アレルギー性鼻炎の予防「食生活から体質改善・アレルゲンを避ける方法」
食生活からアレルギー性鼻炎を和らげる体質改善法

アレルギー性鼻炎の原因に深く関わっているのが、免疫力の低下です。くしゃみや鼻水などのアレルギー症状は、身体から異物(花粉やハウスダストなど)を追い出そうとする免疫反応によって生じています。しかし、生活習慣の乱れやストレスなどによって免疫力が低下すると、異物に対するアレルギー反応が過剰に出てしまうのです。
アレルギー性鼻炎の予防には、免疫力を高める体質改善が有効です。手軽に行える体質改善法として、食生活の見直しが挙げられます。抗炎症作用の高い「ビオチン」やアレルギー反応を悪化させる「活性酸素」を除去する栄養を積極的に摂取しましょう。
ビオチンを摂取する
ビオチンとは、水溶性ビタミンB群の一種であり、ビタミンB7とも呼ばれます。糖分やたんぱく質の代謝に関わる酵素をサポートします。皮膚や髪の健康維持にも欠かせない栄養素です。抗炎症作用に優れていることから、アレルギー性疾患の治療に用いられることもあります。
ビオチンには、「ヒスタミン」という化学伝達物質を体外に排出させる働きがあります。ヒスタミンは侵入したアレルゲンに反応して炎症を起こす化学伝達物質です。ヒスタミンを排出して減少を促すことで炎症を抑えます。またビオチンは、炎症そのものを抑える抗炎症性物質の生成にも関わっています。
アレルギー性鼻炎は、花粉など体内に侵入したアレルゲンが原因の炎症疾患です。炎症が起こりづらくなることで、くしゃみや鼻水といったアレルギー性鼻炎の特徴的な症状が抑えられます。
ビオチンは、体内で作り出すことはできないので、食事から摂取することが必要です。ビオチンを多く含む食べ物としては、以下が挙げられます。
- 鶏レバー
- 豚レバー
- しいたけ
- あさり
- ナッツ類
- 卵黄
ビオチンは身体から排泄されやすい水溶性ビタミンなので、毎日欠かさずに摂り続けることが大切です。食事から摂取し続けるのが難しい場合には、サプリメントを利用しましょう。
活性酸素の除去に有効な栄養を摂る
活性酸素とは、強い酸化力を持つ酸素です。細胞を錆びさせることで、老化を進めます。ウイルスなどの外敵から身体を守る役割がありますが、過剰に生成されるとアレルギー性鼻炎を悪化させる要因となります。
活性酸素が過剰になると、過酸化脂質が作られます。過酸化脂質は、脂質が酸化した油です。細胞を覆った過酸化脂質が体内のたんぱく質を変化させて、アレルギー反応を悪化させます。過酸化脂質を作らせないためには、活性酸素を除去することが必要です。
活性酸素の除去には、抗酸化作用のある栄養の摂取が効果的です。抗酸化作用とは、活性酸素の発生を抑えたり除去する働きのことです。抗酸化作用の高い栄養としては、以下が挙げられます。
- ビタミンA
- ビタミンC
- ビタミンE
- ポリフェノール類
- ミネラル類
これらはいずれも食事から摂取できる栄養素です。ビタミンA・Cは緑黄色野菜、ビタミンEは植物油やごま・アーモンドなどの種実類に多く含まれます。ポリフェノールはお茶やコーヒー、フルーツの皮などにも豊富に含まれています。
また抗酸化作用に優れた栄養がブレンドされたサプリメントの摂取もおすすめです。サプリメントを活用することで、食事からでは偏りがちな栄養を効率的に摂取できます。テルペンやフラボノイドなどの抗酸化物質が含まれているサプリとして「グドゥチ」が挙げられます。
活性酸素の除去には、ストレス緩和に役立つ栄養がブレンドされたサプリメントも有用です。ストレスは血管を収縮させて、一時的な血流の停滞を招きます。活性酸素が発生するのは、滞った血流が元に戻ったタイミングです。ストレス状態が続くと、血流の停滞と回復が繰り返されて、大量に活性酸素が発生します。
タガラは、ストレス緩和や不眠解消をサポートするサプリメントです。原料となる天然ハーブは心身のリラックスを促し、脳の興奮を抑制する「γ-アミノ酪酸(GABA)」の分解を防ぐ成分を含んでいます。
花粉などのアレルゲンを避けるための生活の注意点
アレルギー性鼻炎の予防には、原因となるアレルゲンの侵入自体を防ぐことも重要です。原因となるアレルゲンは、ダニやホコリなどのハウスダストタイプ、スギやヒノキなどの花粉タイプに大別されます。アレルゲンの侵入を防ぐには、それぞれのタイプに適した日常的な対策が必要です。
室内に潜むハウスダストを排除する
ハウスダストをアレルゲンとするアレルギー性鼻炎の予防には、ほこりの中にいるダニやその死骸・排泄物をできるだけ排除する事が大切です。
まずは室内を掃除して、綺麗な状態を保ちましょう。布団や毛布はよく日に干して掃除機をかけ、表面に付着したダニやその死骸・排泄物を吸い取る必要があります。枕カバーやシーツの洗濯もこまめに行いましょう。防ダニ加工を施したカバーも効果的です。
また、カーペットやぬいぐるみもなるべく避けた方が良いでしょう。布製品はほこりが溜まりやすく、ダニがつきやすいです。日常生活に必要な布製品は、こまめに洗濯する必要があります。
加えて換気をこまめに行う事も、ハウスダスト型アレルギー性鼻炎の予防として有効です。室内に湿気がこもると、ダニやカビが繁殖しやすい高温多湿になります。ダニなどが繁殖しないよう、室内の換気をよく行いましょう。
花粉飛散量の多い日の外出は避ける
花粉症型のアレルギー性鼻炎を予防するには、とにかく花粉に触れない事が大切です。スギ花粉やブタクサの花粉など、アレルゲンとなる花粉は年中飛散しています。花粉の飛散量が多い日の外出は避けましょう。
花粉の飛散量は、雨上がりの晴れた日や晴れて湿度の低い日、風の強い日などが多くなりやすいです。これらの日は外出を避けるのが得策でしょう。
外出せざるを得ない場合は、花粉用のマスクやメガネの着用が効果的です。マスクの場合は、ガーゼを水で浸して固く絞ってから内側に挟むと効き目が増します。湿らせたガーゼが花粉の通過を防ぐと共に、のどの乾燥の緩和にも役立ちます。
外出した際には、衣類などに付着した花粉を室内に持ち込まないのも予防の大原則です。帰宅時には、玄関先で衣類や髪に付いた花粉を払い落としましょう。花粉のシーズン中には、外に洗濯物を干すことも避けた方が無難です。
空気清浄機をうまく活用すると、花粉症タイプのアレルギー性鼻炎を予防できます。花粉は床に落下するので、空気清浄機は床に置いた方が効果的です。