ジルテックの効果「花粉症などアレルギー疾患への効き目」について
ジルテックの効果・効能
- 効能・効果
- アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹、皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症)
- (1) 花粉症など季節性の鼻炎および通年性のアレルギー性鼻炎の症状緩和に有効です。
(2) 蕁麻疹、湿疹や皮膚炎などの皮膚疾患の症状を和らげます。
ジルテックは、季節性のアレルギー性鼻炎や、通年性のアレルギー性鼻炎に効果を発揮します。鼻炎のほかにも蕁麻疹、アトピー性皮膚炎など、様々なアレルギー疾患に効果的です。効果の強さは、抗ヒスタミン薬のなかでもトップクラスです。
効き目の強さは抗ヒスタミン薬の中で最強クラス
ジルテックに配合される有効成分セチリジンは、ヒスタミンがH1受容体と結合するのを抑制して、くしゃみや鼻づまりといったアレルギー症状を緩和させます。ジルテックはこの働きから、抗ヒスタミン薬に分類されます。
ジルテックは抗ヒスタミン薬のなかでも、最も効果があるとされる製品です。
セチリジンの効き目の強さは、エピナスチン、エバスチン、ロラタジンといった複数の抗ヒスタミン薬との比較試験によって認められています。服用してから24時間以内のヒスタミン受容体の拮抗作用は、セチリジンが最も強いという結果が確認されています。
効果のピークと持続時間
ジルテックの効果は、服用してから血中濃度が一定の値に上昇する約40分後から発揮され、その後24時間にわたって持続します。
ジルテックの効果が特に強く現れるタイミングは、服用してから6〜7時間後です。ピークを過ぎてから効果は少しずつ減少していき、24時間が経過する頃に消失します。
花粉症や通年性アレルギー性鼻炎への効果
ジルテックは、アレルギー性鼻炎を治療する効果があります。アレルギー性鼻炎は季節性と通年性の2種類に分けられ、その両方にジルテックは有効です。
花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)への有効性
アレルギー性鼻炎のなかで、花粉が飛散する時期に症状が現れるものを、季節性アレルギー性鼻炎といいます。
くしゃみや鼻水が主な症状である際に内服薬を使用する場合は、ジルテックを含めた第二世代の抗ヒスタミン薬が多く選択されます。ジルテックは花粉が飛び始める直前から服用し始め、飛散が少なくなってから使用をやめるのが最も効果的です。
季節性アレルギー性鼻炎への有効性は278名を対象としたセチリジン塩酸塩の臨床試験で示されています。セチリジンを投与する前にとられた主要評価項目(くしゃみ発作、鼻汁、鼻のそう痒および眼のそう痒)の合計スコアの平均は7.81でしたが、全治療期間の平均が3.87と減少しており、スコアの改善が見られました。
通年性アレルギー性鼻炎への有効性
季節に関わらず現れるアレルギー性鼻炎は通年性アレルギー性鼻炎と呼ばれます。主な原因としては、ダニやハウスダスト、ペットの毛などが挙げられます。ジルテックのような抗ヒスタミン薬の内服は通年性アレルギー性鼻炎の効果的な治療法の1つです。
ジルテックの通年性アレルギー性鼻炎に対しての効果は、成人を対象にした二重盲検比較試験で検証されています。ジルテック10mgを1日1錠服用した方の最終全般改善度は47.9%でした。ケトチフェン(抗ヒスタミン薬の有効成分)1mgを1日2回で服用した方の改善率は38.3%であったため、両剤は同等の効果があると判断されています。
蕁麻疹やアトピー性皮膚炎を改善する効果
ジルテックは、蕁麻疹やアトピー性皮膚炎の治療にも効果があります。どちらの疾患も、花粉症のような鼻炎と同じ仕組みにより発症するため、ジルテックの抗ヒスタミン作用によって改善できます。
蕁麻疹への有効性
蕁麻疹(じんましん)は皮膚の一部が赤くなり盛り上がる症状で、かゆみや痛みを伴います。症状が続く時間は様々で、しばらくすると跡を残さず消えることがほとんどです。マスト細胞からヒスタミンが放出されて、血管や神経に働くことが原因で起こります。多くの場合で、抗ヒスタミン薬の内服によって症状の改善がみられます。
蕁麻疹に対するジルテックの効果は、臨床試験で証明されたものです。一般臨床試験および二重盲検比較試験での症例数は273で、そのうち著明改善が118例、中等度改善が93例でした。中等度改善以上したのは77.3%という結果でした。
アトピー性皮膚炎への有効性
ジルテックのアトピー性皮膚炎への効果は、ケトチフェンに対する非劣性の検証(比較する薬剤より劣っていないことを証明する臨床試験)で示されています。対象はアトピー性皮膚炎を有する小児で、セチリンジン塩酸塩(2.5mgか5mg)または、ケトチフェン(0.6mgか1mg)を1日2回2週間服用しました。
そう痒の重症度の経時変化、総合そう痒スコア、主要そう痒スコアの経時変化に大きな違いは認められませんでした。また、そう痒を伴う部位の範囲の改善度もセチリジン群が35.1%、ケトチフェン群が31.7%という結果でした。
アトピー性皮膚炎の治療においては補助的な位置づけ
アトピー性皮膚炎は肌のバリア機能が低下した時に、アレルギー反応が起こるなど多くの要因が重なって発現するとされています。一般的な症状はかゆみを伴う湿疹で、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返して慢性化するのが1つの特徴です。
アトピー性皮膚炎の治療法は薬物療法、スキンケア、悪化因子の除去です。薬物療法は抗炎症外用薬による治療が主ですが、かゆみを抑えるために、補助的にジルテックのような抗ヒスタミン薬が処方される場合があります。抗炎症外用薬を使用せずに、抗ヒスタミン薬のみでアトピー性皮膚炎の治療をすることは推奨されていません。