このイボはコンジローマじゃない?間違えやすい疾患と見分け方
- 公開日
- 2023年07月21日
- 更新日

「あそこにイボ(ブツブツ)ができたけど、これって尖圭コンジローマ?」
尖圭コンジローマは、性器や肛門など陰部にイボを生じる疾患のこと。
ウイルスを原因とする性感染症であり、適切な治療が必要です。
一方で見た目がよく似た生理現象もあり、こちらは治療の必要がありません。
また、ブツブツの原因が別の感染症である可能性もあります。
このページでは、尖圭コンジローマと間違えやすいイボやブツブツの正体を詳しく解説します。
イボに不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
尖圭コンジローマとは

尖圭コンジローマは、性器や肛門の周辺にイボが生じるウイルス性の疾患です。
HPV(ヒトパピローマウイルス)の6型および11型が陰部に感染して特徴的なイボを形成します。
感染経路は主に性行為による粘膜同士の接触ですが、ごくまれに皮膚の傷口から感染することもあります。
感染してもすぐに発症するわけではなく、3週間~8ヶ月の潜伏期間があります。
悪化するとイボがどんどん大きくなり、外科手術が必要になることもあります。
放置して自然治癒する場合もありますが、確率は20~30%ほどです。
尖圭コンジローマの見分け方は?
タップして表示(陰茎のコンジローマの写真)
タップして表示(肛門のコンジローマの写真)
形状・現れ方 | 表面が尖っている カリフラワー状 鶏のトサカ状 |
---|---|
大きさ | 粒は1~3ミリ前後 合体すると数cmにもなる |
色 | 白、ピンク、褐色(黒ずんだ茶色)、赤茶色、黒 |
痛み | 基本的にはなし 大きさや発症部位によって起こることがある |
痒み | 基本的にはなし 大きさや発症部位によって起こることがある |
性感染 | あり |
好発部位(男性) | 亀頭の先端部分、冠状溝(カリ首)、包皮の内側や外側、陰のう、会陰(陰のうから肛門にかけての間)、尿道口および尿道内、肛門の周りおよび肛門内 |
好発部位(女性) | 大小陰唇、膣前庭、会陰、膣、子宮頚部、尿道口および尿道内、肛門の周りおよび肛門内 |
尖圭コンジローマは、イボが大きくなると特徴的な形になります。
初期段階は乳頭状の小さなブツブツで「真珠様陰茎小丘疹」や「腟前庭乳頭腫症」のイボと非常によく似ています。
そのため、目で見ただけでは見分けがつきにくい場合があります。
放置するとイボが増えて合体し、大小さまざまで表面がデコボコしてくることがあります。
合体したイボは特徴的な形で、カリフラワーや鶏のトサカに例えられます。
並び方もバラバラになり、この段階では他のイボと見分けがつきます。
自覚症状は基本的にありませんが、イボが大きくなると擦れあって痛みや違和感を覚えます。
女性は膣内壁にできる場合もあり、気づくのが遅れて周囲に感染させてしまうリスクもあります。

通販で買える尖圭コンジローマの治療薬。当サイトでは、ベセルナクリームのジェネリック医薬品である「イミキアドクリーム」と「アルダラクリーム」を紹介。
コンジローマと間違えやすいイボができる疾患10選

尖圭コンジローマと似たイボができる原因には、体に害のない生理現象もあれば、早急に治療を行うべき疾患もあります。
また尖圭コンジローマと同様の性感染症もあり、見分けるのが非常に難しいケースも少なくありません。
以下では、尖圭コンジローマと間違えやすいイボやブツブツを生じるものとして、10の疾患(生理現象も含む)をピックアップしました。
名称(疾患名) | 特徴 |
---|---|
①真珠様陰茎小丘疹 | 陰茎の冠状溝(カリ首)に広がって見られる粒状の白いブツブツ |
②フォアダイス | 陰茎本体の皮膚から白く透ける膨らんだ斑点 |
③包皮腺(タイソン腺) | 亀頭の裏すじの左右にできる粒状の白いブツブツ |
④腟前庭乳頭腫症 | 小陰唇の内側にできる1mm前後のブツブツ |
⑤ボーエン様丘疹症 | 黒っぽくて平べったい数mm~2cmほどのイボ |
⑥扁平コンジローマ(梅毒) | 平べったくてジュクジュクした数mm~1cmほどのイボ |
⑦性器伝染性軟属腫(水いぼ) | 表面がツルツルしている丸みを帯びたイボ |
