ファムシクロビルが配合されている通販商品
ファムシクロビルの禁忌事項
下記に該当する方はファムシクロビルを使用しないでください。
- ファムシクロビルに対して過敏症を起こしたことがある
過去にファムシクロビルを服用して過敏症が出たことのある方は使用できません。過敏症は薬に対するアレルギー症状のことです。蕁麻疹のほか薬疹と呼ばれる湿疹が主な症状です。過敏症の既往歴がある方が再びファムシクロビルを服用すると、さらに重度の過敏症となる可能性があります。/p>
ファムシクロビルの働きと効果
- 効能・効果
- 単純疱疹・造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制、帯状疱疹、水痘、性器ヘルペスの再発抑制
一般名:ファムシクロビル
単純ヘルペスウイルス感染症および帯状疱疹の治療に使われる抗ウイルス剤です。
性器へルペス・口唇ヘルペスといった単純疱疹や帯状疱疹の原因となるウイルスの増殖を抑えます。
主なヘルペスウイルスとして、単純疱疹ウイルス(HSV)や帯状疱疹ウイルス(VZV)があります。ヘルペスウイルスは、体調不良など免疫機能の低下をキッカケに神経節で増殖します。その後、体表へ移動して水ぶくれや潰瘍などの症状を起こします。ファムシクロビルは、ウイルスの増殖を抑える効果があります。単純疱疹や帯状疱疹が治癒するまでの期間を短縮できます。
ファムシクロビルは、薬効を得るために必要な成分濃度へとすばやく到達するように作られています。ペンシクロビルという従来のヘルペス治療薬の吸収効率を改良した薬(プロドラッグ)です。
ピリピリと刺すような痛みなど皮膚の違和感がみられたら、発症のサインです。この時点でファムシクロビルを服用すれば、速やかに体内へと吸収されて効果を発揮します。
ファムシクロビルは、2008年に帯状疱疹、2013年に単純疱疹への適応が日本国内で認められました。抗ヘルペスウイルス薬の中では、比較的あたらしい治療薬です。ファムシクロビルが承認されるまで、ヘルペス治療における有効な薬はアシクロビルやバラシクロビルという2種類の類似薬に限られていました。
ファムシクロビルは、既存の類似薬と同等の効果を発揮します。性器へルペス・口唇ヘルペスといった単純疱疹と帯状疱疹の両方に対して有効です。ヘルペス治療の新しい選択肢として支持されています。
ファムシクロビルの代謝物がヘルペスウイルスの増殖を抑制します。

ファムシクロビルが体内に取り込まれると、速やかにペンシクロビルへと代謝されます。ペンシクロビルは、ヘルペスウイルスがDNAを複製する際に利用する酵素(dGTP)と構造が似ています。ファムシクロビルは、酵素と入れ替えにペンシクロビルをヘルペスウイルスに取り込ませることでDNAの複製を阻害します。
感染細胞内に侵入したペンシクロビルは、ウイルス由来チミジンキナーゼという物質によって1リン酸化されます。
1リン酸化したペンシクロビルは、細胞内キナーゼによって更にリン酸化されます。ペンシクロビル3リン酸化体(PCV-TP)に変化したあとでウイルスに取り込まれます。
ヘルペスウイルスが実際に増殖するためには、ペンシクロビルと同じ流れでリン酸化されたdGTPが必要です。ウイルスは、リン酸化されたdGTPとの微妙な違いを見分けられません。DNAの複製をしないPCV-TPを間違って取り込むと、増殖できなくなります。
単純疱疹(性器ヘルペス初感染・カポジ水痘様発疹症)に対する有効性が確認されています。

