【早漏の改善方法】おすすめの治療薬とトレーニングを紹介
- 公開日
- 2022年03月15日
- 更新日

早漏とは、性交時に膣内挿入してから1分以内または挿入前に射精してしまう男性特有の性機能障害です。早漏が原因で性交を避けるようになることもあります。早漏の中でも以下のようなタイプは治療の対象になります。
- 常に膣内挿入1分以内もしくは挿入前に射精する
- 膣内挿入時の射精を遅らせることが全くもしくはほとんどできない
- 性交によって苦痛や悩み、フラストレーションなどが生じて結果的にネガティブな体験になっている
上記に当てはまっていなくても、射精が早いことで悩んでいる場合は治療を試みる価値があります。
早漏を改善する方法として、行動療法や薬物療法などが行われます。このページでは、早漏改善が期待できるトレーニング方法や薬について説明しています。自分に合う早漏改善方法を探すためにお役立てください。
早漏改善におすすめの薬は大きく分けて3種類

すばやく早漏を改善したい場合には薬物療法がおすすめです。早漏の防止に効果がある薬としては以下の3つが挙げられます。
飲む早漏治療薬ダポキセチンは、臨床試験によって確かな有効性が認められています。その他に、局所麻酔薬やED治療薬も早漏改善効果が期待できます。
ダポキセチンの早漏改善率は72.4%
早漏の改善には有効成分ダポキセチンが配合されている内服薬が有用です。ダポキセチン内服薬には、先発薬プリリジーをはじめ数々のジェネリックがあります。プリリジーは、先発薬としての実績と安心感があり、ジェネリックは安価でダポキセチンの効果を試すことができます。
ダポキセチンは、体内のセロトニン濃度を高める作用があります。セロトニンとは、精神を安定させる働きを持つ神経伝達物質です。セロトニンが増えることで射精を早める過度な興奮や緊張が緩和されるので早漏の改善が期待できます。
臨床試験において、ダポキセチンは72.4%の早漏改善率が実証されています[1]。ダポキセチンの配合量としては60mgが最も有効性が高いとされています。半分の30mgでも、一定の効果は期待できることが分かっています。
有効成分ダポキセチンが配合されている内服薬
局所麻酔薬で性的刺激に強くなる
局所麻酔薬は、性交時の刺激に対して鈍感にすることで射精を我慢できるようにする薬です。外用薬なので頭痛や吐き気といった全身症状の副作用が出にくいという利点があります。
早漏改善に使用できる局所麻酔薬にはクリーム、ゼリー、スプレーなどの剤形が存在します。いずれも陰茎に塗布したら少し時間を置いた後で、きれいに洗い流して性交を行いましょう。
局所麻酔スプレー
局所麻酔クリーム
局所麻酔薬が陰茎に付着した状態で膣内に挿入するとパートナーの感度まで鈍くなってしまいます。そのため、局所麻酔薬を使用した後の性交にはコンドームの装着が推奨されます。内側に局所麻酔薬が塗ってあり、装着するだけで早漏の改善が期待できるコンドームも販売されています。
早漏防止コンドーム
早漏改善にも期待できるED治療薬
ED(勃起不全)の治療に用いられるPDE5阻害薬には、早漏を改善する効果も期待されています。ED治療薬として有名なバイアグラ、レビトラ、シアリスなどは全てPDE5阻害薬に分類されます。
プラセボ | シルデナフィル | バルデナフィル | タダラフィル |
---|---|---|---|
48.5秒 | 53.5秒 | 82.5秒 | 70.0秒 |
ED治療薬の早漏改善効果については、効果のないプラセボ(偽薬)との比較試験が行われています。プラセボと主要なPDE5阻害薬3種(シルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィル)を比較したところ、全てのPDE5阻害薬でプラセボよりも射精が延長されるという結果が出ています[2]。
PDE5阻害薬の中で最も早漏改善効果が期待できるのは、レビトラの有効成分バルデナフィルです。上記の試験結果からは、バルデナフィルが射精を延長させる効果において、プラセボや他のPDE阻害薬よりも優れていることが分かります。
早漏改善が期待できるED治療薬
早漏はEDを併発していることが多いです。早漏とEDを同時に治療できる医薬品としてスーパーカマグラなどのジェネリックが知られています。これらには、ダポキセチンに加えてシルデナフィルなどのED治療成分が配合されています。どちらか一方の有効成分では、効果があまり実感できないという場合などに服用を検討してください。
早漏・EDを同時に改善させる合剤

