エソメプラゾールが配合されている通販商品
エソメプラゾールの禁忌事項
下記に該当する方はエソメプラゾールを使用しないでください。
- エソメプラゾールに対して過敏症を起こしたことがある
過去にエソメプラゾールに対して、発疹や皮膚炎などの過敏症を起こしたことがある方は使用を避けてください。過敏症の既往歴がある方は、再度エソメプラゾールを使用した際に重度の過敏症を発症する可能性があります。
エソメプラゾールは下記の薬と併用できません。
- アタザナビル硫酸塩
- リルピビリン塩酸塩
HIV(エイズ)の治療に用いられる薬剤です。胃酸分泌抑制作用のあるエソメプラゾールは、アタザナビル硫酸塩およびリルピビリン塩酸塩の吸収量を減らし、血中濃度を低下させることがあります。血中濃度が十分でない場合、作用が減弱して薬本来の治療効果が発揮されません。HIVは命に関わる重大な疾病であることから、エソメプラゾールとの併用は禁忌とされています。
エソメプラゾールの働きと効果
- 効能・効果
- 逆流性食道炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、Zollinger-Ellison症候群、非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制、低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制
- <下記におけるヘリコバクター・ピロリの除菌の補助>
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎
一般名:エソメプラゾールマグネシウム水和物
消化性潰瘍(胃潰瘍や十二指腸潰瘍)、逆流性食道炎などの治療および再発防止に使われる消化性潰瘍治療剤です。
エソメプラゾールは、胃酸の分泌を抑制することで消化性潰瘍や逆流性食道炎の治りをよくする働きをします。胃壁が弱っていたり胃酸が出すぎたりすると、胃液の酸性によって粘膜が傷つき潰瘍の原因となります。また、胃酸が食道に流れてしまうと食道の粘膜がただれて逆流性食道炎を起こします。
エソメプラゾールの元になったオメプラゾールは優れた胃酸分泌抑制効果を持っています。しかし、薬の代謝に個人差があるという弱点も抱えております。オメプラゾールの有効性を維持したまま弱点を取り除くことを目的にしてエソメプラゾールが開発されました。
薬の効き方に個人差が少ないエソメプラゾールは安定して高い有効性を得られることから、胃潰瘍・十二指腸潰瘍および逆流性食道炎の治療に第一選択されています。
エソメプラゾールは主に胃腸薬として消化性潰瘍や逆流性食道炎に使用されますが、アモキシシリン水和物およびクラリスロマイシンと併用することでヘリコバクター・ピロリの除菌にも活用できます。
エソメプラゾールが胃酸を分泌するプロトンポンプの働きを阻害します。
エソメプラゾールは酸によってスルフェンアミド体に変換され、胃酸を分泌するプロトンポンプに結合することで酸の生成を阻害します。このような作用機序からエソメプラゾールはプロトンポンプ阻害薬と呼ばれています。
胃酸は胃壁細胞内に存在する酸分泌刺激物質(ヒスタミン、アセチルコリン、ガストリン)が受容体と結合することで生成されます。最終的に胃液内に酸を排出する役目を持つのがプロトンポンプと呼ばれる酵素「H+,K+-ATPase」です。このプロトンポンプの働きをブロックできれば胃酸の分泌を抑えることができます。
エソメプラゾールと結合したプロトンポンプは二度と酸分泌を行うことができなくなります。古くなったプロトンポンプが新たに生成されたものと入れ替わることで胃酸の分泌は元に戻ります。
エソメプラゾールの臨床成績では90%の逆流性食道炎を治癒しました。
エソメプラゾールを配合している先発薬ネキシウムの臨床試験*では、エソメプラゾールの元となった成分のオメプラゾールと同等の有効性が認められました。逆流性食道炎患者を対象とした際は、1日1回の服用を8週間継続したところ、オメプラゾール20mgが87.4%、エソメプラゾール20mgが87.3%、エソメプラゾール40mgが90.0%の治癒率が確認されています。
オメプラゾール10mgとエソメプラゾール10mgおよび20mgの逆流性食道炎に対する再発抑制効果を比較した臨床試験では、非再発率がオメプラゾール10mgで82.7%であったのに対して、エソメプラゾール10mgで87.5%、20mgで92.0%でした。これらの臨床試験の結果からエソメプラゾールはオメプラゾールと同じように優れた有効性を持っていることが分かります。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍に対する有効性について
逆流性食道炎の臨床試験からエソメプラゾールとオメプラゾールが同等の効果を持っていると証明されたため、胃潰瘍や十二指腸潰瘍など他の疾患に対しても同程度の治癒率があると考えられています。
オメプラゾールを用いた臨床試験では、1日1回20mgを服用することで胃潰瘍92.5%、十二指腸潰瘍95.7%の治癒率が認められています。エソメプラゾールの胃潰瘍・十二指腸潰瘍の治療に対する有効率もこれと同程度が期待できます。
※出典:リンク先、販売名:ネキシウムカプセル10mg/ネキシウムカプセル20mgのインタビューフォームを参照
