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テグレトールの副作用「太る、眠気、めまい、聴覚異常」について

テグレトールの主な副作用

テグレトールの有効成分カルバマゼピンを用いた臨床試験では、患者1,613例中614例(38.1%)に1,282件の副作用が確認されました。

テグレトールは脳に直接働きかける鎮静作用があるため、眠気やめまいといった副作用が起こりやすくなります。他にも倦怠感、口の渇きなど多数の副作用があります。同時に複数の症状を併発することも多いです。

<主な副作用>
眠気、めまい、ふらつき、倦怠感、運動失調、脱力感、発疹、頭痛・頭重、立ちくらみ、口渇など。

主な副作用の内訳は以下の通りです。

副作用の症状 発現数 発現率
眠気 223件 13.8%
めまい 146件 9.1%
ふらつき 137件 8.5%
けん怠・易疲労感 56件 3.5%
運動失調 56件 3.5%
脱力感 50件 3.1%
発疹 46件 2.9%
頭痛・頭重 43件 2.7%
立ちくらみ 40件 2.5%
口渇 34件 2.1%

最も多い副作用は眠気やめまいなど精神神経系の症状

臨床試験で確認された副作用の中で最も多く報告されているのは、精神神経系の症状です。主な症状は眠気やめまい、ふらつき、倦怠感、運動失調、脱力感などです。

テグレトール服用後に起こる精神神経系の副作用には以下のような特徴があります。

  • 頭がふわふわしたり、ボーっとする感じ
  • 物事をあまり考えられなくなる(思考能力の低下)
  • 体の力が抜ける(脱力感、筋弛緩)
  • 頭や体がグラグラ揺れているような感じ(動揺感)

人によっては、ふらついて歩くことも困難(運動失調)になります。酩酊に近い状態となることもあります。

次いで多い副作用として、全身の倦怠感や疲れやすさがあります。これらの症状は気力の低下や気分の落ち込みにもつながりますので、人によっては仕事や家事の生産性が落ちてきます。

精神神経系の副作用として、頭痛・頭重も報告されています。テグレトールはしばしば適応外処方として神経性の頭痛に用いられます。ただし、人によっては頭痛の発症や悪化を起こします。

薬疹は重症化に注意

テグレトールの副作用で起こる発疹は、多くの場合が過敏症(薬に対するアレルギー反応)によるものです。薬疹は服用開始から数ヶ月以内に発症します。

テグレトールの薬疹は、ほとんどは数日で治まります。しかし治らないまま放置してしまうと、まれに重症化することがあります。重症薬疹(TEN、スティーブンス・ジョンソン症候群)は、命に関わる重篤な状態です。

発疹がなかなか治まらないような場合や悪化した場合は、医療機関を受診してください。

口の乾き(ドライマウス)について

口の乾き(ドライマウス)は、テグレトールの抗コリン作用で唾液の分泌が抑えられることで発症します。併用することが多い三環系抗うつ薬や抗精神病薬、抗不安薬(睡眠導入剤)においても多く見られる副作用です。

テグレトールの副作用は薬を飲み始めた時や増量した時に起こりやすくなりますが、だいたい2〜3週間ほどで治まってくることが多いです。副作用が強く出て生活に支障をきたしたり長引いたりする場合は、医師に相談をして下さい。

まれに起こるその他の副作用

テグレトーを服用すると、まれに悪心や吐き気など主な副作用以外の症状も起こり得ます。

<まれに起こる副作用>
悪心、吐き気、嘔吐、胃腸障害、食欲不振、便秘、下痢、リンパ節腫脹、肝臓および腎臓の数値上昇、注意力・集中力・反射運動能力等の低下、立ちくらみ、抑うつ、興奮、不随意運動(ふるえ、アステリキシス等)、言語障害、物が二重に見える、目がかすむ、発熱、口の中の苦味、むくみ、発汗、聴覚異常

