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抗肥満薬「ウゴービ」保険適用の条件や価格、取扱病院など徹底解説

公開日
2024年08月26日
更新日

現代社会において、肥満は深刻な健康問題です。生活習慣の変化や食生活における栄養バランスの偏りにより、肥満率は増加の一途をたどっています。

過度な体脂肪の蓄積により、健康に悪影響を及ぼす可能性が高い状態を「肥満症」といいます。肥満症は、病的な肥満状態であり、食事制限や運動療法だけで改善するのは容易ではありません。

そんな中、満を持して登場した肥満症治療薬、ウゴービが注目を集めています。

ウゴービは、食欲抑制や満腹感の維持、血糖値上昇の抑制といった効果を持つGLP-1受容体作動薬です。

この記事では、ウゴービの減量効果や保険適用条件、使い方や副作用に至るまで幅広く紹介します。
また、ウゴービと同じ有効成分を持つオゼンピックやリベルサスとの違いについても解説します。

ウゴービとは

ウゴービは、日本では30年ぶりに新たに承認された肥満症治療薬です。肥満症を対象とした治療薬として、2023年3月27日に厚生労働省より正式に承認され、2024年2月22日に発売されました。

ウゴービの画像
画像引用:ノボ ノルディスク プロ | ウゴービ® | 肥満症治療剤 持続性GLP-1受容体作動薬

ウゴービは「GLP-1受容体作動薬」と呼ばれるタイプの薬剤で、有効成分はセマグルチドです。

セマグルチドは、もともと2型糖尿病の治療薬として開発されました。2型糖尿病治療において保険適応となっている注射剤のオゼンピックや、内服薬のリベルサスも有効成分としてセマグルチドが含まれています。

これまでは、オゼンピックやリベルサスが適応外処方として肥満治療や医療ダイエットに活用されてきましたが、ウゴービの登場により、セマグルチドが肥満症治療薬として正式に認められたのです。

減量に期待できる3つの効果

ウゴービの有効成分であるセマグルチドには、減量に有効な以下の3つの効果があります。

食欲を抑制する効果
脳の中枢神経に作用し、食欲を司る満腹中枢に働きかけ食欲を抑える。食欲が抑制されることで自然に食事量が減っていく。
満腹感を維持する効果
胃腸の動きを緩めることで、胃の内容物の排泄が遅くなる。摂取した食事の消化が穏やかになることで、食後の満腹感が持続され、食べ過ぎや間食が抑えられる。
血糖値を抑える効果
消化がゆっくりになることで食後の急激な血糖値の上昇が抑制される。インスリンの過剰分泌も抑えられるため、体に脂肪が蓄積されづらくなる。

ウゴービを活用すれば、食欲が抑制され、満腹感も持続することから、自然と日々の食事量を減らすことが可能になります。

無理をして食欲を我慢する必要がなくなるため、継続して減量に取り組むことができる点が大きなメリットです。

ウゴービの臨床試験結果

ウゴービの減量効果は、偽薬であるプラセボとの比較試験(17.1.1 プラセボ対照二重盲検比較試験(高血圧、脂質異常症又は2型糖尿病を有する肥満症患者、国際共同第III相試験), 医療用医薬品:ウゴービ,添付文書情報,[リンク])で実証されています。

臨床試験は、高血圧、脂質異常症または2型糖尿病に罹患しているか、もしくは2つ以上の肥満に関する健康障害を有している肥満症患者401例を対象に行われました。参加した患者のBMIは27.0kg/m²以上、もしくはBMI35.0kg/m²以上となっています。

無作為に振り分けを行い、199例にはウゴービ2.4mgを、101例にはウゴービ1.7mgを、101例にはプラセボを週1回、68週間にわたって皮下投与を行いました。

結果は以下の通りです。

ウゴービ2.4㎎群 ウゴービ1.7mg群 プラセボ(偽薬)
①ベースラインの平均体重 86.9±16.5㎏(199例) 86.1±11.9kg(101例) 90.2±15.1kg(101例)
②投与68週時の平均体重 75.1±17.0kg(193例) 77.8±13.9kg(98例) 88.6±15.5kg(100例)
①から②の減少量 -11.8kg -8.3kg -1.6kg

