医薬品の個人輸入について・仕組みや注意したいポイント
- 公開日
- 2018年12月21日
- 更新日

個人輸入代行サービスは、国内では入手が難しい海外製の医薬品やサプリメントを手軽に購入できる方法として広く利用されています。
個人輸入代行サービスを利用する際には、様々なルールやリスクを理解することが重要です。例えば、入手した医薬品を他人に販売・譲渡することが禁止されている点や、一度に注文できる数量に制限がある点などは、十分に注意しなくてはなりません。また、海外製品における品質基準の違いや、副作用のリスクも考慮し、自己責任で使用することが求められます。

このページでは、個人輸入に慣れていない方でも安心してご利用いただけるよう、個人輸入代行サービスの仕組みやルール、注意点などを解説いたします。早く知りたい方は、重要なポイントをまとめた「マンガでわかる!個人輸入代行(全6ページ)」を飛ばし見してください。
個人輸入代行サービスの仕組み
個人輸入代行サービスでは、通常の通販と同様の手順で、国内では入手しにくい海外製の商品を簡単に個人輸入できます。

当サイト「薬の通販オンライン」では、欲しい商品を選び、数量、お届け先、お支払い方法を決めて注文するだけです。輸入に必要な手続きや、海外とのやりとり、配送の手配などはすべて代行サービスが行いますので、言葉の問題や輸入に関する手間を心配する必要はありません。
個人輸入代行・商品お届けまでの流れ
お客様からご注文をいただいてから、商品をお客様のお手元にお届けするまでの流れをご説明いたします。

- お客様からのお問い合わせ・ご注文:お客様から弊社にご連絡いただき、ご希望の商品、数量などを指定していただきます。
- お見積り・ご注文の確定・代金のお支払い:弊社では、お客様のご要望に基づき、商品の価格、送料などを含めた費用をご案内いたします。内容にご納得いただけましたら、ご注文を確定、代金をお支払いいただきます。
- 弊社による手配:お客様からご入金が確認できましたら、弊社は海外の卸業者に対して商品の発注手続きを行います。この際、お客様に代わり必要な書類等を準備し、業者とのやり取りを行います。商品の発送準備が整い次第、速やかにお客様へ発送いたします。
- 商品の発送:海外の卸業者は、商品を直接お客様の住所宛に発送いたします。発送は、国際郵便にて行われます。お客様には、追跡番号等をご連絡いたします。
- 商品のお受け取り:商品が到着しましたら、お客様ご自身で商品の内容をご確認ください。
上記は一般的な流れです。商品や輸入元によって手続きが異なる場合があり、関税や法的規制がかかることもございますので、事前にご確認ください。
- ご注意事項
- 弊社は、あくまでもお客様が個人輸入される商品の手続きを代行するサービスを提供しており、商品の販売や効果効能を保証するものではございません。商品の輸入に関しましては、最終的にお客様ご自身の責任のもとで行われることになりますので、あらかじめご了承ください。
- 詳細な手続きや流れ、その他ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
通販サイトと異なる個人輸入の配送スケジュールの特徴
個人輸入代行サービスでは、ご注文後に商品を代行して購入し、輸入手続きを行います。そのため、商品の到着までには通常7~20日程度かかります。この点で、在庫を持つ店舗から直接購入できる通常の通販サイトと異なり、弊社が直接発送できるわけではありません。
また、サイト上では、あらかじめ在庫が確認された商品を掲載していますが、海外からの発送となるため、注文から商品のお届けまでにどうしても時間がかかります。

