薬局で買える精力剤の即効性を徹底比較!分類別に期待できる効果を解説
- 公開日
- 2024年05月17日
- 更新日

日々の活力や男性機能の衰えを感じている方にとって、精力剤は頼もしい存在ですよね。しかし、購入を考えると、気になるのが即効性です。
まず結論から言うと、性的パフォーマンスに直結する「勃起力」に関して、薬局で買える精力剤には即効性が期待できません。
市販の精力剤は、主に滋養強壮や疲労回復を目的としたものであり、勃起力を直接的に向上させる効果は期待できません。ただし、覚醒作用や早漏改善といった即効性のある効果が期待できる商品も一部あります。
この記事では、薬局で買える精力剤に期待できる即効性について紹介しつつ、勃起力に即効性が期待できるED治療薬についても解説します。精力剤選びに迷っている方、男性機能の衰えにお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
薬局で買える精力剤の即効性を徹底比較!
そもそも精力剤とは、一般的に性欲増進、勃起機能の改善、持久力の向上など、性行為に関する能力を高めることを目的とした商品のことを指します。
医学的に明確な定義が存在しておらず、サプリなどの食品に分類される商品もあれば、医薬品に分類される商品もあります。また医薬品はさらに4つの分類に分けられます。
それぞれに期待できる効果が異なるため、精力剤を選ぶ際には、分類ごとの違いを理解することが大切です。
薬局で買える精力剤の即効性を比較
分類 | 健康補助食品 | 清涼飲料水 | 指定医薬部外品 | 第3類医薬品 | 第2類医薬品 | 第1類医薬品 | 処方せん医薬品 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
どんな精力剤? | ![]() |
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代表的な商品 | 凄十 ULBO 20倍濃縮 マカ 150,000mgなど |
レッドブル モンスターエナジーなど |
リポビタンD アリナミンV リゲインなど |
ファンテユンケル チオビタドリンク1000など |
ユンケルスター ゼナジンジャー滋温液など |
金蛇精 オットピン グローミンなど |
バイアグラ バルデナフィル シアリスなど |
勃起力増強 | △ | × | × | × | △ | 〇 | ◎ |
早漏防止 | × | × | × | × | × | ◎*2 | × |
覚醒作用 | × | ◎ | ◎ | ◎ | ◎*1 | × | × |
滋養強壮 | △ | × | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × |
効果・効能 | 記載なし | 記載なし | 滋養強壮など | 滋養強壮など | 滋養強壮など | 男性更年期症状の改善など | 勃起不全 |
購入できる場所 | 薬局やコンビニなどの小売店 | 薬局やコンビニなどのコンビニなど小売店 | 薬局やコンビニなどのコンビニなど小売店 | 薬剤師又は登録販売者がいる薬局 | 薬剤師又は登録販売者がいる薬局 | 薬剤師がいる薬局(薬剤師がいる時だけ買える) | 医療機関または個人輸入 |
※1:カフェインを配合してない商品には期待できない。
※2:早漏改善効果が期待できるのは「トノス」のみ。
◎=即効性が期待できる
〇=即効性はないが効果を期待できる
△=効果を示唆する研究がある
×=完全に効果が期待できない
精力剤は分類ごとに期待できる効果が異なりますが、性的パフォーマンスに直結する「勃起力」に関しては、即効性が期待できる市販品はありません。現状、勃起力に即効性が期待できるのはED治療薬だけです。
処方せん医薬品であるED治療薬を購入する際には医師による診察が必須で、薬局で手軽に購入することはできません。

バイアグラのようなED治療薬は薬局で購入することはできません。購入するには医療機関を受診するか個人輸入するかなど複数の方法があります。購入方法の手順や値段の比較など解説。
薬局で購入できる精力剤にも滋養強壮を高める生薬などを配合した商品はありますが、摂取後すぐ効くといった即効性が確認されている成分はありません。
次に、それぞれの分類について詳しく説明していきます。
健康補助食品の精力剤:凄十(錠剤)やマカ・亜鉛サプリなど