治療前後の平均体重をプラセボ群と比較すると、ウゴービ投与群の方が大幅な減量に成功していることが分かります。

また、5%以上の減量に成功した患者の割合は、ウゴービ1.7mg群が72.4%、ウゴービ1.7mg群が82.9%に対して、プラセボは21.0%に留まりました。

プラセボとの比較で明確な効果の差が示されたことで、ウゴービの優れた減量効果が実証されたのです。

保険適用で処方してもらえる条件は厳しめ

優れた減量効果を有するウゴービですが、誰もが使用できるわけではありません。

ウゴービを処方してもらえるのは、適応症である「肥満症」と診断された患者だけです。肥満症と診断されない限り、保険適用はおろか処方自体をしてもらえません。

また、肥満症といっても単に体重が増加しているだけで診断されるわけではありません。その診断基準には明確な条件が定められています。

ウゴービの添付文書には、肥満症の具体的な診断基準として以下のように記載されています。

高血圧、脂質異常症又は2型糖尿病のいずれかを有し、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られず、以下に該当する場合に限る。

  • BMIが27kg/m²以上であり、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する
  • BMIが35kg/m²以上
引用:KEGG DRUG,医療医薬品:ウゴービ,添付文書情報 - 4.効能または効果

ウゴービの処方は、単に肥満があるだけではなく、高血圧、脂質異常症、2型糖尿病といった他の健康リスクがある患者に対して慎重に検討されます。また、生活習慣の改善だけでは効果が得られなかった患者に限り、この薬剤の使用が考慮されます。

具体的な数値としては、BMIが用いられます。BMIが27 kg/m²以上の患者では「肥満に関連する健康障害」が、2つ以上あることが処方の条件となります。さらに重度の肥満(BMIが35 kg/m²以上)の場合は、それだけで処方の対象となります。

上記した「肥満に関連する健康障害」としては、以下の疾患が挙げられます。

  • 耐糖能障害 (2型糖尿病・耐糖能異常など)
  • 脂質異常症
  • 高血圧
  • 高尿酸血症・痛風
  • 冠動脈疾患
  • 脳梗塞・一過性脳虚血発作
  • 非アルコール性脂肪性肝疾患
  • 月経異常・女性不妊
  • 閉塞性睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群
  • 運動器疾患(変形性関節症:膝・股関節・手指関、変形性脊椎症)
  • 肥満関連腎臓病

このように、ウゴービは他の治療法が効果を示さなかった患者や、複数の健康リスクが存在する患者に対して、慎重に使用される薬剤なのです。

ウゴービは、あくまで肥満症の治療薬です。美容クリニックなどで行われているダイエット(いわゆるGLP-1ダイエット)に使用することはできません。

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保険適応になるBMIと身長体重の基準について

ウゴービを処方してもらうためには、BMIが27kg/m²以上、または35kg/m²以上である必要があります。

以下の表を確認し、自分の体重(BMI)が基準を満たしているかどうかをチェックしてみてください。

BMI27kg/m²に該当する身長と体重
身長 体重
150cm 60.8kg
155cm 64.9kg
160cm 69.2kg
165cm 73.6kg
170cm 78.1kg
175cm 82.7kg
180cm 87.5kg
BMI35kg/m²に該当する身長と体重
身長 体重
150cm 78.8kg
155cm 84.1kg
160cm 89.6kg
165cm 95.3kg
170cm 101.2kg
175cm 107.2kg
180cm 113.4kg

BMIが27kg/m²以上、または35kg/m²以上であり、肥満疾患等の条件に該当している場合はウゴービを処方してもらうことができます。

ウゴービの薬価と保険適用された場合の自己負担額

ウゴービの薬価や月額費用、また保険適用された場合の自己負担額について、以下の表にまとめました。

ウゴービの薬価と推定の月額費用
用量 薬価 月額費用(推定) 月額の自己負担額(推定)
0.25mg 1,876円 7,504円 2,250円
0.5mg 3,201円 12,804円 3,840円
1.0mg 5,912円 23,648円 7,090円
1.7mg 7,903円 31,612円 9,480円
2.4mg 10,740円 42,960円 12,890円

