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トラセミドが配合されている通販商品

トラセミドの禁忌事項

下記に該当する方はトラセミドを使用しないでください。

無尿の患者

1日の尿量が100ml以下(無尿)の方はトラセミドの効果が期待できません。

肝性昏睡(肝性脳症)の患者

肝臓の働きが著しく低下し、意識がもうろうとしている状態です。本剤の使用によって低カリウム血症が起こり、体がアルカリ性に傾いて(アルカローシス)、昏睡が悪化する恐れがあります。

体液中のナトリウム、カリウムが明らかに減少している

利尿作用が急に出た場合、これらがさらに減少し、低ナトリウム血症や低カリウム血症といった「電解質失調」が起こる可能性があります。ナトリウムやカリウムなどの「電解質(イオン)」が欠乏すると、体内でのバランス調整がうまくできず不調が起こります。

トラセミドまたはスルフォンアミド誘導体を含んだ薬で過敏症(薬物アレルギー)を起こしたことがある

過敏症はトラセミドに限らず、全ての医薬品において起こり得るアレルギー症状です。トラセミドもしくはスルフォンアミド誘導体を含んだ薬を飲んで過敏症を起こしたことがある方は使用できません。該当する方が再度トラセミドを摂取すると、過敏症が重症化するおそれがあります。

トラセミドは下記の薬と併用できません

デスモプレシン酢酸塩水和物(ミニリンメルト)

男性における夜間多尿による夜間頻尿に使用している場合に禁忌となります。トラセミドと併用することで低ナトリウム血症(体の塩分が少なくなりすぎて、頭がボーッとしたり、ふらついたりする状態)を起こすおそれがあります。

トラセミドの働きと効果

効能・効果
心性浮腫、腎性浮腫、肝性浮腫、高血圧(日本では適応外)
(1) 心臓・腎臓・肝臓の機能低下による浮腫(むくみ)に有効です。
(2) 血管内の水分(ナトリウム)を減らして血圧を下げます。

一般名:トラセミド

体の中にたまった余分な水分を排出することで、むくみを改善する利尿薬(尿の量を増やす薬)です。心臓や腎臓、肝臓の機能が弱くなると、体は水分をうまく外に出せず、足や顔、全身にむくみが生じます。トラセミドは腎臓の特定の部位に作用して、塩分(ナトリウム)と一緒に水分を尿として排出させることで、こうしたむくみをやわらげます。

体内の水分量が減ることで血圧も下がり、臓器への負担も軽減されます。結果として、心不全やネフローゼ、肝硬変などの原因疾患も改善できます。特にうっ血性心不全においては、トラセミドのようなループ利尿薬が第一選択薬とされています。

比較的強めの利尿作用をもつループ利尿薬

トラセミドは、利尿薬の中でも特に強い効果をもつ「ループ利尿薬」に分類される薬です。腎臓において、尿量の調整がさかんに行われている部位(ヘンレループ)に働きかけることで、強い利尿作用を発揮します。

さらにトラセミドの利尿効果は、ループ利尿薬の中でも比較的強力です。フロセミド(先発薬:ラシックス)などの類似薬を上回る効果が期待できます。実際、動物実験においてトラセミドはフロセミドに比べて10倍強い尿量増加作用が示されています。(小野善平 ほか, 循環制御, 2003.[リンク])

低カリウム血症のリスクが抑えられている

トラセミドは、利尿薬によく見られる副作用である「低カリウム血症(血液中のカリウム不足)」が比較的起こりにくいという特長があります。

一般的な利尿薬では、体からナトリウム(塩分)と一緒に水分が排出されますが、それと引き換えにカリウムも尿に出されやすくなります。これは、体が失われたナトリウムを取り戻そうとする過程で、カリウムを犠牲にする仕組みが働くためです。その結果、カリウムが不足し、低カリウム血症を起こすことがあります。

一方、トラセミドには、この仕組みに関わるホルモン(アルドステロン)の働きを抑える作用があり、カリウムの排出を防ぐ効果が期待できます。実際に、トラセミド単独でも、水分を出しつつカリウムを守る効果は、フロセミドとカリウムを守る薬(スピロノラクトン)の併用に匹敵するという報告があります。(木戸秀明 ほか, 日薬理誌, 2001.[リンク])

利尿作用とカリウム保持作用を発揮する仕組み

トラセミドは、体の余分な水分を尿として排出する「利尿作用」と、体内のカリウムが失われるのを防ぐ「カリウム保持作用」の両方をあわせ持つ利尿薬です。この2つの作用は、それぞれ腎臓内の異なる場所に働きかけることで発揮されます。
ここでは、トラセミドがどのような仕組みで利尿とカリウム保持の両方の作用を発揮しているのかを、それぞれ解説します。

