ビルダグリプチンが配合されている通販商品
ビルダグリプチンの禁忌事項
下記に該当する方はビルダグリプチンを使用しないでください。
- ビルダグリプチンに対して過敏症を起こしたことがある
- 糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡、1型糖尿病の患者
- 重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者
- 重度の肝機能障害のある患者
糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡、1型糖尿病の患者の場合は、体内でインスリンがほとんど、または全く効かない状態になっています。迅速に血糖を下げるには、ビルダグリプチンのような薬では対応できません。直接的にインスリンを補充できるインスリンの注射が適切です。
重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者は、体が要求するインスリンの量が非常に多いため、ビルダグリプチンだけでは十分な効果を発揮できません。これらの患者にはより直接的かつ迅速に血糖をコントロールできるインスリンの使用が必要です。
重度の肝機能障害のある患者の場合、体内でビルダグリプチンが適切に処理されない恐れがあります。薬物を処理する肝臓の働きが悪ければ、副作用のリスクが高まるからです。
ビルダグリプチンの働きと効果
- 効能・効果
- 2型糖尿病
一般名:ビルダグリプチン
ビルダグリプチンは、2型糖尿病の治療に使用される薬剤で、主に血糖値のコントロールを改善することを目的としています。この薬は、DPP-4(ジペプチジルペプチダーゼ4)阻害剤というクラスに属しており、体内のインスリンの作用を助け、高血糖を抑制する作用があります。
ビルダグリプチンの働きの核心には、インクレチン系のホルモン機能を強化することがあります。インクレチンホルモン、特にGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)とGIP(グルコース依存性インスリノトロピックペプチド)は、食事によって腸から分泌され、血糖値の上昇に応じてインスリンの分泌を刺激し、同時に血糖値を下げる役割を持っています。しかし、これらのインクレチンはDPP-4という酵素によって迅速に分解されます。
ビルダグリプチンは、このDPP-4酵素の活動を阻害し、インクレチンの分解を抑制します。その結果、インクレチンの血中濃度が増加し、より長時間インスリンの分泌を促進し、肝臓における糖新生を抑制することで、全体として血糖値の安定に寄与します。
ビルダグリプチンの効果には、主に2つの大きな利点があります。第一に、食後の高血糖を効果的に抑制すること。第二に、インクレチンの作用の延長により、食間における低血糖のリスクを減少させることです。
ビルダグリプチンが食後の高血糖を効果的に抑制
ビルダグリプチンは、食後の高血糖を効果的に抑制します。これはインクレチンというホルモンの作用を延長させることによって達成されます。インクレチンは食事によって分泌され、膵臓に作用してインスリンの分泌を促進し、血糖を下げます。ビルダグリプチンはこのインクレチンの分解を抑えることで、その効果を長く持続させ、食後の血糖上昇を抑制するのです。
研究結果を見てみると、ビルダグリプチンは食後のトリグリセライドのリッチリポプロテイン粒子を減少させる効果が確認されています。これは、食後に高くなりがちな血中の脂質値を改善することにもつながります。また、ビルダグリプチンは食後のインスリンの分泌を促進し、血糖の急激な上昇を抑えることが示されています。これにより、糖尿病患者の血糖コントロールが改善されると報告されています。
これらの効果は、ビルダグリプチンがインクレチンの効果を強化し、インスリン分泌を促進することで、食後の高血糖を効果的に抑制することを示しています。
ビルダグリプチンで食間における低血糖のリスクが減少
ビルダグリプチンはインクレチンというホルモンの作用を延長させることで、糖尿病患者の血糖管理を助けます。インクレチンは食事後に膵臓がインスリンを放出するのを助ける一方で、必要以上に血糖が下がるのを防ぐためにグルカゴン(血糖を上げるホルモン)の放出を減らす働きがあります。