ウゴービの1キットあたりの値段は、薬価と呼ばれる公定価格によって定められています。ウゴービは週に1回(1キット使用)、投与を行う薬です。そのため、月額費用と自己負担額は「薬価×4回×3割負担=自己負担額」という計算で推定できます。

ただし、実際にウゴービが処方される際には、上記した費用のほか、診察料や処方料なども加算されることを覚えておきましょう。

ウゴービの薬価に関する参考サイト
KEGG DRUG,商品一覧 : セマグルチド[リンク

処方できる病院は限られている

ウゴービは、どこの病院でも処方できるわけではありません。厚生労働省は、GLP-1受容体作動薬の乱用を防ぐため、使用に際してのガイドライン(令和5年11月 厚生労働省 最適使用推進ガイドライン[リンク ])を定めています。

このガイドラインでは、医療施設や治療責任者などの要件が厳しく定められており、この要件を満たしていない施設ではウゴービを取り扱うことができません。

この要件に該当するのは、日本糖尿病学会や日本内分泌学会、日本循環器学会などの、肥満症治療に関連する学会の専門医が常勤している教育研修施設です。簡単に言うと、大学病院などの大規模な医療機関でしかウゴービを処方できないということです。

一般的なクリニックでは、肥満症患者に対してウゴービの使用が適切であるかどうかを判断し、条件に該当する患者のみを適切な施設に紹介することしかできません。

ウゴービの処方を希望される場合は、事前に医療機関に問い合わせるなどして調べておくことが重要です。

ウゴービの使い方

ウゴービは、週に1回、自己注射で投与する薬剤です。毎週同じ曜日に使用しましょう。

最初は0.25mgから投与を開始し、4週間の間隔で徐々に0.5mg、1.0mg、1.7mg、2.4mgと増量していきます。

具体的な投与スケジュールは以下の通りです。

ウゴービの投薬スケジュール
週数 用量
1-4週 0.25mg
5-8週 0.5mg
9-12週 1.0mg
13-16週 1.7mg
17週以降 2.4mg

17週以降は、2.4mgの皮下注射を週1回、継続して行います。

もし注射を打ち忘れてしまった場合は、次回投与までの期間が48時間以上ある場合には投与が可能です。

ただし、次回投与までの期間が48時間未満である場合は、忘れた分の投与は行わず、次の投与予定日に1回分を注射してください。2回分の注射を一度に行うことは避けましょう。

ウゴービの使い方に関する参考サイト
KEGG DRUG,医療医薬品:ウゴービ,添付文書情報 - 6.用法及び用量[リンク

主な副作用は低血糖や吐き気など

薬には副作用がつきものであり、それはウゴービも例外ではありません。ウゴービの注意すべき副作用として、以下のような症状が報告されています。

以下、それぞれ詳しく解説します。

低血糖

低血糖の副作用は、ウゴービとビグアナイド系薬剤をはじめとする糖尿病治療薬と併用する際に注意が必要です。ウゴービと糖尿病治療薬を併用すると、血糖降下作用が増強され、過度に血糖値が低下する恐れがあります。

ウゴービの使用に伴う低血糖の発生頻度は不明とされています。

低血糖の初期症状には、脱力感や倦怠感、冷汗、顔面蒼白、動悸、頭痛、めまいなどがあります。低血糖が疑われる症状がみられる場合には、糖質を含む食品を摂取するなど適切な対処を行ってください。

消化器症状(吐き気・下痢など)

ウゴービで最も発症頻度が高い副作用として、消化器系の症状が挙げられます。以下に、具体的な症状とその発生頻度を表にまとめました。

発生頻度 消化器系の副作用
5%以上 悪心、下痢、嘔吐、便秘、消化不良、おくび、腹痛、腹部膨満
1~5%未満 腹部不快感、胃食道逆流性疾患、鼓腸、胃炎、胃酸過多、口内乾燥
0.5~1%未満 胃腸障害
頻度不明 胃排出遅延

