クレストールの飲み方「用量と飲む時間、飲み忘れ」について
クレストールの飲み方(用量・用法)
下記の用量を守って、水またはぬるま湯と一緒に服用してください。
1回の用量 | 1/2~1錠 (ロスバスタチンとして2.5~5mg) |
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1日の服用回数 | 1回 |
- クレストールの注意事項
- <使用禁忌>
下記に該当する方は使用しないでください。
ロスバスタチンに過敏症がある、肝機能の低下が考えられる(休止柄肝炎、慢性肝炎の急性増悪、肝硬変、肝がん、黄疸)、妊娠中 - <使用注意>
下記に該当する方は使用前に医師に相談してください。
腎障害またはその既往歴がある、アルコール中毒、肝障害またはその既往歴がある、甲状腺機能低下症、遺伝性の筋疾患、高齢者、フィブラート系薬剤(ベザフィブラートなど)、ニコチン酸、アゾール系抗真菌薬(イトラコナゾールなど)、マクロライド系抗生物質(エリスロマイシンなど)などを服用中 - <併用禁忌薬>
下記の薬品を服用中の方は使用前に医師に相談してください。
シクロスポリン(サンディミュン、ネオーラルなど)
通常、クレストールは1日1回2.5mgまたは5mgから服用を開始します。その後、年齢や症状に合わせて用量を増減します。家族性高コレステロール血症など、早期にLDL-コレステロールを下げる必要がある場合は5mgから服用しましょう。早急な治療が必要ない場合は2.5mgから使用してください。
状況に応じて最大20mgまで増量できます。
クレストールは基本的に有効成分ロスバスタチンとして2.5mgか5mgを内服します。服薬開始または増量から4週以降にコレステロールの減少が不十分な場合は10mgまで用量を増やせます。増量する際はいきなり高用量にするのではなく、少しずつ段階的に用量を上げていってください。
ロスバスタチン10mgの服用を継続しても、LDL-コレステロールが十分に低下しない重症の場合においてのみ、1日最大20mgの服用が可能です。クレストールを20mg服用する際は腎機能に影響が出る可能性があります。体に異常がないか十分な観察が必要です。原則として、飲み始めてから12週までは月に1回、それ以降は半年に1回を目安に腎機能検査を受けてください。
半錠に分割すると保存ができなくなります。
クレストールは吸湿性が高く、成分含量が低下する恐れがあるため分割・粉砕して服用することができません。
服用する際に随時分割・粉砕することは可能ですが、余った分を後で飲まないように注意してください。
半錠にした際の保存が利かないクレストールですが、遮光条件下で保管した場合にはその限りではありません。遮光していれば3ヶ月は安定性を保つことが確認され、粉砕・分割しても服用できる可能性を示唆している研究もあります。開封後の安定性について、研究ではクレストール錠2.5mgを粉砕してさまざまな条件下で1〜3ヶ月保存しました。室温で光を当てた状態で保存した場合、含量が1ヶ月で81.1%、3ヶ月で50.6%まで低下しました。遮光条件下で保存したクレストールは、室温・高温・高温多湿のいずれの条件を加えても含量がほとんど変わりませんでした。
隔日服用による調節が可能
クレストールは半錠にして飲むことはできませんが、2日に1回だけ飲むといった隔日服用は可能です。
隔日服用は副作用の発生を抑えるために行いますが、効き目が強すぎた際の調節にも利用できます。
クレストールは血中濃度の半減期が長く、効果が長時間持続するため2日に1回の服薬でもコレステロールを下げられます。
いつ飲む?いつまで飲む?
クレストールを服用するタイミングは決められていません。
薬の中には食事や投与時間によって、吸収量や血中濃度の推移に影響が出るものがあります。
クレストールは食事および服用時間によって影響を受けないことが確認されており、1日の中でいつ飲んでも問題なく効果を発揮します。毎日同じ時間に飲むことを意識してさえいれば、服用時間は自分の飲みやすいタイミングで構いません。
朝食時や就寝時など、クレストールの服用を毎日の習慣の中に組み込むと、飲み忘れを防止できます。
食事による影響はほとんどない
クレストールを食後に服用したケースでは、空腹時に内服したケースに比べて吸収が緩やかになり、最高血中濃度が20%ほど低下しました。しかし、全体の吸収量は94%とほとんど差がなく、薬効に対する影響はないと考えられています。
服用する時間によって効き目に差異がない
従来の高コレステロール血症の治療薬は、夕方に飲むように指導されることが多くありました。コレステロールは夜になると活発に生成されるため、コレステロール合成を阻害する薬は朝に飲むよりも夕方以降に飲んだ方が高い効果を期待できます。しかし、クレストールの場合には、長時間にわたって効き目が持続しますので、朝に飲んでも夕方に服用した場合と同等の効果が得られます。また、クレストールを毎朝7時あるいは毎晩18時に14日間1日1回飲み続けた際の血中濃度の推移に差が見られなかったことから、服用した時間による差異はないとされています。
血中脂質の状態により服用期間は異なります。
高コレステロール血症の治療目的は動脈硬化の発症を防ぐことです。クレストールを服用することで動脈硬化の発生および進展を抑制できますが、服薬をやめると効果はなくなります。薬に頼らずともコレステロール値を良好にコントロールできるようになるまでは、クレストールを飲み続けることが求められます。状況により、治療が長期化する場合があります。
クレストールのやめどきは?
食事療法や運動療法のみで、正常なコレステロール値を十分に保てる状態であれば、クレストールの服用は終了して構いません。薬の服用が長期になるに従って副作用のリスクも高くなるため、不必要に長く飲み続けることはむしろ避けるべきです。
動脈硬化の発生リスクには個人差があるため、自己判断で服薬をやめるのは望ましくありません。特に喫煙者や糖尿病・高血圧などがある方は動脈硬化を起こしやすいことから、クレストールの必要性が高くなります。医師の判断に従ってください。
飲み忘れた際の対処方法
クレストールを飲み忘れた場合、気がついたタイミングからできるだけ早く1回分を服用してください。翌日以降に飲み忘れに気づいた場合には、決して2回分を一度に飲むことがないように注意が必要です。飲み忘れた1回分は飛ばしてしまって構いません。
薬の飲み忘れを防止する方法としては、日付を記してピルケースなどに小分けしておく、薬の服用時間を知らせるスマートフォンアプリを利用するなどがあります。