ルパフィンの飲み方「いつ飲む・長期服用・アルコールの影響」について
ルパフィンは花粉症やアレルギー性鼻炎、蕁麻疹などのアレルギー症状を和らげるための抗ヒスタミン薬であり、その効果を最大限に発揮させるためには正しい飲み方が重要です。
本記事では、ルパフィンの基本的な服用方法から、増量の際の注意点、飲み忘れた場合の対応、アルコールや他の薬との併用についてまで、ルパフィンをより効果的に、かつ安全に使用するための指針を提供します。
特に、ルパフィンの効果を最適化するための飲み方、シーズン前からの服用の重要性、日常生活での注意点など、服用する上でのポイントを詳しく解説していきます。
ルパフィンの飲み方(用量・用法)
下記の用量を守って、水またはぬるま湯と一緒に服用してください。
1回の用量 | 1錠 (ルパタジンとして10mg) |
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1日の服用回数 | 1回 |
ルパフィンは、有効成分ルパタジンとして1回10mgを1日1回服用します。
1回あたりの用量は、症状に応じて最大20mg(2錠)にまで増やすことが可能です。
通常用量では症状を改善できなかった場合は、医師の判断のもとで増量を試みてください。
増量した場合でも、ルパフィンの服用は1回で行ってください。
ルパフィンは持続性に優れていますので、分けて服用すると血中濃度が高い状態が長時間続いてしまいます。
ルパフィンを2回に分けて服用した場合の安全性は確認されていませんので、用量に関わらず1日1回の服用回数は守りましょう。
2錠に増やしても薬が効きづらい場合には、別の抗ヒスタミン薬への切り替えで症状が改善される場合もあります。
飲み過ぎてしまった場合
ルパフィンを服用する場合、1回の最大用量は20mgです。この用量を超えて服用してしまった場合には、医師または薬剤師に相談してください。
ルパフィンの臨床試験では、ルパタジン40mgもしくは80mgの投与で「中枢抑制」が認められています。
中枢抑制とは、思考力や判断力といった脳の働きが鈍くなった状態のことです。
具体的には、頭がボーっとする、眠く感じる、集中力が維持できない、といった症状が出やすくなります。
このような状態では、日常生活のあらゆる局面から事故に発展するおそれがあります。
薬の効果が切れるまで(丸1日程度)は、乗り物の運転を控えるのはもちろんのこと※、火や包丁を使う料理などにも十分に注意しましょう。
※用量に関わらずルパフィンの使用時には、自動車の運転など危険を伴う機械の操作を禁止するべき旨が添付文書に記載されています。
花粉症の治療ではシーズン前からの服用が推奨される
花粉症の治療では、症状が出る前に薬を服用することが推奨されています。
仮に2~5月にかけて流行することが多いスギ花粉であれば、1月末あたりからルパフィンの服用を始めるのが良いでしょう。
花粉症は症状が出始めると、どんどん悪化していく傾向があります。炎症によって粘膜が過敏になっていくためです。
あらかじめルパフィンを飲んでおくことで花粉症の発症を遅れさせ、重症化を防ぐことが可能です。
長期服用が可能なルパフィンは、花粉症のシーズンが終わるまで飲み続けられます。
ルパフィンを花粉症治療に使用する場合は、シーズン前からシーズン終了まで服用を継続すると良いでしょう。
副作用の眠気が生じて継続的な服用が辛い場合には、眠気がおこりづらい別の薬に切り替えるのがおすすめです。
いつ飲む?服用するタイミング
ルパフィンを服用するタイミングについては、特に指定されていません。1日のうち好きなタイミングで服用できます。
ただし、ルパフィンを飲んだ後は眠気が生じることがあるので、就寝前の服用がおすすめです。
また、毎日バラバラのタイミングではなく、なるべく決まった時間に飲んでください。
服用間隔が24時間に近くなるように服用すると良いでしょう。
食前・食後は気にした方が良い?
ルパフィンは、食事による影響をほとんど受けない医薬品です。
服用するタイミングが、空腹時でも食事の前後であっても得られる効果は変わりません。
そのため、食前、食後、空腹時のいずれのタイミングでも問題なく服用できます。
長期服用しても問題ない?