利尿作用について

トラセミドは、腎臓にある「ヘンレループ」と呼ばれる部分に働きかけることで、利尿作用を発揮します。

ヘンレループは、尿のもととなる原尿からナトリウムやカリウムなどの成分を体に戻す働きをしている場所です。この過程を「再吸収」と呼びます。ナトリウムには水分を引き寄せる性質があるため、ナトリウムが体に戻れば、そのぶん水分も一緒に戻ってしまいます。

トラセミドは、この再吸収を行っている「Na⁺-K⁺-2Cl⁻共輸送体」というタンパク質の働きを抑えることで、ナトリウムが体に戻るのを防ぎます。ナトリウムが体に戻らなければ、水分も一緒に戻らず、そのまま尿として排出されます。

この仕組みによって、トラセミドは体の中の水分量を減らし、「むくみ」や「高血圧」などの症状を改善する利尿効果を発揮するのです。

カリウムを保持する作用について

トラセミドは、腎臓の集合管(原尿が最終的にたどり着く部分)における「アルドステロン」というホルモンの働きを抑えることで、カリウムの損失を食い止めます。

アルドステロンは本来、ナトリウムを体内に取り込みながら、カリウムを尿中に排出させる働きを持っています。利尿薬を使用すると体からナトリウムが多く出てしまうため、それを補おうとしてアルドステロンの分泌が増え、結果としてカリウムが過剰に失われてしまうことがあります。

トラセミドはこのアルドステロンの働きを弱めることで、ナトリウムや水分の排出は促しつつも、カリウムの排出は抑えるというバランスの取れた作用を発揮します。

各適応症に対する効果を示した臨床データ

トラセミドの浮腫(むくみ)に対する効果は、日本国内で行われた臨床試験で証明されています。(17. 臨床成績, 医療用医薬品:ルプラック, KEGG DRUG, [リンク])試験では適応疾患である心性浮腫、腎性浮腫、肝性浮腫を含む浮腫患者に対し、トラセミドを6日間投与しました。

投与の結果、各疾患において以下の有効率が確認されました。

疾患ごとの浮腫改善率
疾患 改善率
心性浮腫 75.0%
腎性浮腫 76.1%
肝性浮腫 70.3%
その他 75.0%

上記の結果により、むくみに対するトラセミドの有効性が示されました。

日本と海外での使用状況

トラセミドの使用状況は、日本と海外で大きく異なります。

項目 日本 海外
1錠あたりの成分量 4mg、8mg 5mg、10mg、20mg、60mg、100mg
適応疾患 心性浮腫、腎性浮腫、肝性浮腫 心性浮腫、腎性浮腫、肝性浮腫、高血圧
1日に使える最大量 8mgまで 200mgまで

このように、海外ではトラセミドが日本よりも幅広く使用されており、1錠あたりの成分量や最大使用量も高く設定されています。

特に注目すべき点は、海外では高血圧の治療薬としても承認されていることです。一方、日本では浮腫(むくみ)への使用に限られており、投与量も比較的低く制限されています。

こうした違いは、各国の医薬品承認制度や臨床運用の方針によるものです。同じ薬であっても、使われ方や位置づけは国によって大きく異なる場合があります。

当サイトで紹介しているトラセミド製剤はいずれも海外製品ですので、海外での用量に則った成分量となります。日本人が海外製のトラセミド製剤を使う場合は、5mgが最も適した用量となります。

トラセミドが配合されているむくみの治療薬
先発薬:ルプラック(田辺三菱製薬)
後発薬:トール(インタス)
後発薬:ダイトール(シプラ)

トラセミドの副作用

副作用
頭痛、頻尿、めまい、倦怠感、脱力感、口の渇きなどの副作用が報告されています。

重大な副作用
肝機能障害、黄疸、血小板減少、低カリウム血症、高カリウム血症。

副作用の発生頻度

以下はトラセミドの添付文書(11. 副作用, 医療用医薬品:ルプラック, KEGG DRUG, [リンク])に記載されていた副作用の発現率です。

発症頻度:0.1〜5%未満
血液 血液障害(血小板数減少、白血球数減少、赤血球数減少、ヘマトクリット値減少等)
代謝異常 電解質失調(低ナトリウム血症、低カリウム血症、低クロール性アルカローシス)、血清尿酸値上昇、高カリウム血症
消化器 口渇
肝臓 AST、ALTの上昇
腎臓 BUN、クレアチニンの上昇、頻尿
精神神経系 頭痛、めまい
その他 倦怠感
発症頻度:0.1%未満
代謝異常 血清脂質増加、高血糖症
過敏症 発疹、そう痒
消化器 食欲不振、下痢、腹痛、嘔気・嘔吐、胸やけ
肝臓 γ-GTP、ALPの上昇
精神神経系 手足のしびれ、聴覚障害
その他 動悸、痛風様発作、関節痛、筋痙攣、CK上昇、LDH上昇
発症頻度:不明
その他 女性化乳房

