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足白癬(水虫)がよくわかる疾患ガイドページ

足白癬、一般に「水虫」として知られるこの疾患は、足の皮膚に白癬菌が感染することにより発生します。かゆみ、赤み、皮膚の剥がれなど、不快な症状を引き起こすこの感染症は、特に足の指の間や足の裏に見られます。湿度が高く温暖な環境を好む白癬菌は、公共の浴場やプールなど、多くの人が裸足で歩く場所で容易に他人に伝播します。

本ガイドでは、足白癬の原因、症状の特徴、予防策、効果的な治療法について詳しく解説。皮膚感染症を理解して、適切に対処するための情報を提供します。

足白癬(あしはくせん/水虫)とは?

足白癬(水虫)は、主に足に発生する皮膚感染症で、皮膚の表層を好む白癬菌(一種の真菌)によって引き起こされます。この病気は非常に一般的で、感染力が高いため、公共の浴場、プール、更衣室などの湿った環境で容易に広がります。日本皮膚科学会の「皮膚真菌症診療ガイドライン」によれば、現在、日本では人口の約21%が足白癬を患っているとされています。その総数は2,500万人を超え、非常に多くの方が悩まされています。

水虫の症状には、皮膚の赤み、かゆみ、ひび割れ、皮膚の剥がれ、時には水ぶくれが含まれます。感染は主に足の指の間で見られますが、足の裏や側面、爪に感染することもあります。感染した足から手や他の身体部位に広がることもあるため、感染している場合は手洗いを徹底することが大切です。

治療には、抗真菌薬を含むクリームやスプレーが用いられます。症状が軽度の場合は市販の抗真菌剤で効果が見られることもありますが、症状が重い場合や爪に感染している場合は、医師の診察と処方が必要になることがあります。再発を防ぐためには、足を清潔に保ち、乾燥させることが重要です。特に公共の場では、直接床に足をつけないようにし、水虫の感染リスクを低減させるための予防策を講じましょう。

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足白癬の症状は主に3つのタイプに分けられる

足白癬は「かゆみが強い」と思われがちですが、必ずしも自覚症状を伴うわけではありません。自身の発症に気づかないまま放置して、水面下で症状が進行している場合も多いです。発症部位によっては、水ぶくれや皮膚の硬化など、幅広い病変を示します。

典型的な足白癬の症状は、以下の3タイプに分類されます。

  1. 趾間型(しかんがた)
  2. 小水疱型(しょうすいほうがた)
  3. 角質増殖型(かくしつぞうしょくがた)

それぞれの水虫のタイプによって、現れる症状や部位が大きく異なります。

①趾間型:指の間に皮むけやかゆみがおきる

指の間の皮膚がむけて赤みを帯びたり傷ができるタイプの足白癬を「趾間型」といいます。白くふやけた皮膚がむけて炎症がおこります。かゆみが強いタイプの症状で、患部を引っかいたりすると悪化し、傷が深くなります。蒸れやすい夏場に起こりやすく、乾燥しやすい冬には症状が治まります。

趾間型は、比較的軽度といえる状態の水虫です。外用薬の塗布だけで治療が可能であり、完治までの期間も短いです。状態によってはかゆみや痛みが強まるため、症状ごとの治療薬を併用する必要もあります。

②小水疱型:足裏などに小さな水ぶくれができる

足の裏に小さい水ぶくれができるタイプを「小水疱型」といいます。主に土踏まずのあたりを中心にポツポツと症状があらわれます。白癬菌の増殖で傷ついた皮下組織から水分とたんぱく質が液体として溜まります。水ぶくれに不快な症状はありませんが潰れると皮膚が裂けて傷になります。蒸れやすい夏場に起こりやすく乾燥しやすい冬には症状が治まります。

小水疱型も比較的軽度ですが、趾間型に比べると治療期間が長くなる傾向があります。特に水ぶくれが潰れていると、治りが悪くなります。なるべく潰さないように注意が必要です。

③角質増殖型:かかとを中心にカサつきが見られる

かかとを中心に足の皮膚が分厚く硬化し、はがれた角質が粉のように舞うタイプの足白癬を「角質増殖型」といいます。白癬菌の増殖で角質が異常増殖し、分厚く硬い皮膚に覆われます。かゆみはほとんどありませんが硬くなった肌に亀裂が入ると痛みを感じるようになります。乾燥しやすい冬場に悪化しやすい水虫です。

