ジルテックの副作用「眠気、口渇、便秘」について
ジルテックの主な副作用
- <主な副作用>
- 眠気、倦怠感、口渇、吐き気など。
精神や神経系の副作用【眠気・倦怠感など】
症状 | 発現頻度 |
---|---|
眠気 | 6.0% |
倦怠感 | 0.9% |
ジルテックの副作用のなかで、最も一般的な症状は眠気です。
ジルテック錠の承認時までに成人を対象として行われた臨床試験では、眠気は1,396例中84例(6.0%)発現しています。報告されたジルテックの副作用の中で最多でした。
眠気以外では、比較的多くみられる副作用が倦怠感です。ジルテック錠の承認時までに成人を対象に行われた臨床試験では、1,396例中12例(0.9%)で報告されました。
眠気などの精神や神経系の副作用は、ジルテックが持つ抗ヒスタミン作用で起こると考えられます。
ヒスタミンはアレルギー症状を起こす作用があるだけでなく、脳の活性を促す効果を有しています。そのため、血中を介して脳内に入った有効成分セチリジンがヒスタミンを抑制することで、判断力や思考を低下させ、眠くなることがあります。
眠気のピークの時間は?
ジルテックによる眠気の時間のピークは、服用してから1〜2時間です。効果や副作用の強さは血中濃度からおおむね把握することができます。臨床試験によると、ジルテック服用後から約1.4時間で最高血漿中濃度に達しており、この前後に効果と眠気のピークを迎えます。
消化器系の副作用【口渇・嘔気など】
症状 | 発現頻度 |
---|---|
口渇 | 0.6% |
嘔気 | 0.5% |
ジルテックの副作用として口渇、嘔気も比較的多く現われます。ジルテック錠の承認時までに成人を対象に行われた臨床試験では、1,396例中、口渇は9例(0.6%)、嘔気は7例(0.5%)で起こりました。
ジルテックを服用すると便秘になる?
ジルテックの副作用として便秘も報告されています。ジルテックの臨床試験によると便秘の発現頻度は0.1%未満です。便秘が起こる1つの原因として、ジルテックが有する抗コリン作用が挙げられます。抗コリン作用はアセチルコリンという神経伝達物質を抑制することです。アセチルコリンの働きを抑制することで、便秘や口渇といった症状が起こる場合があります。
ジルテックを服用すると太る?
ジルテックの副作用として食欲亢進が報告されており、食べ過ぎることで太る可能性があります。ジルテックのインタビューフォームによると、食欲亢進の発現頻度は不明となっています。
まれに起こり得るジルテックの重大な副作用
ジルテックのまれに起こり得る副作用としては、ショック、アナフィラキシー、痙攣、肝機能障害、黄疸、血小板減少が報告されています。
症状 | 発現頻度 |
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ショック、アナフィラキシー | 頻度不明 |
痙攣 | 0.1%未満 |
肝機能障害、黄疸 | 頻度不明 |
血小板減少 | 頻度不明 |
ショック、アナフィラキシーは頻度不明で発現しています。ショックは、何らかの原因により急激に血圧が低下して起こる急性の症候群です。アナフィラキシーはアレルゲンが体内に入ることによって起こる、複数の臓器や全身に現れるアレルギー症状です。初期症状として呼吸困難や血圧低下、発赤や蕁麻疹などの異常が現れた際は服用を中止し、すぐに医師の診察を受けましょう。
痙攣は0.1%未満の発現率で報告されています。痙攣が現れた際にはジルテックの使用を中止して、適切な対処を行ってください。
肝機能障害、黄疸は頻度不明で報告されています。肝機能障害の初期症状(全身の倦怠感、発熱、食欲不振、嘔気など)、黄疸といった症状が現れた場合は服用を中止して、医療機関を受診するといった適切な対応が必要です。
血小板減少は、頻度不明で報告されています。経過に十分に注意し、異常が現れた際には適切な対応をしましょう。