ニゾラールクリームの副作用「かぶれ、そう痒感、危険な副作用」について
ニゾラールクリームの副作用
ニゾラールクリームは、有効成分ケトコナゾールが殺菌効果を発揮する抗真菌薬です。
ケトコナゾールは、真菌の細胞膜に働きかけて、生命活動を阻害します。真菌を皮膚から除去することで、足白癬や皮膚カンジダ、癜風などの感染症を解消します。日本で唯一、脂漏性皮膚炎の治療薬として承認を受けた抗真菌薬です。
ニゾラールクリームを使ったときに、まれに副作用として皮膚疾患を発症します。ほとんどが軽度の皮膚疾患ですが、稀に強く副作用が発現することがあります。副作用が強く発現する場合、有効成分に対するアレルギーの可能性がありますので、すぐに使用を中止しましょう。
ニゾラールクリームの主な副作用は、以下の症状です。
- <主な副作用>
- かぶれ、そう痒感(かゆみ)、発赤、刺激感など。
副作用の発症率は3.53%と低い
ニゾラールクリームの主な副作用は、かぶれやそう痒感などの皮膚疾患です。副作用の発現率は3.53%と低く、軽度な皮膚疾患が主であるため、安全性が高い医薬品だといえます。
副作用が起きるのは、有効成分の刺激によるものです。塗布により発生した刺激が炎症し、かぶれやそう痒感などの皮膚疾患を引き起こします。副作用が発生する場合、肌がアレルギー反応を起こしている状態だと考えられます。塗布によって肌荒れや炎症が起きる場合は注意しましょう。
副作用の発症率は、以下の表の結果となっています。
副作用の症状 | 発現数 | 発現率 |
---|---|---|
かぶれ | 97例 | 1.53% |
そう痒感(かゆみ) | 55例 | 0.87% |
発赤 | 43例 | 0.68% |
刺激感 | 30例 | 0.47% |
紅斑 | 25例 | 0.39% |
ただれ | 8例 | 0.13% |
落屑 | 6例 | 0.09% |
水泡 | 4例 | 0.06% |
ひび割れ | 4例 | 0.06% |
乾燥 | 4例 | 0.06% |
疼痛 | 3例 | 0.05% |
上記の表に記載された副作用は、ニゾラールクリームの販売後に行われた調査で確認されました。
ニゾラールクリームの調査は、塗布を行った6,346例が対象となりました。副作用が確認されたのは3.53%に当たる224例です。224例のなかには、一度に複数の副作用を発症した例を含めて、合計で300件の副作用が報告されました。
最も多く確認された症状は、かぶれでした。1.53%に当たる97件の報告があり、ニゾラールクリームの副作用の中で唯一、1%を超える発症率が確認されています。
かぶれに続き、そう痒感(0.87%)、発赤(0.68%)、刺激感(0.47%)と副作用の報告がありました。
この調査は、足白癬だけでなく皮膚カンジダや癜風、脂漏性皮膚炎の治療に使用された際の結果も含まれています。最も高い副作用の発症率が1.53%と低い確率であるニゾラールクリームは、副作用が少なく安全性の高い医薬品だといえます。
稀に起こる危険な副作用
危険な副作用は確認されていない
ニゾラールクリームは、危険な副作用の報告がない医薬品です。1993年の販売開始から約30年ほど利用されていますが、命の危機に関わるような危険な副作用の報告はありません。ニゾラールクリームを使えば安心して感染症治療に臨むことができます。
ただ、有効成分ケトコナゾールに対して強くアレルギー反応を示す場合に注意が必要です。
ニゾラールクリームは安全性の高い医薬品ですが、強いアレルギー反応から危険な副作用が発症する可能性はゼロではありません。
医薬品の一般的な注意ではありますが、アレルギー反応を示す方は、使用を中止して医師の診察を受けましょう。
妊婦や産婦に対する安全性は確率されていない
ニゾラールクリームは、妊婦や産婦など妊娠に関連する状態の女性に対する安全性が確立しておりません。
外用薬であるニゾラールクリームは、局所的に作用する医薬品です。大きな血管に届く深さまで浸透せず、塗布した皮膚のみに効果を発揮します。
しかし、微量ではあるものの血液に混ざり有効成分が全身に回る可能性が存在します。有効成分が胎児の成長に影響する可能性がゼロではないため、妊娠に関連する状態の女性は使用に慎重にならなければなりません。
妊婦や産婦、授乳婦、妊娠の可能性がある女性は胎児への副作用を避けるため、ニゾラールクリームを使う前に必ず医師に相談しましょう。