レボフロキサシンが配合されている通販商品
レボフロキサシンの禁忌事項
下記に該当する方はレボフロキサシンを使用しないでください。
- レボフロキサシンまたはオフロキサシンに対して過敏症をおこしたことがある
- 妊婦または妊娠している可能性がある
- 小児(低出生体重児、新生児、乳児、幼児も含む)
過去にレボフロキサシンを使用した際に、発疹や痒み、蕁麻疹などの過敏症が生じたことのある方は本剤を使用できません。レボフロキサシンと化学構造が近いオフロキサシンで過敏症がおきたことのある方も同様です。
妊娠している婦人や小児に対するレボフロキサシンの安全性は確立されていません。炭疽症などの重篤な疾患に限り、レボフロキサシンの治療によって得られる有益性が危険性を上回ると医師によって判断された際にのみ使用できます。レボフロキサシンの成分が母乳中に移行したとの報告もあるため、授乳は中止しなくてはなりません。
レボフロキサシンの働きと効果
- 効能・効果
- 表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、化膿性炎症を伴うざ瘡、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、乳腺炎、肛門周囲膿瘍、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎、精巣上体炎、尿道炎、子宮頸管炎、胆嚢炎、胆管炎、感染性腸炎、腸チフス、パラチフス、コレラ、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、涙嚢炎、麦粒腫、瞼板腺炎、外耳炎、中耳炎、副鼻腔炎、化膿性唾液腺炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎、炭疽、ブルセラ症、ペスト、野兎病、肺結核及びその他の結核症、Q熱
- <適応菌種>
本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、淋菌、モラクセラ・カタラーリス、炭疽菌、結核菌、大腸菌、赤痢菌、サルモネラ属、チフス菌、パラチフス菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、ペスト菌、コレラ菌、インフルエンザ菌、緑膿菌、アシネトバクター属、レジオネラ属、ブルセラ属、野兎病菌、カンピロバクター属、ペプトストレプトコッカス属、アクネ菌、コクシエラ・ブルネティ、クラミジア・トラコマティス、クラミジア・ニューモニエ、マイコプラズマ・ニューモニエ
一般名:レボフロキサシン水和物
クラミジア感染症の治療に使われる合成抗菌剤(細菌感染症治療剤)です。
細菌感染症に有効なニューキノロン系の合成抗菌薬です。クラミジア・トラコマチスをはじめとする病原細菌に対して殺菌的に作用します。体液や病変組織に対して効率的に移行するレボフロキサシンは、従来では点滴静注による抗菌薬の投与が必要な難治性の症例(手術後の二次感染の予防など)に対しても飲むだけで治療できるようになりました。良好な組織移行性を利用して、点眼薬としてもレボフロキサシンは用いられています。
レボフロキサシンはニューキノロン系のオフロキサシンを改良して作られた薬です。抗菌活性の強いオフロキサシンを改良した結果、レボフロキサシンの抗菌活性は従来薬の2倍に増強されています。1日1回の投与で高い治療効果を発揮するレボフロキサシンは、ニューキノロン系抗菌薬の中でも最も処方される頻度の高い薬となりました。
嫌気性菌を含んだグラム陽性菌類やグラム陰性菌類に対して、レボフロキサシンは広範囲に抗菌活性を示します。適応菌種となるのは肺炎球菌を含むレンサ球菌属、リンパ管・リンパ節炎や歯周組織炎を引き起こすブドウ球菌属をはじめ、さまざまな細菌・ウイルスの感染症に効果があります。
殺菌できる適応菌種が多いレボフロキサシンは、クラミジア感染症のような性感染症だけでなく、副鼻腔炎、肺炎、胃腸炎、結核など様々な領域の細菌感染症の治療で処方されています。レボフロキサシンは、44の疾患と35種類の菌に対する適応が認められています。比較的副作用が少ないことから、ペニシリン系やセフェム系の抗生物質が耐性菌やアレルギーの問題で使用できない場合の代替薬としてもレボフロキサシンは用いられます。
レボフロキサシンが細菌のDNAの複製に必要な酵素を阻害します。
レボフロキサシンは、病原細菌のDNAの複製を阻害することで殺菌的に作用します。
細菌が増殖するには、DNAを2つに分けて細胞分裂を行う必要があります。レボフロキサシンは、DNAの複製に必須な酵素の働きを不活性化させます。