凄十シリーズ、金蛇精 絶倫伝説Z(明治製薬)、各種マカ・亜鉛サプリメント、各種シトルリン・アルギニンサプリメント
薬局やドラッグストアのサプリメントコーナー、さらにコンビニでも販売されている精力剤です。
上記の場所で、内服タイプ(錠剤やカプセル)として販売されている商品は、全て健康補助食品に該当します。つまりDHCやディアナチュラなどのサプリメントと同じ扱いです。
派手なイメージやキャッチコピーが目を引く商品が多いですが、効き目や即効性に関する具体的な記載はありません。これらは医薬品ではなく「食品」という扱いになるので、具体的な効果を記載することが法律によって禁止されているのです。
アルギニンやシトルリン、ミネラル、亜鉛など、血流促進や男性ホルモン増進に良いとされる成分が配合されていますが、具体的な効果が記載されていない以上、精力剤としての効果・即効性は不明瞭です。
ただし、これらの健康食品に含まれる成分には性機能に寄与するデータが報告されているのも事実です。実際に亜鉛の摂取は、勃起力や滋養強壮に大きく関係するテストステロン値に影響するといった研究データ*もあります。
1回飲んですぐ効くといった効果は期待できませんが、継続使用すれば性的パフォーマンスの向上が期待できる可能性はあります。

精力増強や男性機能向上に役立つ栄養として挙げられることの多い亜鉛。実は勃起力を間接的にサポートする働きが期待できます。その理由やおすすめのサプリなど紹介。
- ※亜鉛とテストステロンの研究に関する参考サイト
- A S Prasad, et al. "Zinc status and serum testosterone levels of healthy adults"Nutrition. 1996 May;12(5):344-8.
清涼飲料水の精力剤:レッドブル、モンスターエナジーなど

凄十シリーズ(ドリンク)、各種マカドリンク、Red Bull、モンスターエナジーなど
いわゆるエナジードリンクと呼ばれる部類の商品です。ドラッグストアやコンビニ、スーパーなど様々な小売店で購入できます。
滋養強壮に使われる高麗人参やアルギニンなどの成分が入っていますが、効き目に関する具体的な記述はありません。これはエナジードリンクの区分が、一般的なジュースと同じ「清涼飲料水」であるためです。
エナジードリンクは医薬品ではなく、あくまで清涼飲料水という扱いになるので、具体的な効果を記載することが法律によって禁止されています。効果が記載されてない以上、精力剤としての効果・即効性は不明瞭です。
ただし、エナジードリンクに配合されているカフェインが持つ「覚醒作用」には、即効性が確認されています。覚醒作用による一時的な疲労回復や集中力向上を目的とする場合、エナジードリンクでも効果が期待できます。
- ※カフェインの即効性に関する参考サイト
- J Blanchard, et al. "The absolute bioavailability of caffeine in man"Eur J Clin Pharmacol. 1983;24(1):93-98.
指定医薬部外品の精力剤:リポビタンD、アリナミンVなど

リポビタンD、ユンケルローヤル、アリナミンV、リゲインなど
タウリンやローヤルゼリーを含むリポビタンDなどの栄養ドリンクは、指定医薬部外品に区分されます。指定医薬部外品とは、日本における医薬品と食品の中間に位置する製品のことです。
指定医薬部外品からは「添付文書」という書類で情報を公開する義務があり、効能(用途)、副作用、注意点などが記載されています。滋養強壮などの効果を明確に提示している点が、エナジードリンクとの大きな違いです。
これらの栄養剤の多くには、先述したエナジードリンクと同様、カフェインが含まれています。覚醒作用による一時的な疲労回復や集中力向上が期待できます。
特に疲労回復に対しては、タウリンを摂取後に運動すると筋肉疲労が抑制されるといった研究データ*が報告されており、エナジードリンク以上の効果が期待できます。
- ※タウリンの疲労回復効果に関する参考サイト
- 松井 康ほか,「運動前のタウリン摂取が筋疲労に及ぼす影響」,理学療法科学,31 巻 3 号 p 389-393
第3類医薬品の精力剤:チオビタドリンク1000など

