アルダクトンの飲み方「用量・用法と服用上の注意点」について

アルダクトンの飲み方（用量・用法）

下記の用量を守って、水またはぬるま湯と一緒に服用してください。

用量・用法
1日の用量	1/2〜1錠 (スピロノラクトンとして50〜100mg)

アルダクトンの注意事項: ＜使用禁忌＞
下記に該当する方は使用しないでください。
スピロノラクトンに過敏症がある無尿、急性腎不全、高カリウム血症、アジソン病; ＜使用注意＞
下記に該当する方は使用前に医師に相談してください。
心疾患のある高齢者、重篤な冠硬化症または脳動脈硬化症、重篤な腎障害、減塩療法時、高齢者、肝障害、ACE阻害薬、カルシウム拮抗剤、カリウム製剤、ノルエピネフリン、乳酸ナトリウム、ジゴキシン、炭酸リチウム、非ステロイド性消炎鎮痛剤などを服用中; ＜併用禁忌薬＞
下記の薬品を服用中の方は使用前に医師に相談してください。
タクロリムス、エプレレノン、ミトタン

アルダクトンは有効成分スピロノラクトンとして、1日50〜100mgを分割して服用します。用量は症状や年齢によって適宜増減する必要があります。

アルダクトンは、原発性アルドステロン症の内服治療以外では、他の治療薬と併用することが多い薬です。降圧薬と併用して使う際は、血圧が下がり過ぎてしまわないよう、用量の調整には注意を払いましょう。

アルダクトンを使用すると、おしっこの量が増えます。服用のタイミングは午前中が望ましいです。午後に服用すると、夜間に尿意を催して、睡眠の質を低下させる可能性があります。睡眠不足にならないよう、アルダクトンを服用する時間帯に気をつけましょう。

アルダクトンは主に、低カリウム血症の予防の目的で一般的な利尿薬と併用されます。

アルダクトンの効果は、一般的な利尿薬であるループ利尿薬（ラシックスなど）やサイアザイド系利尿薬（フルイトランなど）と比較すると控えめです。しかし、一般的な利尿薬はカリウムの排泄を促します。アルダクトンはカリウムを保持する効果があり、併用すると低カリウム血症のリスクが軽減できます。

低カリウム血症になると、以下のような症状があらわれます。

悪化すると体を動かすと息苦しく感じるといった症状が出ることもあります。これらの症状を避けるため、浮腫や高血圧の治療の際にアルダクトンが多くの場合で併用されています。

アルダクトンは、降圧薬の利尿効果をさらに高めるために使用されるケースもあります。特に治療抵抗性高血圧に対しては、降圧薬への追加投与によってさらなる降圧効果が期待できるとされています。アルダクトンの追加投与が適切となる降圧薬としてサイアザイド系利尿薬、Ca拮抗薬、ARB・ACE阻害薬があります。

妊娠中の方に対してアルダクトンの安全性は確立されていません。有効成分が胎盤を通過する可能性があるとされています。妊娠中および妊娠の可能性がある場合は、医師が使用可否を判断します。治療の有益性が危険性を上回る場合に限り、アルダクトンの服用が検討されます。

アルダクトンの有効成分は母乳に移行することがあるので、授乳中の方は服用を控えてください。やむを得ず服用する際には、授乳を避ける必要があります。

高齢者の方がアルダクトンを使用する場合は、少量から服用を開始することが推奨されます。高齢者の方に急激な利尿作用が現れると、循環血液量が減少します。さらに血液の粘着性が増すことで血栓が現れやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞が誘発されることが考えられます。

また、急激な利尿作用が現れると、脱水や低血圧による立ちくらみ、めまい、失神といった症状を起こす危険性もあります。その他にも高齢者の方は、肝機能や腎機能が低下している傾向にあるため、高カリウム血症の発現に留意しておきましょう。

タクロリムスは臓器移植時の拒絶反応の抑制などに用いられる有効成分です。アルダクトンと併用すると、相加・相乗効果により血清カリウム値が上昇することがわかっています。高カリウム血症を起こすリスクがあるため、併用禁忌薬になっています。

エプレレノンはアルドステロンの働きを抑える有効成分で、主に高血圧症や慢性心不全の治療に使用されます。商品名はセララとして知られています。アルダクトンと併用するとカリウム貯留作用が増強し、高カリウム血症を招く恐れがあります。

ミトタンは副腎癌などに効果を発揮する有効成分です。アルダクトンと併用した際に、ミトタンの薬効が阻害されたという海外の報告があります。