ヘパリン類似物質が配合されている通販商品
ヘパリン類似物質の禁忌事項
下記に該当する方はヘパリン類似物質を使用しないでください。
- 出血性血液疾患(血友病、血小板減少症、紫斑病など)がある
- ごく少ない出血でも重大な危険を伴うことが予想される
血友病や血小板減少症、紫斑病などの出血性疾患がある方は、ヘパリン類似物質を使用できません。出血性疾患では、いずれも血液が固まる働きが弱くなっています。ヘパリン類似物質には血栓を溶かす作用があります。使用によって出血が助長されるおそれがあります。出血している箇所に塗るのも避けましょう。
同様の理由から、僅かな出血でも重大な危険を伴う患者にはヘパリン類似物質を使用できません。手術後や外傷後日が浅い方などは、必ず医師に相談してください。
ヘパリン類似物質の働きと効果
- 効能・効果
- 皮脂欠乏症、進行性指掌角皮症、凍瘡、肥厚性瘢痕・ケロイドの治療と予防、血行障害に基づく疼痛と炎症性疾患(注射後の硬結並びに疼痛)、外傷(打撲、捻挫、挫傷)後の腫脹・血腫・腱鞘炎・筋肉痛・関節炎、血栓性静脈炎(痔核を含む)、筋性斜頸(乳児期)
- (1) 吸水・保湿作用で肌の乾燥を改善します。
一般名:ヘパリン類似物質
乾燥肌の治療に使われる抗炎症血行促進・皮膚保湿剤です。
乾燥肌では、水分の蒸散を防ぐ役割の角質層がスカスカになり、保湿力が低下します。ヘパリン類似物質は角質層に潤いを与えてその構造を修復します。乾燥しやすい肌環境を根本から改善する効果があります。
ヘパリン類似物質には、乾燥荒れ肌に効果的な「保水・血行促進・抗炎症」の3つの作用があります。
保水作用は、角質層が水分を蓄える働きを増強させます。
血行促進作用は、皮膚への血流を増やして新しい肌細胞の誕生を促します。
抗炎症作用は、乾燥して荒れた肌を正常な状態に戻します。
これら3つの作用の相乗効果が期待できるヘパリン類似物質は、乾燥肌治療に役立つ成分として50年以上利用されてきました。
乾燥肌は湿度が下がる冬場だけはありません。夏場でもエアコンが効いた室内で長時間過ごすとカサカサ肌になってしまいます。アレルギーによる敏感肌などは、年間を通して治療が必要となります。
乾燥肌対策に有効なヘパリン類似物質配合薬には、様々なタイプの製品があります。空気の乾燥に強いクリームや暑い日でもベタつきにくいジェルなど、気候に応じて使い分けられます。
ヘパリン類似物質の血行促進作用は、打撲、捻挫、関節炎などでおきる血行障害による疼痛や腫れの改善に利用されています。患部の血の巡りを良くすることで、炎症を鎮めます。寒さによる手足の末端の血流悪化でおきる凍瘡(しもやけ)の症状改善にも有効です。
ヘパリン類似物質が角質層に水分を与えてその構造を修復します。
ヘパリン類似物質には、親水基と呼ばれる部分が多く存在します。親水基とは、水の分子と結合しやすい仕組みのことです。硫酸基、カルボキシル基、水酸基などの親水基が水と馴染むことで、持続的な吸水・保湿効果が発揮されます。
ヘパリン類似物質は、皮膚の内側を保湿する細胞間脂質の構造を整えます。細胞間脂質は角質層の細胞間の隙間を埋めており、水分と油分がミルフィーユのように何層にも重なりあった構造(ラメラ構造)をしています。
ヘパリン類似物質を継続的に塗り続けることで、角質層にはアミノ酸を中心とした天然保湿因子(NMF)が増えます。NMFには水分を抱え込む性質があります。NMFの増加により角質層が潤うことで、ラメラ構造の修復が促されて、角質層の保水力が向上します。
ヘパリン類似物質は、アンチトロンビンを活性化することで血行促進作用を発揮します。アンチトロンビンは、血液の凝固を抑えるタンパク質です。血流を滞らせる血栓がヘパリン類似物質の作用で融解することで、血の巡りが良くなります。