リポビタンゴールドX、ファンテユンケル、グロンサン内服液、チオビタ1000など
第3類の精力剤には、ビタミンC・B群などの栄養を高用量で配合している栄養剤や、それに加えて漢方で使用される生薬も配合した栄養剤などがあります。
副作用を生じるリスクが、リポビタンDなどの指定医薬部外品よりも高い場合に第3類に区分されるため、取り扱いには注意が必要です。
また、一般的なコンビニやスーパーでは取り扱われていません。購入できる場所は、薬剤師または登録販売者の居る薬局やドラッグストアのみです。
より優れた滋養強壮効果が期待されますが、即効性においては指定医薬部外品との間に明確な差はありません。
第2類医薬品の精力剤:ユンケルスター、薬用養命酒など

ユンケルスター、ゼナキング活精、薬用養命酒、チオビタゴールドなど
第2類医薬品の精力剤は、漢方に使われる生薬を中心に配合した滋養強壮剤です。栄養ドリンクとして最も強い部類であり、風邪薬や鎮痛剤(ロキソニン以外)といった頓服薬、漢方薬と同じ区分です。
先述した第3類医薬品にも生薬を配合した商品がありますが、第2類医薬品になると配合できる生薬の種類がかなり広くなるうえ、含有量も高くなります。
より強力な効果が期待されるぶん、副作用のリスクも増すため、使用上の注意などをよく読んで使用しましょう。
ただし、精力剤としての即効性があると実証されている生薬はありません。よって即効性に関しては、ここまでに紹介した指定医薬部外品および第3類医薬品と比べて優れているわけではありません。
第2類医薬品に含まれる生薬は精力増強にも有用
第2類医薬品の精力剤の特徴としては、性的パフォーマンスの向上に寄与する可能性がある生薬を配合している点です。
中でも勃起力増強に役立つ生薬として「イカリソウ」が挙げられます。イカリソウは、別名「インヨウカク」もしくは「ホーニーゴートウィード」とも呼ばれ、古来より精力剤として使われてきました。
ある研究*ではオスのラットにイカリソウ抽出物を投与したところ、インポテンツが有意に改善したという報告があります。あくまで動物実験の結果であり、確実性や即効性があるわけではありませんが、可能性が示唆されているのは事実です。
第1類医薬品の精力剤:金蛇精、オットピン、グローミンなど

金蛇精(摩耶堂製薬)、オットピン、グローミン、トノスなど
第1類医薬品は、副作用のリスクが高く、薬剤師による説明を受けなければ購入できない薬です。薬剤師のいるドラッグストアで、薬剤師が勤務している時間帯でのみ購入できます。
精力剤に関しては、テストステロンおよびメチルテストステロン補充薬が該当します。いずれも精力に関係する男性ホルモンであり、ホルモンそのものを製剤化した商品です。
いずれも確かな薬効が期待できる医薬品ですが、そもそも長期使用を想定した商品であり、即効性は期待できません。
トノスには早漏改善効果が期待できる
トノスは、天然型のテストステロンを配合した医薬品です。麻酔成分が配合された外用薬であり、性交前に亀頭冠にすり込むことで、性感を鈍らせる効果が得られます。
また1日1回陰嚢部に塗ることで勃起力や精力減退の改善にも使用できるため、精力剤として用いることも可能です。
精力剤は用途を理解した使い分けが大事