数量はいくつから注文できるの?
基本的に1箱単位でのご注文が可能です。商品によって1シートから注文できる場合もありますが、1錠単位での注文はできません。ひと箱あたりの内容量は商品により異なります。
手数料や送料はかかるの?
当サイトをご利用の場合、手数料は一切かかりません。商品の合計が7,000円以上の場合、送料は無料です。7,000円未満の場合は、送料として700円がかかります。詳細は、配送料・配送サービスのページをご確認ください。
荷物はどんな状態で届くの?
ご注文いただいた商品は、梱包用の箱または封筒に入れた状態でお届けとなります。梱包表面には、「Pharmaceutical Products For Personal Use Only」または「Medicine」と英語で記載されますが、詳細な商品名は記載されません。梱包に関する詳細は、プライバシーに配慮した安心梱包(画像)をご確認ください。
未承認医薬品を個人輸入する前に知っておくべき注意点
海外製の医薬品を個人輸入することで、低価格なジェネリック医薬品の選択肢が広がり、自宅にいながら手軽に入手できるという利便性があります。経済的な負担の軽減にも期待ができます。
しかし、その一方で、日本の品質基準を満たしていない可能性や、模造品を購入してしまうリスクがあります。また、副作用が生じた場合でも、医薬品副作用被害救済制度の対象外となるため、公的な救済を受けられないことに注意が必要です。これらのメリットとデメリットを理解し、自己判断と自己責任で慎重に検討することが重要です。

1. 海外製薬品と日本基準の品質ギャップ
海外で承認されているものの、日本の厚生労働省で未承認の医薬品は、日本の厳しい品質基準(医薬品GMP)を満たしていない可能性があります。製造国での品質基準は満たしていますが、国によって基準は異なるため、日本の基準で見ると品質管理が不十分とされることがあります。
特に、日本と海外では医薬品の「外観基準」に大きな違いがあります。例えば、注射剤のラベルが少し曲がっていたり、薬の瓶に小さな傷がある場合、日本では許容されませんが、欧米では問題視されないことが一般的です。
未承認医薬品を購入する際には、日本と海外での品質管理基準の違いを理解しておくことが重要です。具体的には、薬のパッケージに傷や凹みがあったり、錠剤やカプセルの向きが揃っていない場合が見受けられることがあります。
2. 模造品を避けて安全な個人輸入
海外製医薬品市場では、偽造医薬品が多く流通しています。これらの偽造品は外見が本物に酷似しており、見分けが難しいことがあります。
偽造医薬品は、有効成分が少なかったり、含まれていなかったり、過剰に含まれていることがあり、使用した場合に効果が得られないばかりか、健康被害を引き起こす可能性があります。WHOの調査では、所在地を隠している非合法なサイトで販売される医薬品の50%が偽造品であると報告されています。
個人輸入代行サイトを選ぶ際には、所在地や運営会社の情報が明記されているページを確認し、信頼できる企業であるかを確認することが重要です。
- 偽造医薬品に関する参考文献
- World Health Organization. (2006). Counterfeit medicines. Fact sheet. (PDF:58.7KB)
- 個人輸入シアリスの真正性に関する研究(金沢大学医薬保健研究域薬学) (PDF:1,164KB)
- 個人輸入メトホルミンの真正性と品質に関する研究と非破壊分析の応用(金沢大学医薬保健研究域薬学) (PDF:290KB)
3. 医薬品副作用被害救済制度の対象外
日本には、医薬品を適正に使用したにもかかわらず、副作用による健康被害を受けた場合に救済する制度があります。それが「医薬品副作用被害救済制度」です。しかし、個人輸入で手に入れた商品の使用は制度の対象外です。
個人輸入で手に入れた商品を使用した結果、副作用によって重篤な健康被害が生じても、入院費や障害に対する対応費用などの給付を受けることはできません。医療費や治療費などの経済的負担は全額自己負担となるため、使用には重い自己責任が伴います。十分に理解した上で、慎重に取り扱うことが重要です。
- 医薬品副作用被害救済制度とは
- この制度は、日本国内で承認された医薬品を適正に使用した結果として、副作用による健康被害が生じた場合に、医療費や障害年金などの給付を行うものです。制度の対象となるためには、日本国内で承認された医薬品であり、医師の指示に基づき適正に使用されていることなどの条件を満たす必要があります。
- 詳しい内容はこちら:医薬品副作用被害救済制度 | 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
4. 自己判断と自己責任の重要性
海外の医薬品を個人輸入する場合、自己判断で使用することが前提です。日本の医療機関で処方される薬とは異なり、医師や薬剤師の指導を受けず、適切な使用方法や用量に関する専門的なアドバイスが得られません。そのため、副作用のリスクや相互作用の危険性を十分に理解し、自身の健康状態や他に服用している薬との相性を慎重に考慮する必要があります。
特に、以下に該当する方は医師に相談することを強くお勧めします。自己判断で薬を使用する場合、責任が伴うことを十分に理解してください。
- 自己判断による服薬が特に危険な方
- 持病がある方
- 高齢の方
- 妊娠中や授乳中の女性
- アレルギー体質の方
- 複数の薬を服用している方
- 精神的な問題を抱えている方
これらの方々は、自己判断で薬を使用するリスクが高いため、必ず医師や薬剤師に相談してから使用してください。
個人輸入に関する数量制限と遵守すべきルール
個人輸入は海外の商品を手軽に入手できる手段ですが、安全な医薬品や医療機器を管理し、国民の健康を守るために、法的なルールが設けられています。特に、医薬品医療機器等法(薬機法)は、医薬品や医療機器の品質や安全性を確保するため、個人輸入にも適用されます。

