ラミシール錠の副作用「肝機能障害と発現する確率」について
ラミシール錠の主な副作用
ラミシール錠は他剤との併用禁忌や慎重投与の少ない薬です。安全性の高い経口抗真菌薬ですが、主な副作用として以下の症状が報告されています。
- <主な副作用>
- 胃部不快感、下痢、悪心、腹痛、胃部膨満感、めまいなど。
主な副作用は消化器症状、めまい、発疹です。
ラミシール錠を服用した際に副作用が生じる確率に関しては、有効成分のテルビナフィンが使われた臨床試験から確認できます。試験では、テルビナフィンを投与された被験者のうち10.56%(81/767例)に副作用が報告されました。
臨床試験で確認された副作用の症状の内訳は以下の通りです。
副作用の症状 | 発現数 | 発現率 |
---|---|---|
胃部不快感 | 29例 | 3.78% |
下痢 | 15例 | 1.96% |
悪心 | 14例 | 1.83% |
腹痛 | 13例 | 1.69% |
胃部膨満感(お腹の張り) | 10例 | 1.30% |
めまい | 8例 | 1.04% |
発疹 | 7例 | 0.91% |
頭痛 | 6例 | 0.78% |
食欲不振 | 4例 | 0.52% |
目立って多く報告された副作用は、胃の不快感や下痢、悪心(吐き気)などの消化器症状です。
副作用が現れた場合、治療の継続または中止の判断は必ず医師に相談してください。
めまいなど精神神経症状
精神神経症状で比較的多いのがめまいや頭痛です。他にも少数ながら眠気やふらつきといった症状も報告されています。
以下のような作業を行う方は、特に注意が必要です。
- 自動車の運転
- 高いところでの作業
- 重機や精密機器の操作
これらの作業を行っている時に、眠気・めまい・ふらつきが出ると非常に危険です。思わぬ事故に繋がる恐れもあるため、細心の注意を払って慎重に行いましょう。
発疹など皮膚症状
発疹や蕁麻疹、痒みなどの皮膚症状も少数ですが報告されています。
皮膚症状が出た際には、ラミシール錠に対するアレルギーが疑われます。また、肝障害など重篤な副作用の初期症状である可能性も考えられます。皮膚症状が見られた場合には、ただちに服用を中止して医療機関を受診してください。
まれに起こるラミシール錠の副作用
副作用が比較的少ないラミシール錠ですが、重症化が心配される副作用として以下が報告されています。それぞれの副作用に伴って現れる症状の発現に注意しましょう。
- <まれに起こる副作用>
- 重い肝臓の障害、重い血液障害、重い皮膚障害、横紋筋融解症、ショック、アナフィラキシー、過敏症など。
体のだるさや食欲不振、発熱、全身の発疹・かゆみ、皮膚および白目が黄色くなるといった症状が見られる場合には、肝機能障害または過敏症が疑われます。
発熱や喉の痛み、口内炎、息切れ、急な鼻血や歯茎からの出血などが見られる場合には、血液障害が疑われます。
手足のしびれやけいれん、手足に力が入らない、筋肉痛、赤褐色の尿といった症状が見られる場合には、横紋筋融解症が疑われます。
顔面蒼白、手足の冷え、顔や喉のむくみ、目の前が暗くなる、意識が薄れるといった症状が見られる場合には、ショックやアナフィラキシーが疑われます。
これらの症状がいくつか同時期に見られる場合には、すぐに医療機関を受診してください。
特に肝機能障害と血液障害には注意が必要です。
ラミシール錠の副作用の中でも特に注意喚起されているのが、重篤な肝機能障害や血液障害です。重篤な肝機能障害は肝不全や肺炎、胆汁うっ滞などで発現率は0.01%です。重篤な血液障害は血球減少、無顆粒球症、血小板減少などで発現率は頻度不明です。いずれも極めてまれではありますが、命に関わる状態となる恐れがあります。
定期的な肝機能検査と血液検査が必要
肝障害と血液障害の発現リスクを避けるためにも、ラミシール錠の服用を始める前には肝機能検査と血液検査を受けることが必須です。特に肝臓障害の副作用は、ラミシール錠の投与開始後2ヶ月以内に見られることが一般的です。ラミシール錠の服用前と飲み始めてからの2ヶ月間は、月1回の検査を受けることが推奨されています。