これらの副作用は、体が薬剤に適応する過程で一時的に起こり得ます。特に、投与初期や増量のタイミングであらわれることが多くあります。

ほとんどの副作用は使用を続けるうちに徐々に治まっていきますが、気になる症状がある場合は医療機関に相談しましょう。

副作用の発生頻度や症状の重さは、その日の体調やホルモンバランスによっても異なるため、あくまで参考程度に留めてください。

急性膵炎

ウゴービの重篤な副作用として、急性膵炎が報告されています。

急性膵炎とは、膵臓の内部や周辺に突然起こる炎症のことです。ウゴービの副作用の発生頻度としては0.1%となっています。

具体的な症状は、激しい腹痛、激しい背中の痛み、吐き気、嘔吐などです。

嘔吐を伴う激しい腹痛などがあった場合は、ただちにウゴービの投与を中断し、医療機関を受診しましょう。膵炎と診断された場合は、ウゴービの再投与はできなくなるため、注意してください。

胆のう炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸

ウゴービを使用する上で気を付けなければならない副作用として、胆のう炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸があります。いずれも発生頻度は不明です。

胆のう炎や胆管炎は、胆嚢や胆管に炎症が生じている状態を指します。自覚症状は、右上腹部の痛みや、皮膚や白目が黄色くなる(黄疸)、発熱などです。

胆のう炎や胆管炎を放置すると、命にかかわる危険な状態になる恐れがあります。ウゴービを使用していて、平時と異なる症状を感じたらすぐに医師に相談しましょう。

ウゴービの副作用に関する参考サイト
KEGG DRUG,医療医薬品:ウゴービ,添付文書情報 - 11.副作用[リンク

ウゴービの注意事項について

禁忌

次に当てはまる方はウゴービを使用できません。

  1. セマグルチドに対して過敏症の既往歴のある方
  2. 糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の方
  3. 2型糖尿病を有する患者における重症感染症、手術等の緊急の場合
特に注意して使う必要がある人

次に当てはまる方はウゴービを使用する前に医師に相談してください。

  1. 過去に膵炎(すいえん)にかかったことのある方
  2. 重い胃不全麻痺など重度の胃腸障害のある方
  3. 低血糖を起こしやすい方(脳下垂体機能に異常がある、副腎機能に異常がある、栄養状態が悪い、飢餓状態、食事が不規則、食事が十分に摂れていない、衰弱している、激しい筋肉運動をしている、飲酒量の多い)
  4. 妊婦または妊娠している可能性のある方、2ヵ月以内に妊娠を予定する方
  5. 授乳中の方
  6. 小児
  7. 高齢者
基本的な注意事項
ウゴービを使用している期間は、食事療法や運動療法を継続して行いましょう。定期的に体重、血糖、血圧、脂質などを確認し、3〜4ヵ月間投与しても改善が見られない場合には、ウゴービの投与を中止してください。その後も定期的に体重、血糖、血圧、脂質等を確認し、効果が不十分な場合にはウゴービの投与中止について医師に相談しましょう。
ウゴービは持続性製剤であるため、投与中止後も効果が持続する可能性があります。したがって、副作用の予防や副作用発現時の対処法についてあらかじめ理解しておきましょう。
急性膵炎の初期症状(嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛等)があらわれた場合は、使用を中止し、速やかに医師の診断を受けてください。
胃腸障害が発現した場合、急性膵炎の可能性を考慮し、必要に応じて医療機関で画像検査等を受けてください。
下痢、嘔吐から脱水状態に陥り、急性腎障害に至るおそれがあるので注意してください。
ウゴービの使用期間中は、甲状腺関連の疾患の症状があらわれていないかよく確認し、異常があった場合には専門医を受診しましょう。
胆石症、胆嚢炎、胆管炎又は胆汁うっ滞性黄疸が発現するおそれがあるので、腹痛等の腹部症状がみられた場合には、必要に応じて医療機関で画像検査等を受けてください。
ウゴービを使用する際は、医師から指導された投与法を遵守してください。投与に使用する器具の安全な廃棄方法も守りましょう。また、添付されている取扱説明書を必ず熟読してください。
ウゴービは血糖降下作用を持っていますが、インスリンの代替薬ではありません。2型糖尿病を患っている人は、医療機関でインスリン依存状態を確認し、投与の可否について医師の判断を仰いでください。インスリン依存状態であった場合、インスリンからGLP-1受容体作動薬に切り替え、急激な高血糖及び糖尿病性ケトアシドーシスが発現した症例が報告されているため、十分注意してください。
ウゴービを使用すると、低血糖症状が起こる場合があります。対処方法についてあらかじめ理解しておきましょう。
低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している場合、投与には注意してください。
急激な血糖コントロールの改善に伴い、糖尿病網膜症の顕在化又は増悪があらわれることがあります。普段と異なる症状があらわれた場合はすぐ医師に相談しましょう。
ウゴービはセマグルチド(遺伝子組換え)を含有しているため、オゼンピック等他のセマグルチド(遺伝子組換え)含有製剤あるいはその他のGLP-1受容体作動薬等のGLP-1受容体に対するアゴニスト作用を有する薬剤と併用してはいけません。
ウゴービとDPP-4阻害剤はいずれもGLP-1受容体を介した血糖降下作用を有しています。2型糖尿病患者に両剤を併用した際の臨床試験成績はなく、有効性及び安全性は確認されていません。
2型糖尿病を有する患者への1.0mgを超えるセマグルチド(遺伝子組換え)皮下投与製剤とインスリン製剤との併用における有効性及び安全性は検討されていません。
ウゴービの注意事項に関する参考サイト
KEGG DRUG,医療医薬品:ウゴービ,添付文書情報 - 2.禁忌[リンク
同上 - 8. 重要な基本的注意[リンク
同上 - 9. 特定の背景を有する患者に関する注意[リンク

