イミグランの飲み方「飲むタイミングや飲み合わせ」について
イミグランの飲み方(用法・用量)
下記の用量を守って、片頭痛の発現時に水またはぬるま湯と一緒に服用してください。
服用のタイミング | 片頭痛の発現後 |
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1回の用量 | 50mg錠 … 1錠 100mg錠 … 1/2錠 (スマトリプタンとして50mg) |
1日の服用回数 | 4回まで |
服用間隔 | 最低2時間空けること |
基本的なイミグランの用量は1回につき50mgです。
イミグランには、有効成分スマトプリタンの含有量が異なる2種類の規格(50mg錠および100mg錠)があります。50mg錠であれば1回につき1錠、100mg錠であれば1回につき半錠を服用してください。
1回50mgの用量で効果が不十分だった場合には、2回目以降からは1回100mgに増やせます。100mgの用量で治療を行う場合には、50mg錠では2錠、100mg錠では1錠、といったように1回に飲む錠数を調整してください。
1日に飲める上限は200mgまで
1回の服用で症状が改善しなかった場合、追加でイミグランを服用できます。追加する場合には、必ず2時間以上の服用間隔を設ける必要があります。
1日に摂取できるイミグランの用量は、合計で200mgが上限です。1回の用量が50mgであれば4回まで服用できますが、100mgの場合には2回までしか服用できません。
使用頻度は月に10日以内が望ましい
イミグランは、適切な服用間隔を保っていれば、毎日続けて服用することも可能です。しかし、高い頻度で使い続けることは避けましょう。
イミグランの使用頻度が高すぎると神経が過敏になり、かえって頭痛が誘発されるようになるからです。頭痛の悪化を防ぐ為にも、イミグランの使用頻度は月に10日以内に留めましょう。
10日以内の服用で症状を抑えきれない場合には、予防薬を使った片頭痛の治療が必要です。予防薬の服用を一定期間継続することで、片頭痛発作が起こりにくくなります。イミグランと併用した治療も可能ですので、片頭痛の頻度が高い方は医師に相談してみましょう。
イミグランを飲むタイミング
イミグランは、片頭痛発作が始まったらなるべく早く服用することが大切です。痛みが我慢できなくなってから飲んでいては、イミグランの効果を十分に引き出すことはできません。
片頭痛を感じたら1時間以内に服用
片頭痛の発症から1時間以内を目安に、服用を心がけて下さい。
最適なタイミングは、頭を左右に振ったりお辞儀をした際に軽い痛みを感じる、などといった発症の初期段階です。
片頭痛を我慢していると「アロディニア」を併発することがあります。
アロディニアとは、普段は痛いと感じない程度の刺激でも痛みを感じるようになる神経障害です。脳が痛みに対して敏感になりますので、イミグランが効きづらくなります。
アロディニアの併発を防ぐ為にも、片頭痛を感じたら、なるべく早めの服用を心がけましょう。
タイミングが早すぎると逆効果
片頭痛発作が始まる前の前兆期にイミグランを飲んでしまうと、適切な効果が得られません。
イミグランは、片頭痛発作時の過度な血管の拡張を収縮することで症状を和らげる薬です。前兆期の時点では血管の拡張は起きていませんので、イミグランの血管収縮作用が意味を成さないことになります。またイミグランが前兆期の血管の収縮を強めることで、その反動でおきる血管の拡張が増強されるおそれがあります。
早まった服用には、効果の低下を招くばかりでなく、片頭痛の症状を増悪させるリスクすらあります。必ず頭痛が始まったことを確認した上で、イミグランの服用を開始してください。
ロキソニンなど鎮痛剤との併用
イミグランは、ロキソニンなど一般的な鎮痛剤と併用されることもあります。
イミグランと同時に処方されることも多い鎮痛剤としては、以下が挙げられます。
- ロキソニン(ロキソプロフェン)
- ボルタレン(ジクロフェナク)
- カロナール(アセトアミノフェン)
上記は病院で処方される鎮痛剤ですが、市販の鎮痛剤との併用も可能です。ドラッグストアで購入できる市販薬としては、バファリンやイブ、ロキソニンSなどがあります。
ロキソニンなどの鎮痛剤を片頭痛の症状が激しい場合に併用することで、より強力に痛みを抑制できます。鎮痛剤を飲むタイミングは「イミグランと同時」もしくは「後から追加」のいずれでも構いません。
症状が軽度な場合は鎮痛剤のみで対応し、重症化した場合にはイミグランを追加で服用するといった使い分けもできます。ただしイミグランの服用が遅くなり過ぎると、十分な効果が得られません。イミグランを追加する場合には、片頭痛発作が始まってから1時間以内の服用が必要です。
飲み合わせや飲酒など使用上の注意
- イミグランの注意事項
- <使用禁忌>
下記に該当する方は使用しないでください。
スマトリプタンに過敏症がある、心筋梗塞や狭心症など虚血性心疾患の症状・兆候がある、脳血管障害や一過性脳虚血性発作、末梢血管障害、コントロールされていない高血圧、重篤な肝機能障害、エルゴタミン、エルゴタミン誘導体含有製剤、他の片頭痛治療薬(5-HT1B/1D受容体作動薬)を投与中、MAO阻害剤を投与中あるいは投与中止2週間以内、家族性片麻痺性片頭痛、孤発性片麻痺性片頭痛、脳底型片頭痛、眼筋麻痺性片頭痛 - <使用注意>
下記に該当する方は使用前に医師に相談してください。
不整脈など血性心疾患の可能性がある、てんかん、てんかん様発作の危険因子になる脳疾患や痙攣の閾値を低下させる薬剤を使用している、肝機能障害、腎機能障害、高齢者(65歳以上)、コントロールされている高血圧症、脳血管障害、セロトニンやノルアドレナリンの再取り込みを阻害する薬を服用中 - <併用禁忌薬>
下記の薬品を服用中の方は使用前に医師に相談してください。
エルゴタミン、エルゴタミン誘導体含有製剤、他の片頭痛治療薬(5-HT1B/1D受容体作動薬)、MAO阻害剤
飲み合わせが禁忌に指定されている「5-HT1B/1D受容体作動薬」は、イミグランと同じトリプタンを指します。アマージやゾーミッグ、レルパックスなど、これらのトリプタンとイミグランを併用すると、過度に作用が増強されて血圧の上昇や痙攣を発症するリスクがあります。
その他にも、エルゴタミンという成分が含まれている片頭痛治療薬(クリアミン、ジヒデルゴット、メテルギンなど)は、イミグランとの飲み合わせが禁忌に指定されています。既に他の片頭痛治療薬を使用中の方は、イミグランを服用する前に医師に併用の可否を確認してください。
飲酒した後にイミグランは飲めるのか
イミグランとアルコールに相互作用はありません。
飲酒をきっかけに片頭痛を生じた場合でも、イミグランを飲んで大丈夫です。
ただし、イミグランを服用した後は、なるべく飲酒を控えましょう。アルコールには血管を拡張する作用がありますので、片頭痛の症状を増悪させるおそれがあります。特に赤ワインには、片頭痛の誘因になりやすいチラミンという成分が含まれているため要注意です。