アリルエストレノールが配合されている通販商品
アリルエストレノールの禁忌事項
下記に該当する方はアリルエストレノールを使用しないでください。
- 重い肝障害または肝疾患がある
肝臓に重度の障害や疾患を抱える方がアリルエストレノールを使用した場合、肝機能障害の増悪を来すおそれがあります。アリルエストレノールが代謝を受けるのは肝臓です。肝代謝機能の低下が予想される患者がアリルエストレノールを使用することで、肝臓に負担がかかります。
アリルエストレノールの働きと効果
- 効能・効果
- 前立腺肥大症
- (1) 肥大した前立腺を縮小します。
一般名:アリルエストレノール
前立腺肥大症の治療に使われる黄体ホルモン剤です。
抗アンドロゲン薬に分類されるアリルエストレノールは、男性ホルモンの働きを阻害して前立腺の肥大を抑えたり、肥大結節を縮小する働きをします。
アリルエストレノールを継続して服用すると男性ホルモンの働きを阻害する3つの効果で前立腺の縮小を促し、圧迫を緩和して排尿障害を解消します。
前立腺肥大症は、尿道の周辺にある前立腺が肥大化することで圧迫し、尿意低下や残尿感などさまざまな排尿障害を引き起こす疾患です。
ホルモンの影響を受けやすい前立腺は、体内のホルモンバランスが乱れると内部で細胞が増殖し、肥大化が起こると考えられています。前立腺肥大症の患者に高齢者が多いことから、加齢によるホルモンバランスの変化が重要な要因であると考えられています。
男性ホルモンの働きを妨げるアリルエストレノールの抗アンドロゲン作用によって、前立腺の肥大化が抑制され、尿道の圧迫が緩和して、排尿障害の不快な症状が解消されます。
1960年に開発されたアリルエストレノールは、もともと妊娠維持作用がある成分として世界61ヵ国で利用されていました。日本でも月経や妊娠に関する症状に適応がある治療薬として利用が始まり、その後の研究でアリルエストレノールが前立腺肥大症に対しても有効であることが証明され、1990年に新たな承認を受けました。
1960年代から利用され、前立腺肥大症の治療薬としても約30年間利用され続けているアリルエストレノールは、臨床実績が豊富な成分です。
アリルエストレノールには男性ホルモンの活性を抑える3つの作用があります。
男性ホルモンの取り込みを阻害する、ジヒドロテストステロンの生産を減らす、ジヒドロテストステロンとアンドロゲン受容体の結合を阻害する3つの作用で、アリルエストレノールは肥大化した前立腺の収縮を促します。
男性ホルモンが前立腺細胞に過剰に取り込まれることで肥大化します。アリルエストレノールが体内に吸収されると、前立腺細胞に取り込まれる男性ホルモンの量を減少させます。取り込まれる量が減ることで男性ホルモンの働きが弱まります。
前立腺が肥大化してしまう原因の一つとして、ジヒドロテストステロン(DHT)による影響が挙げられます。男性ホルモンの一種であるテストステロンが前立腺に取り込まれると、5αリダクターゼと呼ばれる酵素の働きで変化して、ジヒドロテストステロンが生産されます。
アリルエストレノールは、5αリダクターゼの働きを阻害する作用によってジヒドロテストステロンの生産を抑制します。
ジヒドロテストステロンが前立腺細胞で働くには、アンドロゲン受容体と呼ばれる特殊なタンパク質と結合する必要があります。アリルエストレノールは、ジヒドロテストステロンとアンドロゲン受容体が結びつくのを阻害する作用をします。アンドロゲン受容体との結合が阻害されるとジヒドロテストステロンの働きが抑制されます。
これらの抗アンドロゲン作用で、アリルエストレノールが男性ホルモンの働きを阻害して肥大化した前立腺の収縮を促します。
アリルエストレノールの臨床成績では半数以上の患者に症状の改善が確認されました。
前立腺肥大症の患者181名を対象に行われた臨床試験*によって、アリルエストレノールの有効性が検証されました。先入観やプラセボ効果によって効果の検証が左右されないよう、二重盲検法(医師や患者に薬の特性を説明しない試験方法)で臨床試験は行われました。
