ビラスチンが配合されている通販商品
ビラスチンの禁忌事項
下記に該当する方はビラスチンを使用しないでください。
ビラスチンを含んだ薬で過敏症(薬物アレルギー)を起こしたことがある
過敏症はビラスチンに限らず、全ての医薬品において起こり得るアレルギー症状です。ビラノアなどビラスチンを含んだ薬を飲んで過敏症を起こしたことがある方は、ビラスチンを使用できません。該当する方が再度ビラスチンを摂取すると、過敏症が重症化するおそれがあります。
ビラスチンの働きと効果
- 効能・効果
- アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹、皮膚そう痒症、アトピー性皮膚炎)
- (1)花粉症など季節性の鼻炎および通年性のアレルギー性鼻炎の症状緩和に有効です。
(2)蕁麻疹、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患の症状を和らげます。
一般名:ビラスチン
アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹、皮膚そう痒症、アトピー性皮膚炎)の治療に用いられる抗ヒスタミン薬です。
アレルギー反応や炎症反応に関係するヒスタミンという化学物質をブロックし、上記疾患によるアレルギー症状を緩和します。
花粉症やハウスダストによる鼻水・鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみなどの症状に有効です。また、蕁麻疹やアトピー性皮膚炎など、かゆみを伴うアレルギー性皮膚疾患の症状も改善します。
ビラスチンは、副作用が比較的少ない第2世代の抗ヒスタミン薬です。第1世代に比べ、眠気や口の渇きが起こりにくくなっています。
第2世代抗ヒスタミン薬の中でも、ビラスチンは特に眠くなりにくいタイプとされています。臨床試験では、眠気の副作用が確認された頻度がわずか0.6%と報告されており、抗ヒスタミン薬の中でも極めて低い水準です。そのため、眠気が出にくい優れた特性を持つ薬と言えます。
一般的に、眠くなりにくい抗ヒスタミン薬は有効性がやや弱くなる傾向がありますが、ビラスチンは高い有効性が期待されています。
服用した後45分ほどで効果が現れ、その作用が1日を通して持続するため、即効性と持続性に優れています。
アレルギー症状を起こすヒスタミン受容体を限定的に阻害
ビラスチンは、アレルギー反応や炎症反応に関与するヒスタミン受容体の働きを抑制します。
ヒスタミンは、花粉やハウスダストなどのアレルギー物質(アレルゲン)による刺激によって、免疫系の細胞から放出されます。ヒスタミンが受容体に結合することで、さまざまなアレルギー症状を引き起こします。
ビラスチンは、ヒスタミンよりも先に受容体に結合することで、ヒスタミンと受容体の結合を遮断します。ヒスタミンが受容体と結合しなければ、アレルギー反応や炎症反応は起こりません。新たな症状の発生が防がれ、すでに出ている症状も次第に軽減していきます。
脳にはほとんど移行せずヒスタミンの覚醒作用をサポート
ビラスチンは、血液と脳の間にあるバリア(血液脳関門)を通過しにくい性質を持っています。脳内移行率は抗ヒスタミン薬の中でも極めて低く、脳への鎮静作用を最小限に抑えられます。
ヒスタミン受容体は体中にあり、鼻や目にある受容体が花粉症などのアレルギー症状を引き起こします。一般的な抗ヒスタミン薬は脳に入り込んでこの受容体をブロックしてしまうことがあり、その結果、眠気が出ることがあります。
抗ヒスタミン薬が脳に移動しなければ、脳内でヒスタミン受容体が阻害されなくなります。ヒスタミン受容体の覚醒作用がほぼ正常に保たれ、眠気が起こりにくくなります。
ビラスチンの効果や副作用を示した臨床データ
ビラスチンは、アレルギー症状を改善する効果や眠気に対する安全性が臨床データによって証明されています。
国内での承認に際しては、薬効に関するいくつかの臨床試験が行われています。
アレルギー性鼻炎に対する臨床データ
通年性アレルギー性鼻炎患者を対象とした臨床試験で、ビラスチンの抗ヒスタミン作用が示されました(17.1.1 国内第III相試験,医療用医薬品:ビラノア, 添付文書情報, [リンク])。
試験はビラスチン20mg、類似薬のフェキソフェナジン塩酸塩120mg、プラセボ(偽薬)を比較する形で実施されました。これら3つのグループに分け、被験者にはどの薬を飲んでいるか分からないように投与しました。
投与期間は2週間で、総合鼻症状スコアの期間平均変化量を比較しました。
総合鼻症状スコアとは、アレルギー性鼻炎の症状を評価するための指標です。鼻水、くしゃみ、鼻づまり、鼻のかゆみをそれぞれ0~4点の5段階で評価し、合計の点数でアレルギー症状の重症度を判定します。
投与の結果、ビラスチンは総合鼻症状スコアの期間平均変化量において、プラセボよりも明確に減少しました。また、差はわずかでしたが、フェキソフェナジン塩酸塩と比べてもスコアの減少が認められています。
これにより、ビラスチンがアレルギー性鼻炎の改善に有効であることが示されました。
蕁麻疹に対する臨床データ
蕁麻疹においては、慢性蕁麻疹患者を対象とした臨床試験によってビラスチンの抗ヒスタミン作用が示されました(17.1.2 国内第II/III相試験,医療用医薬品:ビラノア, 添付文書情報, [リンク])。