主な副作用は利尿作用による頻尿や体内の水分低下による脱水症状です。また、血液を構成する要素のバランスが乱れ、血液障害、電解質異常、尿酸値の上昇が起こりえます。尿酸値が高まると、痛風のような発作(急激な痛み)が出る恐れがあります。気になる症状が出たら、医療機関を受診してください。

重大な副作用として、肝機能障害、黄疸、血小板減少、低カリウム血症、高カリウム血症が報告されています。それぞれの主な症状は以下の通りです。

肝機能障害、黄疸
倦怠感、吐き気、食欲不振、皮膚や白目が黄色くなるなど
血小板減少
あざ(内出血)ができやすい、鼻血や歯茎からの出血など
低カリウム血症、高カリウム血症
手足のだるさ、倦怠感、動悸、不整脈、吐き気、脱力感、筋肉痛など

上記の症状もしくはそれ以外の異常を感じた場合は、医療機関を受診してください。

トラセミドの使用上の注意点

この項目では、トラセミドの使用に際して特に注意が必要な方や、併用に注意すべき薬について説明します。該当する方や併用薬がある場合は、必ず医師または薬剤師に相談してください。

使用に注意が必要な人

重い冠動脈硬化症や脳動脈硬化症の患者

冠動脈は心臓に、脳動脈は脳に血液を送り込む血管です。これらの血管が硬くなって狭まり、血流が悪くなった状態が冠動脈硬化症や脳動脈硬化症です。本剤の使用によって尿量が増えると血液中の水分が減り、ドロドロになって血の塊(血栓)ができやすくなります。結果、冠動脈や脳動脈が血栓で塞がれて重篤な状態になる恐れがあります。

本人や両親、兄弟に痛風、糖尿病がある

本剤の使用によって痛風の発作が起こる可能性があります。また、糖尿病が悪化することもあります。

下痢、嘔吐が起こりやすい

本剤の使用によって体内のミネラルバランスが崩れることがあります。

手術前の患者

本剤は手術に使われる薬の作用を強めたり弱めたりして、手術に悪影響をおよぼします。手術にあたっては一時的に薬を中止する必要があります。

減塩療法時の患者

塩分の摂取量を減らして血圧を下げる治療法です。塩分に含まれるナトリウムも減少します。本剤にもナトリウムを減らす働きがあるので、過剰に減らして低ナトリウム血症を起こす恐れがあります。

腎機能障害の患者

本剤の使用によって腎臓の働きがさらに悪くなることがあります。腎臓の働きである薬の排出が遅れ、体内に薬が残りやすくなります。結果、薬の濃度がどんどん上がり、作用が強まっていく恐れがあります。

重い肝硬変症の患者、肝疾患・肝機能障害の患者

本剤の使用によって病状が悪化し、肝性昏睡を起こす恐れがあります。

妊婦

妊娠初期や妊娠の可能性がある女性は、医師が治療のメリットがリスクを上回ると判断した場合にのみ使用できます。ラットの動物実験では、一時的な骨の異常や胎児の骨の成長の遅れ、体重が増えにくいことが確認されています。また、ウサギでは母体への悪影響も報告されています。

授乳婦

ラットでの動物実験では、この薬が母乳に移行することが確認されています。授乳は控えたほうがよいでしょう。

小児等

子どもを対象とした臨床試験は行われておらず、安全性が確立されていません。また、乳児は体内のミネラルバランスが乱れやすいので注意が必要です。

高齢者

お年寄りは最低量から慎重に使用する必要があります。使用にあたって気を付けるべき点は以下の通りです。

  • 利尿作用によって脱水や低血圧を引き起こし、立ちくらみやめまい、失神をすることがある
  • 心臓の病気でむくみがある高齢者は、本剤によって血栓ができやすくなり、脳梗塞などのリスクが高まる
  • 高齢者は低カリウム血症や低ナトリウム血症になりやすい