消化器系と肝臓・腎臓の副作用は関りが深い

この中でも比較的起こりやすいのは悪心や吐き気、食欲不振などの消化器症状です。これらはいずれも抗コリン作用で起こる症状です。ただし、食欲不振は肝機能障害が起きている可能性もありますので、注意が必要です。

テグレトールは肝臓や腎臓に負担をかけます。これらの器官がもともと弱っている方が服用すると、肝機能障害や腎機能障害などのリスクが高まります。

視覚・言語の障害と認知機能の低下について

目がかすんだり物が二重に見える視覚障害は、めまいと共に起こりやすい症状です。これらは、反射運動能力の低下と相まって歩行を困難にする要因となります。言語障害もテグレトールの特徴的な副作用です。鎮静作用によってろれつが回らなくなり、うまく話せなくなります。

神経系の症状としては、抑うつ症状や興奮などがあります。まれに耳鳴りや認知機能の低下による物忘れなども起こります。

気づきにくい聴覚異常(音が半音下がる)

発症したことに気づきにくい副作用として、周囲の音が半音下がって聴こえる聴覚異常が挙げられます。絶対音感を持っていたり、日常的に音楽を耳にする機会が多いなど、音に敏感であるほど気づきやすくなります。。

臨床試験での報告数は非常に少ないですが、女性に多い傾向があります。4〜42歳の女性が多数を占めており、その数は男性の約2倍となっています。チャイムやスマートフォン等、生活音に違和感を覚えます。音楽をやっている方は、楽器の演奏に影響することもあります。

聴覚異常の原因は解明されていません。これまでの研究では、テグレトールが大脳に直接作用していることの影響だと考えられています。聴覚障害によって生活に支障が出たり不快感を覚えるような場合は医師に相談をしましょう。

テグレトールで太る?

テグレトールでしばしば懸念されている副作用が、服用によって太ることです。テグレトールは抗てんかん薬の中でも、臨床試験で体重増加が報告されているのは事実です。

ただし体重増加が確認された割合は被験者のうち0.8%と少数です。体重増加のみならず、体重減少も被験者の0.5%に確認されています。

テグレトールには他の抗てんかん薬(デパケン等)に見られる食欲亢進(食欲が旺盛になる)の副作用は見られません。確認されているのは食欲不振のみです。

これらのことから、テグレトールで起こる体重増加は、マイナーな副作用の1つであることがわかります。服用によって太るリスクは低いと考えられます。

三叉神経痛などで鎮痛剤のリリカを併用している場合、リリカの副作用で体重が増加する可能性があります。リリカは体重増加の副作用が起こりやすく、添付文書でも肥満に注意を促しています。

副作用を招く良くない飲み合わせ

他剤との飲み合わせによって血中濃度が上がると、副作用のリスクが高まります。テグレトールは、飲み合わせの悪い薬が非常に多くあります。併用することが多い抗うつ薬や抗精神病薬も例外ではありません。これらの中にも、テグレトールと飲み合わせが悪く互いに副作用を強めあう薬があります。併用する場合は必ず医師に相談してください。

薬だけでなく、アルコールやグレープフルーツもテグレトールの血中濃度を高め、副作用を強めます。テグレトールの服用期間中は飲酒をできるだけ控え、グレープフルーツジュースとは一緒に飲まないで下さい。

テグレトールの薬疹は、遺伝子が発症に関係しています。2011年には、テグレトール(カルバマゼピン)の薬疹と関わりのある遺伝子型が発見されました。これにより、テグレトールを処方する前に遺伝子検査が行われるようになりました。薬疹のリスクを避けるためにも、事前に遺伝子検査を受けて遺伝子型を測定することが推奨されています。

飲み過ぎによる中毒症状

テグレトールは、治療の用量と中毒量が近いハイリスク薬です。過剰服用をすると副作用のみならず、中毒症状が出ることがあります。

テグレトールは、服用開始や増量の時に副作用が起こりやすくなります。副作用のリスクを抑えるには、最低用量から飲み始めて少しずつ増量していくことが大切です。特に急激な増量は中毒症状のリスクを高めますので止めて下さい。

