アボダートの飲み方「服用タイミング、飲み合わせ等」について
前立腺肥大症を治療する飲み方(用法・用量)
1回の用量 | 1カプセル (デュタステリドとして0.5mg) |
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1日の服用回数 | 1回 |
服用する期間 | 最低6ヶ月 |
前立腺肥大症の治療を行う場合は、アボダート0.5mgを1日1回、1カプセルを服用します。
アボダートの効果で症状が改善するまでは、一般的に半年ほどの期間がかかります。効き目の有無を判断するためにも、最低6ヶ月以上はアボダートを飲み続ける必要があります。効果の発現が早い場合、半年未満で効果が得られる場合もあります。
アボダートで症状が改善して体調が良くなったとしても、服用期間中は必ず指示された通りに飲み続けてください。服用を止めるタイミングは医師が判断します。自己判断でアボダートの服用を止めると、症状が再発する恐れがあります。
他剤との併用に関して
アボダートは、治療効果を得るまでに期間を要する薬です。症状の早期改善にあたっては、α遮断薬やPDE5阻害薬との併用療法が効果的とされています。
α遮断薬やPDE5阻害薬は、いずれも直接的に排尿障害を改善する効果があります。どちらも即効性がある一方で効果は一時的なものになります。そのため、あくまで治療初期の対症療法として併用します。
前立腺肥大症と過活動膀胱を合併している場合は、過活動膀胱の治療薬としてβ3作動薬とアボダートを併用します。
α遮断薬(ハルナール、ユリーフ)との併用
前立腺肥大症の治療で使用される主なα遮断薬は、タムスロシンおよびシロドシンです。タムスロシンの先発薬としてハルナールが、シロドシンの先発薬としてユリーフが処方されています。
アボダートとは異なる仕組みで、前立腺を縮小させると共に尿道を広げます。
ハルナールの用法・用量は0.2mg錠を1日1回、食後に1錠飲みます。服用回数はアボダートと同じなので、一緒に服用するようにしましょう。
ハルナールは0.2mgで効き目がみられなかった場合、他の治療手段に切り替えます。
ユリーフの用法・用量は1回4mgを1日2回、朝夕の食後に服用します。アボダートと併用するタイミングは、朝食後または夕食後のどちらか一方だけです。両剤とも、なるべく毎日同じ時間に服用することを心がけましょう。服用間隔を一定に保つことで効き目が安定しやすくなります。
PDE5阻害薬(ザルティア)との併用
前立腺肥大症では、タダラフィル(ザルティア)というPDE5阻害薬が処方される場合があります。
PDE5阻害薬は血管拡張作用のある薬です。α遮断薬と同等の症状改善効果があります。
ザルティアの用法・用量は5mgを1日1回服用します。服用回数はアボダートと同じですので、併用する場合は一緒に飲みましょう。
ザルティアは降圧作用があり、副作用として低血圧が起こりやすいのでご注意下さい。特に心臓や血管に障害のある方は、服用できない場合があります。服用前に必ず医師に相談をして下さい。
β3作動薬(ベタニス、べオーバ)との併用
前立腺肥大症に処方されるβ3作動薬は、ミラベグロン(ベタニス)とビベグロン(べオーバ)の2剤です。
β3作動薬は、膀胱の容量を増やすと同時に尿道を縮める作用があります。過活動膀胱による尿意の切迫感や頻尿、失禁といった症状を改善する効果があります。
ベタニスとベオーバの用法・用量は同じです。ともに50mgを1日1回、食後に服用します。服用回数はアボダートと同じですので、併用する場合は一緒に飲みましょう。
AGAを治療する飲み方(用法・用量)
1回の用量 | 1カプセル (デュタステリドとして0.5mg) |
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1日の服用回数 | 1回 |
服用する期間 | 最低6ヶ月 |
AGAの治療を行う場合は、アボダート0.5mgを1日1回、1カプセルを服用します。アボダートの薄毛改善効果は、早ければ3ヶ月ほどで実感できる場合もありますが、一般的には半年後から出始めます。
効果の有無を判断する上でも、アボダートは最低限6ヶ月以上の服用が必須となります。
アボダートを止めると
アボダートの服用を止めると、再び薄毛が悪化して改善した部位が元に戻ってしまいます。アボダートの効果を持続させるためには、服用を続けなければなりません。
アボダートの服用期間中は、性機能の低下が起こる可能性があります。子供を望まれている場合は、よく考慮の上で服用を検討しましょう。
アボダートの服用間隔について
アボダートは1日1回を毎日継続することが大切です。2日に1回、もしくは3日に1回という具合に服用間隔を空けた飲み方は、薬の効き目を低下させます。
アボダートの用法・用量は、効果が最大限に発揮される血中濃度が保たれるように設定されています。誤った飲み方は、薄毛治療の失敗を招く原因となります。
自己判断で服用間隔や服用量を変えてはいけません。
ミノキシジルとの併用に関して