ネキシウムを先発薬とした胃腸薬の有効成分として配合されています。
- エソメプラゾールが配合されている胃腸薬
- 先発薬:ネキシウム(アストラゼネカ)
エソメプラゾールの副作用
副作用
下痢、軟便、腹痛、食道炎、腹部膨満感、肝機能異常、味覚異常、過敏症(発疹など)、口内炎などが生じることがあります。
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー様症状、血小板減少、劇症肝炎、肝機能障害、黄疸、肝不全、中毒性表皮壊死融解症、スティーブンス・ジョンソン症候群、間質性腎炎、低ナトリウム血症、錯乱状態、間質性肺炎、横紋筋融解症。
以下はネキシウムカプセルのインタビューフォーム*に記載されていた副作用の発現率です。
副作用の症状 | 発現数 | 発現率 |
---|---|---|
下痢 | 7例 | 0.93% |
血中CPK増加 | 7例 | 0.93% |
肝機能異常 | 5例 | 0.66% |
ALT増加 | 4例 | 0.53% |
便秘 | 3例 | 0.40% |
頭痛 | 3例 | 0.40% |
高血圧 | 3例 | 0.40% |
エソメプラゾールの副作用として下痢や肝機能値異常、CK上昇、腹部膨満、胃ポリープなどが現れることがあります。しかし、比較的副作用が少ないと考えられている成分です。
エソメプラゾールの代表的な副作用として下痢の症状が挙げられます。はっきりとした機序は不明ですが、胃液の酸性が低下することで消化不良や膠原繊維性大腸炎を起こすためとする説があります。大半の場合、服用を中止することでエソメプラゾールの副作用は消失します。
日本国外において低頻度ながら汎血球減少症や血小板減少、肝機能障害、黄疸、肝不全、間質性腎炎、低ナトリウム血症、錯乱状態などの副作用が報告されています。ほとんどの症状は日本国内で実施された臨床試験において確認されていませんが、血小板減少については軽度の症例が2件確認されています。これらの副作用が現れた場合は服用を止めて医師に相談してください。
- 使用に注意が必要な人
- <薬物過敏症を起こしたことがある患者>
過去に薬剤の摂取によってアレルギーなどの過敏症を生じたことのある方では、経験のない方と比較して過敏症を生じるリスクが高くなります。エソメプラゾールの服用後に発疹や蕁麻疹、全身の痒みなどの過敏症状が現れた場合には、ただちに医療機関を受診してください。 - <肝障害のある患者>
上記疾患に該当する場合、血中におけるエソメプラゾールの濃度が過剰に高くなるおそれがあります。エソメプラゾールは肝臓で代謝を受ける成分です。肝臓に障害のある方では、代謝機能が低下してエソメプラゾールの血中からの消失が遅延する可能性があります。 - <高齢者>
多くの高齢者では薬の代謝や排泄を行う生理機能の低下がみられます。通常用量でエソメプラゾールを使った場合に、作用が強くなり過ぎて副作用の発現するリスクが高くなります。医師の指示に応じた用量でエソメプラゾールを服用してください。
- 併用注意薬
- <CYP2C19により代謝される薬>
ジアゼパム、フェニトイン、シロスタゾール、ワルファリン。
上記薬剤の作用が過度に増強されるおそれがあります。腎臓におけるCYP2C19という酵素により代謝されるエソメプラゾールは、同じ酵素に代謝される薬剤の代謝や排泄を拮抗的に遅延させます。血栓症に使われるワルファリンを併用した場合、抗凝血作用が強まって出血することがあります。 - <タクロリムス水和物>
臓器移植における拒絶反応の抑制に使われます。エソメプラゾールとの併用時、タクロリムスの血中濃度が上昇して意識障害の副作用が発現したとの報告があります。 - <ジゴキシン、メチルジゴキシン>
うっ血性心不全などの心疾患に使われます。エソメプラゾールの胃酸分泌抑制作用が上記薬剤の加水分解を抑制して血中濃度を上昇させることがあります。併用により嘔気や不整脈などが現われた場合には、休薬や用量の調節など適切な処置を行ってください。 - <イトラコナゾール>
抗真菌剤としてカンジダ症などに使われます。エソメプラゾールが胃酸の分泌を抑えることで、イトラコナゾールの溶解性が低下して血中濃度が下がることがあります。イトラコナゾールの作用が十分に働かない可能性があるため注意してください。 - <チロシンキナーゼ阻害剤>
ゲフィチニブ、ニロチニブ、エルロチニブ。
がん細胞の増殖抑制に使われます。上記薬剤の吸収が低下して血中濃度が減少することがあります。 - <ボリコナゾール>
カンジダ症などに使用される抗真菌薬です。エソメプラゾールの血中濃度が過度に上昇するおそれがあります。ボリコナゾールがエソメプラゾールの代謝酵素を阻害します。 - <ネルフィナビルメシル酸塩、サキナビルメシル酸塩>
HIV感染症に用いられます。エソメプラゾールと併用した際に、ネルフィナビルメシル酸塩では血中濃度の低下、サキナビルメシル酸塩では血中濃度の上昇が起こることがあります。 - <メトトレキサート>
関節リウマチや関節症状を伴う若年性特発性関節炎の治療に使用されます。併用時にメトトレキサートの血中濃度が上昇することがあるため、高用量のメトトレキサートを服用する場合は一時的にエソメプラゾールの服用を中止してください。