個人輸入は、個人使用を前提としており、輸入品の他者への販売や譲渡は法律で禁止されています。違反すれば処罰対象となるため注意が必要です。また、輸入できる数量には制限があり、医薬品や医療機器の種類や用途に応じた規定量を守ることが求められています。以下のようなルールがあることを留意してご利用ください。
1. 他人への販売・譲渡は禁止
医薬品の個人輸入は、個人使用の範囲に限り許可されています。他人に譲渡したり販売したりすることはできません。
もし他人に譲渡・販売を行った場合、事業と見なされ、法的に処罰される可能性があります。個人輸入した医薬品は、必ず自己使用に留めてください。
2. 商品の数量制限に注意
個人輸入できる医薬品は、数量に制限があります。医薬品や医薬部外品においては、以下の範囲でのみ個人輸入が可能とされています。
特例的に税関限りの確認で通関することができる数量等の範囲
種類 | 品目 | 詳細 | 数量制限 |
---|---|---|---|
医薬品及び医薬部外品 | (1)外用剤 | 毒薬、劇薬及び処方せん薬、バッカル錠、トローチ剤及び坐剤を除く | 標準サイズで一品目につき24個以内 |
(2)毒薬、劇薬及び処方せん薬 | 用法用量からみて1か月分以内 | ||
(1)(2)以外の医薬品 | 用法用量からみて2か月分以内 | ||
化粧品 | 標準サイズで一品目につき24個以内 | ||
医療機器 | 家庭用医療機器 | 家庭用マッサージ器、家庭用低周波治療器、など | 最小単位(1セット) |
使い捨てコンタクトレンズ | 2か月分以内 |
- 個人輸入できる医薬品の数量に関する参考サイト
- 医薬品等の個人輸入について |厚生労働省
3. 一部の成分(医薬品・食品)は輸入確認証が必要
一部の成分が海外の医薬品や食品に含まれている場合は、数量にかかわらず、厚生労働省の確認(輸入確認証)が必要です。特に、医師の処方や指示がない状態での個人使用は、健康被害や乱用のリスクが高いため、輸入時には慎重な確認が求められます。医薬品医療機器等法(薬機法)に基づき、個人使用の医薬品であっても、安全性確保の観点から規制が設けられています。
ただし、海外から入国する際、自身の治療のために必要な医薬品を持参する場合は例外です。旅行者などの短期滞在者が健康管理を目的とする医薬品に限り、特例として持ち込みが認められています。
輸入確認証等を必要とする成分(医薬品・食品)
抗ウイルス薬
一般名・和名 | 欧文一般名・英名 |
---|---|
ファビピラビル | Favipiravir |
モルヌピラビル | Molnupiravir |
抗悪性腫瘍薬
一般名・和名 | 欧文一般名・英名 |
---|---|
サリドマイド | Thalidomide |
ポマリドミド | Pomalidomide |
レナリドミド | lenalidomide |
脳機能の向上・スマートドラッグ
一般名・和名 | 欧文一般名・英名 |
---|---|
アテノロール | Atenolol |
アトモキセチン | Atomoxetine |
アドラフィニル | Adrafinil |
アニラセタム | Aniracetam |
エチラセタム | Etiracetam |
オキシラセタム | Oxiracetam |
ジヒドロエルゴトキシンメシル酸塩 | Dihydroergotoxine Mesilate |
ソマトロピン | Somatropin Genetical Recombination |
タンニン酸バソプレシン | Vasopressin Tannate |
チアネプチン | Tianeptine |
デスモプレシン酢酸塩水和物 | Desmopressin Acetate Hydrate |