単純疱疹に対するファムシクロビルの有効性を検討するため、性器ヘルペス初感染およびカポジ水痘様発疹症を対象にした臨床試験*を実施しました。
ファムシクロビル125mg・250mg・500mgのグループに分け、それぞれ1日3回5日間の投与が行われました。有効率は125mgのグループで78.0%、250mgのグループで93.2%、500mgのグループで88.1%でした。
日本国内で行われた他の臨床試験では、単純疱疹に対してファムシクロビルが従来のヘルペス治療薬と同等の効き目を発揮することも確認されています。
単純疱疹患者にファムシクロビルを投与した際、50%の患者が6日で治癒しました。
帯状疱疹の治療に対して80~90%以上の有効率が示されています。

帯状疱疹患者に対してはファムシクロビル75mg・250mg・750mgを1日3回7日間の経口投与が行われました。有効率は75mgのグループで81.0%、250mgのグループで90.0%、750mgのグループで92.2%でした。
ファムシクロビルは、単純疱疹だけでなく帯状疱疹に対しても従来のヘルペス治療薬と同等の効き目を発揮することが臨床試験の結果で示されています。
帯状疱疹患者にファムシクロビルを投与した結果、患者の50%に症状の改善が認められました。投与開始から7日で水ぶくれや潰瘍がかさぶたになりました。
※出典:リンク先、販売名:ファムビル錠250mgのインタビューフォームを参照
ファムビルを先発薬としたヘルペス治療薬の有効成分として配合されています。
ファムシクロビルの副作用
副作用
下痢、軟便、吐き気、腹痛、めまい、ふらつき、発疹、かゆみなどが生じることがあります。
重大な副作用
精神神経症状、スティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性皮膚壊死症、急性腎不全、横紋筋融解症、ショック、アナフィラキシー。
以下はファムビル錠のインタビューフォーム*に記載されていた副作用の発現率です。
副作用の症状 | 発現数 | 発現率 |
---|---|---|
頭痛 | 8例 | 1.13% |
傾眠 | 7例 | 0.99% |
ALT増加 | 7例 | 0.99% |
下痢 | 5例 | 0.71% |
血中CPK増加 | 5例 | 0.71% |
副作用の症状 | 発現数 | 発現率 |
---|---|---|
ALT増加 | 17例 | 2.84% |
AST増加 | 12例 | 2.00% |
血中CPK増加 | 9例 | 1.50% |
頭痛 | 7例 | 1.17% |
ファムシクロビルの主な副作用として、消化器系や精神神経系の症状が報告されています。消化器系の主な症状は下痢や腹痛、吐き気などです。精神神経系の主な症状は頭痛や眠気、めまいなどです。副作用の多くは神経節で増殖するファムシクロビルの働きによる一時的なものと考えられています。もし症状が長引くようであれば、医師に相談をして適切な処置を行いましょう。
ファムシクロビルは体内に吸収されたあと肝臓や腎臓で代謝されます。薬剤の代謝に伴って肝臓や腎臓の検査値が上昇するケースも報告されています。
代謝機能が低下している方がファムシクロビルを服用すると成分濃度が必要以上に高まり、重い副作用を発症する場合もあります。ごくまれに重篤な精神神経症状や皮膚障害、急性腎不全、横紋筋融解症などが起こる可能性があります。横紋筋融解症は骨格筋の細胞に重いダメージを受ける疾患です。肝臓や腎臓に障害がある方、そして高齢者の方はこれらのリスクが上がります。ファムシクロビルの使用にあたっては、必ず前もって医師に相談をしておきましょう。
- 使用に注意が必要な人
- <腎機能障害がある患者、65歳以上の高齢者>
血中のファムシクロビル濃度が高い状態が持続するおそれがあります。腎障害がある方は、用量を減らすか服用間隔をあけましょう。高齢者では腎機能の低下が考えられるため、ファムシクロビルの服用中は体の状態を観察しながら使用してください。
- 併用注意薬
- <プロベネシド>
尿酸の排泄を増加させる効果があり、痛風や高尿酸血症の治療に使われます。ファムシクロビルの活性代謝物ペンシクロビルが排泄されづらくなり、血中濃度の減少が遅くなります。副作用の発現リスクが上昇すると考えられるため注意しましょう。