ルパフィンの発売前に行われた長期投与試験では、最長52週(約12ヶ月)まで安全に服用できることが確認されています。
花粉の飛散が多くなる時期は長くても3~4ヶ月間ほどです。その間、毎日ルパフィンを服用しても問題ありません。
ただし、ルパフィンの添付文書には「効果が認められない場合には、漫然と長期にわたり投与しないように注意すること」との記載があります。
一向に症状が改善しない場合には、やみくもにルパフィンの服用を続けてはいけません。
ルパフィンが効かないのであれば、「用量を増やす」「別のアレルギー薬に切り替える」などの対策が必要となります。
医師や薬剤師に相談して適切な処置を行ってください。
アルコールや他の薬との飲み合わせについて
ルパフィンとの併用に注意を要するものとして、添付文書には以下の3つが記載されています。
- CYP3A4阻害剤
- アルコール
- グレープフルーツジュース
CYP3A4阻害剤とは、その名の通りCYP3A4という体内酵素を阻害する薬です。抗生物質や抗真菌薬、胃腸薬、ピルなどがあります。
CYP3A4は、主に薬物代謝に関わっています。
ルパフィンの有効成分ルパタジンも、ほとんどがCYP3A4によって代謝されます。
ルパフィンとCYP3A4阻害剤を併用すると、ルパタジンの代謝が阻害されて血中濃度が上昇するおそれがあります。
血中濃度が必要以上に上昇すると、副作用のリスクが高くなるので注意が必要です。
現在、ルパフィンの他に服用している薬がある場合は、医師または薬剤師に相談してください。
アルコールとの飲み合わせは眠気などの副作用を増強させる
ルパフィンとアルコールの飲み合わせによって、眠気などの副作用が強くなることがあります。
ルパフィンとアルコールは、どちらも中枢神経を抑制する作用を有しています。
同時に摂取することで中枢神経抑制作用が増強し、眠気や倦怠感などの副作用が出やすくなります。
ルパフィンの服用中は飲酒を避けた方が良いでしょう。
グレープフルーツジュースとの飲み合わせは成分濃度の過度な上昇を招く
グレープフルーツジュースは、CYP3A4阻害剤のようにルパタジンの代謝を抑制する可能性があります。
グレープフルーツに含まれるフラノクマリンという成分がCYP3A4の働きを邪魔するためです。
実際にルパタジンとグレープフルーツジュースの同時摂取によって、ルパタジンの血中濃度が上昇したと報告されています。
同じ柑橘類でもみかんやオレンジ、レモンなどにはフラノクマリンが含まれていないので、ルパフィンの服用前後に食べても大丈夫です。
頭痛薬・胃薬・ピルなど日常的に使う薬との飲み合わせは?
日常的に使うことのある薬として、頭痛薬や風邪薬との併用は問題ありませんが、胃腸薬やピルとの併用には注意が必要です。
胃腸薬やピルには、ルパフィンとの併用注意薬であるCYP3A4阻害剤に該当する成分が含まれていることがあります。
要注意な成分は「シメチジン」と「エチニルエストラジオール」です。
シメチジンは病院で処方される胃薬に配合されている成分であり、エチニルエストラジオールは低用量ピルのほとんどに配合されています。
- シメチジンが配合されている胃腸薬
- シメチジン錠、カイロック、タガメットなど
- エチニルエストラジオールが配合されているピル
- アンジュ、トリキュラー、マーベロン、ヤーズ、ルナベルなど
病院処方の胃腸薬もしくは低用量ピルを使用している方は、ルパフィンの服用前に医師に相談してください。
ルパフィンの飲み方まとめ
ルパフィンの適切な服用方法を理解し、適切に使用することで、花粉症やその他のアレルギー症状の緩和を効果的に図ることができます。
1日1回、用量を守りながら水またはぬるま湯で服用することが基本です。症状が重い場合は、医師の指導の下で用量を増やすことも可能ですが、1日の服用回数は1回を守る必要があります。また、服用タイミングは特に指定されていませんが、眠気が生じる可能性があるため、就寝前の服用が推奨されます。
さらに、花粉症のシーズン前からの服用を始めることで、症状の発症や悪化を防ぐことができます。アルコールや他の薬との併用には注意が必要であり、特にCYP3A4阻害剤やアルコール、グレープフルーツジュースとの併用は避けるべきです。
ルパフィンの服用に際しては、これらのポイントを念頭に置き、必要に応じて医師や薬剤師に相談することが重要です。