⑧毛包炎(毛嚢炎) | ニキビのように赤く腫れて膿があるできもの |
⑨性器ヘルペス | 痛みやかゆみを伴う破れやすい水ぶくれ |
⑩被角血管腫 | 血管が腫れて赤黒く浮き出ているごまつぶ大のイボ |
当然のことながら、原因によって治療の必要性や治療方針が異なります。判断がつきにくい場合は、皮膚科や泌尿器科、婦人科などを受診しましょう。
①真珠様陰茎小丘疹
タップして表示(真珠様陰茎小丘疹の写真)
形状・現れ方 | 真珠のようなブツブツ 密集してざらついて見える 冠状に広がる |
---|---|
大きさ | 1~2mmで均一 |
色 | 白 |
痛み | なし |
痒み | なし |
性感染 | なし |
好発部位(男性) | 冠状溝(カリ首) |
好発部位(女性) | 男性のみ |
真珠様小丘疹は、亀頭の根本にあたる冠状溝(カリ首)にできる白い小さなブツブツです。
尖圭コンジローマの初期症状のブツブツと非常に似ているものの、 ウイルス性ではなく無害な生理現象です。
尖圭コンジローマは時間の経過とともにブツブツが合体して大きくなりますが、真珠様小丘疹は大きさが均一で合体することはありません。
冠状溝に沿って輪を描くように広がるのも特徴です。
真珠様小丘疹のイボは、血管や繊維化した皮膚が、生理的変化によってむき出しになることによって生じます。
放置しても体に悪影響はなく、治療の必要もありません。
見た目が気になるようであれば、泌尿器科や美容外科、形成外科で外科手術による除去ができます。
②フォアダイス
タップして表示(陰茎のフォアダイスの写真)
タップして表示(陰唇のフォアダイスの写真)
形状・現れ方 | 皮膚の中の皮脂が透ける 小さな白っぽいブツブツ 表面の凹凸はなだらか |
---|---|
大きさ | 1~3mmで均一 |
色 | 白、黄色 |
痛み | なし |
痒み | なし |
性感染 | なし |
好発部位(男性) | 陰茎本体、包皮 |
好発部位(女性) | 膣、小陰唇 |
フォアダイスは、皮膚の中の皮脂がうっすらと白く透けて見えるボツボツです。
イボというよりも、なだらかな膨らみのある白い斑点です。
男性の場合は陰茎(サオ)や包皮に、女性の場合は膣や小陰唇に見られます。
広義的には真珠様小丘疹や包皮腺も含めてフォアダイスと呼ばれることもあります。
真珠様小丘疹と同様にウイルスとは関係のない生理現象で、大きさも均一です。
本来は毛根にある皮脂腺が、毛根以外の部位に独立してできたのがフォアダイスです。
毛がない毛根で皮脂だけが浮き出ている、と考えると分かりやすいでしょう。
治療の必要はありませんが、レーザーや電気メスによって取ってもらうこともできます。
③包皮腺(タイソン腺)
形状・現れ方 | 皮脂による小さなブツブツ |
---|---|
大きさ | 1~2mmで均一 |
色 | 白 |
痛み | なし |
痒み | なし |
性感染 | なし |
好発部位(男性) | 包皮小帯(亀頭の裏筋) |
好発部位(女性) | 男性のみ |
包皮腺(タイソン腺)は亀頭の裏筋にあたる包皮小帯にできる、白い小さなブツブツです。
フォアダイスと同じく皮脂が浮き出た状態で、裏筋の両側にポツポツと出ます。
尖圭コンジローマの初期症状と類似していますが、大きさは均一で合体もしません。
包皮腺に関しても、男性であれば誰でも起こりうる生理現象です。
放置しても直接の害はありませんが、包皮腺からは皮脂が分泌されて恥垢ができやすくなります。
恥垢がたまると陰茎が不衛生になり、雑菌が増えて亀頭包皮炎などの原因となります。
包皮腺はレーザーや電気メスなどの外科手術で除去してもらうことができます。
④腟前庭乳頭腫症
タップして表示(腟前庭乳頭腫症の写真)
形状・現れ方 | 棍棒状のブツブツ 左右対称で規則正しく並ぶ 数や大きさが増減することがある |
---|---|
大きさ | 3~5mm程度 |
色 | なし |
痛み | なし |
痒み | なし |
性感染 | なし |
好発部位(男性) | 女性のみ |
好発部位(女性) | 膣前庭、尿道口の周囲 |
腟前庭乳頭腫症は、小陰唇の内側にあたる腟前庭や尿道口付近にできる3~5mm程度のブツブツです。
ブツブツの正体は男性の真珠様小丘疹と同じで、生理現象によって浮き出た血管や繊維です。