ヘパリン類似物質の臨床成績では91%に乾燥肌の改善が見られました。
乾燥肌や手荒れに対するヘパリン類似物質の有効性は、総症例2471例を対象とした臨床試験によって実証されています。皮膚欠乏症の患者284例および進行性指掌角皮症の患者95例に対してヘパリン類似物質が塗布されました。皮膚欠乏症は皮脂の分泌不足でおきる乾燥肌、進行性指掌角皮症は水仕事などの刺激でおきる手荒れです。
臨床試験の結果、皮膚欠乏症では91.2%(259/284例)、進行性指掌角皮症では71.6%(68/95例)の患者に症状の改善が確認されました。
疾患 | 有効率 | 有効以上 |
---|---|---|
皮膚欠乏症 | 91.2% | 259/284 |
進行性指掌角皮症 | 71.6% | 68/95 |
ヘパリン類似物質は保湿剤としての適応以外にも、幅広い領域の症状に用いられています。しもやけの改善やケロイドの抑制、外傷後の腫れや疼痛の治癒などにも有効です。いずれの症状に対しても、75~100%の優れた有効性が確認されています。
疾患 | 有効率 | 有効以上 |
---|---|---|
凍瘡(しもやけ) | 90.8% | 129/142 |
肥厚性瘢痕・ケロイド | 75.5% | 369/489 |
血行障害に基づく疼痛と炎症性疾患 | 100% | 8/8 |
血栓性静脈炎 | 78.0% | 71/91 |
外傷後の腫脹・血腫・腱鞘炎・筋肉痛・関節炎 | 75.5% | 508/673 |
筋性斜頸 | 88.3% | 362/410 |
ヒルドイドを先発薬とした肌乾燥・保湿剤の有効成分として配合されています。
- ヘパリン類似物質が配合されている肌乾燥・保湿剤
- 先発薬:ヒルドイドフォルテクリーム(サンファーマ)
- 先発薬:ヒルドイドフォルテジェル(サンファーマ)
ヘパリン類似物質の副作用
副作用
過敏症(かゆみ、発赤、発疹、炎症、紅潮、刺激感など)が生じることがあります。
副作用の症状 | 発現数 | 発現率 |
---|---|---|
皮膚炎 | 9例 | 0.36% |
そう痒 | 8例 | 0.32% |
発赤 | 5例 | 0.20% |
発疹・丘疹・皮疹 | 4例 | 0.16% |
潮紅 | 3例 | 0.12% |
湿疹 | 2例 | 0.08% |
刺激感 | 2例 | 0.08% |
紅斑 | 1例 | 0.04% |
分泌物増加 | 1例 | 0.04% |
熱感 | 1例 | 0.04% |
ヘパリン類似物質の主な副作用は、塗布部に見られる局所的な症状です。主な症状は皮膚炎やかゆみ、発赤、潮紅などです。
発症頻度は不明とされていますが、皮膚刺激感や紫斑も報告されています。皮膚刺激感は塗布した部位にヒリヒリとした痛みを伴います。紫斑は皮下に紅紫色の斑点ができます。肌が弱いなどの心配がある方は、使用前に医師とよく相談しましょう。
ヘパリン類似物質は肌に優しい低刺激性です。基本的に副作用が現れることはほとんどありません。臨床試験で検証された副作用の発現率は0.93%(23/2471例)でした。仮に副作用の症状が現れたとしても、ヘパリン類似物質の塗布を中止すると回復するケースがほとんどです。
- 使用上の注意
- ジュクジュクしている傷口やびらんの上にはヘパリン類似物質を塗らないでください。
目や鼻腔、膣口などの粘膜面にも塗ってはいけません。
- 使用に注意が必要な人
- <妊婦、産婦、授乳婦>
妊娠中にヘパリン類似物質を使用した場合の安全性は確立していません。危険性が確認されているわけではありませんが、安全性を検証できる臨床試験などのデータが不十分です。
妊婦、産婦、授乳婦の方がヘパリン類似物質を使う場合には、必ず医師の観察のもとで行ってください。
- 併用注意薬
- 特にありません。