スピロノラクトンが配合されている通販商品
スピロノラクトンの禁忌事項
下記に該当する方はスピロノラクトンを使用しないでください。
- 無尿または急性腎不全がある
- 高カリウム血症がある
- アジソン病がある
- スピロノラクトンに対して過敏症を起こしたことがある
腎機能が低下していると考えられる無尿や急性腎不全の患者は、腎機能がさらに悪化するおそれがあるためスピロノラクトンを使用しないでください。
腎機能が明らかに低下している、または高カリウム血症がある方がスピロノラクトンを使用した際に高カリウム血症を発症・増悪する可能性があります。アジソン病患者は高カリウム血症を発現しているおそれがあることから使用が禁忌とされています。
過去にスピロノラクトンを使用して過敏症が発現したことがある方は、症状が軽度であったとしても使用しないでください。
スピロノラクトンは下記の薬と併用できません。
- タクロリムス
- エプレレノン
- ミトタン
免疫抑制剤タクロリムスや降圧剤エプレレノンは、スピロノラクトンと併用することで高カリウム血症を誘発させるおそれがあることから併用禁忌に設定されています。
スピロノラクトンは副腎がん治療剤のミトタンと併用すると、ミトタンの作用を阻害してしまうため併用しないでください。
スピロノラクトンの働きと効果
- 効能・効果
- 高血圧症(本態性、腎性など)、心性浮腫(うっ血性心不全)、腎性浮腫、肝性浮腫。特発性浮腫、悪性腫瘍に伴う浮腫及び腹水、栄養失調性浮腫
- 原発性アルドステロン症の診断および症状の改善
一般名:スピロノラクトン
高血圧症の治療に使われる高血圧症・浮腫(むくみ)治療剤です。
利尿作用により、高血圧および浮腫(むくみ)を改善します。スピロノラクトンには、カリウムを保持しながら体内の余分な水やナトリウムを排泄する特徴があり、単剤または他の降圧薬や利尿薬と併用されます。
スピロノラクトンは抗アルドステロン作用を有するカリウム保持性利尿薬です。一般的な利尿薬にみられるカリウムの排泄を抑制するため、カリウム低下に伴う筋力低下や筋肉のけいれんなどの症状をきたしにくいという特徴があります。他の降圧薬と比較すると、スピロノラクトンの血圧低下作用は弱めですが、低カリウム血症のリスクを軽減できるメリットがあります。サイアザイド系やループ系などの一般的な利尿薬のリスクを軽減する目的で、併用されることが多いです。
血圧の上昇は血管の収縮または血液量の増加により引き起こされると考えられます。スピロノラクトンは体内の水とナトリウムを尿として排出することで血液量を調節し、血圧を低下させます。症状として軽度から中等度の高血圧を起こす原発性アルドステロン症の治療に高い有効性が認められており、第一選択とされています。
むくみの改善には、原因となる体内の過剰な水分を利尿作用により体外に排出することで効果を示します。うっ血性心不全(心性浮腫)や腎性浮腫、悪性腫瘍に伴う浮腫および腹水などさまざまなタイプのむくみに対応しています。特に肝硬変に伴う腹水に対してスピロノラクトンはよく使用されています。
適応外ではありますが、ニキビ治療にスピロノラクトンが使われることもあります。
スピロノラクトンには、皮脂の分泌を促すアンドロゲンというホルモンの働きを抑える効果もあります。アンドロゲンが優位になると、皮脂が過剰に分泌されてニキビができやすくなります。スピロノラクトンでホルモンバランスを整えることで、ニキビ肌の改善が期待できます。
スピロノラクトンは腎臓におけるナトリウムの再吸収を抑制します。
スピロノラクトンは副腎皮質ホルモンのアルドステロンと拮抗する働きがあります。
アルドステロンは腎臓の尿細管においてナトリウムの再吸収を促進します。スピロノラクトンの作用によりアルドステロンの働きが阻害されると、ナトリウムの排泄が促進されます。ナトリウムと一緒に水も体外に排出されますので、血管を圧迫している血液量が減って血圧が低下します。体内の水分量が減ると血圧のみでなく、むくみの改善にも繋がります。
スピロノラクトンの臨床成績から高血圧や浮腫の症状に有効性が認められています。
臨床試験において、スピロノラクトンは原発性アルドステロン症・高血圧症・うっ血性心不全などの浮腫を伴う疾患に対して有効性が確認されています。臨床試験ではスピロノラクトンを含有している先発薬アルダクトンA錠25mgを使用し、各疾患に対して有効性を示した被験者の割合を有効率として算出しています。
原発性アルドステロン症に対する有効性