併用に注意が必要な薬

昇圧アミン(ノルアドレナリン等)

手術時に注意が必要な薬です。この薬は、手術中に麻酔や出血の影響で血圧が下がった際に使われる昇圧剤です。トラセミドは血圧を下げるので、併用によって効果が弱まる可能性があります。

ツボクラリン塩化物塩酸塩水和物

手術時に注意が必要な薬です。この薬は手術で全身麻酔をスムーズにするために使われる筋弛緩剤です。

トラセミドとの併用によって筋弛緩作用(麻痺作用)が強まり、体が動かしにくくなることがあります。

降圧剤
  • ACE阻害剤
  • β遮断剤等

過剰に上がった血圧を下げる高血圧治療薬です。ACE阻害薬は血管を広げ、β遮断薬は心臓の働きを緩やかにします。トラセミドにも血圧を下げる働きがあるため、これらの薬と一緒に使うと、血圧が下がりすぎることがあります。

アミノグリコシド系抗生物質
  • ゲンタマイシン硫酸塩
  • アミカシン硫酸塩等

さまざまな細菌感染症の治療に使われる抗菌薬です。トラセミドと一緒に使うと、一部の副作用(腎障害、難聴)が強く出る可能性があります。

セファロスポリン系抗生物質

さまざまな細菌感染症の治療に使われる抗菌薬です。トラセミドと一緒に使うと、腎臓に悪影響をおよぼす(腎毒性)可能性があります。

ジギタリス剤
  • ジギトキシン
  • ジゴキシン等

心臓の働きを助ける心不全治療薬です。トラセミドと併用すると、血液中のカリウムが減って心臓に悪影響をおよぼし(心臓毒性)、不整脈を起こす可能性があります。

糖質副腎皮質ホルモン剤

体内で作られるホルモン(コルチゾール)と同等の働きをする薬です。炎症をおさえたり、免疫の働きを調節したりするために使われます。カリウムを減らす作用があるため、トラセミドとの併用によって低カリウム血症を起こす恐れがあります。

ACTH

ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)はコルチゾールの分泌を促進するホルモンです。このホルモンは「合成ACTH製剤」として薬にもなっています。このホルモンによってコルチゾールが多くなると、トラセミドとの併用によって低カリウム血症を起こす恐れがあります。

グリチルリチン製剤

甘草(カンゾウ)などの生薬に含まれている成分を製剤化したものです。抗炎症作用や抗アレルギー作用があり、ニキビや肌荒れ、じんましんの治療に使われます。カリウムを減らす作用があるため、トラセミドとの併用によって低カリウム血症を起こす恐れがあります。

インスリンに働きかける糖尿病薬

インスリンの分泌を助けたり、感受性(働き)を高めたりすることで血糖値を下げる薬です。トラセミドによって体内のカリウムが減ると、インスリンの分泌量や感受性が下がると考えられています。併用すると、これらの薬の効果を著しく下げてしまう恐れがあります。

炭酸リチウム

気分の浮き沈みを安定させるために使われる薬です。トラセミドは、腎臓でリチウムの再吸収を促し、血液中のリチウム濃度を上げることがあります。併用によってリチウムが過剰に増え、リチウム中毒を起こす恐れがあります。

サリチル酸誘導体
  • サリチル酸ナトリウム
  • アスピリン等

サリチル酸をもとに作られた薬です。サリチル酸ナトリウムとアスピリンは、どちらも解熱鎮痛剤として使われています。これらは本剤との併用によって、腎臓からの排出が遅くなり、体内に溜まりやすくなります。その結果、サリチル酸が過剰に増えてサリチル酸中毒を起こす恐れがあります。

非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン等)

炎症や痛み、熱を引き起こす物質の働きをおさえる薬です。体内に水分をため込みやすくする作用があり、トラセミドの利尿効果を弱める可能性があります。

尿酸排泄促進剤(プロベネシド等)

尿酸が体内にたまりにくくし、血液中の尿酸値を下げる働きがあります。痛風や腎障害の原因となる高尿酸血症(血液中の尿酸が多い状態)の治療に使われます。トラセミドは血液中の尿酸を増やすため、併用によって効果が弱くなることがあります。

カルバマゼピン

神経の興奮をおさえる働きがあり、てんかんや双極性障害に用いられる薬です。興奮に関係する器官(ナトリウムチャネル)を抑える働きにより、体内のナトリウムを減らします。トラセミドと一緒に使うと、ナトリウムが減りすぎてしまい、低ナトリウム血症を起こす恐れがあります。

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