ヤーズの副作用「頭痛、吐き気、血栓症」について
ヤーズの主な副作用
ヤーズは、主な副作用として以下の症状が報告されています。
- <主な副作用>
- 血栓症、不正出血、腹痛、乳房の張り、悪心、頭痛など
これらの副作用は、ヤーズの服用を始めてから3週間程度で自然に治まっていきます。
しかし、血栓症にだけは注意しなくてはなりません。
血栓症とは、血管の中に血の塊ができてしまう疾患です。血の塊は「血栓」と呼ばれています。
この血栓が脳や肺などの血管に詰まってしまうと、臓器に必要な酸素や栄養が行き届かない状態になり、臓器障害を引き起こすおそれがあります。
ヤーズの副作用で血栓症が起きる理由
ヤーズに含まれている卵胞ホルモンには、血液凝固因子産生亢進や抗凝固系に作用するプロテインS産生を抑制する働きがあります。この働きによって、ヤーズを服用すると血栓ができやすくなってしまいます。
特に、ヤーズの服用中に摂取する水分量が少なかったり、身体を動かさずに過ごしたりすると、血液が凝固し、血栓が生まれやすい傾向にあります。
また、加えて喫煙、高年齢、肥満、高血圧などはさらに血栓症を発症させるリスクを高めてしまうため、注意が必要です。
血栓症の副作用での死亡例もある
外国の疫学調査の結果、ピルを服用している女性と服用していない女性とでは、服用している女性の方が血栓症を発症する確率が3.25倍から4.0倍も高くなることが分かりました。
血栓症の副作用はヤーズに限った話ではないものの、ヤーズが販売された平成22年11月から平成26年1月17日までに、死亡例3例を含む140例の重篤な血栓症関連の副作用症例が報告されています。
血栓症の前兆に気付いたらすぐ病院へ
血栓症を予防・改善するためには、血栓症の前兆である初期症状を見逃さないことが大切です。
ヤーズの服用中、以下のような症状があらわれた場合は、すぐに服用を中止し、病院で医師の診察を受けてください。
- <血栓症の前兆となる症状>
- 手足のむくみ、疼痛、しびれ・発赤・熱感、頭痛、嘔気・嘔吐など
また、緊急を要する血栓症の症状としては、手足のむくみや突然の息切れ、胸痛、激しい頭痛や四肢の脱力・麻痺、言語障害、視力障害などが挙げられます。 こうした症状があらわれた場合も、すぐに病院で受診してください。
血栓症は、長時間同じ体勢でいたり、脱水状態に陥ったりすると発症するリスクが高まります。
血栓症を予防するためにも、ヤーズの服用中は身体を適度に動かしたり、こまめに水を飲んだりなどして対策を取りましょう。
血栓症以外の副作用
ヤーズで引き起こされる副作用は、血栓症だけではありません。
国内におけるヤーズの長期投与試験では、349例中314例(90.0%)に副作用があらわれました。
主な副作用の発現例数は、頭痛153例(43.8%)、悪心105例(30.1%)、不正子宮出血96例(27.5%)、凝固検査異常70例(20.1%)、月経痛68例(19.5%)、性器出血67例(19.2%)、下腹部痛39例(11.2%)でした。
これらの副作用が起こるのは、ヤーズの服用を開始したことによってホルモンバランスに乱れが生じることが原因です。
こうした頭痛や悪心などの副作用は、身体がヤーズの服用に慣れるにしたがって、3か月程度を目安に徐々に改善されます。そのため、過度な心配は必要ありません。