オキシメタゾリンが配合されている通販商品
オキシメタゾリンの禁忌事項
下記に該当する方はオキシメタゾリンを使用しないでください。
点鼻薬のみ
- オキシメタゾリンに対して過敏症を起こしたことがある
- 2歳未満の幼児、乳児
点眼薬のみ
- 閉塞隅角緑内障
オキシメタゾリンは使用用途によって禁忌事項が異なります。点鼻薬として使用する場合は、過敏症の既往歴がある方や2歳未満の乳幼児が禁忌の対象です。特に乳幼児は、オキシメタゾリンを使用すると発汗や徐脈、昏睡などの全身症状が発生しやすいため、オキシメタゾリンを使ってはいけません。
閉塞隅角緑内障の患者は点眼薬としてオキシメタゾリンを使用できません。オキシメタゾリンのような血管収縮剤を閉塞隅角緑内障患者が使用すると、眼圧が上昇するおそれがあるためです。
オキシメタゾリンは下記の薬と併用できません。
- モノアミン酸化酵素阻害剤
抗うつ薬として使われるモノアミン酸化酵素阻害剤は、オキシメタゾリンと併用すると急激な血圧上昇を生じることがあります。オキシメタゾリンとモノアミン酸化酵素阻害剤はともに血管収縮作用による血圧の上昇がみられる薬です。両剤の血圧上昇効果が合わさって増強されることで、急激な血圧の上昇が起こると考えられます。
オキシメタゾリンの働きと効果
- 効能・効果
- 上気道の諸疾患の充血・うっ血
- (1) アレルギー性鼻炎、急性鼻炎、副鼻腔炎による鼻づまりを緩和します。
一般名:オキシメタゾリン塩酸塩
鼻づまりや表在性充血の治療に使われる目・上気道充血改善剤です。
オキシメタゾリンは血管収縮剤として耳鼻科もしくは眼科で扱われています。耳鼻科では鼻炎などの上気道の充血やうっ血による症状の改善に使用され、眼科では目の充血を治すために原因療法と併用されています。鼻づまりの対処療法薬として市販もされており、一般的に使われている薬品です。オキシメタゾリンは即効性に優れており、鼻の通りや目の赤みを短時間のうちに改善します。
オキシメタゾリンは、花粉症などのアレルギー性鼻炎による鼻づまりを強力に抑制します。鼻づまりは、炎症によって腫れた粘膜が鼻腔を塞いでしまうことによって生じます。血管収縮作用のあるオキシメタゾリンは、鼻粘膜の腫れを抑えて鼻腔内における空気の通りを良くします。鼻づまりの随伴症状である頭痛や不眠症の改善にも効き目が期待できます。
オキシメタゾリンによって鼻呼吸が正常に行われることは、花粉症の悪化予防にも効果的です。鼻がつまっていると口呼吸をする傾向が強くなります。口呼吸では空気中の花粉やハウスダストなどの異物(アレルゲン)が、体内に直接入ってきます。対して鼻呼吸では、鼻毛や粘膜によってアレルゲンがある程度排除されます。結果的に体内に侵入するアレルゲンの量が減るため、アレルギー性鼻炎の悪化を防ぐことに繋がります。
オキシメタゾリンは投与してから5分程度で効き始め、およそ6時間〜8時間効果が持続します。点鼻薬としては12時間以上にわたって効果が持続したケースもあります。1969年には即効性と作用時間の長さから、アポロ11号計画の医療キットに唯一の鼻づまり薬として選ばれています。
オキシメタゾリンがα受容体を刺激して血管を収縮させます。
オキシメタゾリンは血管にある交感神経α受容体を直接刺激することにより、末梢血管収縮作用を示します。α受容体は神経伝達物質ノルアドレナリンと結合することで血管を収縮させる働きがあります。オキシメタゾリンはノルアドレナリンの代わりにα受容体に結合して血管の縮小を促します。
