タムスロシンが配合されている通販商品
タムスロシンの禁忌事項
下記に該当する方はタムスロシンを使用しないでください。
- タムスロシンに対して過敏症をおこしたことがある
タムスロシンでは発疹や全身の痒みなど過敏症の副作用が報告されています。過去にタムスロシンを使用した際、過敏症が出た経験のある方は使うことができません。
タムスロシンの働きと効果
- 効能・効果
- 前立腺肥大症に伴う排尿障害
- (1) 前立腺や膀胱の筋肉を弛緩させます。
一般名:タムスロシン塩酸塩
前立腺肥大症の治療に使われる排尿障害治療剤です。
尿道や前立腺部への交感神経の働きを抑えて尿道の抵抗を軽減することで、排尿困難や頻尿、膀胱の蓄尿機能低下による頻尿を改善する効果があります。
肥大化した前立腺の筋肉が過剰に収縮することで尿道が強く圧迫されると、排尿量が減り残尿感などの症状があらわれます。頻尿は肥大化した前立腺に膀胱が圧迫されたり、膀胱の筋肉が必要以上に収縮することで発症します。
前立腺や膀胱の表面には、交感神経から放出される筋肉を収縮させる物質(アドレナリン)を受け取るα1受容体という器官があります。α1受容体へアドレナリンが受け渡されるのを防ぐ働きをするタムスロシンのような排尿障害改善薬は、α1受容体遮断薬とも呼ばれています。
タムスロシンは、前立腺や膀胱の病変部位に対して選択的に効き目を発揮する世界初のα1受容体遮断薬です。前立腺肥大症の治療に用いられていた従来の類似薬は、全身の血圧を下げるなど病変を起こした部位以外に多くの影響を与え、起立性低血圧(めまい・ふらつき)などの副作用を招きやすいという難点がありました。病変部位への選択性が高いタムスロシンは、従来の類似薬よりも安全性が高い前立腺肥大症治療の選択肢としても知られています。
タムスロシンは、1980年に山之内製薬(現:アステラス製薬)が発見した排尿障害改善薬です。日本では1993年から販売が開始され、現在では世界90ヵ国以上で利用されています。
タムスロシンが筋肉や血管を収縮させる交感神経からの伝達をブロックします。
筋肉を収縮させるアドレナリンとα1受容体の結合をタムスロシンが阻害して、排尿困難や頻尿など排尿障害を解消します。アドレナリンと結合するα1受容体には種類があり、α1A受容体、α1B受容体、α1D受容体の3つに分けられています。この分類をサブタイプと呼びます。
タムスロシンは、3つのサブタイプの中でα1A受容体とα1D受容体のみに強く作用するため、前立腺や膀胱に対して選択的に効果を発揮します。
肥大化した前立腺は、α1A受容体が多く存在します。アドレナリンがα1A受容体と結合し、前立腺の筋肉が収縮して緊張状態になると尿道を圧迫します。タムスロシンが作用するとアドレナリンとα1A受容体の結合が阻害されます。その結果、緊張していた筋肉が緩み、尿道の圧迫が解消されます。
膀胱には、α1D受容体が存在しています。アドレナリンがα1D受容体と結合すると膀胱の筋肉が緊張状態になるため、刺激を感じ取りやすくなり頻尿などの排尿障害が起きます。タムスロシンがα1D受容体にも働き、アドレナリンとの結合を阻害します。膀胱の筋肉が緊張状態から解放されるため、刺激の感じやすさが元に戻ります。
α1受容体は、前立腺や膀胱だけでなく血管にも存在する受容体です。前立腺や膀胱と血管では存在するα1受容体の割合に差があり、血管にはすべてのサブタイプがバランス良く存在しています。
従来のα1受容体遮断薬ではすべてのα1受容体に働いていました。しかし、タムスロシンはα1A受容体とα1D受容体に対して強く作用するため、α1A受容体とα1D受容体が多く存在する前立腺や膀胱を選択して作用します。
タムスロシンの臨床成績では77%の排尿障害が解消しました。
排尿障害を解消するタムスロシンの効果は、前立腺肥大症を有する276名の患者を対象に行われた臨床試験*で認められたものです。臨床試験は、タムスロシン0.2mgカプセルを1日1回服用し、一定の期間での排尿障害改善率を検証するものでした。