テグレトールの中毒症状は、急性中毒と慢性中毒に分類されます。

急性中毒症状

急性中毒症状は、テグレトールを多量に過剰摂取(オーバードーズ)した場合に起こる中毒症状です。

急性中毒症状は服用から1〜3時間ほどで発症します。主な症状はふるえや興奮、けいれん、意識障害、昏睡などの中枢神経障害です。 他にも嘔吐や興奮、眠気、不整脈、血圧の低下、横紋筋融解症などが起こりえます。

慢性中毒症状

慢性中毒症状は、成分の血中濃度が上がり、中毒状態になることです。服用量の増量、肝機能の低下、他剤との飲み合わせなどによって起こります。

慢性中毒の場合、眠気やめまい、嘔吐、吐き気の副作用が強く出ます。場合によってはふらついて平衡感覚を失い、まともに歩くこともできなくなります。

テグレトールを服用してこれらの症状が出たら、できるだけ速やかに近くの医療機関を受診してください。

断薬や減薬による離脱症状

テグレトールのような抗てんかん薬は、離脱症状に注意が必要です。服用を止めたり急激に減薬したりすると、離脱症状として、てんかんが悪化する場合があります。悪化すると重積発作と呼ばれる症状を引き起こします。

重積発作は、てんかんのけいれん発作が長い時間続いたり立て続けに起きる状態です。通常であれば数分以内に治まる発作が、10〜15分にわたって続きます。発作が治まっても、意識が戻らないうちに再発を繰り返すことがあります。発作が30分以上にわたって続くと、後遺症が残る危険性もあります。

テグレトールの減薬や断薬によってけいれん発作が5分以上続いた場合は重積発作の可能性がありますので、医師の診断を受けてください。

注意すべき重篤な副作用

上記以外でも、テグレトールでまれに起こりうる重篤な副作用があります。臨床試験では過敏症や血液障害、重症薬疹(TEN、スティーブンス・ジョンソン症候群)などが報告されています。

<重篤な副作用>
ショック・アナフィラキシー、過敏症症候群、再生不良性貧血、汎血球減少、白血球減少、無顆粒球症、貧血、溶血性貧血、赤芽球癆、血小板減少、中毒性表皮壊死融解症(TEN)、皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)、多形紅斑、急性汎発性発疹性膿疱症、紅皮症、SLE様症状、肝機能障害、黄疸、急性腎障害、PIE症候群、間質性肺炎、血栓塞栓症、うっ血性心不全、房室ブロック、洞機能不全、徐脈、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群、無菌性髄膜炎、悪性症候群

上記の症状はいずれも頻度不明となっており、発症する確率は極めて低くなりますが、重症薬疹および血液障害は比較的リスクが高くなります。

重症薬疹(TEN、スティーブンス・ジョンソン症候群)

テグレトールは、医薬品のなかでも重症薬疹の発症リスクが高い医薬品です。

重症薬疹とは、中毒性表皮壊死融解症(TEN)、皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)といった症状です。発症率は一般的な医薬品の12倍あります。

重症薬疹が疑われる症状は以下の通りです。

<重症薬疹の症状>
発熱、目の充血、顔の腫れ、口唇や口腔内粘膜および陰部のただれ、皮膚や粘膜の水ぶくれ、膿をともなう多数の水ぶくれ、紅斑、喉の痛み、かゆみ、全身の倦怠感

テグレトールの服用後にこれらの症状が起きた場合、TENもしくはスティーブンス・ジョンソン症候群が発症している恐れがあります。ただちにお近くの医療機関を受診して下さい。

血液障害(再生不良性貧血、白血球減少など)

テグレトールは、再生不良性貧血、白血球減少、汎血球減少、血小板減少といった血液障害の発症が報告されています。重度の血液障害がある方は症状の悪化につながるため、テグレトールを使用できません。

テグレトールの服用中は定期的に血液検査を行い、血液障害の有無を把握しておくことが望ましいです。

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