ノルフロキサシンが配合されている通販商品
ノルフロキサシンの禁忌事項
下記に該当する方はノルフロキサシンを使用しないでください。
- ノルフロキサシンに対して過敏症の既往歴がある
- 妊婦または妊娠している可能性がある
過去にノルフロキサシン製剤を飲んで過敏症を起こしたことがある方は、再び使用した際にも過敏症が出現するおそれがありますので、服用しないでください。
妊娠中の服用に対する安全性は確立しておらず、原則として妊婦や妊娠している可能性のある婦人の使用は禁止されています。炭素または野兎病に対してだけ、ノルフロキサシンによる治療の有益性を考慮して使用される場合があります。
ノルフロキサシンと併用できない薬。
- フェンブフェン
- フルルビプロフェンアキセチル
- フルルビプロフェン
これらは関節症の痛みの緩和などに用いられる非ステロイド性消炎鎮痛剤と呼ばれる薬です。ノルフロキサシンとの併用によって、けいれんを生じるおそれがあります。
ノルフロキサシンの働きと効果
- 効能・効果
- 表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(急性症、慢性症)、尿道炎、胆嚢炎、胆管炎、感染性腸炎、腸チフス、パラチフス、コレラ、中耳炎、副鼻腔炎、炭疽、野兎病
- <適応菌種>
本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、淋菌、炭疽菌、大腸菌、赤痢菌、サルモネラ属、チフス菌、パラチフス菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア・レットゲリ、コレラ菌、腸炎ビブリオ、インフルエンザ菌、緑膿菌、野兎病菌、カンピロバクター属
一般名:ノルフロキサシン
淋菌感染症の治療に使われる合成抗菌剤(細菌感染症治療剤)です。
ノルフロキサシンは、幅広い種類の細菌に対して強い抗菌活性を示すニューキノロン系に属する抗菌薬です。病巣に対して高濃度で移行する特徴を有しており、身体中のあらゆる部位の感染症に対応できます。
呼吸器や尿路、皮膚、胆道、腸管、耳鼻科領域の感染症において、ノルフロキサシンの治療効果が確認されています。
ノルフロキサシンは、世界初のニューキノロン系抗菌薬です。ノルフロキサシンが開発される以前のキノロン系薬剤(オールドキノロン)では効きづらかったグラム陽性菌にまで、適応を広げています。グラム陰性菌に対する抗菌力も強くなっており、緑膿菌やセラチアには特に強い抗菌作用があります。
適応菌種および適応症が飛躍的に拡大したノルフロキサシンの登場により、注射剤の投与が基本であった難治性の細菌感染症も飲み薬で治療できるようになりました。
ノルフロキサシンが細菌のDNAを複製する酵素を阻害します。
ノルフロキサシンは細菌の増殖を抑制することで抗菌作用を示します。細菌が増殖する際にはタンパク質の合成が必要となります。そしてタンパク質の合成にはDNAの複製が必要です。つまり、DNAの複製を阻害することができれば細菌の増殖を防ぐことが可能となります。
DNAはらせん構造をしており、そのままでは複製が困難であるため立体構造を変換する必要があります。この立体構造の変換を行う酵素がDNAジャイレースです。ノルフロキサシンはDNAジャイレースを阻害してDNAの複製を妨げることで細菌の増殖を防ぎます。
臨床成績から淋菌性疾患に88.8%の有効率が認められています。
先発薬であるバクシダールの臨床試験*において、ノルフロキサシンの細菌性感染症に対する有効性が証明されています。尿道や呼吸器、内臓に生じる細菌感染症に対してノルフロキサシンが投与された結果、いずれも優れた有効性が確認されました。
症状 | 有効率 |
---|---|
膀胱炎 | 86.0% |
腎盂腎炎 | 66.0% |
前立腺炎(急性症、慢性症) | 90.5% |
淋菌性尿道炎(淋病) | 88.8% |
疾患名 | 有効率 |
---|---|
咽頭・喉頭炎 | 84.9% |
扁桃炎 | 85.4% |
急性気管支炎 | 77.5% |
疾患名 | 有効率 |
---|---|
胆のう炎 | 84.0% |
胆管炎 | 75.4% |
疾患名 | 有効率 | |
---|---|---|
感染性腸炎 | 細菌性赤痢 | 98.8% |
感染性腸炎 | 93.9% | |
コレラ | 100% |
皮膚や耳鼻科領域におきる感染症に対しても、ノルフロキサシンの臨床試験が実施されています。結果として、ノルフロキサシンは表在性、深在性を問わず幅広い皮膚感染症に有効性を示し、中耳炎や副鼻腔炎といった耳鼻科領域の感染症にも効果が認められています。
疾患名 | 有効率 | |
---|---|---|
表在性皮膚感染症 | 毛包炎(膿疱性ざ瘡を含む) | 74.1% |
伝染性膿痂疹 | 85.7% | |
深在性皮膚感染症 | せつ | 88.9% |
よう | 90.9% | |
蜂巣炎 | 89.5% | |
慢性膿皮症 | 皮下膿瘍 | 67.6% |
感染性粉瘤 | 89.6% |
疾患名 | 有効率 |
---|---|
中耳炎 | 68.0% |
副鼻腔炎 | 75.9% |
※出典:リンク先、販売名:バクシダール錠100mg/バクシダール錠200mgのインタビューフォームを参照