女性において尖圭コンジローマと見分けがつきにくい筆頭と言えますが、合体はしません。
腟前庭乳頭腫症の特徴として、膣の左右に対称で規則正しく並んだブツブツができます。
また、生理周期によってブツブツの数や大きさが増減することがあります。
尖圭コンジローマは並びが不揃いで減ることはないため、ここも見分けるポイントです。
腟前庭乳頭腫症は放置しても害のない生理現象であり、治療を行う必要はありません。
⑤ボーエン様丘疹症
タップして表示(陰茎のボーエン様丘疹症の写真)
タップして表示(陰唇のボーエン様丘疹症の写真)
形状・現れ方 | 表面が平らなイボ 多発することが多い |
---|---|
大きさ | 数mm~2cmほど 小豆大程度までの大きさ やや大小あり |
色 | 褐色、黒 |
痛み | なし |
痒み | なし |
性感染 | あり |
好発部位(男性) | 陰茎、陰のう、鼠径部、肛門周囲 |
好発部位(女性) | 大小陰唇、鼠径部、肛門周囲 |
ボーエン様丘疹症は、外陰部や肛門周辺に見られる、黒ずんだ平べったいイボです。
尖圭コンジローマに比べて表面は尖っておらず、赤や白にはなりません。
ボーエン様丘疹症を引き起こすのは、主にハイリスク型のHPVである16型です。
HPV6・11型の尖圭コンジローマは良性腫瘍ですが、ボーエン様丘疹症は悪性化するおそれがあります。
ボーエン様丘疹症を放置すると、ボーエン病や有棘細胞がん、子宮頸がんなどの原因となります。
ただし悪性化する確率は5%以下と低く、自然に消えることも多いです。
ボーエン様丘疹症は、皮膚科や泌尿器科、形成外科で治療を受けられます。
⑥扁平コンジローマ(梅毒)
形状・現れ方 | 平べったいイボ ジュクジュクしている |
---|---|
大きさ | 数mm~1cmほど エンドウ豆ぐらいまでの大きさ |
色 | ピンク、灰白色 |
痛み | あり(軽度) |
痒み | あり(軽度) |
性感染 | あり |
好発部位(男性) | 亀頭、冠状溝、包皮、陰のう、尿道口、肛門周囲 |
好発部位(女性) | 膣、膣前庭、大小陰唇、子宮口、尿道口、肛門周囲 |
扁平コンジローマは、性感染症である梅毒でみられる症状のひとつです。やや大きめの平べったく盛り上がった形のイボが生じます。
尖圭コンジローマと違って先は尖っておらず、カリフラワーというよりお煎餅に近い見た目です。
表面がジュクジュクしており、軽い痛みやかゆみを伴います。
扁平コンジローマは梅毒の第2期に現れる症状です。感染から3ヶ月以上たった時期に発症します。
感染から数週間後の第1期にあたる時期には、初期症状として性器に硬いしこりが生じている可能性があります。
梅毒は放置すると体中に感染が広がり、最終的には命に関わる重症となります。感染が疑われる場合には、早めに検査を受けましょう。
当サイトでは、自宅に居ながら結果が即日分かる「梅毒検査キット」を紹介しています。
⑦性器伝染性軟属腫(水いぼ)
タップして表示(性器伝染性軟属腫の写真)
形状・現れ方 | ツルリと丸みを帯びている 中心にくぼみがある つまむと乳白色の粥状の内容物が出る |
---|---|
大きさ | 1~5mm 大豆ぐらいまでの大きさ |
色 | 赤、ピンク、褐色、黒 |
痛み | なし(まれに起こる) |
痒み | なし(まれに起こる) |
性感染 | あり |
好発部位(男性) | 陰茎、包皮、陰のう、陰毛が生えている所、肛門周辺、大腿内側 |
好発部位(女性) | 外陰部、恥丘部、陰毛が生えている所、肛門周辺、大腿内側 |
性器伝染性軟属腫(水いぼ)は、表面がツルツルして水ぶくれのような光沢のあるイボです。
イボの中央にプツンと小さなくぼみが見られます。
色はピンクや赤であることが多いですが、発症部位によっては黒ずんでいることもあります。
イボをつまむと潰れて白いおかゆのような内容物が出てきます。
尖圭コンジローマに比べると、丸みを帯びていてデコボコした感じはありません。
基本的には痛みやかゆみを伴わず、ほとんどの場合、自覚症状はありません。イボが大きくなるまで発症に気づかないことも多いです。
性行為を含む感染者との接触、もしくはタオルなどを介した間接的な接触で感染します。
悪性ではないので放置しても問題はなく、時間の経過とともに自然治癒します。
