フルチカゾンフランカルボン酸エステルが配合されている通販商品
フルチカゾンフランカルボン酸エステルの禁忌事項
下記に該当する方はフルチカゾンフランカルボン酸エステルを使用しないでください。
有効な抗菌剤の存在しない感染症、深在性真菌症の患者
治療に有効な抗菌薬がない感染症や、体の深い部分でカビ(真菌)が増える病気(深在性真菌症)のある人には使えません。ステロイド薬には免疫の働きを弱める作用があるため、これらの感染症があると、症状が悪化するおそれがあるためです。
フルチカゾンフランカルボン酸エステルを含んだ薬で過敏症(薬物アレルギー)を起こしたことがある
過敏症はフルチカゾンフランカルボン酸エステルに限らず、全ての医薬品において起こり得るアレルギー症状です。アラミストなどフルチカゾンフランカルボン酸エステルを含んだ薬を使って過敏症を起こしたことがある方は、フルチカゾンフランカルボン酸エステルを使用できません。該当する方が再度フルチカゾンフランカルボン酸エステルを摂取すると、過敏症が重症化するおそれがあります。
フルチカゾンフランカルボン酸エステルの働きと効果
- 効能・効果
- アレルギー性鼻炎
- (1)花粉症など季節性の鼻炎および通年性のアレルギー性鼻炎の症状緩和に有効です。
(2)アレルギーによる目のかゆみや充血、涙といった症状を緩和します。
一般名:フルチカゾンフランカルボン酸エステル
花粉症やハウスダストによるアレルギー性鼻炎の症状を緩和するステロイド点鼻薬です。
くしゃみ・鼻水・鼻づまり・鼻の中のかゆみに直接作用し、症状をおさえます。飲み薬とは違い、眠くなることはほとんどありません。
フルチカゾンフランカルボン酸エステルの点鼻薬は、目の症状(かゆみ、充血、涙)も緩和できるという特徴があります。
ステロイド点鼻薬は、アレルギー性鼻炎の中でも鼻づまりの緩和に最も推奨されています。即効性はありませんが、副作用が少なく安全性が高いので、長期的な使用が可能です
鼻づまりが出ているアレルギー性鼻炎においては、飲み薬とあわせて使う外用薬として、ステロイド点鼻薬が最もよく選ばれます。
フルチカゾンフランカルボン酸エステルは、ステロイド点鼻薬の中でも効果が長く続くのが特徴です。
1日1回の使用で、使い始めた日から徐々に効き始め、24時間しっかり効果が続きます。
抗炎症作用によって鼻炎症状をしっかり抑える
フルチカゾンフランカルボン酸エステルは、炎症をおさえるステロイド薬で、鼻づまりやくしゃみなどの症状を改善します。具体的には、炎症を引き起こす2つの働きをおさえることで、鼻の炎症を軽減します。
フルチカゾンフランカルボン酸エステルの2つの作用
- アラキドン酸の代謝をおさえる:アラキドン酸は、炎症を引き起こす物質(プロスタグランジンやロイコトリエン)のもとになる。その働きをおさえることで、炎症の悪化を防ぐ。
- 炎症性サイトカインの生成をおさえる:炎症性サイトカインは、炎症を強める物質。これが減ることで、鼻の腫れや鼻づまりが軽くなる。
これらの働きを発揮するために、フルチカゾンフランカルボン酸エステルは鼻の粘膜から吸収され、細胞内の「グルココルチコイド受容体」と結合します。受容体と結びつくことで、薬の成分が細胞の中心(核)に入り、遺伝子に働きかけます。これにより、アラキドン酸の代謝と炎症性サイトカインの生成をおさえ、炎症の進行を防ぐのです。
その結果、炎症がしずまり、鼻づまりやくしゃみといった症状が改善されます。
フルチカゾンフランカルボン酸エステルの臨床データ
アレルギー性鼻炎に対するフルチカゾンフランカルボン酸エステルの有効性は、日本で行われた臨床試験で示されています(17.1.1 国内第II相試験, 医療用医薬品: アラミスト, KEGG DRUG, [リンク])。
