、多くの女性は「私に魅力がなくなった」「私は女性として見られていない」といった不安を感じます。その結果、精神的な負担から余裕が無くなり、夫の浮気を疑ったり、妻側が浮気に走ってしまう事例があります。妻だけEDは、男性だけでなく女性にとっても大きな問題だと言えます。
妻の精神的な負担や余裕のない反応から夫側が罪悪感を抱いて、症状が悪化するという悪循環に陥る事もあります。妻だけEDは、夫婦の問題です。自分ひとりではどうしても改善が難しい問題もあります。夫婦で協力して取り組むことで改善率が高くなりますので、可能であれば妻と協力できる体制を作るようにしましょう。
EDと向き合うことは夫婦仲を深めるきっかけになる

このページでは、妻だけEDの原因や改善に役立つ方法をご紹介しました。妻との関係性の変化やマンネリ化など、原因を正確に把握することで、対策を講じやすくなります。仮に妻だけEDになったとしても、以下の4つの方法で早期の改善を目指すことができます。
- ED治療薬を使った治療
- 妻としっかり話し合う
- 男女としてのスキンシップを増やす
- 医師のカウンセリングを受ける
妻だけEDは、夫婦の仲にとても大きな問題を引き起こすリスクがあります。しかし、より夫婦の仲を深めるチャンスでもあるのです。改めて妻と話し合い、協力して妻だけEDの改善に取り組みましょう。その結果、新たな魅力を発見し、愛を深めることでより良い夫婦仲を築くことにつながります。