アダパレンが配合されている通販商品
アダパレンの禁忌事項
下記に該当する方はアダパレンを使用しないでください。
- アダパレンに対して過敏症をおこしたことがある
- 妊婦または妊娠している可能性がある
過去にアダパレンを使って過敏症が出たことのある方は、再度塗布した際に症状が再出現する可能性が高くなります。塗布面に重い皮膚刺激症状が見られる場合には、ただちにアダパレンの塗布を中止する必要があります。
妊婦にアダパレンを塗布した場合の安全性は確立していません。胎児の成長に悪影響を及ぼす危険性がありますので、少しでも妊娠が疑わしい場合にはアダパレンを使わないでください。乳汁中に成分が移行する可能性も否定できませんので、授乳も避けるようにしてください。
アダパレンの働きと効果
- 効能・効果
- 尋常性ざ瘡
- (1) 炎症性・非炎症性どちらのニキビにも有効です。
一般名:アダパレン
尋常性ざ瘡の治療に使われる尋常性ざ瘡(にきび)治療剤です。
角質を作る細胞の働きを抑えて毛穴の詰まりを解消するピーリング効果があります。すでにできてしまったニキビを改善するだけでなく、ニキビの発生そのものを予防する効果もあります。
Tゾーンやフェイスラインのニキビは、肌荒れなどで厚くなった角質層によって毛穴が塞がれることで発症します。毛穴の中に溜まった皮脂をエサにアクネ菌が増殖すると、炎症を伴ったニキビへと悪化します。
毛穴の詰まりを解消して余分な皮脂やアクネ菌の排出を促すアダパレンは、あらゆるニキビに有効性を発揮する治療薬として第一選択されています。アダパレンのピーリング効果によって角質層が薄くなると、面皰(めんぽう)と呼ばれる炎症をおこす前の初期ニキビができづらくなります。面皰の段階で治療することで、アクネ菌の増殖に伴う毛穴の炎症も予防できます。
アダパレンは1992年にフランスで初めて販売が開始されて以来、世界80ヵ国以上で使われている実績も豊富なニキビ治療薬です。日本では2008年10月から販売されており、器具による面皰圧出や外用抗菌薬が主流とされていた従来の治療法とは全く違うアプローチからニキビを改善する特効薬として医療機関でも用いられています。
患部を根本から治すアダパレンによるニキビ治療では、外用抗菌薬を併用することが推奨されています。クリンダマイシンなどの外用抗菌薬で患部を清潔に保ち、アクネ菌の繁殖を抑えることができますので、より効率的なニキビ治療を可能にします。
アダパレンが角化を抑制するタンパク質の生産を促して角質層を薄くします。

表皮の角質層は、角質と角質細胞間脂質と呼ばれる皮脂によって構成されています。角質は、肌のターンオーバー(新陳代謝で肌が入れ替わる1周期)により、働きを終えた顆粒細胞が変化することで生産されています。
アダパレンは、皮膚から吸収されると表皮の角化を促す顆粒細胞の中にあるレチノイン酸受容体(RAR)と結合します。レチノイン酸受容体と結合したアダパレンは、顆粒細胞の角化を抑制するタンパク質の生産を促します。
アダパレンの働きにより生産されたタンパク質が角質の供給を抑えると、毛穴を詰まらせている角質層が徐々に薄くなっていきます。毛穴の詰まりが解消された結果、皮脂やアクネ菌の排出が促されて、面皰や炎症を伴うニキビが改善します。
レチノイン酸受容体に結合することで顆粒細胞から角質への変化を防ぐアダパレンの働きは、レチノイド(ビタミンA誘導体)と似ているためレチノイド様作用と言います。
アダパレンの臨床成績では84.5%の患者のニキビが減りました。
顆粒細胞の角化を抑制するアダパレンの効果は、顔にニキビを有する患者を対象に12ヶ月にわたって実施された臨床試験で証明されています。臨床試験の内容は、1日1回就寝前の洗顔後にアダパレンを患部に塗布し続け、薬を使用する前の状態との比較を行うというものです。
12ヶ月にわたるアダパレンの使用によってニキビの数が半分以下に減った患者の割合は84.5%(294名/348名)でした。対象となった患者の大半に明確なニキビの減少が認められたことにより、尋常性ざ瘡に対するアダパレンの有効性が実証されました。