レボフロキサシンが作用する酵素は、DNAジャイレースおよびトポイソメラーゼIVです。これらの酵素は、DNAの複製時に必要となる2本鎖の切断および再結合を行う役割があります。レボフロキサシンがDNAジャイレースとトポイソメラーゼIVの活性を阻害することで、細菌の生育に不可欠であるDNAの複製が妨げられます。
臨床成績ではクラミジアに対する84~94%の有効性が実証されています。
クラミジア感染症に対するレボフロキサシンの効果は、先発薬クラビットが市販された後に行われた臨床試験*で実証されています。臨床試験では、クラミジア感染による尿道炎患者33例および、子宮頸管炎患者18例に対して、レボフロキサシン500mgを1日1回投与を7日間継続しました。臨床試験の結果、男性尿道炎患者では84.8%(28/33例)、女性尿道炎患者では94.4%(17/18例)の有効率が示されました。
クラミジア以外の細菌感染症に対するレボフロキサシンの効果を検証した臨床試験も行われています。以下の臨床成績は、各種疾患に対してレボフロキサシン500mgを1日1回投与した際の有効率です。
疾患名 | 有効率 |
---|---|
咽頭・喉頭炎、扁桃炎 | 95.0% |
急性気管支炎 | 100% |
肺炎 | 93.1% |
慢性呼吸器病変の二次感染 | 100% |
疾患名 | 有効率 |
---|---|
膀胱炎 | 86.5% |
腎盂腎炎 | 73.3% |
前立腺炎 | 100% |
精巣上体炎(副睾丸炎) | 80.0% |
尿道炎 | 84.8% |
疾患名 | 有効率 |
---|---|
子宮頸管炎 | 92.3% |
子宮内感染 | 94.7% |
疾患名 | 有効率 |
---|---|
中耳炎 | 100% |
副鼻腔炎 | 85.9% |
いずれの疾患においてもレボフロキサシンでは、73~100%の優れた有効率が示されました。
その他にもレボフロキサシンでは、皮膚科や整形外科、眼科、歯科など様々な領域の感染症に対する有効性が認められています。以下の臨床成績は、各種疾患に対してレボフロキサシン100~200mgを1日3回投与した際の有効率です。現在日本で承認されている用量とは異なりますが、レボフロキサシンの有効性を示す上での参考値となります。
疾患名 | 有効率 |
---|---|
表在性皮膚感染症(毛のう炎等)ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの) | 83.5% |
深在性皮膚感染症(せつ、せつ腫症等) | 92.8% |
リンパ管・リンパ節炎 | 93.8% |
慢性膿皮症(皮下膿瘍、汗腺炎等) | 89.0% |
疾患名 | 有効率 |
---|---|
外傷・熱傷及び手術創等の二次感染 | 78.3% |
乳腺炎 | 79.3% |
肛門周囲膿瘍 | 95.7% |
疾患名 | 有効率 | 胆嚢炎・胆管炎 | 73.1% |
---|---|
涙嚢炎、麦粒腫、瞼板腺炎 | 97.1% |
感染性腸炎 | 96.6% |
腸チフス | 100% |
コレラ | 100% |
歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎 | 83.4% |
※出典:リンク先、販売名:クラビット錠250mg/クラビット錠500mg/クラビット細粒10%のインタビューフォームを参照
レボフロキサシンは、クラビットを先発薬としたクラミジア治療薬の有効成分として配合されています。
レボフロキサシンの副作用
副作用
内服薬では下痢、軟便、胃・腹部不快感、吐き気、腹痛、食欲不振、過敏症(発疹)、頭痛、頭重感、不眠などが生じることがあります。眼科用剤では刺激感やかゆみなどが生じることがあります。
重大な副作用
アキレス腱炎、うつ状態、横紋筋融解症、過敏性血管炎、間質性肺炎、肝機能障害、偽膜性大腸炎、急性腎不全、けいれん、劇症肝炎、血小板減少症、溶血良性貧血、錯乱、出血性大腸炎、ショック、アナフィラキシー様症状、スティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死症。
以下はクラビットのインタビューフォーム*に記載されていた副作用の発現率です。
副作用の症状 | 発現数 | 発現率 |
---|---|---|
悪心 | 63例 | 3.3% |
めまい | 59例 | 3.1% |
白血球減少 | 50例 | 2.7% |
不眠 | 39例 | 2.6% |
ALT(GPT)上昇 | 33例 | 1.7% |
好酸球数増加 | 30例 | 1.6% |
血中乳酸脱水素酵素増加 | 26例 | 1.4% |