ノルフロキサシンは、バクシダールを先発薬とした淋病の治療薬の有効成分として配合されています。
- ノルフロキサシンが配合されている淋病の治療薬
- 先発薬:バクシダール(杏林製薬)
- 後発薬:ノルフロックス(シプラ)
ノルフロキサシンの副作用
副作用
内服薬では吐き気、嘔吐、胃部不快感、食欲不振、腹痛、下痢、過敏症(発疹)、めまいなどが生じることがあります。眼科用剤では刺激症状(しみるなど)、かゆみ、結膜充血などが生じることがあります。
重大な副作用
アキレス腱炎、横紋筋融解症、間質性肺炎、肝機能障害、偽膜性大腸炎、急性腎不全、ギラン・バレー症候群、けいれん、血管炎、紅皮症、錯乱、重症筋無力症、出血性大腸炎、ショック、中毒性表皮壊死症、低血糖、スティーブンス・ジョンソン症候群、溶結性貧血。
以下はバクシダール錠のインタビューフォーム*に記載されていた副作用の発現率です。
副作用の症状 | 発現数 | 発現率 |
---|---|---|
嘔気 | 27例 | 0.58% |
ALT(GPT)上昇 | 22例 | 0.47% |
腹痛 | 18例 | 0.38% |
食欲不振 | 17例 | 0.36% |
胃不快感 | 17例 | 0.36% |
めまい | 14例 | 0.30% |
下痢 | 14例 | 0.30% |
先発薬の承認時に行われた調査により、ノルフロキサシンは副作用を起こしにくい安全性に優れた薬であることが分かっています。
ノルフロキサシンが投与された4,679例のうち、副作用を発症したのはわずか183例(3.91%)のみでした。報告された副作用は吐き気や腹痛などの消化管障害が大半を占めており、107例(2.29%)の消化管障害が確認されました。
消化管障害と比較すると低頻度ではありますが、めまいや発疹といった末梢神経系障害、過敏症などもノルフロキサシンの副作用として報告されています。血清ALTの上昇がみられる場合もあり、検査による観察を十分に行うことが重要です。
血液異常や過敏症が出現した際はノルフロキサシンの服用を中止してください。
ごくまれな頻度のノルフロキサシンの副作用として、偽膜性大腸炎などの重大な症状が報告されています。激しい腹痛や下痢を繰り返すなどの症状があれば、直ちにノルフロキサシンの服用を中止する必要があります。服薬をやめることで回復することも多いですが、適切な治療を要する場合もあるため医師による診察を受けてください。
- 使用に注意が必要な人
- <高度の腎障害がある>
上記患者はノルフロキサシンの代謝・排泄機能が低下しているおそれがあります。成分の血中濃度が高い状態が続きやすいと考えられるため、用量や服用間隔を調節する必要があります。 - <てんかん等のけいれん性疾患またはその既往歴がある>
上記にあてはまらない患者と比較して、ノルフロキサシン使用時にけいれんを起こしやすいと考えられます。 - <重症筋無力症>
ノルフロキサシンは神経筋伝達遮断作用を示すことがあり、上記疾患の症状を増悪させる可能性があります。 - <高齢者>
腎機能が低下していることが多く、ノルフロキサシンの排泄が遅延することが考えられます。高い血中濃度が持続するおそれがありますので、用量や服用間隔に留意してください。
- 併用注意薬
- <併用禁忌薬を除くフェニル酢酸系およびプロピオン酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤>
ジクロフェナク、ケトプロフェン、ロキソプロフェンなど
関節痛や神経痛などの痛み止めに使用されます。GABAという神経伝達物質の受容体結合を阻害するノルフロキサシンの作用が増強され、けいれんを起こしやすくなります。 - <テオフィリン、アミノフィリン水和物>
気管支喘息や気管支炎などの治療に用いられます。ノルフロキサシンがテオフィリンの代謝・排泄を邪魔します。テオフィリンの作用が増強されることがあるため、減量するなど適切に対処してください。 - <シクロスポリン>
臓器移植後の拒絶反応の抑制などに使われます。ノルフロキサシンとの併用により、血中濃度が上昇することがあります。シクロスポリンの用量を減らすなど慎重に服用してください。 - <ワルファリン>
血栓塞栓症の治療および予防に使用されます。ワルファリンの作用が増強されて出血や血液凝固時間の延長などがみられるので、ノルフロキサシンを減量するなどの処置が必要となります。 - <アルミニウムまたはマグネシウムを含有する製剤、鉄剤、カルシウム製剤>
ケイ酸アルミニウム、ゲル・水酸化マグネシウムなど
貧血や胃潰瘍、骨粗しょう症などの改善に使われます。ノルフロキサシンの効き目が弱くなることがあります。上記薬剤を併用する際は、ノルフロキサシンを飲んでから2時間以上は間隔をあけて服用してください。 - <チザニジン塩酸塩>
腰痛症や頚肩腕症候群による筋緊張状態の改善などに用いられます。ノルフロキサシンはチザニジン塩酸塩の主要代謝酵素であるCYP1A2を阻害します。血中濃度が上昇しやすく副作用が増強される可能性があります。
- ノルフロキサシンと関連する成分
- セフィキシム
第3世代のセフェム系抗生物質です。グラム陰性菌に分類される細菌への優れた抗菌効果を有します。呼吸器科や耳鼻科、泌尿器科など様々な領域の治療に使われます。