疾患名 | 有効率 | 有効例数 |
---|---|---|
原発性アルドステロン症 | 94.1% | 174/185 |
原発性アルドステロン症は、症状として血圧上昇を生じる疾患です。他の病気によって引き起こされる高血圧症は二次性高血圧と呼ばれ、その改善には原因となった疾患の治療が不可欠です。スピロノラクトンは、二次性高血圧の代表的な原因疾患である原発性アルドステロン症に対して、非常に優れた有効性が確認されています。
原発性アルドステロン症では、時に低カリウム血症やむくみの症状が現れることもあります。これらの症状にも効くスピロノラクトンは、原発性アルドステロン症に対する優れた治療効果が期待できます。
高血圧症に対する有効性
疾患名 | 有効率 | 有効例数 |
---|---|---|
本態性高血圧症 | 58.5% | 314/537 |
腎性高血圧症 | 23.1% | 3/13 |
妊娠性高血圧症候群(旧:妊娠中毒症) | 90.1% | 9/10 |
本態性高血圧症は血圧上昇の原因となる疾患がなく、原因がはっきりしない状態を示します。全ての高血圧症の90%が本態性高血圧症とされています。腎性高血圧症は腎血管や腎実質の障害により生じるもの、妊娠高血圧症候群は妊娠時の血圧上昇を示します。
むくみを伴う疾患に対する有効性
疾患名 | 有効率 | 有効例数 |
---|---|---|
肝硬変 | 81.8% | 320/391 |
うっ血性心不全 | 81.2% | 249/261 |
ネフローゼ症候群 | 77.1% | 27/35 |
突発性浮腫 | 90.9% | 10/11 |
スピロノラクトンはむくみの症状がみられる肝硬変やうっ血性心不全などの改善に優れた有効性を示しています。臨床成績によると、肝硬変症に対して81.8%の有効性が認められており、主症状である腹水の改善に効果的です。
アルダクトンを先発薬とした高血圧症の薬の有効成分として配合されています。
- スピロノラクトンが配合されている高血圧症治療剤
- 先発薬:アルダクトン(アリ・レイフ)
スピロノラクトンの副作用
副作用
食欲不振、吐き気、嘔吐、口の渇き、下痢、便秘、倦怠感、動悸、発熱、過敏症(発疹、じんま疹)、女性型乳房、乳房の腫れ、性欲減退、陰萎、多毛、月経不順、無月経、閉経後の出血、音声低音化などが生じることがあります。
重大な副作用
急性腎不全、高カリウム血症、催不整脈、代謝性アシドーシス、低ナトリウム血症、中毒性表皮壊死融解症、スティーブンス・ジョンソン症候群。
副作用の症状 | 発現数 | 発現率 |
---|---|---|
高カリウム血症 | 19例 | 4.34% |
女性型乳房 | 13例 | 2.96% |
BUN上昇 | 8例 | 1.83% |
倦怠感 | 3例 | 0.68% |
低ナトリウム血症 | 3例 | 0.68% |
しびれ感 | 2例 | 0.45% |
胃部不快感 | 2例 | 0.45% |
食欲不振 | 2例 | 0.45% |
発疹 | 2例 | 0.45% |
乳房腫脹 | 2例 | 0.45% |
不正性器出血 | 2例 | 0.45% |
スピロノラクトンの副作用として多くみられているのは高カリウム血症です。スピロノラクトンにはカリウムを保持する作用がありますので、まれに体内のカリウム濃度が上昇して高カリウム血症を起こすことがあります。スピロノラクトンの副作用は減量または休薬することで自然と治まっていく場合がほとんどです。
女性型乳房が発現した場合では、スピロノラクトンの使用を中止すると通常1〜2ヶ月ほどで消失します。
ごくまれに高カリウム血症や急性腎不全などが現れることがあります。息切れや脈の乱れ、手足のしびれなどがあると高カリウム血症が疑われます。尿が少ない・出ない、むくみ、尿が濁っているなどがあると急性腎不全が疑われます。該当する症状がみられた場合には、スピロノラクトンの服薬を中止して医師の診察を受けてください。その他にも重い皮膚症状や粘膜障害などが低頻度で起こる可能性があります。
- 使用に注意が必要な人
- <心疾患のある高齢者、重篤な冠硬化症または脳動脈硬化症の患者>
上記疾患に該当する場合、脳梗塞や心筋梗塞が誘発されるおそれがあります。少量から服用を始めてください。スピロノラクトンが利尿を促すことにより、臓器循環血液量の減少および血液の濃縮が起きて、血栓が生じることがあります。 - <重篤な腎障害の患者>
腎機能の悪化や高カリウム血症が現れるおそれがあります。 - <減塩療法時>
