アレグラの効果「アレルギー症状を抑制する効き目」について
アレグラは、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患の症状緩和に効果的な抗ヒスタミン薬です。季節性、通年性の鼻炎、皮膚のかゆみに有効で、花粉症の予防と症状の軽減に役立ちます。即効性は他の抗ヒスタミン薬に比べて劣りますが、1日2回の服用で24時間に渡って効果が持続します。
アレグラの効果と効能
- 効能・効果
- アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹、皮膚そう痒症、アトピー性皮膚炎)
- (1) 花粉症など季節性の鼻炎および通年性のアレルギー性鼻炎の症状緩和に有効です。
(2) 蕁麻疹、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患の症状を和らげます。
アレグラは、アレルギー性鼻炎や蕁麻疹、皮膚疾患に伴うかゆみの解消に効果的です。アレルギー性鼻炎については、季節性と通年性のどちらにも有効です。
ヒスタミンという体内物質と受容体の結合をブロックすることで効果を発揮する「抗ヒスタミン薬」と呼ばれる薬です。
鼻づまり・鼻水・目や皮膚の痒みなどアレルギー症状を改善
アレグラは、花粉やハウスダストなどのアレルギーによる鼻炎の症状を緩和する効果があります。アレルギー性鼻炎の主な症状は、鼻水や鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみなどです。アレグラの抗炎症作用によって、アレルギー性鼻炎の発症や悪化を防げます。
皮膚の炎症やかゆみを抑える効果が期待できます。蕁麻疹の治療には、基本的に抗ヒスタミン薬が使用されます。アレグラには、蕁麻疹によるかゆみや発疹の症状を改善する効果があります。強いかゆみが特徴であるアトピー性皮膚炎の症状緩和にも効果があります。
目のかゆみが辛い場合
目のかゆみの症状が強い場合、アレグラと抗ヒスタミン作用のある目薬を併用するのがおすすめです。
直接患部に点眼することで、アレグラだけでは抑えきれない目のかゆみや充血、目ヤニなどの症状を改善できます。
鼻づまりが辛い場合
鼻水や鼻づまりといった鼻の症状が辛い場合、アレグラと抗と抗ロイコトリエン薬を併用するのがおすすめです。
抗ロイコトリエン薬には鼻粘膜の充血や腫れを解消する効果があり、鼻の症状全般に集中して効きます。
アレグラの有効成分に抗ロイコトリエン作用がプラスされた「アルグレートM」といった薬もあります。
効果時間と効き始めるタイミング
アレグラは、1日2回服用することで24時間にわたってアレルギー症状を抑えます。
効果が出るまでには2時間程度かかる
アレグラの効果が現れるまでには、およそ2時間程度を要します。これはアレグラの有効成分フェキソフェナジンの血中濃度がピークに達するまでの時間です。
ただし、薬が効き始めても、すぐにアレルギー症状が改善されるとは限りません。特に鼻水やかゆみなどの症状が強く出ている場合は、数週間飲み続けることでようやく改善されることもあります。
服用1回あたりの持続時間は約10時間
アレグラの効果時間は、およそ10時間です。基本的に、薬の効果は血中濃度の半減期まで持続すると考えられています。つまり有効成分が体内から排出されて、血液中での濃度がピーク時の半分に減るまでの間です。
アレグラを有効成分フェキソフェナジンとして60mg服用した際は、9.6時間で半減期を迎えます。基本的用量で1回服用すると、約10時間は明確な効果が持続することになります。
他の抗ヒスタミン薬と即効性と持続性を比較
他の抗ヒスタミン薬と比べると、アレグラの即効性と持続性はあまり高くありません。
以下は最新の抗ヒスタミン薬とアレグラで、血中の成分濃度がピークに達するまでの時間(Tmax)と、血中の成分濃度が半減するまでの時間(T1/2)を比較したものです。
薬剤名 | Tmax | T1/2 |
---|---|---|
ルパフィン | 0.91時間 | 20.65時間 |
ビラノア | 1.0時間 | 10.54時間 |
デザレックス | 1.75時間 | 19.5時間 |
ザイザル | 1.0時間 | 7.33時間 |
アレグラ | 2.2時間 | 9.6時間 |
特に即効性と持続性に優れているのはルパフィンです。1日1回の服用で素早く効いて長く持続します。
花粉症(季節性アレルギー鼻炎)に対する効果
花粉症の予防に適したマイルドな効き目の強さ

アレグラは、アレルギー反応を引き起こす物質の遊離を抑制することでアレルギー症状を予防します。花粉が飛び始める時期よりも早めに服用を開始すれば、花粉症を予防できます。予防を目的としてアレグラを飲んでいれば、花粉症を発症しても症状が軽くなります。