ナドロール | Nadolol |
ニセルゴリン | Nicergoline |
ニモジピン | Nimodipine |
ネフィラセタム | Nefiracetam |
ピラセタム | Piracetam |
ビンポセチン | Vinpocetine |
プラミラセタム | Pramiracetam |
プレグネノロン | Pregnenolone |
プロカイン塩酸塩 | Procaine Hydrochloride |
フロセミド | Furosemide |
プロプラノロール塩酸塩 | Propranolol |
ブロモクリプチンメシル酸塩 | Bromocriptine |
レベチラセタム | Levetiracetam |
デヒドロエピアンドロステロン | Dehydroepiandrosterone |
その他(抗ニキビ薬や食欲抑制薬など)
一般名・和名 | 欧文一般名・英名 |
---|---|
イソトレチノイン | Isotretinoin |
バリシチニブ | Baricitinib |
クロベンゾレックス | Clobenzorex |
ミフェプリストン | RU:486 Mifepristone |
モルヌピラビル(商品名:モルヌビッド)は未承認の医薬品であるため、使用にあたっては必ず医師または薬剤師の指導を受け、正しく使用してください。個人輸入の際には、医師の処方せんや厚生労働省の確認を必要とする医薬品に指定されています。特に、医師の適切な指導なしに使用すると、健康被害のリスクが高まります。税関で処方せんの提示を求められた場合は、速やかに医師に相談し、適切な手続きを行ってください。
- 輸入確認証等を必要とする成分(医薬品・食品)に関する参考サイト
- 数量にかかわらず厚生労働省の確認を必要とする医薬品の改正について(PDF:721KB)
- (別紙)海外で販売されている医薬品や食品等に含有されている場合、当該製品の輸入に際し、数量に関わらず厚生労働省の確認を必要とする成分(PDF:119KB)
4. 個人輸入が禁止されている医薬品(成分・食品など)
医薬品の中には、輸入自体が規制されているものもあります。規制対象である医薬品は、数量に関わらず個人輸入が不可能であり、当サイトでも取り扱っておりません。規制対象となる薬物としては、以下が挙げられます。
- 麻薬及び向精神薬、医薬品覚醒剤原料
- 覚醒剤
- 大麻
- 指定薬物
- その他(「ワシントン条約」に基づき輸入できない医薬品原料など)
- 個人輸入できない医薬品に関する参考サイト
- 医薬品等の個人輸入について |厚生労働省
個人輸入代行サービスについてまとめ
個人輸入代行サービスを利用することで、国内では入手できない海外製の医薬品やサプリメントを購入することが可能です。注文から配送までの手続きは、全て代行サービスが行うため、言語の壁や面倒な手続きに悩むことなく手軽に利用できます。

ただし、サービスを利用する際には、注意すべき点がいくつかあります。個人輸入代行サービスは、通常のネット通販とほとんど変わらない操作で商品を注文できる一方、商品が届くまでにある程度の日数(7~20日程度)を要します。また、入手した商品は自己使用に限られ、他人への販売や譲渡は法律で禁止されています。
さらに、未承認医薬品を購入する際には、品質基準の違いや副作用に関するリスクを理解し、自己責任で使用することが求められます。模造品のリスクや、日本の副作用救済制度の対象外であることも理解しておく必要があります。
安全に個人輸入を行うためには、これらのルールやリスクを十分に理解することが重要です。本ページで解説した内容を参考にして、適切にサービスをご利用ください。