クラビットの飲み方「服用期間や飲み合わせ、食前食後」について
クラビットの飲み方(用法・用量)

下記の用量を守って、水またはぬるま湯と一緒に服用してください。
1回の用量 | 1錠 (レボフロキサシンとして500mg) |
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1日の服用回数 | 1回 |
服用期間 | 7日間 |
クラビットは、1日1回、500mgを服用します。500mg規格の錠剤であれば、1回に服用するのは1錠です。
クラビットを服用する回数は、原則として1日1回です。服用量は500mgを基本として、感染症の種類や症状によって増減することがあります。用量の増減はあれど、1日の服用回数は必ず1回いう点は、どの疾患に対しても変わりません。
1日2回に分けて飲んではダメ?
クラビットの服用は、必ず1日1回で行います。病院では250mg規格のクラビットも処方されていますが、その場合も1回で2錠(レボフロキサシンとして500m)を飲みます。1日の服用を2回に分けてしまうと、クラビットの抗菌効果が低下するおそれがあります。
服用期間は膀胱炎で3日間、クラミジアで7日間
クラビットの服用期間は、疾患や症状によって異なります。
尿路性器感染症に関しては、目安となるクラビットの服用期間が定められています。
- 膀胱炎…3日間
- 性器クラミジア…7日間
- 精巣上体炎…14日間
- 細菌性前立腺炎…14日間
いずれも1日の服用回数や用量は同じです。
膀胱炎の場合、原因に基礎疾患が関わっている「複雑性膀胱炎」や腎臓に炎症が及んで生じる「腎盂腎炎」の治療においては、服用期間が7〜14日間と長くなりますので要注意です。
その他の疾患では、目安となるクラビットの服用期間が定められていません。病原細菌の種類や重症度に応じて調整する必要があります。
食前食後や時間帯などのタイミング
クラビットは、服用のタイミングに食前食後を問いません。クラビットの有効成分であるレボフロキサシンは、成分の吸収に食事の影響を受けにくいことが分かっています。空腹時でも食後すぐであっても問題なく服用できます。
服用する時間帯についても決まりはありません。朝飲んでも、夜飲んでも大丈夫です。朝食後や就寝前など、自身の生活リズムと照らし合わせて服用しやすいタイミングを決めましょう。
服用のタイミングを決めたらできるだけ毎日同じくらいの時間帯に飲むよう心がけましょう。クラビットのような抗生物質は、血中の成分濃度を一定に保つことが大切です。日によって朝飲んだり夜飲んだり変えてしまうと、薬の血中濃度が低下してクラビットの効果が減弱するおそれがあります。
飲み忘れと服用間隔
クラビットを飲み忘れたとしても、いつもの服用時間からそれほど経っていないのであれば、気が付いた時点ですぐに飲めば問題ありません。既に丸一日近く経ってしまっている場合は、飲み忘れた1回分を飛ばします。薬効が強く出て副作用のリスクが高くなることから、2回分のクラビットを1度に飲んではいけません。
クラビットに最低限空けなくてはならない服用間隔は、定められていません。飲み忘れた分を飲むべきか飛ばすべきか迷った場合には、かかりつけの医師に相談してください。
服用間隔の1つの目安になるのが、クラビットの半減期です。半減期とは薬の成分濃度が半分に減るまでにかかる時間を示すものであり、クラビットの場合は約8時間です。
薬の副作用は、過度に高い血中濃度が続く場合に生じやすくなります。8時間以上の服用間隔を設けていれば、血中濃度が高くなり過ぎる心配はほとんどありません。
飲み合わせなど注意事項
- クラビットの注意事項
- <使用禁忌>
下記に該当する方は使用しないでください。
レボフロキサシンまたはオフロキサシンに過敏症がある、妊娠中 - <使用注意>
下記に該当する方は使用前に医師に相談してください。
高度の腎機能障害がある、てんかん等の痙攣性疾患またはこれらの既往歴がある、重篤な心疾患がある、重症筋無力症、高齢者 - <併用注意薬>
下記の薬品を服用中の方は使用前に医師に相談してください。
フェニル酢酸系またはプロピオン酸系非ステロイド性消炎鎮痛薬、アルミニウムまたはマグネシウム含有の制酸薬等、鉄剤、クマリン系抗凝固薬、QT延長を起こすことが知られている薬剤
クラビットの併用注意薬には、鎮痛剤や便秘薬、貧血に使用する鉄剤などが含まれます。
便秘薬では酸化マグネシウム(マグニットと同じ成分)、鉄剤ではマスチゲン錠やファイチなどドラッグストアで市販されている薬も多いです。
特に鎮痛剤では、併用注意薬に該当する市販薬が多く存在する為、要注意です。
ロキソニンなど鎮痛剤との併用は要注意
クラビットとの併用注意薬に指定されているプロピオン酸系の消炎鎮痛剤(NSAIDs)には、知名度が高く家庭に常備されていることも多い市販薬が多く含まれます。
クラビットとの飲み合わせが悪い市販の鎮痛剤としては、以下が挙げられます。
- ロキソニンS
- イブ
- バファリンプレミアム
- バファリンEX
- コルゲンコーワ鎮痛解熱LXα
これらの市販薬にはクラビットとの飲み合わせが悪いイブプロフェンもしくはロキソプロフェンが使用されています。風邪や歯痛の治療でクラビットを使用している方は、むやみに市販の鎮痛剤を使用しないよう気をつけましょう。
市販薬以外では、ジクロフェナクが配合されている「ボルタレン(内服タイプ)」とクラビットの飲み合わせも良くありません。ボルタレンは関節痛や頭痛に使用する痛み止めとして、非常によく処方される薬ですので要注意です。>
クラビットと併用できる鎮痛剤は、アセトアミノフェンが主成分として使われている薬です。
アセトアミノフェンが使われている市販薬としては「新セデス錠」や「ノーシン錠」などが挙げられます。処方薬としては「カロナール」という薬に配合されており、クラビットと一緒に処方される機会も多いです。
牛乳との飲み合わせに要注意
クラビットと牛乳を一緒に飲むことは避けましょう。牛乳に含まれるカルシウムは、クラビットの有効成分レボフロキサシンと結合して、キレートという構造を形成します。キレートになると体に吸収され辛くなるため、レボフロキサシンの血中濃度が低下するおそれがあります。
どうしても牛乳を飲みたい場合は、クラビットを服用してから2時間以上の間隔を空けて飲むようにしましょう。2時間あれば成分が十分に吸収されますので、牛乳を飲んでも影響を受けません。
同様の理由から、乳製品であるヨーグルトも避けてください。クラビットを食後に飲む方は、メニューに気を付けましょう。
お酒(アルコール)は控えるべきか
クラビットでは飲酒に関して、特別に禁止や注意喚起がされているわけではありません。とはいえ、感染症の治療という観点においては、やはり飲酒は控えるべきだといえます。
アルコールには、血行を促して患部を充血させる作用があります。患部の炎症や腫れが悪化するため、治癒が遅れるおそれがあります。
また過度な飲酒は睡眠の質を低下させたり、肝臓を疲れさせたりします。病気から回復する基礎体力を低下させないためにも、治療中の飲酒は控えましょう。