アレグラは、効き目が控えめながら眠くならないタイプの抗ヒスタミン薬です。花粉症を予防する用途においては十分な効果が見込めます。ザイザルやアレロックなどの強力な抗ヒスタミン薬に比べると、効き目は弱めです。
一方でザイザルやアレロックは眠くなりやすく、飲むタイミングに気をつけなければなりません。その点アレグラは服用するタイミングを選ばないため、安定的に効果が得られます。
アレグラの効果は寝ている間も持続します。朝起きたときに花粉症の症状で辛いと感じることがなくなります。また、鼻づまりなどによる睡眠不足の解消にもつながります。
発症した花粉症を鎮めるには2週間ほど必要
一度発症した花粉症などのアレルギー性鼻炎を鎮めるには、抗ヒスタミン薬を2週間ほど飲む必要があります。アレグラが体内で働きかけても、すぐには症状が解消しないケースがあることを覚えておきましょう。
成人の季節性アレルギー鼻炎(花粉症)を緩和するアレグラの効果は、臨床試験によって認められています。花粉症患者を対象とした臨床試験では、アレグラ60mgおよびプラセボ(薬効成分を含まない偽薬)の投与が行われました。1日2回を2週間にわたって投与し、花粉症の重症度を示すスコアを測定しました。くしゃみや鼻水、目のかゆみなどをまとめた重症度スコアは、プラセボ群で0.07上昇し、アレグラ60mg群で0.36下降しました。
蕁麻疹やアトピーなど皮膚症状への効果
アレグラは、蕁麻疹やアトピー性皮膚炎といった皮膚疾患に対する効果も認められています。ダニやハウスダストなどが原因となって起こる蕁麻疹や湿疹に有効であり、かゆみを抑えます。
蕁麻疹の臨床効果について
アレグラの蕁麻疹に対する有効性は、薬効を持たないプラセボとの比較試験によって確認されています。
慢性蕁麻疹の患者を対象とした試験では、有効成分フェキソフェナジンが投与されました。投与量を1回20mg・60mg・120mg・240mgとして1日2回、4週間にわたる投与が行われました。その結果、フェキソフェナジンはプラセボよりも有意にかゆみの症状が改善しました。かゆみの改善度合いは20mgよりも60mgの方が高く、60mgは120mgおよび240mgと同等でした。
臨床試験の結果として、蕁麻疹に対するフェキソフェナジン60mgの有効性が証明されました。同量のフェキソフェナジンを含んだアレグラにおいても、蕁麻疹によるかゆみの症状を治療する効果が期待できます。
アトピー性皮膚炎の臨床効果
アトピー性皮膚炎においても臨床試験が行われ、プラセボよりも有意に症状を改善させる効果が認められています。
アトピー性皮膚炎患者を対象とした臨床試験では、まず被験者全員にプラセボが1週間投与されました。次に被験者を分け、それぞれにフェキソフェナジン60mgおよびプラセボを投与しました。1日2回、1週間にわたって投与し、かゆみが改善した度合いを比較しました。
その結果、フェキソフェナジン60mgはプラセボより高い改善効果が認められました。
アレグラは、アトピー性皮膚のかゆみは軽減させますが、完全になくすことは難しいとされています。アレグラとステロイドなどの外用薬と併用することで、より強力にかゆみを抑制できます。
風邪に対する有効性について
アレグラは風邪に対する有効性は認められていません。風邪の時の鼻水や鼻づまりにアレグラを使っても、効果は期待できないという臨床結果も出ています。また、抗ヒスタミン薬は、気道の粘膜分泌を抑制して風邪を悪化させてしまうことがあります。
以上の理由から、近年では、風邪の治療にアレグラなどの抗ヒスタミン薬を使用しないという考え方が主流になっています。
風邪の鼻水とアレルギーの鼻水は異なる
花粉症の鼻水は、アレルギー反応によってヒスタミンが放出されることで起こります。対して風邪の鼻水は、抗原であるウイルスを排除しようとする体の防御反応です。鼻水が出る仕組みが違うので、抗ヒスタミン作用を持つアレグラを使用しても風邪の鼻水は改善しません。
アレグラの効果と効能まとめ
アレグラはアレルギー性鼻炎や蕁麻疹、アトピー性皮膚炎等の治療に用いられる抗ヒスタミン薬です。花粉やハウスダストなどのアレルゲンによる鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状を緩和します。
目のかゆみや鼻づまりが強い場合は、目薬や抗ロイコトリエン薬との併用が推奨されます。効果が出るまで約2時間かかり、1回の服用で約10時間持続しますが、即効性や持続性は他の新しい抗ヒスタミン薬に比べて劣る部分もあります。また、花粉症の予防や症状の軽減には有効ですが、風邪に対しては効果は認められていません。