⑧毛包炎(毛嚢炎)
形状・現れ方 | 赤い腫れやしこり 中心に膿ができることもある 1つだけの場合と多発する場合がある |
---|---|
大きさ | 1mm~数mm |
色 | 赤、白、黃 |
痛み | あり(押すと痛い) |
痒み | あり(軽度) |
性感染 | なし |
好発部位(男性) | 陰部で毛穴のある部位 |
好発部位(女性) | 陰部で毛穴のある部位 |
毛包炎(毛嚢炎)は、毛穴の傷から発症するニキビと似たできものです。
ニキビは毛穴詰まりが原因ですが、毛包炎は毛穴の傷口から細菌が入り込んで起こります。
ニキビのように炎症を起こして赤く腫れ、中心が膿で白や黄色になることもあります。
患部を押すと痛みがあり、軽い痒みが出る場合もあります。
多発するとブツブツになりますが、尖圭コンジローマのような独特な形にはなりません。
体の中で毛穴のある部位であればどこにでも発症します。
放置して自然治癒する場合もありますが、悪化すると硬くなって炎症が強まります。
陰部の毛包炎は皮膚科や婦人科・産婦人科などで治療を受けられます。
⑨性器ヘルペス
タップして表示(陰茎の性器ヘルペスの写真)
タップして表示(陰唇の性器ヘルペスの写真)
形状・現れ方 | 水ぶくれのブツブツ 破れるとただれて強い痛みを伴う |
---|---|
大きさ | 1~2mm |
色 | 赤、ピンク、白 |
痛み | あり |
痒み | あり |
性感染 | あり |
好発部位(男性) | 亀頭、陰茎、鼠径部、大腿内側、肛門周囲 |
好発部位(女性) | 大小陰唇、膣前庭、鼠径部、大腿内側、肛門周囲 |
性器ヘルペスでは、痛みやかゆみなど不快感を伴う水ぶくれが生じます。
水ぶくれの形状は尖圭コンジローマのイボに比べるとやや丸みを帯びており、ブツブツと多数生じます。
水ぶくれは破れやすく、潰瘍(ただれ)になって排尿時などに強い痛みが出ます。
初感染時には重症化しやすい傾向があり、発熱や倦怠感を伴うことも多いです。
ヘルペスウイルスによる感染症であり、一度感染すると生涯にわたって再発を繰り返します。
免疫力が低下している時に再発しやすく、初感染時より軽度の症状が出ます。
性器ヘルペスは泌尿器科や婦人科などで治療を受けられます。
性器ヘルペスの感染は、検査を受けることで調べることができます。
当サイトでは、自宅で即日結果を調べることができる「ヘルペス検査キット」を紹介しています。
⑩被角血管腫
形状・現れ方 | 円形、楕円形のブツブツ 粒状の内出血(血豆)のように見える |
---|---|
大きさ | 1mm~数mm ごま粒~米粒ぐらいまでの大きさ |
色 | 暗赤色 |
痛み | なし |
痒み | なし |
性感染 | なし |
好発部位(男性) | 陰のう |
好発部位(女性) | 大小陰唇 |
被角血管腫は、男性の陰のうや女性の陰唇にできる赤黒いブツブツです。
皮膚の中で、血管が部分的に膨らんで腫れてしまう良性腫瘍です。
尖圭コンジローマに比べると、イボというよりも血豆に近くなります。
感染症ではないので合体や増加などはなく、ポツンポツンと散っています。
加齢による血管の拡張および周辺の皮膚の角化が原因とされています。
良性腫瘍なので放置しても問題はなく、治療の必要はありません。
気になる場合はレーザーや電気メスなどの外科手術で切除してもらえます。
イボの原因に適した対処が必要

このページでは、尖圭コンジローマと間違えやすいイボやブツブツを紹介しました。
陰部にできるイボやブツブツは、尖圭コンジローマの他にもいくつかの原因があります。
フォアダイスなど体に害のない生理現象もありますが、扁平コンジローマ(梅毒)のように放置すると危険な疾患もあります。
まずはイボの正体をつきとめ、適切に対処することが大切です。
尖圭コンジローマは、初期症状だと他のイボと見分けるのが難しい場合があります。
判断がつきにくいような場合は、皮膚科や泌尿器科、婦人科を受診しましょう。
尖圭コンジローマによる初期段階のイボであれば、イミキモドという成分を配合した塗り薬での治癒が可能です。
当サイトでは、イミキモドを配合した「アルダラクリーム」を紹介しています。
アルダラクリームは通販で購入できる海外製の医薬品です。週3回の塗布で、自宅に居ながら尖圭コンジローマを治療できます。