目や鼻粘膜の内側にはたくさんの毛細血管が通っています。オキシメタゾリンの作用により、アレルギー反応によって拡がった毛細血管が収縮することで、充血や粘膜の腫れがひきます。
臨床成績では鼻づまり・鼻炎・目の充血に長時間効果を発揮しました。
両側に同程度の鼻づまりを訴える患者51名に対して、鼻分泌液を吸引してから片側に5,000倍に薄めたアドレナリン、もう片側にオキシメタゾリン0.05%を噴霧したところ、35名に鼻づまりの改善がみられました。
効果の持続時間を比較したところ、アドレナリンでは1時間前後が12名、2〜3時間が23名でした。オキシメタゾリンでは3〜4時間が16名、5〜6時間が12名、6時間以上が7名と長時間の効果持続が認められました。
急性および慢性副鼻腔炎、急性・慢性鼻炎、肥厚性鼻炎、アレルギー性鼻炎などの患者13名を対象とした臨床試験では、1日ごとにアドレナリン、オキシメタゾリンの順で交互に投与しました。作用が発現するまでの時間はアドレナリンでは1〜3分、オキシメタゾリンでは1〜5分と大きな差は認められませんでした。
平均持続時間はアドレナリンがおよそ67分、オキシメタゾリンはおよそ7.7時間でした。オキシメタゾリンの効果は最大で12時間持続しました。
眼科領域では結膜充血のある患者37名にオキシメタゾリンあるいはオキシメタゾリンと副腎皮質ホルモンのコーチゾンを併せて点眼しました。効果が認められた27名では、5〜10分で効き始めた患者が多く、4〜10時間にわたって効き目が持続しました。
ナシビン点鼻薬を先発薬とした花粉症・鼻炎の薬の有効成分として配合されています。
- オキシメタゾリンが配合されている花粉症・鼻炎の薬
- 先発薬:ナシビン点鼻薬(メルク)
オキシメタゾリンの副作用
副作用
耳鼻科用剤では過敏症状や神経過敏、頭痛、めまい、不眠症、動悸、吐き気、嘔吐が起こったり、鼻に熱感、刺激痛、乾燥感、反応性充血などが生じることがあります。眼科用剤では過敏症状や頭痛、めまい、不眠症、動悸が起こったり、目に熱感、乾燥感、かゆみ、反応性充血などが生じることがあります。
承認時に確認されたオキシメタゾリンの副作用は軽度であり重大な症状の報告はありません。オキシメタゾリンが直接作用する鼻や目の他に、精神神経系や循環器に副作用が発生することもあります。点鼻薬として使った場合は、悪心や嘔吐といった消化器系の症状が現われることがあります。
長期的にオキシメタゾリンの点鼻を続けていると反応性の低下や二次充血が起こる可能性があります。オキシメタゾリンが効きづらくなったり鼻づまりが悪化するおそれがあるため、定められている期間を超えて使い続けることがないようにしてください。
- 使用に注意が必要な人
- <冠動脈疾患>
オキシメタゾリンの血管収縮作用が冠動脈疾患を悪化させるおそれがあります。 - <高血圧症>
オキシメタゾリンによって末梢血管が収縮することで血圧が上昇すると考えられます。 - <甲状腺機能亢進症>
甲状腺機能亢進症の患者は交感神経が興奮状態にあることが多く、α受容体作動薬であるオキシメタゾリンを使用することで過度な興奮状態に陥る可能性があります。 - <糖尿病>
体内に吸収されたオキシメタゾリンが肝臓で作用すると、グリコーゲンとして貯蔵されている糖が分解されて血糖値を上昇させます。 - <眼圧上昇の素因がある>
点眼薬として使う場合に限り使用注意とされます。緑内障や狭隅角、前房が浅いなど眼圧上昇の素因がある方がオキシメタゾリンを使うと、眼圧が上昇することがあります。
- 併用注意薬
- 併用に注意が必要な薬は特に指定されていません。禁忌とされているモノアミン酸化酵素阻害剤との併用だけは必ず避けてください。