この試験では、通年性アレルギー性鼻炎の患者を対象に、プラセボ(偽薬)との比較が行われました。参加者は、フルチカゾンフランカルボン酸エステルを使うグループとプラセボを使うグループに分けられ、それぞれどちらの薬を使っているか分からない状態で治療を受けました。フルチカゾンフランカルボン酸エステルの投与量は、添付文書で定められた用量と同じです。
両グループともに1日1回、2週間にわたって薬を使用し、くしゃみ・鼻水・鼻づまりの症状の変化をスコア化して評価しました。
試験の結果、フルチカゾンフランカルボン酸エステルはプラセボに比べ、有意にスコアが減少しました。これは両剤のスコア差が偶然の範囲を超えた状態を示しています。
つまりフルチカゾンフランカルボン酸エステルのアレルギー性鼻炎に対する有効性が証明されたのです。
- フルチカゾンフランカルボン酸エステルが配合されている治療薬
- 先発薬(国内):アラミスト点鼻液(グラクソスミスクライン)
- 先発薬(海外):アバミス点鼻液(グラクソスミスクライン)
フルチカゾンフランカルボン酸エステルの副作用
副作用
鼻出血、鼻症状(刺激感、疼痛、乾燥感)などが生じることがあります。
重大な副作用
アナフィラキシー反応。
副作用の発症頻度
以下はアラミストの添付文書(11. 副作用,医療用医薬品 : アラミスト,KEGG DRUG,[リンク])に記載されていた副作用の発現率です。
発症頻度:1.1%未満
鼻腔 | 鼻出血、鼻症状(刺激感、疼痛、乾燥感) |
---|---|
その他 | 血中コルチゾール減少、白血球数増加 |
発症頻度:不明
過敏症 | 発疹、血管性浮腫(むくみ)、蕁麻疹 |
---|---|
鼻腔 | 鼻潰瘍(ただれ)、鼻中隔穿孔(左右の鼻腔の間に穴が開くこと) |
精神神経系 | 頭痛、睡眠障害 |
その他 | 眼圧上昇 |
主な副作用は鼻にスプレーするときに起こる鼻血や不快感(刺激、痛み、乾燥)です。これらの副作用はフルチカゾンフランカルボン酸エステルの使用をやめれば治まります。
ごくまれに鼻の中がただれたり、左右の鼻の間(鼻中隔)に穴が開くことがあります。これらの症状が出たら医師の診断を受けましょう。
重大な副作用として、アナフィラキシー反応が報告されています。これは薬に対する重度のアレルギー反応として全身に症状が広がる状態です。最初は不安感やピリピリ感、めまいが起こります。重症化すると命にかかわってくるので、疑わしい場合は医療機関を受診してください。
フルチカゾンフランカルボン酸エステルの使用上の注意点
この項目では、フルチカゾンフランカルボン酸エステルの使用に際して特に注意が必要な方や、併用に注意すべき薬について説明します。該当する方や併用薬がある場合は、必ず医師または薬剤師に相談してください。
使用に注意が必要な人
肝障害患者
フルチカゾンフランカルボン酸エステルは肝障害患者には処方されません。海外では中等度の肝障害患者が使用して薬の作用に影響が出たという報告があります。
併用に注意が必要な薬
CYP3A4を阻害する薬
CYP3A4(シトクロムP450 3A4)は、肝臓で本剤を代謝する酵素です。薬によってはこの酵素の働きを邪魔するもの(リトナビル等)があります。これらの薬と併用すると、本剤は代謝を邪魔されて血液中に残りやすくなります。血液中で本剤の濃度が上がり、作用が強まる恐れがあります。
- フルチカゾンフランカルボン酸エステルと関連する成分
- プレドニゾロン
様々なアレルギー疾患、炎症疾患、免疫疾患に適応があるステロイド内服薬です。花粉症においては抗ヒスタミン薬やステロイド点鼻薬が効かない重症に用いられます。他にも100種類以上の疾患を治療します。