角質増殖型は比較的重症度の高い水虫といえます。分厚く硬くなった皮膚は薬が浸透しづらいため、内服薬を使った治療が必要になる場合もあります。

付着した白癬菌が皮膚の角層に侵入する

足白癬の主な原因は、足に付着した白癬菌の感染です。白癬菌は真菌の一種です。角質を構成するケラチンを栄養源に増殖し、水虫を引き起こします。主な感染は、水虫患者から剥がれ落ちた皮膚に触れることで起こります。付着した白癬菌は、24時間ほど経過すると肌の角質層に侵入し、増殖を始めます。

白癬菌はケラチンがある場所ならどこでも感染します。感染力が高まる条件を満たすと足の皮膚の他に手や爪、髪にも感染し、症状を引き起こします。自分の患部からはがれた皮膚がそのまま水虫の原因となるため、注意して適切な処理を心がけましょう。

高温多湿な環境は白癬菌の感染力を高める

白癬菌の感染力は高温多湿な環境で高まります。湿度70%以上、温度15℃以上という条件を満たすと活発に増殖し、感染力が強まります。特に重要なのが湿度です。湿度が100%の状況だと、半日程度で角質層への侵入を開始します。そのため、気温が上がり、湿度が高まる梅雨の時期から患者が増加します。

身近な高温多湿な環境といえば、靴や靴下の中です。足に白癬菌が付着した状態で靴や靴下を長時間履いていると、白癬菌が活発に増殖します。自分の角質が溜まる場所でもあるため、靴や靴下の中は白癬菌と非常に相性のよい場所です。

白癬菌の主な感染は、水虫患者から剥がれた角質が付着することで起きます。バスマットやスリッパ、畳などを不特定多数で使用すると足に白癬菌が付着しやすくなります。

足白癬は主に広範囲に塗布できる抗真菌薬を使って治療する

足白癬(水虫)の治療に有効な抗真菌薬
ケトコナゾール
細胞膜のエルゴステロールの生合成を阻害する成分です。感染している真菌の生命活動を阻害して除去する効果があります。日本では脂漏性皮膚炎に対する適応が唯一認められている抗真菌薬です。
テルビナフィン
真菌の細胞膜に必須な成分の合成を妨げます。感染している真菌の生命活動を阻害して除去する効果があります。外用薬と内服薬どちらでも使える抗真菌薬です。
イトラコナゾール
真菌の生命活動に必要なエルゴステロールの生成を阻害します。優れた持続力で真菌の活動を抑制して殺菌する抗真菌薬です。
ミコナゾール
真菌の細胞膜に必要な成分の合成を妨げます。感染菌の生命活動を阻害します。細菌にも効果を示す幅広い適応を持つ抗真菌薬です。
ケトコナゾールが配合されている商品
ニゾラールクリーム
足白癬(水虫)に効く抗真菌薬です。患部に塗ることで白癬菌を殺菌します。薬剤耐性の心配がなく白癬菌を確実に除去できます。
デノンソープ
水虫にも使える医薬品の石鹸です。配合されたケトコナゾールが白癬菌を除去します。週1~2回の使用で患部の不快感を改善します。
テルビナフィンが配合されている商品
ラミシールクリーム
クリームタイプの抗真菌薬です。浸透力が高く、皮膚表面に起きる足白癬(水虫)を短期間で治療できます。シンプルな使い勝手の医薬品です。
ラミシールスプレー
スプレータイプの抗真菌薬です。白癬菌を除去し、皮膚表面に起きる足白癬(水虫)を短期間で治療します。ワンプッシュで患部に薬を塗布できます。
ラミシール錠
内服薬タイプの抗真菌薬です。身体の内側から効くのでさまざまな場所に感染した白癬菌を除去できます。爪水虫にも有効な医薬品です。
イトラコナゾールが配合されている商品
スポラノックス
内服薬タイプの抗真菌薬です。日本ではイトリゾールという名前で販売されています。長い持続性を利用したパルス療法を行えます。重度の水虫にも有効な医薬品です。
ミコナゾールが配合されている商品
ミコゲルクリーム
クリームタイプの抗真菌薬です。1日2~3回の塗布で足白癬(水虫)の不快症状を解消します。併発しやすい足の悪臭にも役立つ医薬品です。