ビルダグリプチンによるインクレチンの作用の延長は、食事の間の時間においても血糖を安定させる効果があります。つまり、ビルダグリプチンは、インスリンの分泌を適切に調節しながら、低血糖になりにくくするため、グルカゴンの放出を抑えることで低血糖のリスクを減少させます。
研究では、ビルダグリプチンがグルカゴンの分泌を抑制することで高血糖を抑える一方で、低血糖時にはその抑制作用が弱まり、必要に応じてグルカゴンが放出されることで血糖が安定すると示されています。これにより、ビルダグリプチンは特に食間における低血糖のリスクを効果的に減少させるとされています。
ビルダグリプチンの副作用
重大な副作用
肝炎・肝機能障害、血管浮腫、低血糖、横紋筋融解症、急性膵炎、腸閉塞、間質性肺炎、類天疱瘡(いずれも頻度不明)
副作用(5%以上)
なし
肝炎や肝機能障害は、肝臓の働きが悪くなることを示しており、肝臓の酵素の数値が高くなることが特徴です。肝機能の異常が見られた場合は、直ちに治療を中止し、医師の診断を受ける必要があります。
血管浮腫は、特に顔や手足などの体の部分が腫れる状態を指します。これは、血液の流れが悪くなることで起こり、ときに呼吸困難を引き起こすことがあります。
低血糖は、血糖値が異常に低くなる状態を指し、意識不明に陥ることもあります。特に、他の血糖降下薬と併用する場合のリスクが高まります。低血糖の初期症状としては、発汗、震え、動悸、不安、判断力の低下、眠気などがあります。これらの症状が現れた場合、速やかに糖分を摂取し、必要に応じて医師の診察を受けることが重要です。
その他、発生頻度が5%未満の軽微な副作用
神経系の副作用として、めまいや振戦(体の部分が自然に震えること)が報告されています。これらは日常生活に影響を与える可能性があるため、感じた場合は注意が必要です。心臓に関連する副作用としては、動悸があります。これは心拍が異常に速く感じられる状態で、不快感や不安を感じることがあります。血管に関しては、高血圧のリスクが指摘されています。高血圧は他の健康問題を引き起こす原因となるため、定期的な血圧チェックが推奨されます。
症状が多く報告されているのが胃腸障害です。便秘、腹部膨満、悪心、下痢、消化不良、胃食道逆流性疾患などが見られることがあります。これらの症状は食欲不振や体重の変化、胃や腸の不快感や痛み、胃酸の逆流など、さまざまな消化器症状が現れることがあります。
肝胆道系においては、ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)、AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)などの酵素の増加が見られることがあり、これは肝機能障害の可能性を示唆しています。
筋骨格系の問題としては、関節痛があり、日常の動作に影響を及ぼすことがあります。皮膚に関する副作用としては、湿疹や蕁麻疹などの皮膚の発疹やかゆみが起こることがあります。これらは見た目の問題だけでなく、不快感を伴うこともあります。その他、空腹感、無力症、体重増加などの全身的な影響も報告されています。
ビルダグリプチンの併用注意薬と禁忌
次に当てはまる方はビルダグリプチンを使用する前に医師に相談してください。
- 心不全(NYHA分類III~IV)のある方
- 低血糖を起こすおそれのある以下の方、または状態
- 脳下垂体機能不全又は副腎機能不全
- 栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足又は衰弱状態
- 激しい筋肉運動
- 過度のアルコール摂取者
- 腹部手術の既往又は腸閉塞の既往のある方
- 中等度以上の腎機能障害のある患者又は透析中の末期腎不全患者
- 重度の肝機能障害のある患者、肝機能障害のある患者
- 妊婦、授乳婦、小児等
- 高齢者
- 併用注意薬
- 糖尿病用剤:
スルホニルアミド系及びスルホニルウレア系薬剤、ビグアナイド系薬剤、インスリン製剤、チアゾリジン系薬剤、α-グルコシダーゼ阻害剤、速効型インスリン分泌促進剤、GLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害剤、イメグリミン - その他の薬剤:
β-遮断剤、サリチル酸剤、MAO阻害剤、フィブラート系薬剤