相互作用について

ウゴービは、他の糖尿病治療薬を併用すると血糖降下作用が増強され、低血糖を招く恐れがあります。そのため、ウゴービの使用期間中は糖尿病治療薬と併用しないよう注意してください。以下の表に、併用に注意が必要な糖尿病治療薬をまとめました。

併用に注意が必要な糖尿病治療薬
種類 一般名 販売名
ビグアナイド系薬剤 メトホルミン塩酸塩 グリコラン錠250mg、メトグルコ錠250mg、メトホルミン塩酸塩錠250mgMT「三和」など
ブホルミン塩酸塩 ジベトス錠50mg
スルホニルウレア剤 スルホニル尿素(SU)薬 オイグルコン錠1.25mg、アマリール0.5mg錠、グリベンクラミド錠1.25mg「サワイ」など
速効型インスリン分泌促進剤 グリニド薬 シュアポスト錠0.25mg、スターシス錠30mg、ナテグリニド錠30mg「テバ」など
α-グルコシダーゼ阻害剤 アカルボース アカルボース錠50mg「NS」など
ボグリボース ベイスン錠0.2、ベイスンOD錠0.2、ボグリボース錠0.2mg「トーワ」など
ミグリトール セイブル錠25mg、セイブルOD錠25mg、ミグリトール錠25mg「トーワ」など
チアゾリジン系薬剤 ピオグリタゾン塩酸塩 アクトス錠15、アクトスOD錠15、ピオグリタゾン錠15mg「アメル」など
DPP-4阻害剤 シタグリプチンリン酸塩水和物 グラクティブ錠12.5mg、ジャヌビア錠12.5mgなど
ビルダグリプチン エクア錠50mg
サキサグリプチン水和物 オングリザ錠2.5mgなど
アログリプチン安息香酸塩 ネシーナ錠25mgなど
リナグリプチン トラゼンタ錠5mg
テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物 テネリア錠20mg、テネリアOD錠20mgなど
トレラグリプチンコハク酸塩 ザファテック錠100mgなど
アナグリプチン スイニー錠100mg
SGLT2阻害剤 ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物 フォシーガ錠5mgなど
カナグリフロジン水和物 カナグル錠100mgなど
エンパグリフロジン ジャディアンス錠10mgなど
イプラグリフロジンL-プロリン スーグラ錠25mgなど
ルセオグリフロジン水和物 ルセフィ錠2.5mg、ルセフィODフィルム2.5mgなど
トホグリフロジン水和物 デベルザ錠20mg
インスリン製剤 インスリン ヒト ノボリンR注100単位/mL、ノボリンR注フレックスペン、ヒューマリンR注100単位/mL、ヒューマリンR注カート、ヒューマリンR注ミリオペン
イソフェンインスリン ヒト ノボリンN注フレックスペン、ヒューマリンN注100単位/mL、ヒューマリンN注カート、ヒューマリンN注ミリオペン
二相性イソフェンインスリン ヒト ノボリン30R注フレックスペン、イノレット30R注、ヒューマリン3/7注100単位/mL
インスリンリスプロ ヒューマログ注100単位/mL、ヒューマログミックス25注カート、ヒューマログミックス25注ミリオペンなど
その他(インスリンアスパルト、インスリングルリジンインスリングラルギンなど) -
ウゴービの相互作用に関する参考サイト
KEGG DRUG,医療医薬品:ウゴービ,添付文書情報, - 10. 相互作用[リンク
KEGG DRUG,商品一覧 : ビグアナイド系糖尿病薬[リンク
同上 : スルホニル尿素薬[リンク
同上 : グリニド薬[リンク
同上 : α-グルコシダーゼ阻害薬[リンク
同上 : チアゾリジン薬[リンク
同上 : DPP-4阻害薬[リンク
同上 : SGLT2阻害薬[リンク
同上 : インスリン製剤[リンク