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早漏を改善するトレーニング方法

早漏の改善に有効とされている行動療法には、骨盤底筋トレーニング、スクイーズ法、セマンズ法などがあります。
行動療法は基本的に身一つで行えます。プライベートな空間であれば時間や場所を選ばないことからも比較的取り掛かりやすい早漏改善方法といえます。
骨盤底筋トレーニング

骨盤底筋は、骨盤の下部にハンモック状に存在する筋肉群です。骨盤底筋に含まれる筋肉のうち、PC筋は射精や勃起力に関わるとされています。PC筋を鍛えることで射精を延長できるようになります。
骨盤底筋のトレーニング方法には、「PC筋を直接鍛える方法」と「PC筋の周りの筋肉から鍛える方法」があります。
骨盤底筋を鍛える肛門締めトレーニングの手順
- 骨盤底筋の位置と動きを把握する
- 仰向けやイスに座るなどトレーニングに適した姿勢をとる
- ゆっくり肛門の引き締めと弛緩を繰り返す
骨盤底筋の周りの筋肉を鍛えるトレーニング方法
- ワイドスクワット
- サイドスクワット
- バードドック
- ヒップリフト
PC筋トレーニングは、6~12週間ほど行うことで効果が実感できます。2003年にイタリアで実施された研究では、PC筋トレーニングによって6週後には膣内挿入時間に2倍以上の延長が確認されています。

【勃起力向上】骨盤底筋を鍛える肛門締めと下半身トレーニング4選
骨盤底筋(PC筋など)を鍛えるトレーニング方法を紹介しています。骨盤底筋を鍛えることで早漏改善だけでなく勃起力の向上も期待できます。
スクイーズ法
スクイーズ法は、早漏改善トレーニングの1つです。スクイーズには握る、強く押すなどの意味があります。スクイーズ法を試すことで85%以上の男性が3ヶ月以内に早漏が改善したと報告されています[3]。
スクイーズ法を考えたのは、ウィリアム・マスターズとバージニア・ジョンソンという2人の研究者です。両名によるセックスセラピーは、早漏およびEDの男性に対して76.2%の有効率が確認されています[4]。特に30代の男性に優れた有効性が認められています。
スクイーズ法の手順
- マスターベーションを行い、射精の直前で刺激を止める
- ゆっくりと深呼吸をして、射精感が落ち着いたらマスターベーションを再開する
- 1と2を繰り返し、5回目で射精する
スクイーズ法では、マスターベーションによって早漏を改善します。マスターベーション中に射精しそうになったら手を止めて亀頭を圧迫し、射精感を遠ざけます。射精感が落ち着いたら再び射精が近づくまでマスターベーションを行います。この繰り返しを5回ほど続けて射精の感覚を覚えていきます。
スクイーズ法は、1人で行ってもパートナーの手を借りて行ってもかまいません。初めは一人で練習してみて、感覚がつかめるようになったらパートナーに協力してもらうことも可能です。
セマンズ法
セマンズ法は、パートナーの協力が不可欠な早漏改善トレーニングです。スクイーズ法よりも実践に近い形で早漏改善を目指します。初めにパートナーの理解を得ることで精神的な面からも早漏改善が期待できます。
セマンズ法の手順
- パートナーに陰茎を刺激してもらい、射精感が近づいたら手を止めてもらう
- リラックスして射精感が落ち着いたら陰茎への刺激を再開してもらう
- 1と2を繰り返し、4回目で射精する
セマンズ法は、パートナーに手で陰茎を刺激してもらって射精を我慢するトレーニングから始めます。慣れてきたらローションを付けた状態で刺激してもらって同じように射精を我慢します。
次の段階ではパートナーの膣内に陰茎を挿入して射精を我慢できるようにします。騎乗位から側臥位、正常位の順に体位を変更していきます。
セマンズ法では基本的にパートナーに動いてもらいます。射精しそうになったら動きを止めてもらって射精感が引くのを待ちましょう。これを繰り返して4回目の射精感があったらなるべく自分で動いて射精します。
セマンズ法は、早漏の改善のみでなくパートナーとの良い関係を育みます。男性は刺激を与えてもらっている際にパートナーへの愛撫を行いましょう。お互いに気持ちを高め合うことで精神的にも早漏改善に役立ちます。
オナホを使った方法

