ロスバスタチンが配合されている通販商品
ロスバスタチンの禁忌事項
下記に該当する方はロスバスタチンを使用しないでください。
- ロスバスタチンに対して過敏症をおこしたことがある
- 肝機能が低下している(急性肝炎、慢性肝炎の急性増悪、肝硬変、肝がん、黄疸)
- 妊婦または授乳婦
ロスバスタチンは、過敏症の既往歴がある患者や肝機能が低下している患者の使用は禁忌とされています。急性肝炎や肝硬変はロスバスタチンの血中濃度を過度に高めるうえに肝障害を悪化させるおそれがあります。
妊婦に対するロスバスタチンの安全性は確立していません。他のHMG-CoA還元酵素阻害剤において、胎児に催奇形性を及ぼす可能性を示唆する報告があります。ロスバスタチンの乳汁中への移行が報告されていることもあり、妊婦または妊娠している可能性のある婦人および授乳婦のロスバスタチン服用は厳禁です。
ロスバスタチンは下記の薬と併用できません。
- シクロスポリン(サンディミュン、ネオーラルなど)
シクロスポリンは臓器移植手術による拒絶反応の抑制に用いられる免疫抑制薬です。シクロスポリンを服用している心臓移植患者がロスバスタチンを併用すると、ロスバスタチンの血中濃度が急激に高まることが報告されています。
ロスバスタチンの働きと効果
- 効能・効果
- 高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症
- (1) 血中コレステロールを減らして、動脈硬化に伴う合併症を予防します。
一般名:ロスバスタチンカルシウム
脂質異常症の治療に使われる脂質異常症治療薬です。
ロスバスタチンは肝臓で行われるコレステロールの合成を抑えることで、血液中に含まれる脂質を減らす効果があります。悪玉のLDL-コレステロール(LDL-C)を下げる効果が強く、高コレステロール血症に起因する脂質異常症の治療に特に有用です。善玉であるHDL-コレステロール(HDL-C)の増加や中性脂肪の減少といった作用もあるため、高脂血症など脂質異常症全般に対して効き目が期待できます。
ロスバスタチンの服用によってLDL-Cが正常値に改善すれば、脂質異常症に伴う動脈硬化の発生リスクを下げられます。血中の脂質が多いと、血管の内側に脂肪が蓄積して動脈硬化を引き起こします。動脈硬化は狭心症や心筋梗塞などの原因となるため、ロスバスタチンのような脂質降下薬を使用して予防することが重要です。
脂質降下薬にはスタチン系、フィブラート系薬剤、陰イオン交換樹脂などがあります。
ロスバスタチンが属するスタチン系は、LDLコレステロールに対する減少作用が最も強力な部類です。強力なスタチン系の中でも特に強い作用を有することから、ロスバスタチンはストロングスタチンとも呼ばれています。
ロスバスタチンが肝臓におけるコレステロール合成を阻害します。
脂質親和性が低いロスバスタチンは臓器に取り込まれにくい性質があります。肝臓では能動輸送系によるロスバスタチンの取り込みが行われるため、ロスバスタチンは肝選択的に作用します。
コレステロールは肝臓におけるメバロン酸経路を通して生合成されます。ロスバスタチンは体内に吸収されると肝臓に選択的に取り込まれて、メバロン酸経路におけるHMG-CoA還元酵素の働きを阻害します。HMG-CoA還元酵素の働きがブロックされればコレステロールを生成することができなくなります。
コレステロール合成が抑制されると、肝臓内の脂質不足を補うためにLDL受容体の形成が促進されます。LDL受容体を介して血液中のLDL-Cが肝臓に取り込まれることで、血液中の脂質量が低下します。
臨床成績においてLDL-Cを約1/2に減少させました。
高コレステロール血症患者を対象にして、ロスバスタチンを1日1回、6週間服用したところ、LDL-C、HDL-C、中性脂肪の値が有意に改善されました。*
ロスバスタチン5mgを服用した患者のLDL-C減少率の平均は52.4%と、LDL-Cをもともとの値から半分以下にまで減らすことに成功しました。