オゼンピックやリベルサスとの違いは?

ウゴービと同じ有効成分セマグルチドが配合されている薬剤として、オゼンピックやリベルサスが挙げられます。

オゼンピックもリベルサスも、ウゴービと同様、GLP-1受容体作動薬の一種です。有効成分が同じであるため、どちらの薬もダイエットに活用されています。

ここからは、ウゴービとオゼンピック、ウゴービとリベルサス、それぞれの違いについて説明します。

オゼンピックとウゴービの比較

ウゴービとオゼンピックには、2つの違いがあります。

ウゴービとオゼンピックの違い
  • 適応症の違い
  • 最大投与量の違い

1つ目は、ウゴービの適応症が肥満症であるのに対し、オゼンピックの適応症は2型糖尿病という点です。このため、肥満症の治療としてオゼンピックを使用する場合は、自費診療となります。

2つ目は、ウゴービの最大投与量が1回2.4mgであるのに対して、オゼンピックの最大投与量は1回1.0mgであるという点です。

また、ウゴービとオゼンピックにおける体重減少率の差が示された試験(17.1.3 プラセボ対照二重盲検比較試験(国際共同第III相試験), 医療用医薬品:ウゴービ,添付文書情報,[リンク])もあります。

この試験では、BMI36の2型糖尿病患者に対し、68週にわたってウゴービ2.4mgと、オゼンピック1.0mgがそれぞれ投与されました。

その結果、体重減量率はウゴービが-9.9%、オゼンピックが-7.2%となりました。ウゴービの方がオゼンピックよりも体重減少効果に優れている結果となりましたが、この差異は投与量の違いが原因であると考えられます。

リベルサスとウゴービの比較

ウゴービとリベルサスの違いも大きく分けると2つです。

ウゴービとオゼンピックの違い
  • 適応症の違い
  • 投与経路の違い

1つ目は、オゼンピックと同様に適応症の違いです。ウゴービの適応症が肥満症であるのに対し、リベルサスの適応症は2型糖尿病です。肥満症の治療にリベルサスを使用する際は自費診療となります。

2つ目は、ウゴービは注射薬ですが、リベルサスは経口薬ということです。ウゴービは週に1回皮下注射を行い、リベルサスは1日1回早朝、空腹時に内服を行います。

ウゴービとリベルサスの体重減少効果について直接比較したデータはありませんが、オゼンピックとリベルサスの体重減少量を比較した海外論文(Melanie Davies, et al.”Effect of Oral Semaglutide Compared With Placebo and Subcutaneous Semaglutide on Glycemic Control in Patients With Type 2 Diabetes”JAMA. 2017 Oct 17; 318(15): 1460–1470.[リンク])があります。