道具を使った早漏の改善には、いわゆるオナホ(オナホール)を使った方法があります。オナホを使うことで早漏の原因となる刺激への弱さを克服します。ここからはオナホのことをカップと称して早漏を改善する方法を説明します。
カップを使用した早漏改善方法は、手コキと比較して挿入時間の変化が大きいという研究結果が出ています[5]。手コキのトレーニングで挿入時間が1.38倍延長したのに対し、カップでの挿入時間は2.69倍の延長が確認されています。
このように、カップを使用した早漏改善トレーニングは、より長い射精時間の延長が期待できます。
TENGAヘルスケアでは、カップを使用するトレーニング方法について紹介しています。STEP1~4のトレーニングを順番にこなしていくことで、少しずつ自分の意思で射精をコントロールできるようになります。
各STEPで設定されている目標をクリアしたら、次のSTEPに移りましょう。
- STEP1:PC筋の動きを意識する
- STEP2:射精感を遠ざける感覚に慣れる
- STEP3:手の動きを止めずに射精感を遠ざける
- STEP4:腰振りを止めずに射精感を遠ざける
STEP1:PC筋の動きを意識する
STEP1では、通常のマスターベーションを行います。この時、PC筋(骨盤底筋)の動きを意識できるようになりましょう。STEP1を4回ほど繰り返せば、骨盤底筋が射精直前に緊張し、射精中にはビクビクと収縮していることが分かるようになります。
STEP2:射精感を遠ざける感覚に慣れる
STEP2は、射精感を遠のかせる感覚に慣れていきます。通常のマスターベーションを行い、射精が近づいたら手を止めて骨盤底筋をリラックスさせましょう。45秒以内を目標にして、射精感が遠のいたら再度陰茎に刺激を与えます。これを4回繰り返し、5回目には我慢しないで射精しましょう。
STEP2のトレーニング回数は12回程度です。
STEP3:手の動きを止めずに射精感を遠ざける
STEP3は、STEP2と同じようにマスターベーションを行います。射精感が高まってきたら、手は止めずに骨盤底筋のリラックスのみで射精を我慢できるようにします。手を動かすスピードを変えずに、4回を目標に射精を遠ざけて5回目に射精します。初めは難しくても、トレーニングを続けるうちに我慢することが楽になっていきます。
STEP3を8回ほど繰り返した頃には、STEP4に問題なく進めます。
STEP4:腰振りを止めずに射精感を遠ざける
STEP4は、腰振りトレーニングです。カップをクッションなどに押し付けて腰を振ります。後はSTEP3と同じように、射精が近づいたら骨盤底筋をリラックスさせて射精を我慢します。4回我慢できたら、5回目はそのまま射精しましょう。
STEP4を4回ほど行ったらトレーニング完了です。
STEP1~4が完了したら、性交本番でも骨盤底筋をリラックスさせて射精をコントロールできるようになります。トレーニングの最中は効果が実感できていなくても、性交になると早漏が改善していることもあります。トレーニング後に性交の機会がなければ、週1回程度はSTEP3か4のトレーニングを行うと射精を我慢する感覚を忘れずにいられます。
カップの中には、早漏改善のために開発された製品もあります。TENGAヘルスケアが開発したメンズトレーニングカップ キープトレーニングは、早漏改善トレーニング専用のカップです。Lv1~5の刺激が異なる5種類のカップを、順番に使用していきます。徐々に刺激に慣らすことで、射精のコントロールを目指します[6]。
原因ごとの早漏改善方法