HDL-Cは血中のコレステロールを回収するため、増加することで総コレステロール値の減少につながります。
ロスバスタチンによる総コレステロールの減少率は36.4%と、他のスタチン系脂質降下薬と比較して優れた有効性が実証されています。
項目 | 5mg | 2.5mg |
---|---|---|
LDL-コレステロール | -52.4% | -44.9% |
HDL-コレステロール | +9.0% | +7.6% |
総コレステロール | -36.4% | -31.5% |
中性脂肪 | -23.6% | -18.2% |
欧米白人による臨床試験では、ロスバスタチン10mgを服用したグループの83.9%、5mgでは71.1%の患者が血中脂質を動脈硬化予防の目標値まで低下させています。目標値は、日本における脂質異常症に伴う動脈硬化リスク別の脂質管理目標を使用しています。日本人がロスバスタチン2.5mg、5mgを服用した場合、欧米白人の5mg、10mgの用量に相当する効き目が得られます。日本人ではロスバスタチン2.5mgおよび5mgの服用で70~84%ほどの有効率が期待できます。
家族性高コレステロール血症にはヘテロ接合体とホモ接合体が存在しており、比較的軽度であることが多いヘテロ接合体にはロスバスタチン10mgおよび20mgにおいて有効性が確認されています。ホモ接合体にはLDL-アフェレーシスなどの非薬物療法が推奨されています。
項目 | 20mg | 10mg |
---|---|---|
LDL-コレステロール | -53.9% | -49.1% |
HDL-コレステロール | +13.7% | +9.5% |
総コレステロール | -43.3% | -39.3% |
中性脂肪 | -23.6% | -18.2% |
※出典:リンク先、販売名:クレストール錠2.5mg/クレストール錠5mg/クレストールOD錠2.5mg/クレストールOD錠5mgのインタビューフォームを参照
ロスバスタチンは、クレストールを先発薬とした脂質異常症の薬の有効成分として配合されています。
- ロスバスタチンが配合されている脂質異常症の薬
- 先発薬:クレストール(アストラゼネカ)
ロスバスタチンの副作用
副作用
肝機能の低下、腎機能の低下、筋肉痛などが生じることがあります。
重大な副作用
横紋筋融解症、肝機能障害、肝炎、黄疸、間質性肺炎、過敏性症状、ミオパチー、多形紅斑、末梢神経障害。
以下はクレストールのインタビューフォーム*に記載されていた副作用の発現率です。
副作用の症状 | 発現数 | 発現率 |
---|---|---|
CPK増加 | 15例 | 7.43% |
ALT増加 | 9例 | 4.46% |
γ-GTP増加 | 9例 | 4.46% |
尿円柱 | 8例 | 3.96% |
下痢 | 7例 | 3.47% |
尿中蛋白陽性 | 6例 | 2.97% |
AST増加 | 5例 | 2.48% |
悪心 | 4例 | 1.98% |
胃不快感 | 4例 | 1.98% |
浮動性めまい | 4例 | 1.98% |
ロスバスタチンにみられる主な副作用として、肝機能検査値であるALT(GPT)とCK(CPK)の上昇が挙げられます。肝炎や黄疸などの重度の肝障害に発展するおそれもあるため、定期的な検査を受けながらの服用が望ましいです。下痢や悪心などの消化器系の副作用も比較的多く報告されています。
筋骨格系の副作用では脱力感や関節痛、筋肉痛などが生じることがあります。これらは横紋筋融解症の初期症状である可能性があります。横紋筋融解症は急性腎障害やミオパチー(筋肉の炎症などの筋疾患全般)を誘発することもある重大な副作用です。ロスバスタチンを飲み始めて、運動もしていないのに筋肉痛になったり、手足に力が入らない状態になったら、念のため医師の診断を受けてください。
