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ネキシウムの副作用「下痢、胃痛、骨粗鬆症」について

ネキシウムの主な副作用

優れた胃酸分泌抑制作用のあるネキシウムですが、その作用の強力さゆえに長期的に使用した場合などは副作用に注意が必要となります。
ネキシウムの副作用として、以下の症状が報告されています。

<主な副作用>
下痢、肝機能異常、びらん性胃炎、腹部膨満、胃ポリープ、貧血など。

下痢や胃痛など主に消化器系の副作用が現れます。

下痢、軟便、胃痛、腹痛、便秘などの消化器に現れる不調・症状がネキシウムの副作用として多く確認されています。特に下痢の発症頻度は比較的高く、ネキシウムの副作用を検証する臨床試験で最も多く報告されています。

副作用の症状 発現数 発現率
下痢 7例 0.93%
血中CPK増加 7例 0.93%
肝機能異常 5例 0.66%
ALT増加 4例 0.53%
便秘 3例 0.40%
頭痛 3例 0.40%
高血圧 3例 0.40%

消化器系の副作用の主な原因は、ネキシウムの影響で起きる消化不良であると考えられています。
ネキシウムは胃酸の分泌を抑制する薬です。消化液である胃酸には、口にした食べ物を溶かして、腸で吸収されやすい形にする働きがあります。ネキシウムの作用で胃酸の分泌量が抑えられ、消化が不十分な状態のまま腸に食べ物が運ばれることがあります。結果的に腸における栄養や水分の吸収がうまくいかず、下痢や軟便といった症状が現れます。

下痢や便秘がおきる機序には腸内細菌も関与している

下痢や胃痛などの副作用が生じるもう1つの理由として、胃の免疫力低下に伴う腸内細菌バランスの乱れが考えられます。胃酸には食べ物の消化を行うだけでなく、口や鼻から侵入してきた細菌を殺菌する働きもあります。胃酸の減少によって殺菌力が低下してしまい、腸に到達する細菌の量が増えて腸内細菌のバランスが乱れる原因となります。

ヒトの腸内には約100兆にも及ぶ細菌が住んでおり、善玉菌や悪玉菌などが絶妙なバランスを保つことで健康な腸内環境を維持しています。腸内細菌のバランスが乱れることで、下痢、胃痛、便秘など様々な不調の誘因となります。

消化不良の下痢は食事の工夫で予防が可能

下痢などの副作用の原因が消化不良である場合には、なるべく消化の良い食事を摂ることで改善されます。刺激の強い物や脂っこい物は避け、具材は出来るだけ細かく刻み、よく噛むことを意識するのも大切です。
それでも改善されない場合には、腸内細菌のバランスに影響が出ている可能性があります。ネキシウムの用量を減らしたり、別の薬に切り替える必要があるため、内科や消化器科、耳鼻咽喉科などの医療機関を受診してください。

めまい・むくみなどその他の副作用も確認されています。

めまいや胃ポリープ、発疹、動悸、頭痛、浮腫(むくみ)などの症状もネキシウムの副作用として報告されています。いずれの副作用も発現率は0.4%未満であり、発症頻度はかなり稀であるといえます。
顔や喉のむくみ、発疹の症状が見られた際には、副作用よりもまず薬品に対するアレルギーが疑われます。ネキシウムの服用を中止して、すぐにかかりつけの医療機関を受診してください。

目が回るもしくは車酔いに似ためまいに注意

めまいに関しては、回転性めまいと浮動性めまいの2種類がネキシウムの副作用として報告されています。回転性めまいではくるくると目が回る症状が現れ、浮動性めまいではフワフワとした浮遊感や車酔いに似た症状が現れます。ネキシウムの服用後にいずれかのめまいが見られた場合は、副作用が疑われます。

長期の治療では良性の胃ポリープに注意

ネキシウムを使った臨床試験において、214例のうち2例に胃ポリープの発現が報告されています。逆流性食道炎などの治療でネキシウムの服用期間が長期に及んだ場合、胃ポリープが形成されることが考えられます。ネキシウムと胃ポリープの関連性は不明ですが、実際に発現が確認されている以上、因果関係は否定できません。報告されたのは、いずれも害の無い良性のポリープであったため、仮に発現したとしても切除手術などを行う必要はありません。

まれに見られるネキシウムの重大な副作用

ごくまれな頻度でおきるネキシウムの副作用として、以下が報告されています。
いずれも発症頻度が1%以下もしくは不明な副作用ですが、発症した際には重症化するおそれがありますので注意してください。

<まれに起こる副作用>
肝機能障害、腎機能障害、血小板減少など。

体のだるさや食欲不振、発熱、吐き気、白目が黄色くなる、皮膚が黄色くなる、尿が茶褐色になるなどの症状がみられる場合、肝機能障害の可能性があります。
尿が出にくい、尿の頻度が少ない、尿が濁っている、血尿、むくみなどの症状がみられる場合、腎機能障害の可能性があります。
皮膚の内出血や歯茎からの出血、血便、血尿、腿の皮膚に生じる赤い斑点などの症状が見られる場合、血小板減少の可能性があります。
これらの症状がみられた場合は、すぐに医師に相談してください。

骨粗鬆症のリスクは1年以上の長期的な使用で高くなります。

ネキシウムのようなPPI(プロトンポンプ阻害剤)では、使用が長期に及んだ場合に骨粗鬆症の副作用に注意が必要となります。骨粗鬆症の副作用の原因は、カルシウム不足です。PPIの薬効により胃酸が抑制されることで、丈夫な骨の形成に欠かせないカルシウムの吸収が低下します。カルシウムが不足した状態が慢性的に続くことで、骨密度が低下して骨粗鬆症のリスクが増加します。骨粗鬆症になると骨が弱くなるため、転んだりなどのちょっとしたはずみで簡単に骨折してしまいます。

日本国外で行われたPPIの試験では、治療期間が1年以上に及んだ患者で骨粗鬆症に伴う股関節骨折や手関節骨折、脊椎骨折のリスク増加が報告されています。ネキシウムの使用が1年以上の長期間に及んでいる方は、定期的に骨密度の検査を受けるなどの対処を行うようにしましょう。

ネキシウムを急に止めると逆流リバウンドする?

逆流性食道炎を抑える目的で長期的にネキシウムを使っていた方で、服薬をやめた際に胃酸の逆流がより強い症状となってぶり返すことがあります。このような状態はいわゆる「逆流リバウンド」と呼ばれます。

逆流リバウンドの原因は、胃酸の分泌を促すガストリンというホルモンです。ネキシウムで慢性的に胃酸を抑制し続けるとガストリンの血中濃度が上昇して、高ガストリン血症と呼ばれる状態になることがあります。高ガストリン血症になると胃酸過多が引き起こされて、治療前よりもかえって胃酸の逆流が増える場合があります。

逆流リバウンドの副作用が心配されるのは治療が数ヶ月間の長期に及んだ場合のみであり、短期間の使用であればあまり気にする必要はありません。長期間ネキシウムを使用した場合には、逆流リバウンドの副作用を避けるために、医師の判断によって少しずつ効き目の弱い薬に替えていくこともあります。

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