セフィキシムが配合されている通販商品
セフィキシムの禁忌事項
下記に該当する方はセフィキシムを使用しないでください。
- セフィキシムに対して過敏症を起こしたことがある
- セフェム系抗生物質に対して過敏症を起こしたことがある
過去にセフィキシムを服用した際、ショックなどの過敏症状が出た経験のある方は使用できません。再度セフィキシムを使用した場合、高確率で何らかの過敏症が生じるリスクがあります。
セフィキシムが属するセフェム系の抗生物質で過敏症が出たことのある方も同様です。セフェム系に過敏症の既往がある方に対しては、どうしてもセフィキシムの投与が必要と医師が判断した場合に限って使用されることもあります。
セフィキシムの働きと効果
- 効能・効果
- 本剤に感性のレンサ球菌属、肺炎球菌、淋菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、クレブシエラ属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌
- <適応菌種>
急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、尿道炎、胆嚢炎、胆管炎、中耳炎、副鼻腔炎、猩紅熱
一般名:セフィキシム
淋菌感染症(淋病)など細菌感染症の治療に使われる抗生物質(細菌感染症治療剤)です。
感染症を引き起こす病原細菌を殺菌することで、患部の炎症を鎮めます。幅広い種類の細菌に対する抗菌効果を有しており、呼吸器科や耳鼻科、泌尿器科などを中心に様々な領域の細菌感染症の治療に用いられています。
セフィキシムは、グラム陰性菌に分類される細菌への優れた抗菌効果を有する第3世代のセフェム系抗生物質です。従来の抗生物質が効きづらかった淋菌やインフルエンザ菌、大腸菌などに対しても強力な抗菌活性を示します。
淋菌に対して強い抗菌力を示すセフィキシムではありますが、淋菌感染症の治療薬としては第2、第3の選択肢として使われることが多いです。淋菌では抗菌薬に対する耐性化(菌が免疫を獲得して薬が効かなくなる現象)が進んでおり、セフィキシムでもおよそ10%に無効例が報告されています。現在、淋菌感染症の治療で率先して使われているのは、耐性化が進んでいないセフトリアキソンもしくはスぺクチノマイシンです。セフィキシムは、アレルギーなどの理由から上記の抗菌薬が使えない場合に使用されます。
セフィキシムが細胞壁の合成を阻害して殺菌的に作用します。
セフィキシムは細菌の細胞壁を構成する主要物質の合成を阻害します。細胞壁は主にペプチドグリカンという物質で構成されています。セフィキシムは、ペプチドグリカンが合成される過程で必要となるPBP(ペニシリン結合タンパク)という酵素と強力に結合します。PBPにセフィキシムが結合することで、その活性が阻害され、ペプチドグリカンが作り出せなくなります。
ペプチドグリカンが欠乏することにより、細菌が分裂するに伴って細胞壁がどんどん薄くなっていきます。薄くなった細胞壁が外液の浸透圧に耐えられなくなって崩壊すると、細菌の細胞が破壊されて殺菌作用が示されます。
セフィキシムが作用するのは、菌類や植物にのみ存在する細胞壁です。動物には細胞壁がありませんので、セフィキシムがヒトの細胞に対して毒性を示すことはありません。
セフィキシムの臨床成績では様々な細菌感染症に優れた有効率が確認されました。
細菌感染症に対するセフィキシムの効果は、1,467例の患者を対象とした臨床試験によって実証されています。成人に対しては、1日につきセフィキシム200mgが投与されました。
疾患 | 有効率 | 実数 |
---|---|---|
急性気管支炎 | 84.3% | 118/140 |
肺炎 | 86.8% | 118/136 |
慢性呼吸器病変の二次感染 | 71.1% | 145/204 |
膀胱炎 | 80.9% | 407/503 |
腎盂腎炎 | 78.5% | 84/107 |
