バルトレックスの副作用「頭痛、眠気、下痢」について
バルトレックスの主な副作用
バルトレックスは副作用を起こしにくい安全性に優れた薬です。有害な影響が少ないことから、毎日の服用を長期的に継続する性器ヘルペスの再発抑制治療も行われています。特有といえる症状はありませんが、バルトレックスの副作用として以下が報告されています。
- <主な副作用>
- 頭痛、嘔気、眠気、下痢、腹痛、肝機能検査値の上昇など。
頭痛や眠気、下痢などが報告されています。
最も高い頻度で発現が確認された副作用は、頭痛や眠気などの神経系症状でした。2〜3%の頻度で報告されています。次いで多く確認された副作用は、吐き気や下痢などの消化器系の症状です。0.9〜1.3%の頻度で報告されています。
副作用の症状 | 発現数 | 発現率 |
---|---|---|
頭痛 | 11例 | 2.77% |
眠気 | 9例 | 2.27% |
吐き気 | 5例 | 1.26% |
尿中白血球陽性 | 5例 | 1.26% |
下痢 | 4例 | 0.94% |
副作用と思わしき症状が現れた際に注意すべきことは、自己判断で服薬の中止をしないということです。ヘルペスや帯状疱疹では、自覚症状として頭痛や吐き気が現れることがあります。これらの症状を副作用だと思い込んでバルトレックスの服薬を中断してしまった場合、かえって症状が悪化します。
特に急性型のヘルペスや帯状疱疹は、発症してから数日後に症状のピークを迎える疾患です。
バルトレックスを飲み始めたタイミングでたまたま症状が強く出てしまった場合、悪化した症状をバルトレックスの副作用と勘違いしやすくなります。
免疫力の低下に伴う風邪を併発している可能性も考えられるため、バルトレックスを服用後に不調が出た際には自己判断で服薬を中断する前に医師に相談しましょう。
頭痛薬を併用することも可能です
頭痛の症状が強く出ている場合には、頭痛薬を併用することで痛みを緩和することができます。
バルトレックスと頭痛薬に使われている成分には相互作用は確認されていないため、併用しても問題ありません。頭痛薬を選ぶ際には、市販されているイブやバファリンでかまいません。
その他にめまいなどの副作用が生じることがあります。
- <その他の副作用>
- めまい、排尿困難、かゆみ、発疹など。
頭痛や眠気などの症状と比べると低頻度ではありますが、めまい、排尿困難、かゆみ、発疹といった副作用が報告されています。めまいなどの副作用が現れる頻度は0.5%未満です。心当たりのある症状が続いている方は医師に相談しましょう。
車の運転に注意
バルトレックスの副作用はいずれも軽度であることがほとんどですが、めまいや眠気などの意識障害の症状が報告されている以上、服用期間中には車の運転や精密作業、高所での作業はできるだけ避けるように心がけましょう。
ただちに服薬を中止するべき副作用
- <重大な副作用>
- アナフィラキシーショック、血液障害、急性腎不全、精神神経症状、重症な薬疹、呼吸抑制、間質性肺炎、肝機能障害、強制膵炎。
バルトレックスに対するアレルギー症状。
バルトレックスに対してアレルギーを持っている方は使用が禁忌とされています。服用後にアレルギー反応だと思われる副作用を発症した際には、すぐに服用を中断して医師の診察を受けましょう。
バルトレックスにアレルギーを持っていた場合、服用後に以下のような副作用が発現します。
- 全身に現れる薬疹
- 蕁麻疹
- 息苦しさ
- 意識低下
- 光線過敏症
ごくまれに現れる重大な副作用に注意しましょう。
バルトレックスの安全性を検証するために行われた臨床試験では、重大な副作用の発現も報告されています。いずれも発症率は0.2%以下と、ごく低頻度に留まりました。下記の症状に心当たりがある場合は、重大な副作用を発症している可能性があるため、放置せずに必ず病院で診察を受けてください。
疾患名 | 症状 |
---|---|
アナフィラキシーショック | 蕁麻疹、呼吸困難、おう吐、意識混濁 |
血液障害 | めまい、鼻血、歯茎からの出血、高熱 |
急性腎不全 | 尿量の低下、排尿困難 |
精神神経症状 | 不眠、不安感、うつ、興奮 |
重症な薬疹(TEN・SJS) | 全身にやけどのような水ぶくれ、ただれ |
呼吸抑制 | 息苦しさ、息切れ、無呼吸 |
間質性肺炎 | 息苦しさ、息切れ、発熱 |
肝機能障害 | 倦怠感、発熱、黄疸 |
急性膵炎 | 腹部の強い痛み、悪心、おう吐 |
服用後すぐに、蕁麻疹、息苦しさ、嘔吐、血圧低下などの症状が見られた場合は、アナフィラキシーショックが疑われます。このような症状が見られた場合は、すぐに医療機関を受診してください。
飲み合わせや高齢者などの服用による副作用
飲み合わせによって有効成分の排泄・代謝に問題が生じます。
バルトレックスと飲み合わせの悪い薬を併用してしまうと、副作用の発現リスクが高まります。痛風治療薬や胃酸抑制薬など、一部の医薬品はバルトレックスと飲み合わせた際に、成分の排泄・代謝を遅らせることが知られています。血中の成分濃度が過度に上昇することになるため、副作用が現れやすくなります。
腎機能が低下していると副作用が発生しやすくなります。
バルトレックスの有効成分は約85%が腎臓から代謝されて排泄されます。そのため、腎機能が低下していると考えられる腎障害を持っている方や高齢者の方では、健常者と比較して成分の排泄がスムーズに行えません。飲み合わせが悪い薬と併用した時のように血中濃度が高くなりすぎてしまい、副作用の発症リスクが上がります。
妊婦、授乳婦、乳児への安全性
妊娠中にバルトレックスを使用した場合の安全性は確立していません。
バルトレックスの有効成分は母乳中に移行することが分かっているため、授乳婦に対する投与も慎重に行います。乳児や新生児に対する使用経験は少なく、どのような副作用が発現するリスクがあるのか未知数です。