試験ではビラスチン20mgとプラセボ(偽薬)の比較が行われました。それぞれのグループにおいて、被験者には割り付け内容を知らせずに投与しました。
評価基準として、蕁麻疹の主症状(腫れ、かゆみ)の重症度をスコア化し、その変化量を測定しました。
2週間の投与の結果、ビラスチンはプラセボに比べ、明確に症状スコアの減少が見られました。
この結果により、ビラスチンが蕁麻疹の症状を緩和する効果が示されました。
眠気リスクに関する臨床データ
ビラスチンは、プラセボおよび第1世代抗ヒスタミン薬ヒドロキシジンとの比較試験により、自動車運転における安全性が示されています(17.3 その他 17.3.1 精神運動能に及ぼす影響 医療用医薬品:ビラノア, 添付文書情報, [リンク])。
試験では、ビラスチン20mg、ビラスチン40mg、ヒドロキシジン、プラセボを交互に投与し、自動車運転に及ぼす影響を評価しました。
結果として、ビラスチンによる自動車運転への影響はプラセボと変わらず、平常時と同様に自動車運転が可能であることが示されました。
- ビラスチンが配合されているアレルギー性鼻炎の治療薬
- 先発薬:ビラノア(大鵬薬品工業)
- 後発薬:ビラクステン(メナリーニ)
ビラスチンの副作用
副作用
頭痛、眠気、腹痛、下痢などが生じることがあります。
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー。
副作用の発症頻度
以下はビラノアの添付文書(11. 副作用,医療用医薬品 :ビラノア,KEGG DRUG,[リンク])に記載されていた副作用の発現率です。
発症頻度:1%未満
精神神経系 | 眠気、頭痛 |
---|---|
消化器 | 口渇、下痢、腹痛 |
肝臓 | AST上昇、γ-GTP上昇 |
呼吸器 | 鼻乾燥 |
発症頻度:不明
精神神経系 | めまい、不眠、不安 |
---|---|
消化器 | 胃不快感、口内乾燥、消化不良、胃炎、悪心 |
循環器 | 右脚ブロック、洞性不整脈、心電図QT延長、心電図異常、頻脈、動悸 |
肝臓 | ALT上昇 |
腎臓 | 血中クレアチニン上昇 |
呼吸器 | 呼吸困難、鼻部不快感 |
過敏症 | 発疹、そう痒症、血管性浮腫、多形紅斑 |
その他 | 耳鳴、発熱、体重増加、トリグリセリド上昇、無力症、口腔ヘルペス、食欲亢進、疲労 |
ビラスチンの主な副作用は、頭痛、眠気、腹痛、下痢などです。副作用が出現する頻度は、いずれも1%未満と少なく、重症化することは基本的にありません。
ごくまれにビラスチンに対して重いアレルギー反応を起こす可能性があります。血圧が低下してぐったりする、意識がもうろうとするなどの症状がある場合には、アナフィラキシーショックの可能性があるため、速やかに医療機関を受診してください。
ビラスチンの使用上の注意点
この項目では、ビラスチンの使用に際して特に注意が必要な方や、併用に注意すべき薬について説明します。該当する方や併用薬がある場合は、必ず医師または薬剤師に相談してください。
使用に注意が必要な人
腎機能障害患者
中等度(30≦GFR<50 mL/min/1.73 m^2)または重度(GFR<30 mL/min/1.73 m^2)の腎機能障害がある場合は、ビラスチンの作用が増強するおそれがあります。
妊婦
妊婦への使用に関する安全性は確立されていません。医師が投与によるメリットがリスクを上回ると判断した場合にのみ使用されます。動物実験では、ビラスチンが胎児へ移行することが確認されています。
授乳婦
授乳婦への使用は安全性が確立されていません。医師が治療によるメリット、母乳育児のメリット、そして投与に伴うリスクを総合的に判断し、授乳を継続するかどうかを検討します。動物実験では、ビラスチンが母乳に移行することが確認されています。
小児等
小児を対象とした十分な臨床試験は行われておらず、その安全性は確立していません。
高齢者
腎機能が低下している可能性があるため、ビラスチンの作用が強まりやすくなります。
併用に注意が必要な薬
エリスロマイシン
様々な細菌感染症の治療に使用される薬です。併用するとビラスチンの吸収率が上昇し、その作用が増強することが確認されています。
ジルチアゼム
狭心症や本態性高血圧症などの治療に使用される薬です。併用するとビラスチンの吸収率が上昇し、その作用が増強することが確認されています。
- ビラスチンと関連する成分
- セチリジン
花粉症や蕁麻疹などの症状を抑える抗ヒスタミン薬のなかでも最も強力な効き目がある成分です。作用の持続時間が長い特性もあり、アレルギー症状が発症してしまった場合に効果的です。 - フェキソフェナジン
アレルギー性鼻炎や蕁麻疹、アトピー性皮膚炎などの治療に用いる抗ヒスタミン薬です。花粉症の発症予防に適しており、眠気などの副作用が少ないことも特徴です。 - レボセチリジン
セチリジンの効き目の強さはそのままに眠気の副作用が起こりにくくなるよう改良された成分です。発症してしまった花粉症の鼻炎などの症状を強力に抑える効果に優れています。 - ロラタジン
穏やかな効き目が長時間続く抗ヒスタミン薬です。花粉症の薬の服用中によくある眠気の副作用が最も起こりづらい特性があり、眠くならないアレルギー性鼻炎の薬として重宝されています。 - オロパタジン
オロパタジンは、花粉症やアレルギー性鼻炎の症状緩和に使用される、抗ヒスタミン薬です。くしゃみ、鼻水、目のかゆみなどを軽減します。花粉症の治療薬の中でも、特に即効性の高さや効果の優位性に特徴があります。