有用とされる中等度以上の改善が確認された割合は37.3%となりました。その後、長期服用に関する臨床試験も行われ、18ヶ月以上の投与で約77%に排尿障害の解消が確認されました。これらの臨床試験からタムスロシンの有用性が認められ、前立腺肥大症の治療薬として承認を受けました。
※出典:リンク先、販売名:ハルナールD錠0.1mg/ハルナールD錠0.2mgのインタビューフォームを参照
ハルナールを先発薬とする前立腺肥大症の薬の有効成分として配合されています。
タムスロシンの副作用
副作用
めまい、ふらふら感、胃部不快感などが生じることがあります。
重大な副作用
意識喪失、肝機能障害、血圧低下、失神。
以下はハルナールD錠のインタビューフォーム*に記載されていた副作用の発現率です。
副作用の症状 | 発現数 | 発現率 |
---|---|---|
めまい | 13例 | 0.28% |
胃不快感 | 10例 | 0.21% |
ふらふら感 | 8例 | 0.17% |
ふらつき感 | 5例 | 0.11% |
下痢 | 4例 | 0.08% |
ALT(GPT)上昇 | 4例 | 0.08% |
頭重感 | 3例 | 0.06% |
発疹 | 3例 | 0.06% |
全身倦怠感 | 3例 | 0.06% |
血中クレアチニン上昇 | 3例 | 0.06% |
タムスロシンの副作用には、めまい、ふらふら感 、立ちくらみ、頭痛、眠気といったものがあります。タムスロシンが血管に作用して血圧の低下を引き起こす可能性があるため、これらの副作用が発現する場合があります。その他の副作用には、胃不快感、かゆみ、発疹、蕁麻疹なども確認されています。
タムスロシンは、前立腺や膀胱に対する選択性が高い成分ですので、血圧低下の発症率はとても低くなっていますが、めまいやふらふら感が起きている状態で自動車の運転や、高いところに登るのは危険を伴います。副作用がみられる場合には、自動車の運転や高所での作業を控えましょう。
タムスロシンと飲み合わせが良くない薬には、血圧降下剤、PDE5阻害薬(シルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィルなど)があります。高血圧症の治療薬やED治療薬を服用中の場合は、必ず医師に相談してください。
- 使用に注意が必要な人
- <起立性低血圧のある患者>
起立性低血圧とは、起き上がったり、立ち上がったりした時に急な血圧の低下が生じる状態です。タムスロシンが有するα1受容体遮断作用が、起立性低血圧を引き起こすおそれがあります。 - <重篤な肝機能障害のある患者>
上記疾患に該当する場合、血圧の低下が生じるおそれがあります。タムスロシンは肝臓で代謝を受けます。代謝機能の低下が予想される肝臓に重い障害のある方では、タムスロシンの血中濃度が上昇して作用が強く出る可能性があります。 - <重篤な腎機能障害のある患者>
上記疾患に該当する場合、血中濃度の過度な上昇が生じるおそれがあります。タムスロシンは腎臓から尿へと排泄されます。腎臓に重い障害がある方では、血中からの成分の消失が滞る可能性があります。 - <高齢者>
高齢者では腎機能に低下傾向が見られます。医師の判断によるタムスロシンの投与用量の調整が必要となります。
- 併用注意薬
- <降圧剤>
高血圧症の治療に使われます。併用によって起立性低血圧が生じるおそれがあります。降圧剤を服用中の方では、立ち上がった時の血圧を調整する働きが低下している可能性があります。タムスロシンの用量を調整する必要があります。 - <PDE5阻害剤>
シルデナフィル、バルデナフィルなど。
EDの治療に使われます。併用によって低血圧が生じるおそれがあります。PDE5阻害薬の有する血管拡張作用が、タムスロシンのα遮断作用と共に降圧作用を増強するおそれがあります。
- タムスロシンと関連する成分
- シロドシン
前立腺肥大症に伴う排尿困難や頻尿を改善する新しいα1受容体遮断薬で、前立腺の筋肉を弛緩させる効果に優れており、尿路を拡げて排尿をスムーズにします。 - アリルエストレノール
男性ホルモンの働きを妨げる抗アンドロゲン作用があり、前立腺の肥大化や排尿障害など、前立腺肥大症に伴う症状の改善および治療に有効性を発揮します。