足白癬の治療では、主に外用薬タイプの抗真菌薬が使われます。足白癬は、自然に治癒しない疾患です。原因となる白癬菌を完全に除去できなければ完治しません。白癬菌の増殖が皮膚の入れ替わりよりも速いため、放置すると感染が拡大します。そのため、足白癬の治療では、患部の白癬菌の増殖を抑制する外用薬が使われます。

足白癬の治療は、発症している患部以外の皮膚の治療も欠かせません。白癬菌の感染は、患部よりも広い範囲で起こります。症状がない皮膚でも白癬菌が感染している恐れがあり、患部のみを治療すると残った菌が増殖してすぐに再発します。効率よく白癬菌を除去するには、患部よりも広く抗真菌薬を塗布する必要があります。

抗真菌薬には、白癬菌を除去する働きしかないため、かゆみや痛みなどの不快な症状をすぐに改善できません。不快な症状は、白癬菌が除去されたのち、徐々に解消されていきます。また、患部の臭いのように白癬菌以外が原因の不快な症状もあります。気になる不快な症状がある場合は、他の治療薬を併用しましょう。

治療は皮膚が完全に入れ替わるまで継続する

足白癬の治療は、感染した皮膚が完全に入れ替わるまで継続する必要があります。白癬菌の感染が深部まで及んでいる場合、患部の皮膚がすべて入れ替わらないと完全に除去できない可能性があります。白癬菌が角質層に残ると、抗真菌薬の効き目が切れた際に活動を再開し、足白癬が再発します。

足の皮膚がすべて入れ替わるには、平均1ヶ月ほどかかります。足白癬の症状や新陳代謝の速度によってはさらに時間が必要となります。そのため、足白癬の症状が治まっても、治療期間が終わるまでは抗真菌薬の塗布を続けましょう。

重度の場合は内服薬が必要になることもある

重度の足白癬では、内服薬を用いた治療が必要です。足白癬には、患部がとても硬く外用薬を塗布しても十分な効果を期待できない角質増殖型のような症状があります。内服薬であれば身体の内側から全身に効果が及ぶため、十分な効果を確実に期待できます。

重度の足白癬を外用薬で治療するには、患部に別の抗真菌薬を塗布するか、浸透力を高める工夫が必要です。内服薬による治療よりも負担が増えるため、外用薬での治療を希望される場合は、一度医師に相談してから検討しましょう。

予防は清潔感を保つことが重要

足白癬の最も重要な予防法は、足を清潔に保つことです。白癬菌は肌からはがれた皮膚に潜み、足や手に付着することで感染を広げます。しかし、付着から感染まで基本的に24時間ほどの経過が必要であるため、時間内に洗い流してしまえば感染を防げます。足の洗浄は、足白癬の最も簡単な予防法です。

足の洗浄の他にはがれた皮膚が床に残らないよう掃除をしたり、靴や靴下を替えたりすることで清潔な状態を保てます。特に足に傷がある場合は、感染の速度が高まるため注意が必要です。白癬菌の付着を防ぎ、高温多湿な環境をなくすことで足白癬を予防できます。

共有物の使用はできるだけ控える

足白癬は、バスマットやスリッパ、絨毯、畳などの不特定多数が使用する共有物から白癬菌が感染して発症します。足白癬の予防には、共有物を可能なかぎり使用しないことが重要です。特に素足で触れるバスマットは使用を避ける必要があります。バスマットやスリッパなどの備品は、個別に用意して共有を避けましょう。

また、外出先で備品の共有が必要な場合は、帰宅後すぐに足を洗いましょう。その後、水気をよく拭き取って乾燥させてください。

家族と協力して予防する

足白癬の予防には、家族の協力が不可欠です。感染の拡大と再感染を予防するためにも、家族を巻き込んで水虫を治療する必要があります。自分の治療が終わっても家族に水虫患者がいれば、剥がれた皮膚によって再感染する恐れがあります。もし家族に足白癬の患者がいる場合は、必ず一緒に治療しましょう。

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