鼻血や血尿など出血性の副作用があった場合は血小板減少症のおそれがあります。ロスバスタチンの長期投与によって、間質性肺炎を発症することがあります。発熱や咳、呼吸困難といった初期症状に注意してください。
ロスバスタチンを服用して重大な副作用がみられたら、すぐに服用を中止して適切な処置を行ってください。
- 使用に注意が必要な人
- <腎障害をおこしたことがある>
腎障害のある患者では、健康成人に比べてロスバスタチンが体内に残りやすく副作用が発生するリスクがあります。腎機能が低下している患者がHMG-CoA還元酵素阻害薬を服用すると横紋筋融解症の発現頻度が高くなるという報告もあるため、腎障害をおこしたことがある方がロスバスタチンを服用する際は注意が必要です。 - <肝障害をおこしたことがある、アルコール中毒>
ロスバスタチンは主に肝臓で作用するため、肝障害を悪化させるおそれがあります。アルコール中毒患者は肝機能の低下が考えられるうえに、横紋筋融解症を含む筋障害の危険因子でもあります。 - <甲状腺機能低下症、遺伝性の筋疾患またはその家族歴がある、薬剤性の筋障害をおこしたことがある>
HMG-CoA還元酵素阻害薬に共通する注意事項として、甲状腺機能低下症の患者、筋ジストロフィーなど遺伝性の筋疾患が本人または家族にある患者、HMG-CoA還元酵素阻害薬あるいはフィブラート系薬剤による筋障害をおこしたことがある患者は横紋筋融解症をおこしやすいためロスバスタチンを注意して服用します。 - <65歳以上の高齢者>
一般に、高齢者は肝機能や腎機能などが低下しています。横紋筋融解症をおこしやすい素因を持つ方が多いと考えられるので、ロスバスタチンを使用する際は慎重に服用します。
- 併用注意薬
- <フィブラート系薬剤>
ベザフィブラートなど。
脂質異常症に使用されます。フィブラート系薬剤ではロスバスタチンと同様に横紋筋融解症の副作用が報告されています。併用によって、筋肉痛や脱力感など横紋筋融解症の症状があらわれやすくなるので注意してください。 - <HMG-CoA還元酵素阻害薬の代謝を阻害する薬>
ニコチン酸、イトラコナゾール、エリスロマイシンなど。
ナイアシン製剤やアゾール系抗真菌薬、マクロライド系抗生物質が含まれます。ロスバスタチンと併用すると急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症が出現しやすいとされています。 - <クマリン系抗凝結剤>
ワルファリン。
血栓症の治療および予防に用いられます。ロスバスタチンと一緒に使用するとワルファリンの抗凝血作用が強く出てしまいます。併用時にはワルファリンの用量を調節するなど工夫して服用するようにしてください。 - <制酸剤>
水酸化マグネシウム・水酸化アルミニウムなど。
胃酸を中和して消化性潰瘍や胃炎を治療します。ロスバスタチンを水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムを含む制酸剤と併用した場合、ロスバスタチンの血中濃度が半分程度まで低下することがあります。 - <OATP1B1またはBCRPの機能を阻害する薬>
ロピナビル・リトナビル、グレカプレビル・ピブレンタスビル、シメプレビル、ダクラタスビル、アスナプレビル、レゴラフェニブ、グラゾプレビル/エルバスビル、エルトロンボパグなど。
抗ウイルス薬や抗がん剤、造血刺激薬が含まれます。併用によってロスバスタチンの血中濃度が上昇するおそれがあります。ロスバスタチンをグラゾプレビルおよびエルバスビルと併用した際には、約5.5倍までロスバスタチンの血中濃度が上昇したという報告があります。
- ロスバスタチンと関連する成分
- アトルバスタチン
高コレステロール血症に起因する脂質異常症の治療に用いられます。同系統の薬の中でも血中コレステロールを低下させる効き目が強いストロングスタチンに分類されています。