AST(GOT)上昇 | 26例 | 1.4% |
下痢 | 26例 | 1.4% |
臨床試験で検証されたレボフロキサシンの副作用発現率は27.1%(522/1,924例)でした。
発現が報告されたレボフロキサシンの主な副作用は、悪心やめまいといった消化器系統・精神神経系統の症状です。腹部不快感から下痢・嘔吐などに発展したり、不眠や頭痛へと症状が悪化した際には、レボフロキサシンの服用を一旦中止して担当の医師や薬剤師の指示を仰いでください。
白血球数減少や好酸球増加などの血液系の異常が見られる場合があり、長期的にレボフロキサシンを投与する際には定期的な検査が必要です。貧血やめまいなどの初期症状が現れたら、リンパ球数や血小板数の減少へと発展するおそれがあります。
肝機能障害が発生するケースもあり、LDHやALT(GPT)上昇などの検査値異常がレボフロキサシンで報告されています。他にもごく低頻度なレボフロキサシンの副作用として頻尿や尿閉といった症状も見られます。レボフロキサシンが視覚や味覚の異常、耳鳴りなど感覚器官に影響を及ぼす場合もあり、無嗅覚や嗅覚錯誤に発展する可能性もあります。
ごく稀に発症する重大なレボフロキサシンの副作用として、アナフィラキシーが挙げられます。紅斑、悪寒、呼吸困難といった初期症状や意識の低下などの精神症状、全身にかけての痙攣が発現したら、一刻も早くレボフロキサシンの投薬を中止して担当の医師の指示を仰いでください。
- 使用に注意が必要な人
- <高度の腎機能障害がある>
上記疾患に該当する場合、レボフロキサシンの排泄が滞るため血中に長く留まります。腎機能障害の程度に応じてレボフロキサシンの成分濃度が高くなりますので、高度の腎障害を有する患者は投与量を慎重に調整する必要があります。 - <てんかん等の痙攣性疾患または既往歴がある>
上記疾患に該当する場合、痙攣の発現頻度が高くなるおそれがあります。先発薬の市販後に行われた調査では、レボフロキサシンの使用による痙攣の発現が報告されています。 - <キノロン系抗菌薬に対して過敏症をおこしたことがある>
レボフロキサシンはキノロン系に分類される抗菌薬です。以前に他のキノロン系の抗菌薬を使用した際に過敏症が出た経験のある方では、レボフロキサシンでも過敏症がおきる可能性が高くなります。 - <重篤な心疾患がある>
上記疾患に該当する場合、QT延長を生じるおそれがあります。レボフロキサシンの使用によって重篤なQT延長がおきたことが報告されています。 - <重症筋無力症>
上記疾患に該当する場合、症状を悪化させるおそれがあります。レボフロキサシンの属するフルオロキノロン系というグループの他の抗菌薬で、重症筋無力症の悪化を招く神経筋伝達遮断作用が報告されています。 - <大動脈瘤または大動脈解離を合併しているまたはその既往歴・発症リスクがある>
発症リスクには、上記疾患に該当する家族がいる場合や誘因となるマルファン症候群などを有する場合が含まれます。レボフロキサシンの使用によって、大動脈瘤および大動脈解離の発症リスクが増加したとの報告があります。 - <高齢者>
レボフロキサシンの血中濃度が過度に高くなるおそれがあります。高齢者は、腎臓の代謝機能が低下している可能性が高いため、レボフロキサシンの投与用量を調整する必要があります。
- 併用注意薬
- <フェニル酢酸系またはプロピオン酸系非ステロイド性消炎鎮痛薬>
フルルビプロフェン、ボルタレンなど。
関節痛や神経痛の痛み止めに使われます。痙攣が生じるリスクがあります。レボフロキサシンが有する脳の興奮を鎮めるGABAという神経伝達物質の働きを阻害し、副作用を増強させることが知られています。 - <アルミニウムまたはマグネシウム含有の制酸薬等、鉄剤>
酸化マグネシウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、乾燥硫酸鉄など。
胃潰瘍や十二指腸潰瘍、貧血などの治療に使われます。レボフロキサシンの効果が減弱するおそれがあります。キレートと呼ばれる溶けづらい物質を形成することで、消化管からの吸収を阻害します。 - <クマリン系抗凝固薬(ワルファリン)>
血栓症の治療に使われます。ワルファリンの作用を過度に増強させるおそれがあります。レボフロキサシンとの併用によって、血が固まるまでの時間(プロトロンビン時間)の延長が認められたとの報告があります。 - <QT延長をおこすことが知られている薬剤>
デラマニド、キニジン、アミオダロン、スルピリド、ピモジドなど。
非常に幅広い種類の薬剤が含まれます。レボフロキサシンとの併用が想定される薬として、肺結核の治療に使われるデラマニドが挙げられます。QT延長を生じるおそれがあります。