二重盲検法による臨床試験では、アリルエストレノール25mgを1日2回服用し、排尿障害などの症状の経過を観察しました。この結果、181名のうち53.6%にあたる97名に十分な症状の改善が確認されました。アリルエストレノールが前立腺肥大症における排尿障害の改善や前立腺収縮に有効であることが臨床試験によって認められました。
パーセリンを先発薬とする前立腺肥大症の薬の有効成分として配合されています。
- アリルエストレノールが配合された前立腺肥大症の薬
- 先発薬:パーセリン(メルクシャープ&ドーム)
- 後発薬:ゲスチン(ウォルターブッシュネル)
※出典:インタビューフォーム_F1_パーセリン錠25mg(PDF:757KB)
アリルエストレノールの副作用
副作用
性欲減退、ポテンツ低下、インポテンツ、貧血、白血球減少、胸やけなどが生じることがあります。
アリルエストレノールの主な副作用として、性欲減退や勃起障害が挙げられます。これらの副作用は、アリルエストレノールの作用で男性ホルモンが減少することに起因して起こります。男性ホルモンバランスの変化に伴って、乳房の女性化(胸が大きくなる副作用)もごく稀に報告されています。いずれの副作用も発現率は低いとされていますが、アリルエストレノールを服用する際には副作用に注意してください。
上記以外では、肝機能検査で異常を示すAST(GOT)、ALT(GPT)、LDH 、ビリルビン値といった数値の上昇などが副作用として確認されています。その他では動悸、息切れ、倦怠感、不快感、吐き気などの症状がアリルエストレノールの副作用としてごく稀に確認されています。
- 使用に注意が必要な人
- <心疾患・腎疾患またはその既往歴のある患者>
上記疾患に該当する場合、症状の増悪を来すおそれがあります。アリルエストレノールが水や電解質の代謝に影響を及ぼして、ナトリウムまたは体液の貯留が生じることがあります。心臓や腎臓に疾患がある場合には、悪影響が及ぼされる可能性があります。 - <ポルフィリン症の患者>
ポルフィリン症とは、皮膚や血液、肝臓などにポルフィリン体という物質が蓄積する遺伝性の疾患です。アリルエストレノールの含まれる黄体ホルモンにはポルフィリン体およびその代謝物の排泄遅延によって症状を悪化させることが報告されています。
- 併用注意薬
- 相互作用が心配される併用注意薬は特に設定されていません。
- アリルエストレノールと関連する成分
- シロドシン
前立腺肥大症に伴う排尿困難や頻尿を改善する新しいα1受容体遮断薬で、前立腺の筋肉を弛緩させる効果に優れており、尿路を拡げて排尿をスムーズにします。 - タムスロシン
前立腺や膀胱の病変部位に選択的に効き目を発揮するα1受容体遮断薬です。アドレナリンとα1受容体の結合を阻害して排尿障害の症状を改善します。 - シプロテロン
皮脂の過剰分泌を招く男性ホルモンの活性化を抑える人口の黄体ホルモンです。避妊効果もある低用量ピルに配合されておりますが、同成分を配合したピルはニキビ治療に用いられています。 - ドロスピレノン
人工黄体ホルモンの中でも天然の黄体ホルモンに近い薬理学的特徴を持っています。低用量ピルの有効成分として用いられることが多く、月経困難症の治療などに使われます。 - レボノルゲストレル
黄体ホルモンと同様の作用を持っている人工ホルモンです。女性ホルモンの分泌をストップさせることで妊娠を阻止する働きをする緊急避妊薬に用いられています。 - デソゲストレル
避妊を目的とした低用量ピルなどに配合される黄体ホルモン剤です。第3世代のピルに使われています。精子の侵入を阻む、排卵を抑制する、着床を阻害する3つの働きで妊娠を防ぎます。 - ノルゲストレル
更年期障害などエストロゲン欠乏症に伴うホルモン補充療法に使われる黄体ホルモン剤(プロゲスチン)です。通常、卵胞ホルモン剤であるエストラジオールと併せて用いられます。