淋菌性尿道炎(淋病) | 92.1% | 93/101 |
中耳炎 | 77.3% | 116/150 |
副鼻腔炎 | 75.0% | 30/40 |
胆嚢炎 | 94.7% | 18/19 |
胆管炎 | 66.7% | 20/30 |
猩紅熱 | 100% | 37/37 |
いずれの疾患においても、セフィキシムの優れた有効率が示される結果となりました。
セフスパンを先発薬とした淋病の治療薬の有効成分として配合されています。
- セフィキシムが配合されている淋病の治療薬
- 先発薬:セフスパン(長生堂製薬)
- 後発薬:ジプラックス(シプラ)
セフィキシムの副作用
副作用
下痢、胃部不快感、過敏症(発疹、じんま疹、紅斑)などが生じることがあります。
重大な副作用
間質性肝炎、偽膜性大腸炎、急性腎不全、血小板減少症、再生不良性貧血、出血性大腸炎、ショック、中毒性表皮壊死症、スティーブンス・ジョンソン症候群、無顆粒球症。
副作用の症状 | 発現数 | 発現率 |
---|---|---|
下痢 | 14例 | 0.55% |
軟便 | 8例 | 0.31% |
発疹 | 7例 | 0.27% |
胃部不快感 | 7例 | 0.27% |
食欲不振 | 6例 | 0.23% |
嘔吐・吐き気 | 6例 | 0.23% |
みぞおちの痛み | 4例 | 0.16% |
セフィキシムの主な副作用は、下痢や軟便などの消化器系に起きる症状です。これは抗菌薬全般にみられる副作用でもあります。薬の抗菌作用が病原細菌のみならず、腸内に住んでいる常在菌に対しても及ぶことで、腸内細菌のバランスが乱れます。胃腸の健康は腸内に住む善玉菌と悪玉菌の絶妙な均衡によって保たれているため、そのバランスが乱れることで消化不良などの不調が引き起こされます。
セフィキシムは、抗生物質の中でも副作用の出にくい薬です。臨床試験で示されたセフィキシムの副作用発現率は2.28%でした。セフィキシムが投与された患者12,879例中、副作用の発現が確認されたのは294例でした。その他、12,585例の患者には何の異常も認められませんでした。
- 使用に注意が必要な人
- <ペニシリン系抗生物質に対して過敏症を起こしたことがある>
ペニシリン系抗生物質は、セフィキシムが属するセフェム系抗生物質と化学構造がよく似ています。ペニシリンでアレルギーが出たことのある方では、セフィキシムでも出るおそれがあります。 - <本人または家族がアレルギー症状を起こしやすい>
気管支喘息や発疹、蕁麻疹などの既往歴がある方は、アレルギーを起こしやすい体質である可能性があります。本人だけでなく、その両親や兄弟にアレルギー体質が疑われる場合には、セフィキシムを服用した際の過敏症の発現に注意してください。 - <高度の腎障害のある患者>
上記疾患に該当する場合、セフィキシムの血中濃度が過度に高くなるおそれがあります。医師の指示に従ってセフィキシムの服用量を調整する必要があります。 - <経口摂取の不良な方、非経口栄養の方、全身状態の悪い方>
上記に該当する方では、ビタミンKの摂取が不足しがちです。セフィキシムにはビタミンKの合成を阻害するおそれがあるため、ビタミンK欠乏症状が生じるリスクがあります。 - <高齢者>
高齢者では、薬を代謝・排泄する生理機能が低下している可能性があります。通常用量ではセフィキシムの作用が増強されて副作用のリスクが高くなります。ビタミンKの欠乏による出血傾向(血が止まりにくい、鼻血が出るなど)が生じるおそれもあります。
- 併用注意薬
- <ワルファリンカリウム>
血栓の予防に用いられる抗凝固剤です。セフィキシムとの併用により、ワルファリンカリウムの作用が過度に増強されるおそれがあります。
- セフィキシムと関連する成分
- ノルフロキサシン
世界初のニューキノロン系抗菌薬です。淋菌感染症の治療に使われます。グラム陰性菌に対する抗菌力も強く、緑膿菌やセラチアには特に強い抗菌作用があります。