心因性早漏の改善はリラックスすることが大切
心因性早漏の改善には、性交時にリラックスすることが大切です。思い切って、パートナーに早漏について悩んでいることを伝えるのも手です。打ち明けることで、案外気が緩まってうまくいくことがあります。
ほろ酔い程度にお酒を飲んでリラックスする方法も有効です。アルコールは、適量であれば性交前に飲んでも問題ありません。もし、飲酒によって勃起しづらくなるのであれば、ED治療薬を服用することで解消できます。
プリリジーの有効成分ダポキセチンも心因性早漏の改善に有効です。ダポキセチンは、射精時の過度な興奮を鎮めることで早漏を改善します。気持ちを落ち着かせる効果が心因性早漏の治療に適しています。
過敏性早漏には矯正トレーニングや厚めのコンドームの着用
過敏性早漏は、陰茎やその周囲の皮膚が刺激に敏感なことで、射精が我慢できないタイプの早漏です。刺激に強くなるには、スクイーズ法などの矯正トレーニングが有効とされています。
厚めのコンドームを着用すると陰茎への刺激が弱くなり、射精までの時間を延長できます。局所麻酔薬を使って一時的に刺激を鈍感にする方法も有効です。
衰弱性早漏は筋力トレーニングが有効
衰弱性早漏の原因は、加齢による男性ホルモンの減少や筋力の低下です。射精をコントロールするPC筋を鍛えることで改善が見込めます。
PC筋のトレーニングには、肛門を締めて緩めてを繰り返す「肛門締め」が効果的とされています。肛門締めはどこでも場所を選ばず、休憩時間などのちょっとした時間にも行えます。
性交中に行える早漏対策

ここからは、性交中に応急処置として行える早漏対策を紹介します。場合によっては慣れや練習が必要となりますので、習慣的に取り組んでいきましょう。
射精しにくい体位に変える
挿入していて射精の感覚が高まってきたら、体位の変更が有効です。挿入を中断することで、いったんクールダウンして性的興奮がリセットされます。深呼吸をして、できるだけ気分を落ち着かせることが重要です。
変更する際には、できるだけ射精しにくい体位にしましょう。早漏防止に向いている体位は、座位・側位・後背位・後側位・対面上体立位などです。
性的興奮から意識をそらす
射精をおさえる有効な手段として、意識の切り替えも覚えておきましょう。興奮が高まった時に、性交とは全く関係ないことを思い浮かべてください。怖いと思うことや驚いたことなど、何でも構いません。できるだけ速やかに興奮を鎮めることが重要なので、普段から意識的に萎えさせる練習をしておきましょう。
早漏は改善方法が確立している治せる病気

現代では、日本人男性の約3.5人に1人が早漏に悩んでいるといわれています。射精が早いということは男性にとって自身の喪失につながり、パートナーとの関係悪化の原因になります。
女性の理想とする挿入時間は、平均9.7分というデータがあります[7]。そのデータによると、約半数の女性が5分以下の挿入時間で満足しているようです。早漏改善の目標として、5分の挿入時間を目指すと良いかもしれません。
早漏改善の方法として主要となっているのは、行動療法と薬物療法です。行動療法では、トレーニングによって性的刺激に耐性をつけたり、射精にかかわる筋肉を鍛えたりすることができます。薬物療法では、有効成分ダポキセチンを含む内服薬を中心に局所麻酔薬やED治療薬を使用します。
早漏の原因によって効果的な改善方法は異なります。自分の早漏は何が原因なのか考えてみましょう。適切な方法を選択することで、効果的に早漏を改善できます。
- 参考文献・参考サイト
- [1]Australian Public Assessment Report for Dapoxetine
- [2]Ahmet Gökçe, et al. "The effects of three phosphodiesterase type 5 inhibitors on ejaculation latency time in lifelong premature ejaculators: a double-blind laboratory setting study"BJU Int. 2011 Apr;107(8):1274-7.
- [3]Dr.Justin Lehmiller,"The Squeeze Technique: Step By Step Guide (With Images)"PROMESCENT,(参照 2022-03-15)
- [4]Purnima Gupta, et al. "MODIFIED MASTERS JOHNSON TECHNIQUE IN THE TREATMENT OF SEXUAL INADEQUACY IN MALES"Indian J Psychiatry,1989 Jan-Mar; 31(1): 63–69.
- [5]Jesús E. Rodríguez, et al."Efficacy of Sphincter Control Training (SCT) in the treatment of premature ejaculation, a new cognitive behavioral approach: A parallel-group randomized, controlled trial"PloS one 14.2 (2019): e0212274.
- [6]TENGAヘルスケアメンズトレーニングカップキープトレーニング.「日本初。早漏の新しい改善方法」.(参照 2022-03-15)
- [7]TENGAヘルスケア プロダクトサイト.「セックスの理想の挿入時間は何分か?挿入時間から早漏/遅漏を考える」.(参照 2022-03-15)