様々な種類がある精力剤ですが、大きく分けると、医薬品とそれ以外(健康補助食品と清涼飲料水)に分けられます。
注意が必要なのが、医薬品はさらに薬局で買える「市販薬」と、病院の受診が必要な「処方薬」に分けられる点です。同じ医薬品ですが、用途は大きく異なります。
分類 | 用途 |
---|---|
市販薬 | 精力増強、滋養強壮、疲労回復、虚弱体質、肉体疲労時や病中病後の栄養補給 |
処方薬 | 勃起不全の治療、勃起力の向上 |
市販薬は全身の血行を緩やかに改善し、ビタミン・ミネラル等の栄養素を行きわたらせて滋養強壮を行います。勃起に関しても多少は良い影響があるかも知れませんが、確実な効果が臨床試験で実証されているわけではありません。
処方薬(ED治療薬)は、陰茎に対して局所的に働きかけ、勃起力を高めます。強力な勃起効果がありますが、滋養強壮・精力増強といった効果はありません。
性欲がないのか勃ちが悪いのか、状況によって選ぶべき精力剤が異なってきます。前者であれば市販されている栄養ドリンク、後者であれば病院で処方されているED治療薬が有効です。
グレードが上がるほどリスクも高くなる
精力剤は、効き目やグレードに比例して、体へのリスクも高まります。市販の精力剤と処方薬の精力剤にはそれぞれ異なるリスクが存在します。
- 健康食品
- 一般的にリスクは低いですが、過剰摂取や他のサプリメントとの組み合わせには注意が必要です。
- 清涼飲料水
- カフェインなど体に影響しやすい成分も含まれています。カフェインの過剰な摂取は、不眠や動悸、神経過敏などの副作用を引き起こすことがあります。
- 指定医薬部外品
- 成分によっては軽度の副作用が出ることがありますが、基本的には安全に使用できます。
- 第3類医薬品
- 一般的に作用が穏やかで、軽度の副作用がある可能性があります。使用上の注意を守りながら、自己判断で使用しても問題ないレベルのものです。
- 第2類医薬品
- 比較的作用が強いものです。長期間の使用や大量摂取には注意が必要で、医師や薬剤師に相談して使用することが推奨されます。
- 第1類医薬品
- ホルモン剤となるため、ホルモンバランスに影響する恐れがあります。吐き気などの胃腸障害、不眠、高血圧など様々な副作用が起こりえます。まれに重度の副作用として肝機能障害が起こる可能性があります。購入時は必ず薬剤師による説明があるので、気になる点は相談することが大切です。
- 処方せん医薬品(ED治療薬)
- これらは強い効果を持つ一方で、副作用や禁忌も存在します。特に心臓病や高血圧の患者、硝酸剤を服用している人は使用を避けるべきです。主な副作用として頭痛、ほてり、目の充血、鼻づまり、吐き気、動悸、胸の痛みなどがあります。
※指定医薬部外品から第2類医薬品までの栄養ドリンクで起こりうる副作用は、いずれもかゆみや発疹などです。
ED治療薬とその他の精力剤は併用が可能

ED治療薬の添付文書には、精力剤との飲み合わせに関する注意書きはありません。原則として併用は可能であり、精力増強と勃起力アップを同時に行えます。
ただし併用する精力剤に関しては注意が必要です。商品によっては、含有成分がED治療薬と相互作用を引き起こす可能性があります。
精力剤の成分とED治療薬の「相互作用」とは
相互作用は、薬が他の成分と同時に摂取することで作用が強まってしまう状態です。
例えば、市販の精力剤にはカフェインや植物由来の成分が含まれている場合があります。これらの成分は心臓や血圧に影響を与えることがあり、ED治療薬と一緒に摂取すると過度な血圧低下や心臓の負担を招く可能性があります。
他にもイカリソウはED治療薬と同じ働きPDE5阻害作用があるため、作用が強まる可能性があります。
精力剤とED治療薬を併用する場合は、医師や薬剤師に相談しておくことが推奨されます。
薬局の精力剤はどちらかと言えば継続使用

この記事では、主に薬局で買える市販の精力剤における即効性について言及しました。
パワフルなイメージ画像と強力なキャッチコピーが目を引く商品も多いですが、健康食品や清涼飲料水の精力剤である場合には、明確な効果が記載されていません。
医薬品としての精力剤には「肉体疲労、滋養強壮、精力減退、勃起力不全」などの効果が記載されていますが、即効性が実証されているわけではありません。
マカをはじめとしたサプリメントや、第1類医薬品のテストステロン製剤は、継続使用する商品です。毎日飲み続けることで、次第に体質が改善されて精が付いていきます。
すぐにでもギンギンにしたい場合は、ED治療薬を処方している病院を受診するのが確実です。ED治療薬は個人輸入することもできるので、あらかじめ常備しておくと便利です。