減塩治療中は体内の水分・電解質(イオン)が減少している場合があります。その状態でスピロノラクトンを服用すると低ナトリウム血症や脱水症状を起こすリスクが高くなります。 - <高齢者、肝障害のある患者>
上記に該当する患者は、肝機能が低下している可能性があります。スピロノラクトンは主に肝臓で代謝されるため、注意して服用してください。
- 併用注意薬
- <降圧作用のある薬>
ACE阻害剤、カルシウム拮抗剤、β遮断薬、利尿降圧剤など。
高血圧症の改善に使用されます。スピロノラクトンと相乗して降圧効果が強くなり過ぎる可能性があります。ACE阻害薬など一部の降圧薬はカリウム値を上昇させることがあり、高カリウム血症が引き起こされることがあります。 - <非ステロイド性消炎鎮痛剤>
インドメタシン、ジクロフェナクなど。
抗炎症作用や鎮痛作用があります。スピロノラクトンなどのカリウム保持性利尿薬の降圧作用を減弱させることがあります。腎機能障害患者では重度のカリウム血症が報告されています。 - <カリウム製剤、シクロスポリン、ドロスピレノン>
血中のカリウムを増やす作用がある上記薬剤は、スピロノラクトンとの併用により高カリウム血症を誘発するおそれがあります。 - <ノルエピネフリン>
急性低血圧やショック時の補助治療などに使われる血圧上昇剤です。スピロノラクトンはノルエピネフリンの血管反応性を低下させることがあります。 - <乳酸ナトリウム>
電解質補液の電解質補正や代謝性アシドーシスの治療に用いられます。併用により乳酸ナトリウムのアルカリ化作用が減弱することがあります。 - <塩化アンモニウム、コレスチラミン>
塩化アンモニウムは電解質補液の電解質補正に、コレスチラミンは高コレステロール血症の治療に使用されます。上記薬剤とスピロノラクトンを併用すると代謝性アシドーシスを発症することがあります。 - <ジゴキシン、メチルジゴキシン>
心臓の収縮力を強くして脈をゆっくりにする強心薬です。スピロノラクトンが上記薬剤の腎排泄を抑制することで血中濃度を上昇させることがあります。 - <ジギトキシン>
うっ血性心不全や頻脈などの改善に用いられる強心薬です。スピロノラクトンとの併用により作用が減弱または増強するおそれがあります。 - <炭酸リチウムなどリチウム製剤>
躁状態を落ち着かせる躁病治療薬です。スピロノラクトンがナトリウムの排泄を促進することで、リチウムの貯留が促進されてリチウム中毒を起こすおそれがあります。
- スピロノラクトンと関連する成分
- アムロジピン
高血圧治療の第一選択薬として用いられるカルシウム拮抗薬で、ゆっくりと効き始め、長時間作用するのが特徴です。血糖や尿酸、脂質などに悪影響を与えません。 - ニフェジピン
血圧を下げる効果が強い特性があり、臓器への血流を保持する働きにも優れた高血圧症・狭心症治療薬です。血管を拡張させる働きによって、血圧の上昇を抑えます。 - テルミサルタン
血管の収縮を抑制することで降圧効果を示す高血圧症治療剤です。アンジオテンシンII受容体拮抗薬の一種で、比較的副作用が少ないとされています。服用から24時間効果が持続します。 - バルサルタン
アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬と呼ばれる高血圧症の治療薬です。1回の服用で24時間効果が持続します。心不全、糖尿病、腎臓疾患などの患者の高血圧治療に適した降圧剤です。 - オルメサルタン
血管を収縮させるアンジオテンシンの働きを阻害する作用で血管拡張を促す受容体拮抗剤です。高血圧症の治療に用いられ、特に本態性高血圧症に対して高い有効性が確認されています。 - ロサルタン
1日1回の服用で降圧効果が24時間持続する降圧剤です。アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬の一種ですが、尿酸を低下させる作用があり、高尿酸血症を合併している高血圧症の治療に適しています。 - ペリンドプリルエルブミン
アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬に分類される高血圧症治療剤です。降圧効果の他に臓器の保護や糖尿病の改善などの付加的な効果があります。 - ビソプロロールフマル酸塩
心不全や頻脈、狭心症、心筋梗塞後に伴う高血圧症の治療に適した降圧剤です。ノルアドレナリンとβ1受容体の結合を妨げる働きをするβ遮断薬です。