臨床試験では、アダパレンの使用期間に応じたニキビの数が減少していくペースも確認されています。アダパレンの使用を開始する前に調査された患者全体の標準的なニキビの数は38個です。
アダパレンの効果は使用開始1週目の段階から認められ、38個から30個程度に減少しました。1週目を過ぎた後もニキビの数は減り続け、4週目には20個程度、3ヶ月目で15個程度、12ヶ月目の段階だと8個まで減少しました。

アダパレンを有効成分とした先発薬の商品名は販売される国によって異なりますが効果は同じです。
日本ではディフェリンゲルの名でも知られるアダフェリンを先発薬としたニキビ治療薬の有効成分として配合されています。
- アダパレンが配合されているニキビ治療薬
- 先発薬:ディフェリンゲル(ガルデルマ)
- 先発薬:アダフェリン(ガルデルマ)
アダパレンの副作用
副作用
皮膚乾燥、皮膚不快感、皮膚剥脱、紅斑、そう痒症などが生じることがあります。
副作用の症状 | 発現数 | 発現率 |
---|---|---|
皮膚乾燥 | 305例 | 56.1% |
皮膚不快感 | 259例 | 47.6% |
皮膚剥脱(鱗屑) | 182例 | 33.5% |
紅斑 | 119例 | 21.9% |
そう痒症(痒み) | 72例 | 13.2% |
湿疹 | 11例 | 2.0% |
ざ瘡 | 7例 | 1.3% |
接触性皮膚炎 | 7例 | 1.3% |
皮膚刺激 | 6例 | 1.1% |
アダパレンの主な副作用は、塗布部の乾燥、不快感、落屑、紅斑、かゆみなど、皮膚にあらわれる軽度な症状です。これらの副作用は、アダパレンの働きで角質層が薄くなり、刺激に対する防御力が低下することで発生すると考えられています。
副作用の大半は治療の開始から1ヶ月程度まで発症しやすくなる一過性の症状で、アダパレンの塗布を続けていくうちに自然と解消され発症率も低下していきます。肌の保湿を行ってからアダパレンを塗ることで副作用を軽減できます。
特に使い始めの1~2週間に刺激感や肌の赤みがみられることがあります。刺激感などの症状は薬効によるものとされており、基本的にはそのまま使用を続けましょう。ヒリヒリとした強い刺激感や塗布部が傷になってしまう場合は、使用を中止してください。しばらくしても刺激感が収まらない場合は医師に相談しましょう。
- 使用上の注意
- 目や唇、小鼻などのデリケートな部位やその他粘膜面にはアダパレンを塗らないでください。切り傷やすり傷、湿疹がある皮膚に対しても同様です。万一、薬液が触れた場合には、速やかに水で洗い流してください。
顔面以外の部位における安全性は確立されていません。胸部や背中のニキビには使わないでください。 - ニキビと似た皮疹である結節および嚢腫(のうしゅ)には、アダパレンは効果を示しません。医療機関を受診して、外科的切除など適切な処置を受けてください。結節はエンドウ豆大、嚢腫はアズキ大の隆起した皮疹です。
アダパレンによる治療を行っている最中には、日光や日焼けマシーンなどによる過度な紫外線への暴露は避けてください。
- 使用に注意が必要な人
- 特にありません。
- 併用注意薬
- アダパレンとの相互作用がある特定の薬はありません。他の外用剤と併用する場合には、刺激感が強まるおそれがありますので注意してください。アダパレンとの併用に注意が必要な外用剤としては、イオウ、レゾルシン、サリチル酸を含む薬剤、薬用または研磨剤を含有する石鹸・洗剤、乾燥作用が強い石鹸、化粧品、ピーリング剤、香料やアルコールを含有する薬剤などが挙げられます。