禁煙時の離脱症状が気持ちいいって本当?口コミや原因を検証
禁煙時に体はニコチンの欠乏による離脱症状を経験しますが、一部の人はこれを「気持ちいい」と感じているようです。この感覚は、SNS上の投稿やgoogleの検索キーワードから報告されています。離脱症状の主な症状はイライラや抑うつなど不快な症状が一般的です。快感が生じる原因は不明ですが、アセチルコリンの減少に伴う眠気などの症状に、心地よさを感じている人がいることが推察されます。
禁煙時の離脱症状とは?気持ちいいと感じる人も居る?
禁煙時の離脱症状は、体がニコチンの欠乏に反応して起こる一連の物理的および心理的反応です。ニコチンはタバコに含まれる依存性のある物質であり、長期間にわたって摂取することで体はそれに慣れ、その欠如によってさまざまな症状が現れます。
以下、厚生労働省が発行している禁煙支援マニュアル*に記載されていた主な離脱症状の一覧です。
症状 | 発症頻度 |
---|---|
イライラ・易攻撃性 | 50% |
抑うつ | 60% |
落ち着きのなさ | 60% |
集中困難 | 60% |
食欲亢進 | 70% |
軽度の頭痛 | 10% |
夜間覚醒 | 25% |
便秘 | 17% |
口腔内の潰瘍 | 40% |
喫煙欲求 | 70% |
上記したように、離脱症状は禁煙の継続を妨げる不快な症状として現れるのが基本です。”気持ちいい”と感じるような快感を伴う症状は一般的ではありません。
一方で、SNS上では「禁煙中の離脱症状が気持ちいい」といった旨の投稿が散見されます。
またgoogleの検索窓に「禁煙 離脱症状」まで打ち込むと、「禁煙 離脱症状 気持ちいい」という検索キーワードの候補が提案されます。これは、一定数の人が「禁煙 離脱症状 気持ちいい」という検索を行っていることを示唆しています。
気持ち良さを感じる人の割合やその仕組みは不明ですが、禁煙時の離脱症状に対して、実際に”気持ちいい”という感想を抱いている人が少なからず存在することが伺えます。
- ※主な離脱症状に関する参考サイト
- 厚生労働省 健康局 健康課編 - 禁煙支援マニュアル(第二版)増補改訂版(PDF:14.3MB)
SNSで散見される「禁煙時の離脱症状が気持ちいい」という投稿
こちらでは、実際にX(旧:Twitter)に投稿されていた「禁煙中の離脱症状が気持ちいい」といった旨のポストを一部、紹介します。
禁煙(1日吸わなかっただけ)の離脱症状がなんだか気持ちいい、そしてなんだかムラムラする。
禁煙の離脱症状辛いと言うより気持ちいい
タバコの離脱症状がやばい。眠たくなるのは気持ちいいからまだいいものの、手足の感覚が無くなる感がある。車の運転とかする人は絶対いきなりの禁煙はやめた方がいいと思う。自分も減煙にすればよかった
「禁煙 離脱症状」って入力すると「気持ちいい」が予測に出てくる。変態は自分だけじゃないとホッとする。
ニコチンの離脱症状が気持ちいい。ってなると吸って辞めて吸って辞めてを繰り返す。まさに俺が離脱症状依存症。
禁煙数時間後からの離脱症状(ニコチンが抜けてくのがわかる)気持ちよすぎて、このタイミングで1本吸ったらもっと気持ちいいだろうなぁと想像しつつ耐え忍ぶ3日目。
禁煙アプリもう一つ入れてて、それの本日の写真というページが、それ嘘だよね?てな脅し満載で草。しかも日本語不自由。
禁煙1日目にして禁断症状が出始めた!このいやーな感じが気持ちいいのよねー
移植した日からタバコやめてるんだけど(遅っ)ニコチン離脱症状?っていうの?めちゃ頭ポアポアして気持ちいいんだけど!!何これ赤ちゃんできてなかったら即ヤニカスに戻るけどさwww
タバコやめれるタイミングの時は、
やめ始め数日のニコチンの離脱症状の抜けが気持ちいい。頭トロける
これらの投稿からは、禁煙開始数時間から数日間までの早い段階で”気持ち良さ”が現れる傾向があることが伺えます。
また禁煙時に現れる「眠気」や「頭がポアポアする」などの症状を気持ちいいと感じている人も居るようです。
なぜ離脱症状が気持ちいいと感じるのか?
離脱症状に気持ち良さを感じるポイントは人それぞれ異なります。よって原因を一概に断定することは困難です。
ただし、離脱症状によって頭がボーっとしたり、ほわほわしたりする感覚に心地よさを感じているのであれば、その原因には喫煙による「アセチルコリン」の減少が関わっています。
アセチルコリンは神経伝達物質のひとつです。脳を目覚めさせる働き(覚醒作用)や、活力を上げる働き(賦活作用)を有しています。
タバコに含まれるニコチンは、このアセチルコリンと似た形をしています。喫煙によって体内に取り込まれると、アセチルコリンと同様の覚醒作用や賦活作用を発揮します。
問題なのは、喫煙期間が長期に及ぶと、脳がアセチルコリンとニコチンを誤認するようになってしまうことです。こうなると、ニコチンを摂取している間は、アセチルコリンの分泌量が低下します。
アセチルコリンの分泌量が低下した状態で禁煙を行い、ニコチンの供給が断たれると、脳を目覚めさせる働きが低下します。
結果的に頭がボーっとしたり、眠くなったりなどの身体的な変化がおこり、ある種の”気持ち良さ”を感じる可能性があります。
気持ちいいと感じるのは禁煙から何日目?
禁煙後に”気持ち良さ”が訪れるタイミングや期間は人それぞれですが、離脱症状が最も強く感じられるのは禁煙開始から1~3日目までです。
離脱症状自体はおおむね1週間くらいまで続く可能性がありますが、長くても2~3週間経つ頃には消失します。
その頃には、アセチルコリンの分泌量も通常に戻るため、禁煙に伴う心地よさを感じづらくなることが予想されます。