この論文では、オゼンピック1.0mgとリベルサス20~40mgとでは体重減少効果がほぼ同等であることが示されています。

先ほどの試験で、オゼンピックに対するウゴービの優位性が示されていたことから、リベルサスと比べてもウゴービの方がより高い減量効果があることが推定されます。

ウゴービに関するQ&A

  • ウゴービはオンライン診療で入手できる?
    ウゴービはオンライン診療では入手できません。そもそもウゴービは最適使用推進ガイドラインを満たしている医療機関でのみ処方が許されている薬であり、オンライン診療どころか一般のクリニックでも購入することができません。また、ウゴービを処方してもらうにはBMIや持病などに関する特定の条件に該当する必要があります。
  • ウゴービは個人輸入で入手できる?
    ウゴービは個人輸入で購入することはできません。ウゴービは大学病院などの大規模な医療施設でのみ処方が可能な薬です。そのため、個人輸入代行サイトなどでウゴービが取り扱われることはありません。ただし、ウゴービと同じ有効成分を持つリベルサスなどは個人輸入代行サイトでも販売されています。
  • ウゴービを製造している会社は?
    ウゴービの製造会社は、ノボノルディスクファーマです。もともとはデンマークの製薬会社、ノボ・ノルディスクが開発し、その後日本法人のノボノルディスクファーマが製造・販売を行うようになりました。アジア地域でのウゴービの発売は日本が初めてとなり、2024年2月22日に発売されました。
  • ウゴービは何科の病院で処方されている?
    ウゴービの処方を行う科について、最適使用推進ガイドラインでは「内科、循環器内科、内分泌内科、代謝内科又は糖尿病内科を標榜している保険医療機関」と記載されています。一般的なクリニックや診療所では処方されないため、ウゴービを入手したい場合は前述の診療科を備えている大学病院などの医療機関を受診しましょう。
  • ウゴービを自由診療で購入することはできる?
    ウゴービを自由診療で購入することはできません。最適使用推進ガイドラインでは「治療対象となる肥満症以外での痩身・ダイエットなどを目的に本剤を投与してはならない。」と記載されています。つまり、ウゴービでは、自由診療で行われる適応外処方が認められていないのです。
  • ウゴービには失明のリスクがある?
    ハーバード大学は、ウゴービを使用している患者は失明につながる非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)を発症するリスクが高まるという論文を発表しました。NAIONは、視神経への血流障害によって突然片目の視力が低下する疾患です。しかし、この研究の対象者は2型糖尿病あるいは肥満症であり、それらの患者はすでにNAIONのリスクがあるため、ウゴービを使用している人が必ずしもNAIONを発症するわけではありません。とはいえ、ウゴービの使用中に視力に異変を感じた場合は、ただちに中断し、医師に相談するべきです。

ウゴービは肥満症の治療薬!手軽に使えるダイエット薬ではない

ウゴービは、有効成分をセマグルチドとするGLP-1受容体作動薬の一種です。日本では30年ぶりに承認された新しい肥満症治療薬であり、2024年2月22日に発売されました。

ウゴービには食欲の抑制や満腹感の維持、血糖値を抑える効果などがあり、臨床試験でも優れた体重減少効果が確認されています。

ただし、ウゴービは一般のクリニックでは処方することはできません。取り扱いができるのは、厚生労働省が定めたガイドラインを満たしている大学病院など一部の医療機関に限られます。

また、ウゴービの処方を受けるには、BMIや生活習慣病のリスクに関する厳しい基準を満たす必要があります。メディカルダイエットを目的に美容クリニックなどを受診しても、処方されることはありません。

ウゴービはあくまで肥満症の治療薬であり、手軽に使えるダイエット薬ではないことを認識しておくことが重要です。

最後に、以下のページでは、メディカルダイエットに活用されている医薬品を紹介しています。自由診療で処方される薬や、通販(個人輸入)で購入できる薬などについて解説していますので、メディカルダイエットに興味のある方はぜひご覧ください。

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