アボダートと発毛剤ミノキシジルを併用することで、育毛促進効果が上乗せされます。抜け毛の抑止効果に発毛促進効果が加わるため、効率的な薄毛改善が見込めます。
ミノキシジル製剤の種類は、外用薬(塗り薬)と内服薬の2つがあります。内服薬は本来高血圧の薬ですが、外用薬よりも優れた発毛効果が期待できます。
ミノキシジルの外用薬(リアップ、ロゲイン等)であれば1日2回の使用となります。朝晩どちらかで塗布する際にアボダートを服用しましょう。
ミノキシジルの内服薬(ミノキシジルタブレット、ミノタブ)は1日1回の服用です。アボダートと同じタイミングで服用しましょう。
服用のタイミング
アボダートは食事の影響を受けませんので、食前・食後を問わず服用するタイミングは自由です。
薬の効き目を安定させるうえでは、服用間隔を均等にして血中濃度を一定に保つことが大切です。アボダートの服用は時間を決めて、毎日同じタイミングで飲むようにしましょう。
飲み忘れるのを防ぐためにも、食後に飲むことが望ましいです。
アボダートを飲み忘れた場合
アボダートを飲み忘れた場合、気がついた段階で飲み忘れた分の1カプセルのみを服用してください。
ただし、次の服用時間が近い場合は1回分とばしてください。次回分の服用時間が来たら1カプセルのみ服用します。アボダートは決して2カプセルを1度に服用してはいけません。
アボダートを飲み過ぎた場合
アボダートを飲みすぎてしまった場合、過剰摂取によって副作用が強く出るおそれがあります。
特に疲労感や倦怠感、吐き気、食欲不振などの症状は肝機能障害が起きる可能性があります。ごくまれに黄疸として皮膚や白目が黄色くなる症状も起こりえます。
アボダートの飲み過ぎによって体に何らかの異常が起きた場合は、できるだけ速やかに医療機関を受診してください。
アボダートの注意点
- アボダートの注意事項
- <使用に関して>
経皮吸収されます。女性や小児はカプセルから漏れた薬剤に触れないでください。漏れた薬剤に触れてしまった場合には、直ちに石鹸と水で洗ってください。
使用期間中および使用を中止してから1ヶ月未満である場合、献血を行わないでください。
前立腺肥大症の治療に用いる場合、使用前に直腸診や他の前立腺癌の検査を受けてください。使用中においても定期的にこれらの検査を受けてください。 - <使用禁忌>
下記に該当する方は使用しないでください。
デュタステリドおよび5α還元酵素阻害薬に過敏症がある、女性、妊娠中、授乳中、未成年者、重度の肝機能障害 - <使用注意>
下記に該当する方は使用前に医師に相談してください。
肝機能障害 - <併用注意薬>
下記の薬品を服用中の方は使用前に医師に相談してください。
CYP3A4阻害作用を有する薬剤(リトナビルなど)
アボダートは肝機能を低下させるリスクがありますので、重度の肝機能障害がある方は服用できません。
アボダートの半減期は3〜5週間であり、同じAGA治療薬のプロペシアの半減期(3〜4時間)に比べて大幅に長くなります。薬の成分が常に体内に残り、肝臓を使って代謝され続けますので、肝臓への負担も大きくなります。
アボダートを長期服用する際には定期的に肝機能の検査を受けることが望ましいです。
他疾患の治療中であったり、市販薬も含めて他のお薬を服用中の場合は、アボダートの服用を始める前に医師に相談しましょう。
カプセルの破損に注意
アボダートのカプセルが破損している場合は服用しないでください。カプセルの破損部が食道を傷つけたり、薬剤が喉の粘膜を刺激する可能性があります。アボダートを服用する際には、カプセルを噛んだり開けたりしてはいけません。
カプセルから薬剤の粉が漏れた場合は、女性や小児の手に触れないよう廃棄してください。特に妊娠中の女性が触るのは厳禁です。アボダートの薬剤が妊婦の体内に経皮吸収されると、お腹の赤ちゃんの発育に影響を及ぼす恐れがあります。
注意すべき飲み合わせ
アボダートと飲み合わせが悪いのは、リトナビル(ノービア)などCYP3A4阻害作用のある薬です。
CYP3A4とは薬を代謝する酵素の一種で、アボダートの代謝もCYP3A4によって行われます。そのためCYP3A4阻害作用のある薬を併用すると、アボダートの代謝が抑制されます。
アボダートの代謝が不十分な状態で服用を継続すると、薬の成分が排出されず体内に残ります。結果として薬の血中濃度が上がり、アボダートの作用が必要以上に強まるおそれがあります。
CYP3A4阻害作用のある薬はリトナビル以外にも多数あります。市販薬を含めて他のお薬とアボダートを併用する場合は、事前に医師への相談を行いましょう。
お酒との飲み合わせは?
アボダートとアルコールを飲み合わせても、相互作用はありません。ただし、肝機能が弱っている方は注意が必要です。
お酒とアボダートを飲み合わせると肝臓への負担が増します。アルコールの代謝は、アボダートと同様に肝臓で行われます。
飲酒によって肝臓が弱っている状態でアボダートを服用すると、肝機能障害を起こすリスクが上がります。アボダートの服用期間中は、できるだけお酒を控えておいた方が安全です。