プリリジーの効果「射精までの時間と効果持続時間、感度」について
プリリジーの効果と効能
- 効能・効果
- 早漏症
- (1) 性交時の過剰な興奮をおさえて射精までの時間を延長します。
プリリジーは、ダポキセチンを主成分とする内服型の早漏改善薬です。射精までの時間を大幅に延長する効果があります。イタリアやスペイン、韓国など世界60カ国以上の認可国だけでなく、未認可国である日本においても早漏治療薬として用いられています。
セロトニンの作用を高めて射精までの時間を延ばす
早漏を改善するプリリジーの効果は、セロトニンという脳内物質の作用を高める有効成分の働きによって発揮されます。セロトニンは興奮を抑える脳内物質です。プリリジーによってセロトニンの作用が高まると、早漏を招く過度な性的興奮が抑えられます。
セロトニンは、神経前終末から放出された後、その一部が神経後終末に伝達されることでリラックスした状態を促します。神経後終末に伝達されなかった残りのセロトニンは、神経前終末にあるトランスポーターと呼ばれる再取り込み口から再び取り込まれます。
プリリジーに配合されたダポキセチンは、神経前終末にあるセロトニントランスポーターを塞いで、セロトニンが再吸収されるのを防ぎます。その結果、より多くのセロトニンが神経後終末へと伝達されるようになり、早漏の原因とされる過度な興奮が緩和されます。
こうした薬理作用で効果が発揮されることから、プリリジーはセロトニン再取り込み阻害薬(SSIR)と呼ばれています。性交中のリラックスを促すプリリジーは、射精を我慢できなくなる早漏の症状改善に効果的です。
効果発現のタイミングと持続時間
プリリジーは服用してから1時間ほどで効果が現れ始め、6時間ほど効果が持続します。
プリリジーの有効成分ダポキセチンの血中濃度は、服用してから1時間ほどでもっとも高くなります。その後、速やかに排泄されて、服用後5〜6時間をかけて効果が得られない水準まで血中濃度が徐々に薄まっていきます。
プリリジーから適切に効果を引き出すためにも、有効成分血中濃度の推移を見越して性行為の1時間から3時間前を目安に服用しましょう。
プリリジーを使うと射精時間を4倍まで延ばせる
プリリジーの効果は、射精に至るまでの時間が平均して1分の患者群を対象とした臨床研究により認められました。24週間にわたる臨床試験では、有効成分を含まないプラセボ薬とプリリジーの成績を比較することで効果が実証されています。
プリリジーの臨床試験では、射精に至るまでの時間が最大で4倍ほどに延長されたことや早漏改善率といった効果を示す成績が確認されています。60mgを上限として用量が多くなるほど、高い効き目が見込めることもわかっています。
挿入から射精までの世界平均時間は約6分といわれています。射精に至るまでの時間が仮に1分だった場合、プリリジーを服用することで平均とされる約6分という水準に大きく近づくことができます。
性交のたびに服用し続けるとプリリジーの効果は増す
プリリジーの臨床試験では、初回服用時から効果が認められ、性交のたびに服用を繰り返すことで射精時間がさらに延長されることがわかりました。一度目の服用で効果を実感できなくても、複数回使用することで効果を得られるようになります。
使用期間 | プラセボ | プリリジー 30mg |
プリリジー 60mg |
---|---|---|---|
初回服用時 | 1.4分 | 2.1分 | 2.5分 |
12週間使用後 | 2.0分 | 3.5分 | 3.8分 |
24週間使用後 | 2.2分 | 3.3分 | 3.9分 |
上記の表からも、早漏の人に偽薬(プラセボ錠)を飲んでもらった時と、プリリジーを服用してもらった時では、挿入から射精までの時間が大きく異なることがわかります。
プラセボ薬を服用したグループの射精までの時間は最大2.2分まで延長されました。それに対してプリリジーを服用したグループは、30mgの場合だと最大3.5分、60mgの場合だと最大3.9分まで延長される結果となっています。
服用開始24週後の早漏改善率とその内訳
プリリジーを24週間にわたって性交のたびに服用し続けた結果、プラセボ薬よりも優れた早漏改善率が認められました。また、プリリジーを服用する分量が多ければ多いほど、改善率は高くなることも確認されています。
改善度合い | プラセボ | プリリジー 30mg |
プリリジー 60mg |
|
---|---|---|---|---|
早漏改善率全体 | 31.9% | 57.6% | 72.4% | |
改善率の内訳 | 軽度の改善 | 16.4% | 27.0%分 | 33.2% |
中程度の改善 | 11.8% | 20.6%分 | 27.3% | |
顕著な改善 | 3.7% | 10.0%分 | 11.9% |
早漏症状の改善が認められた患者の割合は、プリリジー30mgを服用したグループで57%、60mgを服用したグループだと72%でした。早漏症状の改善度合い別にみても、30mgよりも60mgの方が良好な効果が認められています。
プリリジーで感度は下がらない
プリリジーは、精神の興奮度合いをコントロールして射精までの時間を延ばす薬です。直接的な刺激を緩和する効果はないため、服用したとしても陰茎の感度は下がりません。
プリリジーの効果によって、快楽の度合いが落ちることなく射精までの時間が延長されるため、性交の満足度が高まります。
一方、リドカインを含むエムラクリームなどを陰茎に塗布して早漏対策を行う場合は、感度が下がります。リドカインやプリロカインを含む薬は、注射などの痛みを緩和させるために使われる麻酔薬です。陰茎の感度を鈍らせることで早漏を改善します。さらに誤って女性器に付着すると、当然ながら女性の感度も下がってしまいます。
塗り薬を用いた早漏対策は感度を鈍くするので、男女ともに性行為の満足度が下がるというデメリットがあります。性行為の満足度を保ちつつ射精までの時間を延ばしたい場合は、プリリジーを服用した方が効果的です。